とある神器持ちの異世界旅行日記   作:ウメ種

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原作6話と7話が私の頭の中で逆転していた。
本当にすみません……修正しないでこのまま逝きます(ぉぃ


リリカル5(白龍日記)

 L月O日

 

 この世界は、本当に俺達の居た世界と変わらない。

 兵藤一誠は、家や知った学校が無いことに多少驚いていたが。

 それに、美味い店も多い。

 今度、徹にも教えてやろう。

 もしこの世界に自由に来れるようになるなら、美猴やデュリオにも教えていいかもしれない。

 それにしても、フェイトも食べるのが好きだとは驚いた。

 子供だから、沢山食べるのはいい事だ。

 だが、甘い物ばかりでは身体によくない。

 ……これでは子守だな。

 

 それと、俺達の事。オーフィスの事を聞かれた。

 どんな関係かは――難しい所だが。

 宿敵と、友と、その家族。俺はそう思っている。

 フェイトも、オーフィスの事を気にしてくれているようだ。

 仲良くしてほしい。

 それにしても、見た目は確かに同年代だが、中身が想像もつかないほど永い時を生きたドラゴンだと知ったらどう思うだろうか?

 まだ教えていない。

 二人が揃っている時が良いだろうと思ったからだ。

 その時が楽しみだ。

 アルビオン、ドライグともよく話してくれる。

 良い娘だと思う。

 

 

 

 L月P日

 

 やはり、『ジュエルシード』にはいくつかの不明な点がある。

 願いを叶える。

 確かにそうだ。

 だが、その願いを歪んだ形で叶えてしまう。

 大きくなりたいと願った猫が、俺達が見上げるほどの巨大さを手に入れた。

 ――プレシアは、この歪んだ宝石で何を願うのだろうか?

 まぁ、今は徹とオーフィスが傍に居るから、そう妙な動きも出来ないだろうが。

 俺達を利用しているつもりだろうが、ただで利用されるつもりは無い。

 まずは一個。

 猫の願いを叶えた『ジュエルシード』を確保した。

 放出する魔力は強大だが、俺の『神器』の能力も効く事を確認した。

 問題無い。兵藤一誠が戦い、俺が魔力を奪い、フェイトが封印する。

 アルフはフェイトの護衛――取り敢えず、今のところはこれで安定して戦える。

 

 それにしても、この世界の魔法使いの力量は中々悪くない。

 フェイトに――今日会った白い魔法使い。

 まぁ、相手は子供だ。楽しむのも無粋か。

 まずはさっさと『ジュエルシード』を集めてしまおう。

 何かあるにしても、それからだ。

 

 

 

 L月Q日

 

 最近、料理が楽しいと徹が言っていた。

 何をやっているんだか……。

 まぁ、プレシアの相手は徹に任せよう。

 俺達よりも、徹の方が警戒されないだろうしな。

 『神器』を使わないなら、本当に普通の人間なのだし。

 何かあってもオーフィスが傍に居る。

 徹に危害が加えられるようなら、オーフィスが動くだろう。

 こちらは、『ジュエルシード』を集める事に集中しよう。

 

 それと、徹に触発されてか、フェイトが料理に興味を持っていた。

 いい事だと思う。

 プレシアに食べさせたら喜ぶだろうか、か。

 どうだろうか。

 ……フェイトは、強いな。

 危険は少ないとはいえ、魔法を使っての戦いは痛みが伴う。

 だというのに、母親の為に前線に出てきている。

 怖いだろうに。

 フェイトは料理の基礎を教わっていた。

 リニスという、昔一緒に暮らしていたメイドにだそうだ。

 『時の庭園』にリニスというメイドは居なかった。

 辞めたのか、それとも――。

 

 

 

 L月R日

 

 フェイトが先日の魔法使いにやり過ぎた事を気にしていた。

 俺達は敵だから、と割り切れるが、フェイトにはまだ難しいか。

 それに、フェイトは心が優しいのだろう。アルフがそう言っていた。

 これから先、おそらく『ジュエルシード』は奪い合いになる。

 その優しさが、フェイトを傷付けなければいいが。

 ――そもそも、戦場で優しさを見せてしまう子供が戦うのが問題なのだが。

 フェイトを止めようとしたが、ダメだった。

 プレシアに褒めてもらう為、か。

 ……プレシアはフェイトを褒めるだろうか?

 

 兵藤一誠は褒めると言った。

 母親だから、と。

 ――そうだと良いな。本当に。

 それと、俺の料理よりフェイトの料理の方が美味いと言われた。

 兵藤一誠とアルフから。

 ……そうか。

 

 

 

 L月S日

 

 『ジュエルシード』は純粋な願いに呼び寄せられるのかもしれない。

 人間と獣では、願の質が違う。

 先日もそうだったが、今日も犬の願いを叶えた『ジュエルシード』を確保できた。

 アルフの願いなどで呼べないだろうか?

 怒られたが、中々に悪くない案だと思う。……駄目だろうか。

 だがこれで二つ目だ。

 もう少し早いペースで確保したいが、発動するまで発見できないのでは、ペースを上げるのも難しい。

 一応、日中は町を散策して探しているのだが。

 もどかしいな。

 

 プレシアとしては、予想していたより速いペースのようで、フェイトを褒めていた。

 驚いた。

 あの女が、フェイトを褒めるとは。

 ……俺が気にし過ぎなのだろうか。

 父と俺。自分の昔を重ねすぎているだけなのかもしれない。

 それならそれでいい。

 願いを叶える宝石か。

 ――歪んだ形ではなく、正しい意味で叶えてくれればいいのだが。

 

 

 

 L月T日

 

 兵藤一誠が、商店街で温泉宿への旅行券を当てていた。

 変な所で運が良いな、あいつは。ドライグも呆れていた。

 徹達も誘いたかったが、流石にそれは無理か。

 報告だけして、明日から温泉宿に行く事になった。

 息抜きも必要だろう。特にフェイトには。

 海鳴に来てから、『ジュエルシード』を集める事に固執している。

 ずっとという訳ではないが、何時疲れが出るかも判らない。

 息抜きも必要だ。

 もしかしたら、温泉宿の方で『ジュエルシード』が見つかるかもしれないしな。

 『ジュエルシード』を集める事でプレシアがフェイトという個人を見るのなら、その為にあの歪んだ宝石を集めるのも悪くない。

 不思議と、そう思う。

 ――俺は、プレシアとフェイトの関係をどうしたいのだろうか。

 

 

 

 L月U日

 

 新しい『ジュエルシード』は見つからなかったが、白い魔法使いと会う事になった。

 運が良いのか、悪いのか。

 同じ温泉宿に泊まっているとはな。

 それにしても、戦い辛い。

 特に、俺よりも兵藤一誠が『神器』の特性上、そして今までの経験上、上手く動けないでいる。

 兵藤一誠は、今まで自分と互角か格上の相手と戦う事が多かった。

 実力的にも経験的にも、そして年齢的にも自分より下の者と戦った事が少ない。

 そして、『赤龍帝の篭手』の『倍化』の能力は、兵藤一誠ほどの実力者が使うと脅威だ。

 簡単に人間を傷付けてしまう。それ以上も――。

 良い機会だ。手加減を覚えろ、兵藤一誠。

 その兵藤一誠は、白い魔法使いの使い魔を吹き飛ばした事を気にしていた。

 もしこれから先も相対するなら、しばらくは俺が相手をした方がいいかもしれない。

 

 フェイトは、その白い魔法使いの事を気にしているようだ。

 同年代の魔法使いだ。思う所もあるのだろう。

 それに――中々に真っ直ぐな少女だった。

 戦い方も、性格も。

 ああいう性格は、好感が持てる。

 それに彼女の『デバイス』――『インテリジェントデバイス』。

 バルディッシュと同じ、意志を持つ魔法使いの杖。

 主人を守る為に『ジュエルシード』を俺達に渡してきた。

 ――もしこんな形での出会いでなかったら、フェイトとはいい友人になれたかもしれないな。

 

 

 

 L月V日

 

 全力で戦いたいな。

 昨日のフェイトと高町なのはの戦いを見て、少し気分が昂ぶっている。

 白い魔法使い。高町なのは。

 名前は温泉宿の受付員から聞いた。

 素性を調べようとしたが、この世界に伝手が無いので難しい。

 こういう事は、黒歌や美猴に任せていたのが悔やまれる。

 兵藤一誠も、不審者扱いされそうになっていた。

 

 徹の方は、上手くやっているようだ。

 相変わらず、人に信頼されるのが上手だと思う。

 プレシアの雰囲気も、随分柔らかくなっていた気がする。

 フェイトを褒めていたのだから。

 それに、初めて会った時より、随分顔色も良かった気がする。

 明日は『時の庭園』に戻る事になった。

 戻っている間に『ジュエルシード』が発現しても、高町なのはの技量なら、封印前に接触できるだろう。

 俺や兵藤一誠が本気になれば、だが。

 『ジュエルシード』よりも、プレシアとフェイトの関係に比重を置いている。

 ――まぁ、徹がプレシアに肩入れしているのだから、今はそれでいいか。

 帰るのが多少遅れても、だ。

 

 

 

 L月W日

 

 『時の庭園』に戻ってきている。

 集めた『ジュエルシード』も三つ。

 プレシアとしてはもっと集めてほしいようだが、何も言ってこなかった。

 それに、雰囲気が随分と柔らかい。

 俺や兵藤一誠が居るから、『ジュエルシード』集めにあまり焦りを感じていないのだろう。

 あの白い魔法使い――高町なのはも集めているようだが、脅威足り得ない。

 それも、プレシアの機嫌が良い一因だろう。

 問題無く『ジュエルシード』集めは進んでいる。

 

 

 

 L月X日

 

 せっかく『時の庭園』に戻ってきているが、相変わらずプレシアとフェイトの関係は良くない。

 最初の頃より少しはマシになったのかもしれないが、良くない。

 どうにかしたいと思うが、どうすればいいか判らない。

 俺はこんな時、父親から逃げていたから。

 逃げないフェイトを、眩しく思う。

 アルフはプレシアを嫌いだと言っていたが、それが普通だ。

 俺も嫌いなのだろう。――少なくとも、好きではない。

 実の娘に負の感情を向ける。そんな母親を、誰が好きになれるだろうか。

 だが、フェイトは違う。

 あの優しい少女は母親が好きで、母親の為に頑張っている。

 血の繋がりも絆も無い俺達よりも、プレシアという母親の事を知っているのに、信頼している。

 だからこそ辛いだろうに。

 それでも母親を信じている。

 

 

 

 L月Y日

 

 裸の付き合いか。

 確かに、温泉は悪くなかった。兵藤一誠も、あれ以来機嫌が良い。

 ……兵藤一誠はいつもか。いつも前向きだ、あいつは。

 

 だが、いきなりプレシアとフェイトを同じ風呂に入れるのは難しい。

 ――兵藤一誠にしては、良い考えだと思ったのだが。

 母と子を仲良くさせる。

 それがこんなにも難しいとは知らなかった。

 いや……俺が家族というものを理解できていないからだろう。

 信頼できる仲間や友は居る。

 だが――俺に家族は居ない。

 本当の意味での、血と絆で繋がった家族は、もう失くした。壊れてしまった。

 そんな俺が、他人の家族を気に掛ける事が間違いなのだろうか?

 

 

 

 L月Z日

 

 徹は凄いな。

 プレシアが、フェイトの作った朝食を褒めていた。

 本人は、フェイトが作ったとは知らなかったのだろうが、それでもフェイトは喜んでいた。

 俺は、昨日の兵藤一誠の考えすら思い浮かばなかったというのに。

 自分が作った料理だと言って、フェイトが作った料理をプレシアに食べさせる、か。

 良く思い付くものだ。感心する。

 今はまだ、あの朝食をフェイトが用意したと言ったら怒るだろうな。いや、無関心だろうか。

 どうにかして、プレシアの視線をフェイトに向けさせたい。

 その最初の一歩になれば、と思う。

 

 なんだろうな――プレシアが、フェイトの料理と知らなかったとはいえ、美味しいと言った事が嬉しい。

 俺はあの時、父親に嫌われないようにしてきた。

 だが、好かれようと行動していただろうか?

 あの時、徹のように助けてくれる、支えてくれる友が居たら……。そう思ってしまう。

 ――やはり、お前は凄いな、徹。

 明日からまた『ジュエルシード』集めだ。

 集めれば……プレシアはフェイトを褒めるだろうか?

 

 

 

 L月!日

 

 フェイトの調子がいい。

 ――良い事だ。この調子で、『ジュエルシード』を集めたい。

 このまま『ジュエルシード』を集める事が出来れば、もしかしたら――そんな期待がある。

 甘い考えだ。

 裏切られる――その不安もある。

 プレシア・テスタロッサは、その全てを話していない。

 『ジュエルシード』の事もそうだ。

 願いを叶える宝石。だがその願望は、歪んだ形で成就される。

 その事も、事前に教えられなかった。

 知らなかった? そんなはずはない。

 『ジュエルシード』という宝石の存在を知っていたのだ。どんなものかという情報も掴んでいたはずだ。

 それに、どうしてああまでフェイトを目の敵にするのかも。

 フェイトは、急に母親が変わったと言っていた。

 そんな事があり得るのか?

 何かあったと考えるのが普通だろう――だが、何があったのか、調べようも無い。

 この世界には頼れる仲間も、友人もいない。俺たちが信頼できるのは、俺達四人だけだ。

 俺達が出来る事は、今はただ『ジュエルシード』を集めるだけだ。

 元の世界に帰る為にも、だ。

 

 

 

 L月#日

 

 『時空管理局』という組織から接触があった。

 ――いきなり現れて拘束されたからか、兵藤一誠が反射的に行動したが。

 フェイトから聞いたが、この世界――『次元世界』の管理者を名乗る組織なのだそうだ。

 警察……治安維持部隊の意味合いが強いようだが。

 それに、重火器ではなく『デバイス』と魔法を使っていた。

 魔法使いの部隊。

 『禍の団』や『魔女の夜』とは違う、正規の戦闘集団という事だろう。この世界の、だが。

 面倒な事になりそうだ。

 兵藤一誠ではないが、ため息が出そうだ。

 まぁ、あいつの場合はやり過ぎて徹に怒られないか、という事で悩んでいるが。

 

 それにしても、いきなり拘束してきた相手も相手だが、流石にブーストした魔力弾はやり過ぎたかもしれないな。

 直撃の寸前に半減させたから生きてはいるだろうが、無事だといいな。

 防御結界も張っていたようだし。

 徹は人が死ぬのを嫌がるからな。

 そう言うと、兵藤一誠は頭を抱えていた。おそらく、内面ではドライグも。

 フェイトとアルフは、どうして兵藤一誠が徹の事で頭を抱えているか判らないようだった。

 そうだろうな。

 俺としては、笑うしかない。

 徹の本当の力を知ったら驚くだろうか? 驚くだろうな。

 まぁ、そんな事態にならないように俺達は動きたいのだが。

 取り敢えず兵藤一誠には、手加減を覚えてもらいたい。

 

 

 

 

 L月$日

 

 『時空管理局』の事をプレシアに報告した。

 ――よくも、黙っていたものだ。

 『ジュエルシード』。あの宝石はやはり危険だ。

 治安維持部隊と敵対行動をとったとなると、知らなかったとはいえ俺達も犯罪者として見られているだろう。

 いまさら「知らなかった」と説明しても、信じてもらえないだろう。

 むしろ、むざむざ自分から捕まりに行くようなものか。

 まったく……上手く使われたものだ。

 フェイトから謝られたが、知らなかったこっちが悪いのだ、気にする事ではない。

 これからは、悪魔らしく行動する事にした。

 殺しはしないが、さっさと『ジュエルシード』を集めさせてもらおう。

 プレシアは――とりあえず、徹とオーフィスに任せよう。

 流石に、あの二人相手に無茶は出来ないだろう。

 集め終ったら……色々と文句を言わせてもらおう。

 

 それと、兵藤一誠がドライグから怒られたそうだ。

 ドライグも、アルビオンと同じく徹に懐いているからな。

 怒られたくはないのだろう。

 

 

 

 L月%日

 

 

 昨日は『時空管理局』と事を構えてしまったので、今日は様子見で行動しなかった。

 偶には休みも必要だろう、とフェイトには言っておいた。

 ――どう動いたものか。

 相手は組織だ。人海戦術で動かれたら、面倒な事になる。

 戦えば勝てる。だが、『ジュエルシード』の争奪戦では不利になる。

 面倒になった。本当に。

 町に目立った動きも、魔力の発動も無かった。

 向こうはどう動くだろうか。

 後手後手に回るだろうが、しばらくは様子を見ながら行動するしかないだろうな。

 力で捻じ伏せるにも、相手の戦力も規模も判らない。

 

 フェイトが、料理を作ってくれた。

 以前聞いた、リニスというメイド――使い魔から習った料理だそうだ。

 美味しかった。

 リニス――プレシアの使い魔だった山猫。フェイトの魔法の師。

 居ないという事は、今はもう……そういう事だろう。

 

 さて、どこまでプレシア・テスタロッサを信用したものか。

 フェイトに俺達を騙せるような器用な真似が出来るとは思わない。

 アルフもだ。

 とりあえず、兵藤一誠の言う通り、『ジュエルシード』を集めるか。

 まだ情報が足りない。

 プレシア、フェイト、『時空管理局』、『ジュエルシード』。

 この世界にしがらみが無い俺達は、誰に付き、何の為に動くべきだろうか。

 

 




ヴァーリ君は良いお兄ちゃん。……になれるような気がする

フェイト「――ヴァーリお兄ちゃん」

ヴァーリ「なんだ、フェイト?」

……和む(*´ω`*)
プレシアさんは、改心した後に謝れば許してもらえると思う。
このメンツは、その辺りあんまり気にしないだろうし。
誠心誠意謝れば許してくれる人たちだと思う。徹君に危害を加えなければ(ボソッ
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