……救いがねぇなorz
謎のモブ日記。
リリカル世界とD×D世界では、致命的に違うことがあります。
『非殺傷設定』? あ、徹君の事ですね(しろいめ
L月V日
少し、緊張している。
もうすぐ『第97管理外世界』に到着する。
仕事内容は把握しているが、どうにも気が重い。
『ロストロギア』の探索。その確保。
先ほど艦長からも改めて伝えられたが、やはり『ロストロギア』が関わるとなると緊張してしまう。
『第97管理外世界』から、相当危険なレベルで『次元震』が確認されたそうだ。
その仕事内容に不満は無いが、『ロストロギア』が関わる仕事には危険が多い。
管理局で働いているのだから、危険なのは当たり前だが……出来れば安全に終わってほしい。
『ロストロギア』なんて碌な物じゃない。
パトロール中に嫌なクジを当ててしまったもんだ。
まぁ、本当に『ロストロギア』で、無事に確保できたらボーナス確定だろうが。
当たりクジ、と言えると良いんだが。
L月W日
艦長から、最近休みを取ってないが大丈夫かと聞かれた。
むしろ、取る暇がないんですが。虐めですか。
まぁ、あの人はそんな裏は無くて、素で言ってるんだろうけど。
とれるかどうかわからないけど、この仕事が終わったら、休暇を取ろう。
取り敢えず、申請してみよう。
なぁに、こんな仕事、すぐに終わるさ。
L月X日
今日も昔話に付き合わされた。
ヴィラージュさんの昔話は、本当に長い。勘弁してほしい。
昔、どこかの次元世界で戦争屋をやってたとかで、その時命を助けてくれたメダルを見せてくるのだ。
質量兵器の攻撃で形が歪んでしまったメダルだ。
あの人の話は面白いが、話の内容が似通ってるのがなぁ。
つーか、流石にメダルじゃ魔法は防げんだろ。
そう言ったら、気の持ちようだと言っていた。
幸運のお守りなんだと。
だったら失くさないように、肌身離さず持ってろよ。
L月Y日
ちっ、羨ま――妬ましい。
同僚のヴォルツが、この仕事が終わったら休暇を取ると言っていた。
彼女と旅行に行くんだそうだ。○ねばいいのに。
食堂で嬉しそうに言いやがって……しかも、彼女の写真まで見せられた。
かわいい子だった。陸――ミッドの地上部隊に勤務しているオペレーターだそうだ。
俺も彼女が欲しいな……くそ。
管理局――しかも海じゃ出会いなんて少ないからなぁ。
稼ぎが良いから就職したし、多少の才能はあると思ってる。
だが、出会いが無いんじゃどうしようもない。
武装局員なんて、野郎がほとんどだからな……ちくしょう。
L月Z日
マジかよ!?
俺と同期のアクティの野郎、宝くじを当てやがった。
ミッドに戻ったら、飯を奢ってもらう約束をした。
良いなぁ――宝くじ当選なんて、都市伝説だとか思ってたわ。
今度から俺も買おう。
ちなみにアクティの野郎、その金で親孝行をするんだとか。
あの不良が、何を言いだすんだか……。
親御さんは大切にしろよ、ったく。
L月!日
ちくしょう。
食堂で飯を食ってたら、愛用していたコップが割れちまった。
あれ、結構長い間使ってて、大切にしてたのにな……。
俺が管理局に入った時に買ったヤツだからなぁ。今度、新しいのを買うか。
ツいてねぇなぁ……明日には『第97管理外世界』に到着するってのに。
L月#日
執務官がやられた。
なんだあの次元犯罪者は。
AAAランクのクロノ執務官が為す術も無く――殺されかけた。
殺傷設定、赤い全身鎧のバリアジャケット。
現地の魔導師――高町何とかとスクライアの子供からの情報だと『ジュエルシード』を集めている時空犯罪者だとか。
簡単な仕事だと思っていたってのに、殺し屋紛いの犯罪者と『ロストロギア』の争奪戦だと。
しかも相手は、AAAランクの執務官を、不意打ちとはいえ一撃で沈めるような奴だ。
もう一人、白い全身鎧の男も同クラスのレベルで警戒する事になった。
黒い子供もいたらしいが、そちらはちゃんと『非殺傷設定』の『デバイス』を使用しているらしい。
だからといって、油断できる相手ではない。
殺しに掛かってくるヤツだ……くそっ、楽な仕事だと思ったのに。
L月$日
クロノ執務官が目を覚ました。
オペレーターのエイミィなんか、泣くほど喜んでいた。
執務官が目を覚ましたのは嬉しいし、微笑ましいものを見せてもらった。
やっぱりデキたのかって話だが。
こんな状況だが、アースラ内での賭けに勝てて良かった。
ミッドに帰ったら、この金で何を買おうかな。
それと、昨日の連中の魔力ランクの測定が終わった。
黒い子供はAAAランク相当。これだって異常な数字だ。
昨日の高町何とかという現地の魔法使いもこれと同レベルなのだとか。
管理外世界には、偶に掘り出し物があるな。
まだ子供だが、何とかして管理局に来てもらいたいものだ。将来的に。
そうすりゃ、仕事が楽になる。
それよりも問題は、白と赤の全身鎧の二人だ。
白はSランク。赤はBランクなのだとか。
AAAの執務官を殺し掛けたやつがBランクなのも驚いたが、Sランクってなんだよ!?
しかも、向こうは殺しに掛かってくるんだ――どうしろってんだ。
というか、BランクがAAAランクの防御魔法を貫くってどういう状況なんだ?
……アレを相手にするのかと思うと、気が滅入る。
L月%日
艦長たちが、あの犯罪者連中をどう対応するか話し合っている。
その間、俺達は待機命令だ。
まぁ、こっちを殺しに来る連中が居るのに『ジュエルシード』を探しに行けと言われない辺り、助かるけど。
スクライアの連中が発掘した『ジュエルシード』は二十一個。
高町何とかが確保していたのが三つだそうだ。
あの連中は、一体いくつ確保しているのだろうか。
それにしても、アスコットは大丈夫だろうか。
アイツはまだ若いからな……犯罪者に殺されるなんて現実、確かに辛いだろう。
いきなり食堂で大声出して、部屋に閉じこもりやがって。
M月A日
なんだ、あの白い全身鎧の魔導師は。
『ジュエルシード』の暴走にも肝を冷やしたが、その魔力を吸収しやがった。
赤い全身鎧の魔導師も、Bランクとは思えない魔力を瞬間的に叩き出しやがった。
エイミィが言うには、あの赤い奴も一瞬だけならSランク相当の魔力を……。
俺達の間じゃ、嫌な話が出てきている。
あの二人の『デバイス』も『ロストロギア』なのでは、と。
事実、艦長の方も、ミッドチルダの方へ今回の件は『ロストロギア』が三つ関わっていると報告するか迷っているって小耳に挟んだ。
どうなるんだ、今回の件は。
M月B日
艦長が、あの白と赤の魔導師に会ったそうだ。
高町なのは――現地のAAAランク魔導師。
彼女の力を借りる為に『第97管理外世界』に降りたら、ばったりと。
一応、話が通じる相手だったようだが……心臓に悪い。
なんでも連中は、『ジュエルシード』がどういうモノかよく理解せずに集めているようだ。
危険すぎるだろ……願いを叶えるなんて眉唾物の噂が原因か。
しかも、艦長が説明し、止めるように言ってもやめないと言ったそうだ。
これだから次元犯罪者は――。
『ジュエルシード』が完全に暴走したら、この管理外世界の危機だけじゃ済まないってのに。
M月C日
高町なのはさんが俺達に手を貸してくれることになった。
経験も技術も粗削りだが、AAAランク相当の才能は、本気で助かる。
Sクラス相当の時空犯罪者相手では、俺達武装局員では荷が重すぎる。
経験や連携云々ではなく、魔力量に差があり過ぎるのだ。
俺達武装局員の平均ランクはB。
俺も、B+しかない。
情けない話だが、今のアースラの戦力であの連中に対抗できるのは、クロノ執務官だけだ。
そのクロノ執務官が、高町なのはさんを鍛えていた。
高町さんも、あの黒い少女に用があるらしく、やたらとやる気を出していた。
お蔭で、今日は疲れた。
……若い子に追い越されないように、真面目に働かないとな。
それに、子供が戦うっていうのも、どうにも格好悪い。
M月D日
今日は運良く、一つの『ジュエルシード』を見つける事が出来た。
赤と白と時空犯罪者とも遭遇しなかった。
だが、これからはこうも簡単にいかないかもしれない。
あの連中も『ジュエルシード』を探しているなら、いつか必ずぶつかる事になる。
……勘弁してほしいもんだ。
M月E日
高町さんの技術が、日増しに高まっている。
というよりも、あの子も天才肌なのか。
俺も何度か手合わせをしたが、正面からではもう勝てない。
というよりも、こっちの罠を力技で潰される。
……魔力量がある連中は、ああいう戦い方が出来るから羨ましい。
それと、スクライアの少年があの赤い魔導師を怖がっていた。
なんでも、俺達が到着するより前にあの魔導師と接触し、殺されかけたそうだ。
クロノ執務官ですらアイツの攻撃を防げなかったのだ、しょうがない。
それにしても、子供にも容赦無しないのだという事実が重い。
成人してる俺達には、手加減なんかしてくれないよな……。
M月F日
三人一組に纏まって『ジュエルシード』を探す事になった。
管理外世界なのであまり目立つ真似は出来ないし、かといって単独ではあの次元犯罪者に襲われる。
こちらもあまり人数が居ないが、しょうがない。
それに、『ジュエルシード』が散らばった範囲も、そう広くないようだ。
今日の探索で、いくつかの目星は点いたそうなので、明日にはいくつか見つかるだろう。
さっさと集めて、早く帰りたい。
犯罪者相手は慣れてるが、正面から殺しに来られるのは、どうにも心臓に悪い。
今日も、新しく三つの『ジュエルシード』を確保した。
ヴォルツの野郎も、早く終わらせて帰る為に頑張っている。
帰ったら彼女さんと旅行に行くんだもんな。爆発すればいいのに。
M月G日
……『ジュエルシード』を奪われた。
連中、俺達に探させて、見つけた所を奪っていきやがった。
これからも同じ手段で来るだろうか?
最悪だ。
俺達では、あの連中には太刀打ちできない。
個の強さもそうだが、経験も連携の練度も高すぎる。
クロノ執務官と高町さんが到着するまでの時間すら稼げなかった。
奇襲された、と言い訳もあるが、それでも――だ。
しかも、一番経験豊富なヴィラージュさんがやられた。
いま、意識を失って医務室で眠っている。
何が昔は戦場で――だ。
ぶっ倒されてちゃ、意味無いだろうが。
M月I日
ヴォルツの野郎……無茶しやがって。
ミッドに帰ったら彼女と旅行に行くんだろ?
さっさと目を覚ましやがれ――馬鹿野郎が。
ヴィラージュさんの敵討ちなんか考えて、突撃して返り討ちに遭いやがった。
あの赤いのもそうだが、白いのも厄介極まりない。
俺の魔力を吸い取りやがった。
詳しくは判らないが、吸い取られたとしか言いようがない。
しかも、吸い取った魔力を攻撃に回す戦い方だ。
あの戦い方をされては、俺達魔導師はどうしようもない。
魔力が無くなって魔法を使えなくさせられるだけだ。
しかも赤い方は、Bランクの魔力しかないくせにSランク相当の魔力弾を撃ってきやがる。
……それでも退けねぇよな、ヴィラージュさん、ヴォルツ。
仲間やられて黙ってられる程、こっちもお人好しじゃねぇ。
艦長からは無理をするなと言われたが、無理をしなけりゃSランクオーバーのバケモノなんざ相手にできない。
M月J日
『ジュエルシード』を見つけたは良いが、海の中か。
星の海じゃなくて本物の海の中だから、余計に笑えてくる。
しかも、あの赤と白の魔導師が見張ってやがる。
手が出せない。
艦長とクロノ執務官もどうするか悩んでいた。
高町さんは取りに行くべきだと言っていたが、正直正面からでは勝ち目がない。
しかも、戦いながら海中を捜索する、というのも難しい。
海上から無差別に魔力弾を撃たれたら、俺達だけではなく現地の人達にも迷惑が掛かる。
アレだけの火力だ、最悪ここら一帯の地形が変わりかねない。
そう教えると、高町さんが驚いていた。
……手加減されているのだ、俺達は。
殺さない程度に痛めつけて、周囲に被害が行かないように魔力弾は空に向けて撃っている。
その気になれば、簡単にこちらを潰せる。
なのにそれをしない。
『ジュエルシード』を探させるために、時空管理局を利用している。俺達を生かしている。
――そして、見付けたら襲う。襲って、奪う。
抵抗したら、ヴィラージュさんやヴォルツのように傷付ける。情け容赦なく。殺す気で。
そんな……最悪の犯罪者だ。
M月K日
海の『ジュエルシード』はひとまず置いておいて、他の場所の『ジュエルシード』を集める事にした。
今日見付けた分で、こちらの手持ちは九個。
連中もいくつか確保しているだろうから――おそらく、海の分で全部だろう。
アースラから探索用のサーチャーや魔力波を飛ばしているが、残りは発見できない。
昨日、あの赤い魔導師が海に潜っていくつか確保したようだ。
残りはいくつか――。
『ジュエルシード』は全部で二十一。
こちらは今九個だけだ。
決戦が近い。
ヴィラージュさんとヴォルツは、まだ目を覚まさない。
……目が覚めたら、全部が終わってるから、安心して寝ててくれ。
M月L日
あの白い奴、海で釣りなんざしてやがった。
しかも、なのはちゃんと同じくらいの歳の女の子と一緒に、並んで、ベタベタしやがって。ロリコン野郎が。
舐めやがって。
俺達じゃ相手にならないって思ってやがるんだろう。
いつかとっ捕まえてやる。
あと、なのはちゃんからロリコンってなんですか、って聞かれた。
……純粋だな。
クロノ執務官に聞くように言っておいた。
何気に耳年増だからな、ウチの執務官は。
十四歳だから、その辺りは知ってても普通なのだろうか?
俺はどうだったかな……覚えてない。
なのはちゃんは、あの白い奴と一緒にいた女の子と仲良くなりたいと言っていた。
犯罪者だが――確かにあの子は、『デバイス』に『非殺傷設定』のプログラムを入れている。
あの二人とは違うのかもしれない。
それに、まだ子供だ……人の生き死にに関わっているとは、思いたくない。
M月N日
プレシア・テスタロッサ。
昔の情報だが、以前は制限付きSSランクの魔導師で研究者だった女だ。
そして、なのはちゃんが仲良くしたいと言っていた黒い少女の母親。
随分昔に、違法実験で事故を起こしている。
その事故で娘を失い、本人も姿を消していたと情報にあったが――こんな所で会うとは。
Sランク二人に限定付きとはいえSSランク魔導師が一人。
どんな戦力だ――ったく。正義の味方は辛いね。
いくらそれだけの戦力を整えたとはいえ、『ロストロギア』を完全に制御できるか?
不可能だ。
向こうは制御する方法を考えているんだろうが、それが絶対、確実とは言えない。
そういうものだ。『ロストロギア』ってのは。
どんだけ用意周到に準備しても、ふとした事で失敗する。
そうやって、滅びかけた次元世界をいくつも知っている。
なのはちゃんとフェイトって子供の勝負は、なのはちゃんの勝ちに終わった。
同ランクの魔導師なら、経験と心構えが強い方が勝つ。
少なくとも、なのはちゃんは俺達と同等の心構えを持っている。
しかも戦うと想定している相手は、殺しに来るのだ。
才能もあった、嫌が応にも実力は――だ。
しかし、どうしてプレシア・テスタロッサは娘を撃ち落としたのか。
別次元からの砲撃魔法。
SSランクの実力は健在のようだ。下手したら、娘が死んでたぞ。
今は医務室で治療中だが――あの白と赤の魔導師が助けなかったらどうなっていたか……。
それにしても……同じ艦にあの白と赤の魔導師が居るというのは落ち着かない。
先程、プレシア・テスタロッサから通信が届いた。
そして、その通信場所から、現在位置を特定できた。
明日は、決戦になる。
向こうは十二個の『ジュエルシード』を使って、アルハザードに渡るのだそうだ。
それが、狙いか。
――そして、フェイトという少女に絶望を突き付けていた。
実は『F計画』――人造生物の開発と記憶移植の技術の産物だったという事実。
母親だと思っていた人は、自分を造り上げた狂科学者。
愛しているどころか、憎まれているなどと……あんな子供には重すぎる真実だ。
黙っててくれた方が、まだマシだろうよ。ふざけんな、クソッタレ。
すべては本物の娘――アリシアという少女を造る為。
それに失敗したから、次はアルハザードへ渡り死者蘇生の秘術を手に入れる。
もしくは、過去へ渡る技術を……過去を変える為に。娘の死を無かった事にするために。
アンタにとっては大事なことかもしれないがよ、子供を巻き込むな。
腹を痛めて産んだ子じゃないのかもしれないが、それでも「母さん」と慕う子を傷付けるな。
――ヴィラージュさん。アンタの幸運のメダル、借りていくぜ。
リンディ艦長は無理をするなって言ってたが……別に、倒してしまっても構わんだろ?
とっ捕まえてやる。
あの白と赤の魔導師も一緒に行くと言ってるんだ、何とかなるさ。
M月O日
クソッタレが。
あの白と赤の魔導師――ヴァーリと兵藤一誠とか言う魔導師。
土壇場で裏切りやがって。
道案内するどころか、こっちを追い詰めやがった。
クロノ執務官となのはちゃんも善戦したが、どうしようもなかった。
それどころか、今まで実力を隠してやがった。アレで。
銀の全身鎧と、紅の全身鎧。
――今までだって手も足も出なかったのに、なんだあれは。反則だろ。
それに、途中から現れた黒い少女――フェイト・テスタロッサとは違う、オーフィスと呼ばれていた少女。
髪も、服も、その瞳も……肌以外の全てが黒い、少女。
そしてなにより……プレシア・テスタロッサ達を騙し、裏で操っていた男。
トオルと呼ばれていた、男。
アースラで厳重に封印していた『ジュエルシード』を転移させ、二十一個すべてを完全に操ったバケモノ。
――『虚数空間』の果てから、赤いドラゴンを呼び、ヴァーリ達を連れて去って行った……。
正直、今でも心臓がどうにかなりそうだ。
アレはヤバい。あの黒い少女と赤いドラゴン。
見逃された。いや、敵として認識すらされていなかったのだと、思う。
……その事に、ほっとしている自分が居る。
情けない。本当に。
犯罪者に見向きもされないで、喜んでいる。
アクティの奴なんて、俺を庇って怪我したのにさ……ホント、情けねぇ。
M月P日
アースラの計器の故障かと思ったが、昨日の黒い少女と赤いドラゴン。
魔力測定不能ってどういうことだ。
昨日の『ジュエルシード』の騒動で気を失っていたプレシアからも話を聞いたが、あの黒い少女は異世界のドラゴンなのだそうだ。
そして、ヴァーリと兵藤一誠は悪魔なんだと。文字通り、だ。
ああなるほど、って思う。
ありゃ悪魔だ。どうしようもない、クソッタレな悪魔だ。
プレシアやフェイト嬢を騙して、『ジュエルシード』を集めさせた。
そして、何の目的かは知らないが、あの赤いドラゴンを召還した。
元の世界に帰る為とか言ってたらしいが、どこまで信用できるか。
そしてなにより……フェイト嬢が、見ていて辛い。
あの犯罪者どもに騙されてたと言うと、騙されていないと泣くのだ。
プレシアも、追い詰められてあんな発言をしたんだろう。
でなければ、人形だ、失敗作だ、って言ってた娘を抱き締めて泣いたりするもんかよ。
本気で謝ったりするかよ。
……くそったれ。
M月Q日
アリシア・テスタロッサが目を覚ました。
昔の事故で死んだはずだが、肉体はプレシアが保管していたらしい。
そして、『ジュエルシード』の騒動――あの魔力に触れて、生き返った。
奇跡。
正直、そうとしか言いようがない。
問題の『ジュエルシード』についても詳しい事は判らない。
ただ――アレだけ騙されたんだ。
それくらいの奇跡はいいだろ。なぁ、神様。
プレシアとフェイト嬢は騙されたとはいえ、犯罪を手助けした罪に問われる。
俺達の証言で罪は軽くなるだろうが、無くなるわけじゃない。
でもさ。
やり直せるさ。親子三人で。
ペットのアルフとも仲良くしてな。
……あんな悪魔どもに騙された過去だって、すぐに忘れるさ。
M月R日
なのはちゃんとユーノともお別れか。
短い間だったが、なんだか名残惜しい。
もう会う事は無いだろうが。
フェイト嬢、アリシア嬢とも仲良くなれたようでよかった。
これから『時の庭園』の封印に、プレシアの実験内容とヴァーリ達の情報を没収。
時空管理局に提出。
プレシア、フェイト嬢の裁判の準備。
アリシア嬢も、目を覚ましたばかりで体調が安定しない。
……やる事が多い。
それに、ヴァーリ達の行方も気になる。
これからこの次元世界はどうなるのだろうか。
あの赤と黒の規格外をこの目で見た身としては、不安しかない。
アレは、管理局の全戦力を集めてもどうにかできる相手なのだろうか。
M月S日
ヴィラージュさんとヴォルツが目を覚ました。
アクティの奴も、容態は安定している。
……良かった。
ヴィラージュさんにメダルを返そうとしたら、俺にくれるそうだ。
御利益ありそうだし、預かっておきます。
M月T日
ミッドチルダに付いたら、プレシアとフェイト嬢は指定された家で保護される事になった。
犯罪の手助けをしたし、その内容に『ロストロギア』が関わっているから、裁判が長引きそうだ。
……というのは建前で、今後ヴァーリ達がまた現れた時の為だそうだ。
『時の庭園』探索で見つけた日記に、あの男。
上代徹の事が書いてあった。
やっていた事は主夫のような事で、そうやってプレシアの信頼を得たようだ。
フェイト嬢の事も気に掛けていたようだ。
ならまた、プレシア達に接触してくるかもしれない。
それに、あの連中の事を一番知っているのも彼女達だ。
――利用しようとしているのは、俺達も一緒だ。
情報をくれたら、住む家も用意するし、家族で暮らせるようにもする。生活も保障する。
だがその実は、軟禁と言っても良い。
……艦長が珍しく悪態を吐く気持ちも判る。
これじゃ、俺達も連中と変わらない。
M月U日
プレシアの体調がよくないと聞いていたが、精密検査をしたものの異常は見つからなかった。
完治……と言えるのだろうか?
正直、病巣のようなもの自体が見つからなかったので、健康のままだとしか言いようがないと医者が言っていた。
それに、肉体年齢の方も。
四十を超える母親だとはとても思えないそうだ。
それこそ、事故当時――アリシアを失った時のようだ、と。
これも奇跡の一つなんだろう。
アリシア嬢の母親をやり直したいと願ったプレシアの願い。
母親に愛されたいと願ったフェイト嬢の願い。
……俺は、裁判が無事に終わることを祈ろう。
二十一個の『ジュエルシード』は封印されてしまっているが。
「大変だ、ほのぼのさんが息してない!?」
「あれは私たちの中でも最弱」
「ククク」
クロノ君かリンディさんを書こうとして、こうなった。
なんでかは知らない。
謎のモブ日記。