「学園都市ギヴォトスへ移動か」
私は大本営から送られた任命書を見ながらそう言った。
深海棲艦との戦争は(太平洋でのと前提はつくが)終わった。
そうなると問題になったのは増えすぎた提督達だった。
と言ってもほとんどの提督は民間から徴用した者たちだったから年金といくらかの金を渡して退官してもらえば良かった。
本当に問題だったのは残った海軍士官学校、海軍大学校出身者の高官達だった。
かくいう私も海軍大学校出身で准将だった。
私は大本営人事局友人に何処へ移動か聞いてみたのだがその時は海軍大学校か士官学校への移動だと聞いていたのだが。
学園都市ギヴォトス
聞いたこともない名前の場所に移動らしい。
いい加減なこと言ったなとぶつくさ友人への恨み言を吐いていると妻が部屋に入ってきた。
「あなた、どうしたのかしら?。」
「今大本営からの任命書が届いてね、学園都市ギヴォトスで先生に任命するとのことだ。」
そう返事をすると彼女は怪訝そうな顔で
「学園都市ギヴォトス?聞いたこともない都市の名前ですわね」
と言ってきた。
「でも命令だからね従う他ないよ。熊野、君はどうだった?」
「私は少佐任官後、海軍士官学校で教官に任命とのことですわ」
そう言うと妻(熊野)は不満げな顔をする。
「どうしたんだい?」
「私はあなたと一緒の職場が良かったですわ」
それは無理だったと思うよ。明文化されてはないけれど婚約及び婚姻関係のものは同じ職場にしてはならないってのがあるし。
そんなことを考えていると妻が口を開いた。
「それで、任命はいつですの?」
「ちょっとまってね。」
日付を確認すると明日そして迎えもそろそろ来るらしい。そのことを妻に伝えると。
「急、ですわね。」
確かに急だ。普通任命書は一月前に渡されるものだ。大本営内部での政争で直前に変わったのか?こんなことなら権力争いに参加しておくべきだったか。いや止めておいて正解だろう私だったら左遷だけでは済まなかったかもーーー
コンコン
迎えが来たらしい。私は妻との別れを済ませ身一つで迎えの車に乗り込む。荷物はあとで送って貰えばいいなんて楽観的に考えながら。
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数日後
大本営人事局
任命書は送り終わったか?
今最終チェック中です。
頼むぞ送り忘れで怒られるのは俺だけじゃないんだからな。
わかってますよ。あれ?准将閣下の任命書がある。
え?あれは二人で確認して送ったよな?確認してみるか。
到着済みになってますね。誤送でしょうか?
ちょっと上に連絡してくる。
それから大本営は大騒ぎだった。人事局の二人は怒鳴られ、いつまでたっても准将が来ない配属先(士官学校)は詰めかけ、学園都市ギヴォトスなんて任命書は作ってないと上層部は驚愕する。准将の居場所が分からず捜索隊が結成されるが結果は芳しくないのだった。
お読みくださってありがとうございます。
後編は12時頃に上げる予定です。