とある神器持ちの異世界旅行日記   作:ウメ種

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絶望「(´・ω・`)ノ<よう」


リリカル6(白龍日記)

 M月A日

 

 初めて『ジュエルシード』の暴走を見たが――凄まじいな。

 高町なのはの使い魔が言っていた、使い方を間違えたら世界を滅ぼすというのも、あながちウソではないようだ。

 アルビオンの『半減』の力で対応できたが、これが二十一個揃って暴走となると、確かに事だ。

 だが、確かにあの程度は必要なのかもしれない。グレートレッドをこの世界に呼ぶためには。

 フェイトとアルフは、精神的に疲れていた。

 世界を滅ぼしかねない魔力だ、子供が目の当りにしたら、確かに精神的に辛いものがあるだろう。

 ……オーフィスはアレを軽く凌駕する魔力を放てるが。

 慣れとは恐ろしいな。本当に。

 

 今回の『ジュエルシード』封印の際、フェイトのバルディッシュが破損した。

 何度か『半減』したとはいえ、バルディッシュの許容限界以上の魔力を発していたようだ。

 プレシアの所へ行かせたが、アルフと二人で大丈夫だろうか。

 まぁ、徹とオーフィスも居るから、問題無いだろう。

 というよりも、アルビオンとドライグが心配している事は別だったが。

 今回の事は、フェイトが望み、高町なのはと接触する事を願ったからだ。

 確かにフェイトに無理をさせたから、その事で徹から何か言われる――かもしれないが。

 

 

 

 M月B日

 

 今日は色々と情報が手に入った。

 町で『ジュエルシード』を探していたら、『時空管理局』から接触があった。

 向こうは頭となる女性――リンディ・ハラオウン一人だったが。

 この世界では俺達レベルの戦士はかなりの脅威のようだ。

 先日兵藤一誠が反射的に殺し掛けた少年も、管理局では若いながら、それなりの実力者らしい。

 それを、出会い頭に吹き飛ばしたのは失敗だった。目立ち過ぎたな、兵藤一誠。

 元の世界だと、俺や兵藤一誠レベルの者は多い。

 俺達よりも強いヤツも数多くいる。

 ああまで警戒していたが、オーフィスを見たらどう思うだろうか?

 

 『ジュエルシード』の危険性、俺達の『神器』の事、『時空管理局』としての対応。

 俺達としては、『ジュエルシード』を集めたら元の世界に帰る。

 ――その場合、残されたフェイト達はどうなるだろうか?

 面倒だな。

 さて、どうしたものか。

 それにしても、この世界では『神器』の事を『ロストロギア』というそうだ。

 『ジュエルシード』もその『ロストロギア』となるらしい。

 

 それと、フェイトは今日戻ってきた。

 プレシアの『デバイス』修理の技術は相当高いようだ。

 アルフが言うには、昨日徹夜で修理したそうだ。

 ……随分と丸くなったように思うのは、俺だけだろうか?

 アルフも驚いていたが。

 まぁ、フェイトが喜んでいるなら、それでいいか。

 

 

 

 M月C日

 

 フェイトと俺、アルフと兵藤一誠に分かれて『ジュエルシード』を探した。

 見つからなかったが。

 それと、俺と兵藤一誠が昨日『時空管理局』と接触した事は黙っておくことにした。

 フェイトを疑う訳ではないが、どこからプレシアに気付かれるか判らない。

 別に裏切るつもりは無いが、プレシアは管理局の事を黙っていた。

 管理局がどういう組織化は少しは理解したが、プレシア本人にも思う所があるのだろう。

 なら、聞かれるまでは黙っていようと思う。この程度の事で疑われるのも面倒だ。

 

 アルフには内緒にして、フェイトに甘い物を奢った。

 偶には良いだろう。

 小さいのに何時も頑張っているから、と。

 

 

 

 M月D日

 

 高町なのはが『時空管理局』局員と一緒に行動していた。

 リンディ・ハラオウンが勧誘したのか、あの少女が自分から志願したのか。

 どちらにしても、『ジュエルシード』を探すなら、またあの少女とぶつかる事になるだろう。

 ……あまり良い事ではないのかもしれないが。

 俺達が管理局員を相手にするなら、あの少女の相手はフェイトになるだろう。

 そして、フェイトもあの少女と戦う事を望んでいる。

 先日の温泉の時、『ジュエルシード』が暴走した時――何か思う事があったのかもしれない。

 フェイトが自分の意志を出すのは良い事なのかもしれないが、それが戦いの事とは――。

 複雑だな。

 アルフと二人、頑張るしかないな。

 兵藤一誠は……戦いに集中しろ。

 手加減を失敗しても、面倒は見きれない。

 

 

 

 M月E日

 

 俺達が『ジュエルシード』を探している間に、徹とオーフィスが海鳴に来たと言っていた。

 呼べば合流したのだが。

 翠屋のシュークリームを食べたと言っていた。

 アレはかなり美味いからな。

 オーフィスも喜んでいたようだ。あと、プレシアも。

 驚いた。――随分丸くなったな、あの女も。

 俺達も、今日は全員でシュークリームを食べた。美味しかった。

 

 

 

 M月F日

 

 どうにも動き辛い。

 管理局もこちらを警戒しているのか、纏まって行動しているから探索が進まない。

 フェイトとアルフが居るから、俺達も分かれての探索が難しい。

 なので、今日は動かなかった。

 これで少しは警戒を緩めてくれただろうか?

 

 兵藤一誠の案を採用する事にした。

 探索は『時空管理局』に任せ、連中が見付けたら俺達が『ジュエルシード』を奪う。

 悪くない案だ。

 まずは『ジュエルシード』を集める。

 元の世界に帰るには、あれが必要なのは変わらない。

 その後は、『ジュエルシード』を渡すなりすれば……何とかならないだろうか。

 ――プレシアがどう動くかが判らない。それが一番の問題なのだが。

 

 

 

 M月G日

 

 『時空管理局』が見付けた『ジュエルシード』を奪うことに成功した。

 封印できるのがフェイトだけなのでフェイトへの負担が多いが、効率は悪くない。

 高町なのはとは接触しなかったのも、良かった。

 フェイトはあまり戦わせたくない。

 ……母親の為に頑張っているのだ。そこに戦いは必要無い。

 

 

 

 M月H日

 

 今日は『ジュエルシード』が見つからなかった。

 管理局側も探索を急いでいるらしく、今日も探していた。

 俺達の狙いを理解しているのだろうが、それでも探すしかない。

 連中は次元世界を『管理』していると言うのだ、その世界を危機に晒す『ジュエルシード』はどうあっても自分達の手で集めなければ、という思いがあるのだろう。

 その熱意は素晴らしいと思うが、せいぜい利用させてもらうとしよう。

 こちらは人数が少ないので、人海戦術は正直助かる。

 

 フェイトとプレシアの関係は、少しは改善しているのだろうか?

 ……俺達がこの世界に来た時間など、フェイトたちが過ごしてきた時間に比べたら微々たるものだろう。

 だが、恐らくプレシアは少しずつ変わってきている。

 少なくとも、初めて会った頃のような冷たい目をフェイトに向けなくなった。

 本人がその事に気付いているかは判らないが――。

 フェイトも、笑顔が増えた。

 アルフの愚痴も減った。

 このまま『ジュエルシード』を集め終えれば……それは、甘い考えか。

 

 

 

 M月I日

 

 今日も、『ジュエルシード』を二つ見付ける事が出来た。

 見つけたのは、俺達ではないが。

 兵藤一誠も、随分と手加減が上手になった。

 ドライグと精神世界で修行したのだそうだ。

 今回の戦闘ないようにも、満足していた。

 まぁ、手加減が上手になれば徹も喜ぶだろうな。

 ――俺は相手の魔力を『半減』し、無力化するだけだ。

 何か修行が必要か? アルビオンも修行したいそうだが、正直、必要性を感じない。

 ここしばらく『極覇龍』になっていないからか、どこかで暴れたいものだ。

 そういう意味では、修行というのも悪くないのかもしれない。

 ……この世界で『極覇龍』になろうものなら、『時空管理局』にどれだけ警戒されるか判ったモノではないが。

 魔法使いのバリアジャケットの代わりに『禁手』の鎧を纏っているが、アレも必要無い程度だし。

 

 

 

 M月J日

 

 海の底に『ジュエルシード』が沈んでいるようだ。

 ……どうしたものか。

 流石に海に潜って探すのは、骨が折れそうだ。

 取り敢えず、今日は俺とフェイトが見張りをして、兵藤一誠とアルフには管理局側を監視させた。

 進展は無かった。

 どうしたものか。

 今日は、変なタイ焼きを食べた。チョコ味だった。

 タイ焼きの中身は粒あんだろう。

 フェイトには好評だったが。

 今度、粒あんのタイ焼きを食べさせようと思う。

 

 

 

 M月K日

 

 アルビオンが拗ねた。ドライグが徹に褒められたからだ。

 宿主である俺達より、徹の方を優先しているような気がするのは気のせいだろうか?

 まぁ、別にいいが。徹もアルビオンも、俺にとっては大切な存在だ。

 それにしても、褒められたのは兵藤一誠であって、ドライグではないのだが。

 海に潜って『ジュエルシード』を確保したのが良かったようだ。

 昨日、俺が潜れば、と文句を言っていた。

 ――別に、潜っても良かったのだが。

 まぁ、褒められたいなら、行動で示せばいい。

 

 

 

 M月L日

 

 海の『ジュエルシード』も管理局には気付かれている。

 どうやって探したものか――。

 まぁ、俺か兵藤一誠が見張っていれば連中も無理に探す事が出来ない。

 時間はある、何か策を考える事にする。

 取り敢えず、今日は俺が見張りをした。

 いい天気だった。

 釣りをした――今度、美猴と釣りの勝負をしよう。

 勝てる気がする。自信がついた。

 

 今日の晩御飯は、俺が釣った魚を焼き魚にした。

 新鮮な魚は刺身が良いらしいが、誰も魚を刺身用に捌けなかった

 海鳴という名前だけあって、魚が美味かった。

 

 

 

 M月M日

 

 フェイトから、海中の『ジュエルシード』を確保する案が出た。

 魔力をぶつけて、無理矢理発動させる。

 俺が『ジュエルシード』の魔力を『半減』させた後に確保する。

 悪くない案だ。

 俺の心配をしていたが、問題無い。

 

 おそらく、これを集め終ったら、俺達は元の世界に帰る。

 フェイトに泣かれた。

 優しいな、あいつは。

 この関係も、もうすぐ終わる。

 『ジュエルシード』を集め終ったら――プレシアは、フェイトを見るだろうか?

 あの母親は、娘を見るだろうか?

 俺達は、元の世界に帰る。

 ただ――それだけが、心配だ。

 

 

 

 M月N日

 

 今、『時空管理局』の戦艦、アースラに居る。

 プレシア・テスタロッサ。

 SSクラス魔導師で、フェイト・テスタロッサの生みの親。

 生みの親――母親とも言えるし、他人……と言えるのだろうか。

 なるほど、と思う。

 なぜあれほど、プレシアがフェイトを拒絶していたのか。受け入れなかったのか。

 俺達が来るまで――アルフに聞いた話だが――フェイトに冷たく当たっていたのか。

 

 アリシアの代わりとして、フェイトは産まれた。

 造られた、と言えるのだろう。リンディ・ハラオウンに聞いたが、プレシアはそういう技術を持っているらしい。

 何故このタイミングで、と思わなくもない。

 理由は――なんとなく判るが。

 海上で『時空管理局』と『ジュエルシード』の争奪戦を行った。

 俺と兵藤一誠が管理局を抑え、フェイトとアルフが、高町なのはとその使い魔と戦った。

 その最中に、フェイトはプレシアの雷撃に落された。

 『半減』はしたし、兵藤一誠が庇ったが、相当なダメージのようで、まだ眠っている。

 それに――プレシアの『告白』も随分と堪えたようだ。

 自分が普通の人間ではなく、アリシアという少女のクローンだと。

 不器用だな、本当に。

 プレシア・テスタロッサ。

 お前は表情が豊かになった。感情が隠せなくなった。

 ――お前の傍に徹が居てくれて良かったと思う。本当に。

 

 

 

 M月O日

 

 俺達は悪魔だ。

 悪魔は悪魔らしく、暴れさせてもらった。

 全力ではなかったが、中々に楽しかった。

 『悪役』には悪魔が丁度良い。

 『禁手』で叩きのめし、『極覇龍』と『真紅の赫龍帝』まで見せてやった。

 『時空管理局』はあの世界では“正義”なのだろう。

 だが、母親と娘の喧嘩に割り込むのは無粋すぎる。

 オーフィスも前線に出て、グレートレッドまでもがこの世界を見つけ、姿を現した。

 俺達ですら脅威と感じていた連中だ、『無限』と『夢幻』はどう見えただろうか?

 それを確かめられなかったのが、心残りと言えば心残りか。

 

 ――俺達が、プレシア達を利用した。

 プレシア達から『ジュエルシード』の情報を手に入れ、グレートレッドをこの世界に召喚した。

 まぁ、脚本としてはそんな所だ。

 ちなみに、演出家は上代徹。

 どうやって集めたのか、二十一個の『ジュエルシード』を手元に集め、纏めて暴走させた。

 そうやって、グレートレッドが通れるだけの『虚数空間』を創り出した。

 ……相変わらずデタラメだな。

 目的としては――管理局を混乱させたかった、といった所か。

 その辺りは、プレシアが上手くやってくれるだろう。

 アレも犯罪者だったそうだが、今回は“悪魔から世界を救った”側だ。

 それに、フェイトとアリシアは完全に被害者。

 リンディ・ハラオウンとクロノ・ハラオウンの人となりも、決して悪い訳ではないようだった。

 

 ――プレシア。いきなり母親になれとは言わない。

 お前の性格だ、それが難しいだろうという事くらいは、判っている。

 ただ、フェイトを見てやってくれ。目を逸らさないでやってくれ。

 あの少女は、とても優しい。

 ……お前が真実を告げた後も、母親を心配するほどに。

 だから――今ではなくいつか、家族として、接してやってほしい。

 それだけが、俺の願いだ。

 お前と、フェイトと、アリシアと、アルフ。

 お前たちが家族として過ごす――それが、俺の願いだ。

 

 

 

 M月P日

 

 徹の家族に怒られた。

 ……道に迷ったのは、俺達の所為ではないのだが。

 心配させたのは悪いと思う。だが、納得がいかない。

 アザゼルからも怒られた。

 今度から、異世界に行く時は一言言えとの事だ。

 どうやって伝えればいいのか……難しい事を言ってくれる。

 

 そういえば、アリシアの事を徹に聞いたら「ジュエルシードが願いを叶えた」と言っていた。

 ……相変わらずだな、あいつは。

 プレシアにも同じ事を言ったそうだ。

 『ジュエルシード』が願いを叶えた、か。

 悪くないな、ああ。お前らしい答えだ、本当に。

 




果たしてリリカル勢で、戦うだけで『世界』をいくつか壊しそうなこのメンツを相手にできるのか。
取りあえず、無印では無理だろうなぁ……。Asに期待。
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