ヘビはカエルに食べられる。たまに兎に食べられる。 作:Kkmn
「『昼過ぎまで生テレビ』!今日のテーマは「ヒーローの恋愛について」!ゲストはこの3人!」
女性司会者の透き通った声が響き渡り、オンエアのマークが点灯しカメラが回される。スーツ姿の人達の混じり、ヒーローコス、それもこんなぴっちりした服で座ることに場違い感を覚える。
思わず鼠径部のフリルをひっぱり、露出を減らす。梅雨ちゃんはお尻の食い込みを直していた。隣のMtレディは露出なれしてるのか涼しい顔だ。露出とは肌の意味ではない。
「最近シンリンカムイとの熱愛疑惑報道があったMtレディさん!」
「ありえませんからね!!!!悪質なデマには厳正に対処しますから!!!!」
くわぁぁ!とした鬼気迫る表情で豊かなブロンドをはためかせるMtレディ…さん。
そのヒーローコスチュームは青と白基調のぴっちりしたボディタイツで、身体のラインも浮き出てる。そこから見えるプロポーションはとても可憐で美しく、ミルコさまにもひけをとらない。でもおっぱいはミルコさまの方が大きいな…え?わたし?聞くな殺すぞ。
「そして今番組の初登場のお二人!自己紹介をどうぞ!」
女性司会者からこっちにむかってかざされた手。それはわたしにとって死刑宣告にも等しいものであり、梅雨ちゃんが舌でちょんちょんと横腹をつつく。ええい、ままよ!
「はーい♪テレビの前の皆さんこんにちは!愛と正義のマリアージュっ♪公安ヒーローのナージャだぴょんっ♡」
「ホップ・ステップ・フロッピー♪水無月ヒーローのフロッピーよ。こんにちは。ケロケロ」
─────ぴしっ♡
顎を隠すように軽く握った右の拳を当て、細い左手を前に突き出す羞恥極まりないポーズ。鏡合わせのように梅雨ちゃんと二人でソレを決め、周りのキャスターさんや解説さんが拍手が巻き起こる。首元のフリルがはためき、わたしの真っ赤な頬を撫でた。
死にたい。殺してくれ。誰かいますぐにわたしをころせ。
「今年6月にミルコのサイドキックとしてデビューしたお二人ですが、その人気は今や飛ぶ鳥を落とす勢い!!『マイトタワー崩壊事件』にて鮮烈なデビューを果たしたフロッピー!そして『おっぱい白羽取り事件』や敵災害における治療活動をキッカケにファンが爆増中のナージャ!二人とも齢15とは思えない活躍ぶりです!」
「…………ふしゃ」
「ケロケロ」
「ぐぎぎ」
司会者から言い放たれた紹介に、思わず溜息が漏れる…だって余りにもフロッピーとわたしの紹介の内容に落差がありすぎる。あ、梅雨ちゃんが優しくナデナデしてくれてる……ふわふわするぅ。そしてそんなわたし達を歯ぎしりしながら睨みつけるMtレディ…ごめんなさい。デビュー時期超被ったから…。
「そして更になんとぉ!?お二人のファンの間では、『お二人は特別な関係なのではないか?』『二人の仲が良すぎて尊さが溢れる』『結婚はいつですか?』などなどの考察がSNS上で溢れています!これについてぜひお二人にお伺いしたいのですが、いかがでしょうか!?!?」
「まぁ」
「ふしゃぁっ!?」
ばばーん!と中央に映し出されるのは梅雨ちゃんとわたしを揶揄するSNS上の書き込み!しかもキスしている写真まで添付されているではないか。しかし梅雨ちゃんはまったく動じず、ケロリとした表情でいつもの仕草だ。舌がはみ出てるのがもう可愛すぎるぅ…。女神。
「実際の所どうなんですか!?やはり同じ年齢、同じ事務所でデビューしたもの同士、何処か惹かれ合うモノがあったのでしょうか!?」
ニヤニヤとした表情で詰めてくる女司会者と周りの解説者たち。しかしここで冷静さを欠いてはテレビの思う壺だ、落ち着いて対処しなければ。公安の任務でこういった会話術は十二分に心得ている。
(わたしにまかせて)
目だけでそう伝える…あ、今日の梅雨ちゃんのアイメイク、ミルコさんの同じで睫毛長い…かわいすぎ…?
「コホン。ご存じかと思われマすが、わたしの個性は『愛情』です。これは粘膜を通じ相手及び自らを治癒するもノとなります。後方支援やサポートに徹するわたしとは対照的に、フロッピーはミルコさm…ミルコと共に前線で危険な敵とノ戦闘に臨む機会が多いのです、そのため彼女を治癒すべキ機会が多くなってしまうのは必然と言えるでしょう。その結果、ファンの皆様方に誤解を招いてしまったものと思われます。」
「な…な、なるほど?す、すごくしっかりしてますねナージャさん!…では、お二人は付き合ってないと…?」
ふふ完璧だ。まさか中学生如きがまともに反論してくるとは思わなかったのだろう。
「はい、彼女とわたしは良き友人であり、パートナーであり、それ以上の関係では─────」
「付き合ってます」
「梅雨ちゃん!?!?!?」
梅雨ちゃんが立ち上がり、際どい鼠径部のハイレグを晒しながら力強く割り込んで来たぁ!!
しかも腕が腰に回されて、ぐいっ♡って身体を引っ張られて…♡うぅ…梅雨ちゃんのとっても形の良いおっぱいが…押し付けられて…うぅ…♡
「え?ナナちゃんと私は恋人よね?ラブよね?将来結婚するのよね?なんで隠す必要があるのかしら、ケロ」
「えぇぇ!?凄い!これはお昼のニュースのトップになるかもぉ!え、馴れ初めをお聞きしても!!??」
「ヤバいぞ!SNSがとんでもないことになってます!」「視聴率が2桁行ったぞ!」「報道班呼んで来い!!」「カメラ増やせ!!隣のスタジオから持ってこい!!」
嗚呼、スタジオ外のスタッフさん達が超叫んで走り回っている。
「ケロケロ。もちろんよ、あれはしとしととした雨が降りしきる水無月の日のことだったの。学校からの帰宅中に怪我をしたナナちゃんを─────」
「待って!ダメ!梅雨ちゃんストップ!!おちつい…」
「大丈夫、私にまかせて」
「あぅっ♡………っ♡」
死に物狂いで止めようとした意志も、顎クイされて囁かれ、トドメに唇を指でつ~っ♡と撫でられてはもうグズグズに蕩けてしまう。あぅ…♡梅雨ちゃんかっこいいよぉ…♡王子さまみたいで素敵ぃ…♡だ、だめだ…理性を保て…。
「あ~はいはい。百合営業ってヤツよね~~~ワイプシとかが一時期やってたヤツ~」
「……え?」
そんな痴態をまじまじと横で見せつけられていたMtレディが不意に口を開いた。そして梅雨ちゃんの顔がヤバいことになってる。丸いお目目から光が消えてる!
「そうでしょお!!?そうやって女の子同士がイチャイチャして『かわいい~~♡♡』って言われたいんでしょぉ!?!?SNSでバズるために恋愛してる風に匂わせてるのよアンタたちは!私にはお見通しよお!!!」
「ケロ???演技???ナナちゃんとわたしが???こんなに愛し合っているのにどこが演技に見えるのかしら???」
若干巨大化しかけてるMtレディ!そしてそれに相対する梅雨ちゃんの全身に緑色の閃光がバチバチと迸る!
「はぁ!?一丁前に恋愛について語ってんじゃないわよガキンチョが!!良い?!恋愛って言うのはもっとこう、お互いの秘めたる感情を育てていくモノで─────」
「ケロ?恋愛って二人で感情をぶつけ合うものじゃないかしら。…もしかしてあなた、恋愛したことなかったり?」
「はあああああああああああ!!??!?!!キレたわ!!!じゃあここでキスのひとつでもしてみなさいよガキンチョめ!!!!ま、どうせ出来ないでしょうけど─────」
くるん、と。梅雨ちゃんの無表情の顔がこっちに迫る。そしてそれがわたしが認識できた最後の事柄だった─────。
「え、梅雨ちゃんなに─────♡あっ♡やめっ♡ひぎぃ♡やらぁっ♡そんな乱暴に…んむぅぅぅっ♡れろぉ、むちゅ…♡♡んぐっ、ちゅむむ…♡」
その日、そのテレビ局は歴代最高視聴率を叩き出した。
そしてその回は神回としてネット上を駆け巡ったのだった───。
どういう展開がいい?
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スーパー梅雨ちゃん無双
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主人公ちゃんがひたすらえっちぃ目に
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スーパーミルコさん無双
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ひたすら百合百合