ヘビはカエルに食べられる。たまに兎に食べられる。 作:Kkmn
結局あの二人とは残念ながらクラスが違ったらしく、また後でねと名残惜しさを感じながら別れを告げた。特にあの切れ目の少女…取蔭さんとはとっても意気投合したのに残念だ。何かこうとても感性が似ているというか、近しいモノを感じたのだ。そう羽生子ちゃんとお話してる時のような、まるで同族と話してるようなシンパシーが。
あと声が梅雨ちゃんに似てて可愛い!!
その後「わたしクラスどっちか聞いてないけど…」「そうよね?とりあえずA組に一緒に行きましょう」などと少しひと悶着あったものの、わたしたちは無事教室にたどり着いた。なんか空席も一つあったし、ひとまずそこに座って先生を待つことにした。
───▽▽───
「ねぇねぇ!あなたナージャちゃんだよね!テレビで見たけど個性いっぱいあるってマジなの!?迷惑じゃなかったら見せてくれない!?お願い!」
「………。いいよ、えっと。これが『発光』」
ペカーと緑色のぼんやりとした光が全身を覆う。まるで蛍のようだとは梅雨ちゃん談だが、それにしたってこの個性は使いどころがほとんどない。数少ない「しっかりと制御できる個性」だが、暗いところで自分の存在をアピールするくらいしかない。周囲を照らせる程の光量もないし。
「おお!すごい!超キレイ!!夜中布団の中で本読めるじゃん!!」
後ろの席の少女…多分少女だよね?いやだって透明だから分からん。蛇のピット器官による
「で、見た通りだけどこれが『蛇女』。この髪の蛇とかも操れる」
「うひゃぁ!!ビックリしたぁー!!でも可愛い~~!!よしよ~~~し」
頭上の蛇の一匹がうにょりと身をしならせ、その図体をにゅっと彼女の目のまえに差し出した。すると彼女は恐る恐るといった様子でそれをつついたり撫でたりして弄ぶ。
「あとはあとは!?『転移』とか『愛情』は!?あ、その胸も個性!?」
「これは自前…ほかの個性は教室で使うと危ないから後でね。」
「すっごい大きいね!いいな~羨ましい!何食べたらそんなに大きくなるの?後学のために教えてよ!」
「………プ、プロテイン…かな…」
そのキラキラしてるっぽい眼?から目を反らし、離れてしまった梅雨ちゃんの方を見やる。そこにはあの芦戸ちゃんを初めとした数名に囲まれ、ファン対応&団欒している彼女の姿が。まかり間違えても『梅雨ちゃんの粘液が主食です』なんて口が裂けても言えない。でもミルコさまプロデュースのニンジン味プロテインはオススメだよ。うん。わたしも梅雨ちゃんと一緒に毎日飲んでるし。うん。
あ、芦戸ちゃんと目があった、手を振られたので振り返しておこう。
「あっ!?私に手振ってたと思って振り返しちゃった~~~!!やだもう恥ずかし~~~///」
ぽふんっ、と顔??を真っ赤に??してる…のか??
「あ、あれ?もしかして…ナージャちゃん、わたしのこと、見えてたりしないよね…?」
「蛇だからね。サーモグラフィみたいな感じでボンヤリ見えてるよ。ごめんね」
「ふぇぇぇ……すごいね…その『蛇女』って個性!なんでもできるじゃん!」
「脱皮とかも出来るよ」
「脱皮!!?みたい!!やってみてよ!!」
思わずそのあっけらかんとした物言いのぶふぅと吹き出してしまう。
いやだって脱皮するってことはその、全裸になるという訳で。そんなもん入学初日にやってみようもんなら…。いや既に多人数の生徒の前でディープなキスされてたわ。今更だわ…。
「……お友達ごっこがしたいならよそへ行け」
と、そのときである。低い男性の声が、賑やかだった教室の中を切り裂くようにして響き渡った。これ幸いと透明の少女との会話を切り上げる。
声のしたほうに顔を向けると、そこには寝袋に入った状態で横になっている無精ひげの男性が一人。自らが担任であること、体操服に着替えてグラウンドに出ろとだけ伝えると、さっさと出て行こうとした。
「先生待って。ナナちゃんのことなんだけど…」
「ああ、…
それだけ言い残すと今度こそ彼はスタスタと去ってしまった。
?と小首を傾げる梅雨ちゃんとポーズをシンクロさせながら目が合う。
「そっかー!ナージャちゃん
ぶんぶんぶんと握られた手を振られながら、わたしは小首を傾げたまま更衣室に向かったのだった。
───▽▽───
(ああ、思い出した。イレイザーヘッドだ。……前委員長が誘いたがってたな。教師になってしまったから断念したけど。)
わたし自身もその噂は聞いていた。賞金稼ぎ紛いのアングラヒーローというのは珍しくないが、その中でも非常に突出した結果、成果を出しているヒーローの一人。その個性も優秀だが本人の能力も非常に優秀。前委員長がひどくご執心だったのを覚えている。
お前もスカウトに行ってこい。説得してこいだの言われて余計な仕事を増やしてくれたのを覚えている。そういうアングラで長いことやってるヒーローは公安がどれだけ酷い環境か知っている奴がほとんどだから、来てくれるワケがないのになぁ。
しかし、それが一体どういう心境の変化で先生なんて職に就いているかは甚だ不明だが。
「「個性把握……テストォ!?」」
誰かが驚く声で現実に引き戻される。あれ。もうほとんど説明終わってるじゃん。っていうか入学式とかないのかまさか。
「主席は蛙吸だったな…よし、個性使ってボール飛ばしてみろ」
「ケロケロ…全力でいいのかしら?」
「ああ」
「腕以外も使っていいのかしら?」
「円から出なきゃ何してもいい」
なんかデモンストレーションが始まっていた。どうやら梅雨ちゃんが個性ありのソフトボール投げをするらしい。
生徒達は皆一様に彼女に視線を集中させていた。いや彼女が現役ヒーローである注目度もあるが、それ以前に────緑色のスパークをバチバチと全身に纏わせて脚を思い切りしならせているのだから。
────いや…ちょっと待って。梅雨ちゃん本気出すって言っても流石にそれはやり過ぎでは。
わたしは思わず彼らの前にでて、蛇の下半身もしならせて庇うように立っていた。
だってアレ、少なくとも『愛情』のバフ+OFAの3割くらは使ってそうな気配があるぞ。どっちかだけでいいでしょ。いやって言うかソフトボール投げだろ。何で蹴ろうとしてるんだ。先生も何も言わないしいいのか。
っていうか生徒達がめっちゃビクビクしてるぞ。でも見るのは止めないんだな!
「────
軽く浮かばせたソフトボールに、空中回転蹴りが思い切りクリーンヒットした。
…した所まではギリギリ見えたんだよ。でもその瞬間バカみたいな衝撃波と土埃が舞い上がり、視界が死んだ…。悲鳴も上がってるしああもう。
『怪力』を込めた蛇の尻尾を空中で振り回し、土埃を晴らす。
「げっほげっほ…うへぇ…あ、ありがとね!ナージャちゃん!」
「ん」
もたれかかってくる葉隠ちゃんの背?をさする。
そしてイレイザーヘッドはまるで何事もなかったかのように手元の機器を示し「2045.9m」と小さく呟いた。
記録できたということはアレでもソフトボール壊れなかったのか。どんな耐久力だ。
一瞬の静寂の後、うおおお、と生徒達が沸き上がる。
その記録とパワーが凄いというのもあるが、個性アリのテストだとこんなことも出来るのだとワクワクしているようだ。
「……面白そう……か。ヒーローになる為の三年間。そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?……よし、トータル成績最下位のものは見込みなしと判断して、除籍処分としよう」
ぞわり、と空気が一瞬にして変容するのを感じた。
そして下半身に縋り付いていた葉隠ちゃんはひと際険しい空気を醸し出していた。
「生徒の如何は先生の“自由”。ようこそこれが、雄英高校ヒーロー科だ」
随分と厳しいんだなぁ。と思ったが、まぁ…無能をおだてて使い捨ての駒にする公安の五億倍マシ。
何人の無能な新人が死んだり罪を被らされたりしたか。
「わ、私頑張る!超不利なテストだけど…せっかくナージャちゃんとお友達になれたもんね!」
「…ふふ、頑張ってね。応援してるよ」
「オイラもぜってぇ負けねぇ!!!せっかくこんなオッパイ祭りのクラスに入れたんだぜ!?諦めることは諦めた!!」
「君だれ?」
梅雨ちゃんとはまた違う明るさに微笑みながら、自分も少し気合を入れなおした。
────▽▽────
結果。トータルわたしは3位で葉隠ちゃんは18位だった。え?1位?梅雨ちゃんに決まってるでしょ。
あの道具を出してる女子生徒には負けてしまったが、それに勝てる彼女がおかしいのだ。
「意外とイけたわね?ナナちゃんの体力ひよこだから大丈夫か心配だったのよ」
「HIYOKO」
わたしの体力と筋力の無さを舐めない方が良い。あのミルコさまが真顔でちょっと青ざめるレベルだったのだから。
下半身はとにかく上半身はマジでひよこだぞ。『怪力』なしだとショルダープレス10kgが限界だぞ。
「いえええええい!!ナージャちゃん!私やったよぉ!!最下位じゃなかったぁぁ!!」
「い、いえ~い…///」
「え?今のハイタッチだったのかしら?」
透明な手をかざされハイタッチを求められた。
ちょっと恥ずかしいがこういうコミュニケーションはしっかりとっておこう。
「でもナージャちゃんも凄かった!やっぱり個性いっぱいあるって良いね!!羨ましー!」
「ふふん、でしょう。ナナちゃんは凄いのよ、ケロケロ」
「フロッピーちゃんはもっと凄かったよ!カッコイイ!わたしテスト中だったのに見惚れちゃったもん!」
ただ反復横跳びに関してはこの世の終わりみたいな結果を出してしまった。反省しよう。
────たゆんっ♡ゆさっ、たぷっ、ふにゅっ、むにゅりっ♡
『くぅっ…はぁ…はぁ…くそっ……胸が……!』
『ケロケロケロケロケロケロ』
『おいカエル女ァ!!そこ邪魔だぁどきやがれェ!!!』
しかも真正面で暴れる乳房を真正面で梅雨ちゃんにずっと視姦されてました。
でも他に関しては使える個性があったので意外と何とかなってしまったのだ。
『ぎゃあああ!!!蛇が!蛇が大量に腕に絡みついてるぞお前!!!』
『……☆』
『あっ誰か気絶して倒れたぞ!』
『動かないで下さいまし!すぐに駆除剤を…』
『あ、大丈夫だよ。この子達に握力測定手伝わせてるだけだから。ありがとうね』
『ハァハァ…な、
『ホントだよ!這ってるようにしか見えねぇのに!ズルくねぇかソレ!』
『楽だよ。でも早く走れないから一長一短だよ』
『ウヒョオオオ!!脱皮したああああ!!ナージャの脱皮生で見れたぜぇえええ!!』
『空中で脱皮して2段ジャンプして飛距離を稼いだのか!なるほど!さすが個性を使いこなしているな!』
『……やっぱ現役でヒーローやってる奴はちげエな』
『お前らソコかよぉ!!もっと見るべき所があるだろォ!?脱皮した後のナージャがどうなるか知らねぇニワカどもかテメェらオオン!?!?!』
『峰田ちゃんだっけ?ちょっとお話しましょう。あなた良い性格してるわ。ケロ』
そんなこんなで結構いい結果を残すことが出来た。
そういえば途中、梅雨ちゃんが癖っ毛の少年にこっそり何度か耳打ちしてた光景を見た。「使うならココよ」「制御は無理でも力の集中ならできるでしょ?」とか何とか聞こえてしまった。
(修行を手伝った後継者くん…緑谷君だったか?彼がそうなのかな?)
類まれなるお姉さんパワーを見せつけ、何度もビクビクしてる彼を勇気づけていた。
何度かその手伝っている修行の様子を楽し気に話してくれたのを覚えている。覚えているが…。
(…うぅ、こんな些細なことがちょっとでもジェラシーを感じてしまう自分が嫌だ…。これじゃホントに子供みたいじゃないか…)
今も指先に重症を負った緑谷くんを気遣っている梅雨ちゃん。うぅ…。
「ちなみに除籍はウソな」
周囲が先生の言葉に騒然としてるがそれどころではない。
わたしは気づけば物欲しそうな顔で指を口にやりながら、ずっと梅雨ちゃんを見つめていた。
「おい、
「ふしゃ…は、はい?」
「お前が緑谷を保健室に送って言ってやれ。あとついでに婆さんに挨拶もしておけ。お前の担任なんだから」
「ふしゃ?」
不意に先生からかけられた言葉に小首を傾げる。
「お前はヒーロー科兼
「は、初めて聞きましたが…」
「校長がいつお前をヒーロー科だけに入れると言った?同情はするがお前の確認不足だ。ホラ」
そう保健室利用申請書を渡され、少しため息が漏れる。
「何ならここでキスして治しちゃえばいいんじゃない?」
「いや、人前でキスなんかしたらこの子が可哀そうでしょ、ねぇ緑谷くん」
「エ"ぇ"っ!?!!あ、う、うん!!」
そんなやり取りをかわし、彼の手を取り保健室に早速向かおうと────。
「大丈夫、一度人前でキスすれば印象は上書きされるわ、だから────♪」
────DASH!!
猛烈に嫌な予感を感じ取ったわたしは彼を抱え上げその場を後にした。
どういう展開がいい?
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スーパー梅雨ちゃん無双
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主人公ちゃんがひたすらえっちぃ目に
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スーパーミルコさん無双
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ひたすら百合百合