偽救世主未満が行くブルーアーカイブ 作:N_box
コミュニティ・便利屋68
セリカのバイト先に突っ込み、その後誘拐されたセリカを救い出してカタカタヘルメット団を壊滅させる。
そうして得られるのは数日のモラトリアムだ。
こうなると彼女達カタカタヘルメット団に指示を出していたカイザーPMCは便利屋に依頼してアビドスを潰そうとしてくるだろう
……来るよな?ブルアカのストーリーはお祈り箇所多すぎるんだよ。
そんな事を祈りながら数日、便利屋のメンバーをアビドスで確認した。はっきり言ってアビドスにくる理由などほぼ存在しないのが実情なのでメインストーリーの流れに沿っていると見ていいだろう。
ここで彼女たちと接触する理由は原作を考えれば無いのだが……俺は「先生」じゃない。「先生」のように出会う生徒皆好感度を大量に稼げるような人間じゃない。
ブルアカの最初のストーリーだから流されることが多いが彼女たちは戦力としてはかなり上の方だ。
便利屋として他よりも自由に動かしやすい相手とはアビドスの件が終わったあとでも仲良くしたい、少なくとも問題なく依頼を投げれる様な関係にはなっておきたいのだ。
そんなわけでチートとアロナの力を使い特定している便利屋の事務所にレッツラゴーだ。
ノックを3回、事務所のドアを叩く
ごめんくださーい、便利屋さーん
「……どうぞ」
返事が出たので扉を開けて部屋に入る。
…よし、全員いるな?まあ確認はしてたけど。アルとカヨコさえいれば問題ないとはいえ聞いてもらった方がいい。
「私たちは便利屋
陸八魔アル、一目で目につく場所に彼女はいた。恐らく彼女が考えた「1番かっこいいポーズ」で。
メモロビの光景とは少し違うが高そうな椅子に座って足を組んでいる。
うん。カッコいい。この彼女だけを見て「なんですってー!?」なんて言う子だとは想像もできない。
それはそれとして。
さあこの場に来た目的を果たそう。ハードボイルド、とは少し違うミステリアスってやつで君と対抗しようか陸八魔アル。
改める必要はないぜ便利屋68、時間は取らせないし君たちが受けてるだろう依頼とも関係があるだろうからな。
君たちにしたい依頼は俺の話を聞いてもらうことだ。自己紹介をしておこう。俺は「シャーレ」の「先生」。今アビドス高等学校で仕事をしている。
少し動揺したな?そのまま喋らせないようにこちらの言いたい事を一方的に話し続ける。
アビドスのこと、カタカタヘルメット団のこと、その裏で指示してるだろう相手のこと、次に相手がしてきそうなことーーつまりはさらに強力な兵力を使いそうな事を有無を言わさずただ話した。
話終わって沈黙が生まれる。俺は悠々と近くのソファに座った。
……う〜ん。アルちゃん見事なポーカーフェイス、というよりは表情が固まってるだけかな?
何も知らないと無表情の裏で神算鬼謀を企んでいるよう思えるが……テンパってるだけの気がする。
ムツキはニヤニヤ笑っている顔を崩さず、ハルカは挙動不審だが俺が入ってきてからこんな感じなので得られる情報は無い。
「で?それを私たちに言ってどうしたいの?」
おおっと!ここでカヨコのインターセプトだ!ナイスだ課長!ぶっちゃけアルって決めるべきところ以外はそんなに…だからね。その分ギャップでやられるんだけど。
返す言葉は「別に何も?」ただ伝えることだけが目的なのだからなんなら今すぐ帰ったところで目的の一つは果たされる。
とはいえ「便利屋に「先生」を売り込む」というメインの目的が果たされていないので続行だ。
言葉通りにすれば俺のことを彼女に売り込む、印象を持ってもらうことだが行なう、否、逆だ。彼女に行わせる。
「俺」に彼女を売り込んでもらう。故に俺がここでやるのは挑発だ。
みせてくれ便利屋68社長。
演出のために数枚のお札をみせてそれを入れた封筒を机に置く。
「おっと、そういえば依頼を受けるなんて言われていないのに長々と話をしてしまって申し訳ありません。追加で報酬を支払いますね」
プライドというものは実に厄介な代物だ。そんなものなくても人は生きていける。だが、それを失えば人は人でいられなくなる。
人によってはそれを生きていくための支えにしている者さえいる。
だが時と場合によって人は妥協をしなくてはならない。
だからプライドには捨て去るべき時と貫くべき時がある。
……凡人はプライドなど持たない。確固たる信念など持たない。プライドを持つのはバカと一握りの存在だけだ。
さあこの状況でどうする陸八魔アル。正直言えば君が取りそうな行動は想像がつく。だから俺はそれを期待している。あとで気づいて反吐が出るくらいに自己嫌悪するくせに期待することをやめられない。そんな弱い人間が俺だ。
止まっていた彼女が、動く。
「先生、だったわね。そのお金は要らないわ。だって私たちは依頼を受けていないもの」
「ええ、話を急いでしまった私のミスでした。ですからそのお詫びとして追加でお金を払おうと」
「
「貴方はここにきて勝手に喋って、私たちはそれを勝手に聞いていた。これはただそれだけの話」
「依頼でもなんでもないただの日常風景の一コマ。そういうことでいいでしょう?」
「…今は無理だけど私たちは貴方からの依頼だって受け付けるわ。もちろん報酬と内容は要相談だけど、ね?」
そう囁いた彼女の表情はいままで見ていたものよりとびきりに綺麗で/美しくて/愛くるしくて/偉大でーーー
……ああ、マジでかっこいいわこの子。独特の雰囲気が、カリスマがある。強くて、かっこよくて、そして可愛い。最強か?最強だったわ。ブルアカには限界突破で同率1位、部門別1位が多すぎる。
……
「そうですか、ではご迷惑をおかけしてしまった分はまた別の機会に返せたらということで」
わかりやすく置いていた封筒を回収してソファから上がり便利屋の事務所を出る。
ポツポツと無言で歩みを進める。
帰りながら頭に浮かぶのはアルのことだ。
……あは、ははは、アハッ、ハハハハハ!
やばい、抑えろ。声は抑えているが口元は完全にニヤけているのがわかる。
最高だ。最高の気分だ。陸八魔アル、最高だよ。
最高と最悪の気分が同時に押し寄せて気持ち悪くなってくる。吐き気さえする。
彼女のカリスマに俺自身少々脳を焼かれてしまったらしい。
そりゃあアルちゃんのこと大好きだろうなあ、3人とも。
絆ランク
陸八魔アル 0 (現在制限がかけられています条件を満たしてください)
浅黄ムツキ 0 (現在制限がかけられています条件を満たしてください)
鬼方カヨコ 0 (現在制限がかけられています条件を満たしてください)
伊草ハルカ 0 (現在制限がかけられています条件を満たしてください)
ーーー「先生」が去った後の便利屋にて
「フ、フフフ、あ、あーーー!お金貰えばよかった!かなりピンチなのに!うぅ、でもあれで貰うのはアウトロー的に…」
「あははっ!さっきビシッと決めたのに台無し〜」
「ああ、あ、アル様が命じれば、今すぐにでも襲撃しますが、どうしますか?」
「…止めておきなよハルカ」
「?そういえばカヨコっちはあの「先生」のこと知ってたっぽいけど何で?」
「はあ…私もちらっと見ただけなんだけどつい数週間前に立ち上げられた連邦生徒会の下部組織の「シャーレ」、その顧問としてやってきたのがあの人だよ……何でも、居なくなってる連邦生徒会長直々の指名らしい」
「…そ、そ、そうよ、課長!もっとあの「先生」について情報とか無いの?アビドスにいるってことは私たちと敵対するってことだし」
「社長……今のは完全に釘刺しだよ。そうじゃなきゃこんな事するわけないし」
「……それでもよ、怖くなったから受けた依頼を取り消すなんて到底出来ることじゃないわ……それにもう結構お金払っちゃってるし…」
「……わかったよ、あんまり出ないだろうけど調べてみるね」
「しゅ、襲撃ですか?襲撃ですね?行ってきます!」
「待ってハルカ!今はダメ!?」
「くふふ〜」
「はぁ……そういえばシャーレの先生って何かすごい事をしていたような…確か……あった、これこれ。えっと「『災厄の狐』を1人で制圧」…?」
なお警備がザルだったので速攻で脱獄された模様