ヘビはカエルに食べられる。たまに兎に食べられる。 作:Kkmn
「"ゴミ箱"ちゃん、起きていますか~~?」
無機質で真っ白な部屋、そこの隅に置かれたベッド。
そこに拘束され横たわる自分を見下す────白衣を着た"蛇の異形をした女"。
その殺したい程憎い相手が目の前にいるのに、今の身体は動いてくれなかった。
「まぁた逃げ出そうとしたみたいですね…w外に出てどうするつもりです?そんなちっちゃな女の子の身体で。先生様の"個性"で記憶の大半を奪われてここが何処かも覚えていない。自分のことも…あぁ、ヒーローだったことくらいは覚えているんでしたっけ?」
侮蔑を隠そうともしない、ニタニタ笑う薄気味口元を隠しすらしない。
更には『ガラガラ♪』とその女の頭上の蛇達までもが声をあげて自分を見下し、嘲笑っている。
殺す、絶対に殺す。こいつだけは絶対に殺してやる。
「ふふっ、よかった。ちゃんと私があなた達の大事な子供達をみ~んな攫うか殺したことも覚えているみたいですね…♪あぁ、とっても素敵でしたよ。柔らかく瑞々しい幼い肌に牙を突き立て、悲鳴と一緒に丸呑みにするあの素晴らしい時間…♡」
「─────ッッ!!!─────ゥゥゥッ!!!!」
その女の鱗に覆われた指先がつー、と頬を撫でる。
血管が破裂しそうなほどに力を込めてその指を嚙みちぎってやろうともがくが────悲しいかなそれは叶わない。
本当のカラダ────もうよく思い出せないが────ならこの程度の拘束何とかなったかもしれない。
だが今の自分は、非力で無力な哀れな子供にしか過ぎないのだ。
「まぁ、あなたも私とドクターの子供たちの
…ふふ、そうだ。映像も撮ってるし、ニュースにも出てるんですよ?ほらご覧ください、昨日の『米国の凶悪児童誘拐犯の敵、またも日本で犯行か』って…あぁほら!この間あなたの孤児院の子たちを殺した時のニュース映像もありますよ!」
ケラケラと笑いながら見せてきた情報端末の画面には、今目の前にいる蛇女が映っていた。
…ヒーロー達らしき…いや、ヒーロー達だったものらしきモノの中で、気絶した子供を片手にカメラに手を振る蛇女が。
「いやぁ、日本のマスコミはとても撮影がお上手ですわ~♪こんなに美人にとって頂けると撮られがいがありますわね♪」
もはや怒りを通り越して逆に冷静になってきた少女は、冷たくその画面を見つめ続ける。
『この敵は米国では『ラミア』の名で指名手配されており、複数の"個性"を持っているとの米国当局の発表も…』
「……すぐに…」
「ん?」
自分の喉から漏れた掠れた声は、舌足らずで甲高い、子供そのもの声だった。
とてつもない違和感をぐっと堪えつつ言葉を続ける。
「こせいのことも、そのばけものみたいなみためも、われてるんだ。すぐにお前にたどりつくぞ。ひーろーは…!!」
こちらの言葉にポカンとした顔で数秒硬直していた蛇女は─────ぷっ、と噴き出すと、クスクスと笑い始めた。
「えぇ、えぇ。仰る通りですよ?"蛇の個性"は数あれど、特異な見た目ですものね。この"
大仰に手を広げ、見てるこちらが恥ずかしくなる演技じみた口調で語りだす。
「私には生まれ持ってもう一つ神に授けられた個性があります!「天は二物を与えず」?否!私には与えられた!"支配"というゴミどもとは違う"個性"がある!…まぁ、そのせいで今、とっても身を隠しづらいのですがね。"持つ者"が負うべき不幸です、これは」
「………」
不快。忌まわしい。最悪。異常。嫌悪。
それらの言葉を全て掛け合わせても到底表現できないような感情が、目の前の蛇女に対し少女の心の中で渦巻いていた。
狂っている。こんな異常者に言葉をかけるのがそもそも間違いだった。
機を見て殺す。絶対に殺す。惨たらしく殺す。それで十分なのだ。
そう心の中で毒づくと、もう相手をするのは無駄と言わんばかりに静かに目を閉じ────────────
「────そうだね。その個性のせいで君は"子供"しか食べられず。今は特異な外見のせいで苦境に立たされている。これは理不尽なことじゃないかな?」
その無機質で無感情な声が部屋に響いた瞬間、その蛇女の顔から笑みが消えた。
声の方を、ベッドの反対側を見ると数秒前────否、数コンマ秒前までいなかったはずの男が静かに腰かけていた。
「─────っ…!!」
「まぁっ!いらしておいでだったのですね、先生様!お待ちください、今お茶を…!」
「いやいいよ、ドクターと君の仕事を邪魔してしまって悪いね。用事を済ましたらすぐに出ていくよ」
殺す殺す殺す殺す殺す殺してやる殺してやる絶対に殺してやる。お前が殺した子供達と同じように殺してやる。
頭の中は噴き出た殺意に満たされ、何度目かわからないが拘束を破って目の前のゴミ汚物の喉元に食らいつこうと試みた。
架せられてる拘束は何も硬いものではない、革らしき材質のもので、元の身体なら絶対に簡単に引きちぎれた。
なのに、なのに、この鍛錬も、重いものも持ったことすらない幼い少女の身体には鋼鉄以上の硬さなのだ。
「で、どうだい?この"ゴミ箱"がここまでの個性を放り込んでも壊れない理由の目途はついたかい?」
「申し訳ございません、今だ目途もつかず…。以前、先生様にご教授頂いた『個性を複数持てる個性』の可能性も調べましたが、それらしき因子も見つからず…。現在は他の"失敗作"との比較検証を進めております」
「そうか。この"ゴミ箱"と同じ現象を再現できるようになれば、"脳無"の方にも良いフィードバックが期待できるだろう。…ただまぁ、ついででいい。今ドクターが進めてるやり方がうまくいきそうだしね。」
「はい、仰せのままに」
恭しく頭を下げる蛇女の姿は、先ほどの馬鹿みたいな笑いとは別人のように見えた。
かくいう自分も、ほとんどない体力を使い果たしてしまい、息を荒げ疲れ果てている。
手を突き出してみろ、指の一本でも噛み千切ってやる。と機を伺うことだけ集中にしていた。
「……さっさとつかまって、しんでしまえ、このおぶつ─────『黙りなさい、ゴミ箱』」
ぴしゃり、と恐ろしく冷たい声で言い放たれ─────それ以上は"口が動かなくなった"。
「拘束を外してあげるから『先生様に土下座して無礼を詫び、許しを乞いなさい』。早くしなさい、ゴミ箱」
────ま、ずい。と思った次の瞬間には、その思考すらその"個性"により忘却させられていた。
…あれ?自分は何で怒っていたのだろう?…それに拘束も外れてるから…あれ?何かしたかったはずなのに…。
あぁ、そうだ、命令された通りに、この人に土下座しないと。
「…ゴミ箱ごときが、ぶれいな、くちを、きいてしまい、もうしわけありませんでした。どうかおゆるしください。せんせいさま。」
わたしは拘束されて固まっていた身体を無理やり動かし、目の前の先生様に足をきちんと揃えて深々と土下座しました。
きっちりと両手もそろえ、命令された通りに謝罪の言葉を述べ─────うっ!?
「─────っっ!!!く、くぅっ……!!」
「いいよいいよ!"ゴミ箱"にそこまで求めるのも残酷な期待だからね。」
蛇女の個性────"支配"により心を支配され、殺したい程憎い相手に土下座を強要…いや、自分からさせられた。
そんなどうしようもない屈辱と悔しさにわななく姿を、目の前の顔面のない化け物は手を叩いて笑っている。
今すぐ飛び掛かり、その無防備な首に嚙みついて食いちぎり殺してやりたい。
しかし…今だ"個性"の影響下にある身体は自分の意思より、忌々しい蛇女の意思を優先してしまうのだ。
「やはり素晴らしい。君のもう一つの個性、"支配"には無限の可能性がある!君が"自分より下"と認識すれば、たとえヒーローだろうが自分に支配下に置けてしまう─────君がその気になれば、オールマイトでさえも。」
「うふふ、褒めすぎですわ先生さま♪」
ガラガラと笑う蛇女と化け物の会話を、土下座しながら聞き続ける。
脳が破裂しそうなほどの怒りと殺意が湧き出しているのに、今の自分にできることは自分の唇を嚙みしめる位だった。
「あぁ、そうですわ先生さま。お手を煩わせることになり大変恐縮なのですが、どうか私めの実験にご助力して頂けませんか?」
「…ほう?なんだい?君とドクターの研究のためなら手間は惜しまないよ」
「感激です!実は数か月前から行っている"素体の調達"ですが、
相変わらず身体は、動かない。
それならコイツに押し付けられた"個性"で害しようと思っても────腕から伸びている管から注がれる薬品のせいか、数多にある個性のどれも発動することができない。
「そうか、では"変質"で君の外見を変えて欲しいと?」
「いえ、顔や体格を変えようと、この"蛇女"の個性があっては効果は望めないでしょう。それに日本にも最近因子鑑定の技術が導入されてます。警察機関もなかなかどうして優秀ですし、もっと根本的な変化が必要です」
「─────ああ、なるほど!君の言いたいことがやっとわかったよ」
いや、どうにかしてこの管さえ外せれば、この化け物どもを二人とも殺すことが…。
「オールマイトに負けてから────初めて本気で戦ってからわかったんだ。『ゴミは邪魔になる』ってね。」
化け物の声音が変わった。
無感情なのは変わらないが、雰囲気がまるで違う。
「何の役に立たない個性。いつか使うかもしれない個性。いつか誰かに渡すかもしれない個性。いつか役に立つかもしれない個性。使うのに習熟がいる個性。使う可能性が薄い個性、レアなだけの個性。面白いだけの個性。
それらの存在は
土下座の姿勢を崩すことができないため、その声の主の顔を伺うことができない。
「そういう悩ましいモノを捨てることを"断捨離"っていうんだって?素晴らしい!実にすっきりしたよ、確かに身軽になった気分だ」
ナニカが頭に乗った。
何度もこの身体になってから味わってきた────足元が崩れ去るような、崩壊するような、自分がどこかへ消えてしまうような悍ましい感覚が────。
「君は実に役に立ってくれたよ、今までありがとう。元ヒーローの"ゴミ箱"」
「ゥ───ァ──ッッ……!?!?」
瞬間、意識が混濁する。
ナニカを押し付けられている。それだけは理解したが抵抗も反応もしようがない。
脳を直接バットで何度も殴打されてるような、激痛?苦痛?衝撃?その種類すらもわからない。
ただ全身が熱い、痒い。全身の皮膚の下で羽虫が蠢き、羽化しようとしているような─────責め苦。
「あぁ…なんてカラダが軽い…!脱皮の比ではありません…生まれ変わった、若返ったような……!!」
そんな激痛と苦悶の中にあっては、蛇女の声が耳朶を打とうが、反応はおろか意味すら理解できない。
「へぇ、身体が急速に成長している…そうか、"蛇女"だからか」
「ええ!私も幼いころ発現した時苦労しましたわ…あぁ懐かしい、でももう"さようなら"ですわね。」
全身の皮膚が裂けている。身体が比喩ではなく本当に"沸騰"した水のように泡立ち、皮膚の下で蠢いてた何かが突き破って這い出てくる。
何も理解できない、何が起きてるか1ミリたりとも理解できない。
「…先生、お呼びでしょうか?」
「あぁ黒霧さま!ご足労頂きましてありがとうございます!」
「………?失礼、あなたは─────?」
「ラミアだよ、黒霧。…といっても、もうどこにもラミアの要素はなくなってしまったね。」
土下座の姿勢を維持することもできず、ベッドの上に崩れた姿勢で横たわる。
口から何かが吐き出される。赤く細長いチロチロとした…なんだ?ひも?何もわからない。何も理解できない。
「適当な人の多い市街地だったらどこでもいい。どうせ誰かが見つけて通報してくれるだろう」
「この"ゴミ箱"─────じゃない、この"ゴミ"を捨ててくれ。」
いちゃいちゃシーンのためにチャージしてる段階です。
どういう展開がいい?
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スーパー梅雨ちゃん無双
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主人公ちゃんがひたすらえっちぃ目に
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スーパーミルコさん無双
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ひたすら百合百合