偽救世主未満が行くブルーアーカイブ 作:N_box
コミュニティ・小鳥遊ホシノ
「いやぁ、先日はありがとね。流石は「先生」ってこと?カタカタヘルメット団を追い払えたうえに普段よりとっても楽だったよ」
それはどうも。
「うん、それについては感謝してるんだ。…それで「お話」って何かな?」
視線が冷たい。ぽやっとしている普段の姿とは裏腹に彼女の心は鋭い。それは彼女が得た武器であり生き方である。
彼女は「大人」を信じていない。彼女は「他人」を信じていない。かつての彼女の世界は「敵」しかいなかったから。「味方」と呼べる人は彼女を残していなくなったから。
わかっていても冷たい視線は辛いお……それはそれとして本題だ。彼女はアビドス以外を信じていない。普通の市民とか「敵じゃない」判定は普通にいるだろうがそういったものではなく俺は彼女から「信頼」と呼べるものを手に入れなくてはならない。
……これが
依頼を受けてからアビドスのこと調べたんだよな、生徒数も少なかったから全員
嘘である。また嘘ついてんなこいつ……喫緊の事態が終わってからすぐにアビドスは調査を始めていた。まあゲームで得れた情報以上のことは今のところ何も手に入ってないけど。せいぜい数代遡ったアビドス生徒会長の名前くらい?ぶっちゃけほぼ使わないであろう情報だ。
「それで?」
わかりきった反応、わかりきった答え、想定内の言葉を引き出すために言葉を重ねる。
提案、というよりは疑問?十六夜ノノミ、であってたよな?ネフィティスのご令嬢。彼女の力は使わないのかい?
否定、それ以外に返す言葉などあるのか。そも友人間で金の貸し借りとか終わってるしな。どうしてもって場合はあるにせよ額がデカ過ぎるのである。
「ふぅん。そう」
あぁ〜ホシノの評価が下がる音がするんじゃ〜、だが俺がやろうとしてる原作知識で擬似未来予知&理解者ムーブをしようとするとこの行為は必須。わかっていた事を確認してわかってましたよってやんないと一貫性が通らないんだ。
「その疑問に対する答えは簡単。しないし、させないよ」
させない、は俺の強要を見越してだとは思う。
「ノノミちゃんは
表情は変わらない。俺に内心を見通す力などない。けれどはっきりと伝わってくる拒絶の感情。…問題は、無い。
「そもそもそんな事したらネフィティスが何をしてくるかわかったものじゃないよ」
……?
ごめん、ちょっとタイム。
えーっと、ノノミが金出すとネフィティスは絡んでくるだろうね。なにしろ額が額だ。いくら金持ちとはいえ理由なく10億近くは子供の小遣いの限度を余裕で超えている。
そうしたらどうなるんだ……?
……あっ、そういうことか。もう事業にするな。向こうの情報がほぼ無いからアレだがそうしないと収集がつかない。こんなことやったらアビドスだけだなんだと明言したところでハイエナが出てくるのが世の常だ。
うわぁ、ノノミの金使えばよくね?作戦は土台からしてとんでもない欠点を抱えていたぞ。つーか作戦ですらねえ、そもそも実行すらされないだろうから考えて無かったが穴しかねえなこの作戦。
「……呆れた、何も考えて無かったの?」
……さ、どうやったらこの状況からプラス評価にできるだろうか…せめてちょいマイナスぐらいには抑えたい。
あ、でも考えようによっては「ホシノに舐められる」という原作要素を満たしたことに…?っていらないんだよそんなものはこんなガバで満たしても、あーもう。
勢い、勢いだ。もう勢いで誤魔化すしかねえ。
……もうこの場に来てる時点で答えは出してるようなものですがはっきり言っておきましょう。ここはほぼ詰んでます。
全校生徒は5人しかいないし、土地は砂まみれ、借金の利息を返すのが限界の日々、皆さんはよくこんな場所にいるなとさえ思います。
私はコンサルじゃなく、そもそもマトモなコンサルならこんな場所には来ない。来たとしたらほぼ詐欺師でしょう。
それでも、それでも理由があるんですよね?アビドスにいる理由が、アビドスでならなければならない理由が。
だったらそれだけで充分です。一緒に何とかしましょう、生徒会副会長小鳥遊ホシノさん。
それでは私は今からやることがありますので。
勢いのまま喋った俺はそのまま部屋から飛び出した。
………やっべ。何言ったっけ俺?気まずくなっても大丈夫なように借りてる部屋とは別の場所に呼び出して話をしてたが自分で空気悪くした上にペラペラ言い逃げしちまった。いや変なことは言ってない、言ってない、よな?
ていうかアレ話し合いになってねーよ!やろうとしたことはやれたけど結果は何も伴ってねーよ!あぁーー!
まだだ、まだ原作は崩壊していない。いや俺が「先生」な時点で崩壊はしてるんだがまだ許容範囲だ。
何とか、何とかするんだ俺!
絆ランクアップ?
0→1?
……変な大人