ヘビはカエルに食べられる。たまに兎に食べられる。   作:Kkmn

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7.☆ブチ切れわからせ兎さん

 

「ふぁ─────あんっ♡しゅるるっ…ふぁ、も、もっとぉ…♡」

「あぁ!?アタシに命令してんじゃねぇ…♡!!黙ってさっさと発散しちまえっ♡!!」

 

その部屋─────ミルコの事務所の一室には甘い香りが満たされていた。まるで砂糖の湖に浸かったかのようなその香りは、果物と花が混じり合ったような濃厚さを帯びていた。その空気中に漂う甘美な香りがあまりに濃密で、息を吸うたびに肺の奥までその甘さが染み渡るようだった。そこにいる二人の頭はクラクラし、意識が朦朧としている。まるで蜂蜜に包まれたような、逃れようのない甘さに包囲され、心地よさと圧倒される感覚が同時に押し寄せる。そこにいる二人がちゃんと着衣していなければ、『そういうこと』をやってると思われてもおかしくない光景だった。

 

(どうしよう…眠ってる間に触られて、梅雨ちゃんに"されてる"夢みて"魅惑"が暴走したなんて…///)

(だあああ!なんでコイツこんなに良い匂いするんだよ///なんでこんなドキドキすんだよ!!!なんで自分にもついてる脂肪の塊に興奮してんだアタシはッッッッ///なんでガキの顔が直視できねぇんだっっ♡♡)

 

その香りはただ甘いだけでなく、濃密で重たい。バニラ、キャラメル、そして熟した果物のような香りが複雑に絡み合い、空間を埋め尽くしていた。まるで甘さが液体となって空中を漂い、身体にまとわりつくかのようだ。その場に立っているだけで、甘い香りが全身を包み込み、頭の中がぼんやりと霞んでくる。視界すら歪むような錯覚に陥り、まるで夢の中にいるような感覚が広がる。ミッドナイトの"個性"にあてられた時よりヤベぇかもしれない。とミルコは揺らめく理性の中で呟いた。

 

「えへ、ふぁ…♡ごメ、んにャしゃ……♡こしぇえ、とめれ…んふぁっ♡」

「わーってるってのそんなの!!ごくっ…///おら早く個性抑制剤飲め!…ああもうじれってぇ!!」

 

ミルコが錠剤をその牙が覗く口に押し込もうとするが…ふにゃふにゃに蕩けた彼女には無理と判断すると、それを自分の口に放り込むと彼女の腰を強く引き寄せた。

 

 

 

「きゃぁっ…♡……っっ!?!?♡」

 

(なん、だ……今の、声っ…♡!?うそ、まるでっ、女の子みたいな…///)

 

ミルコ…さんの太く逞しい筋肉質の腕が、そっと"わたし"の腰に回されて…///。瞬間、心臓が一気に高鳴り大きな胸の中がが甘いときめきと幸せでいっぱいになる。…男としての記憶の残滓が無ければ、そのまま自分からねだるように彼女に抱き着いてしまってたかも。そしてそのままぎゅっ♡ぎゅっ♡て両手両足を抱きしめてわたしのニオイを擦り付けて、あの胸の中に顔を埋めて─────はっ理性が。

 

「…わりィな、あとでお前の彼女にも謝るわ───────んっ」

「ふ、むるふしゅぅ///~~~~~っっっ♡♡♡♡」

 

瞬間、ミルコさんの唇が激しく押しつけられた。乱暴な力強さで唇が交わり…激しい情熱が割って入ってくるぅ…♡舌同士が触れるたびに、わたしの心臓は激しくうるさいくらい鼓動し、全身が熱く燃え上がるようで…はぅぅうう///

わたしの手は自然と彼女のプラチナブロンドの髪に絡みつき、胸のときめきに命じられるままにしがみつく。息が苦しくなるほどの密着感に、わたしの身体は熱を帯びて震えた。

あれ、なんか口の中に舌だけじゃなくてなんか変なのも入ってきたけど…。

 

「ん…それ飲め。マシになるだろ」

「んしゃぁ…ひゃ、ひゃいぃっ……♡ん、くぅっ……♡」

(カッコイイ…///すてき…♡♡強くて逞しくて、強引で…無理やりで…♡♡ち、ちがっ、わたし、なに考えて…///)

 

どこか上気してるミルコさんのお顔を見ながら、私はぼーっと自分の唇に指を這わせ、見せつけるように舌をなめずりしていた。梅雨ちゃんは優しくリードしてくれたけど…こんな風に乱暴に蹂躙されるのもとっても素敵…♡この蛇のカラダ、口の中がとても敏感だからキスがとってもきもちいい…♡♡癖になっちゃう…♡

 

 

「──────────ッッ♡♡」

「…ふぇっ…?きゃんっっ♡♡♡」

 

ベッドに押し倒された、それも乱暴に。それを理解するのに数秒かかった。ミルコさんの白銀の長髪が私の鎖骨あたりをくすぐる。

 

「お前ッ、お前ッ…♡いい加減にしろよっ…♡こっちがガマンしてりゃ随分とナメ腐って挑発してきやがって♡」

 

その彼女の顔には先ほどまでの余裕はなく、まるで獲物を狙う猛獣のようなギラギラとした表情が浮かんでいた。薄い唇はわずかに開き、荒い息遣いがその唇から漏れ出している。プラチナブロンドの髪が震えに合わせて揺れ、髪は光を反射し、まるで銀の炎が彼女の周囲を取り囲んでいるかのよう。その切れ長の赤い瞳は炎のように揺れ動き、まるでこちらの一挙一動を逃すまいとするかのように鋭く輝いていた。

 

「ごめ…んなさイッ…♡♡ちが、わザトじゃ…♡♡あひっ、あっ、ダメっ♡目、のぞきマなイでっ♡──────あっ♡イッ─────♡」

「………………は??は?は?は?」

 

そのギラついた赤い深紅の瞳に映り込むわたしの姿が映り込んでいる。惚けた顔で涎を垂らした情けない蛇の少女が、潤んだ瞳で上目遣いをしている。その瞳で獲物を品定めするような視線でカラダを舐め回されるだけで─────わたしの中で何かが溢れ、弾けた。その瞬間、ただでさえ制御できてなかった"魅惑"が限界突破(プラスウルトラ)した。その本能を刺激させるニオイがさらに溢れ、ミルコさんの銀糸をはためかせた。

 

「あぁ─────そうか。そうかそうかァ~」

 

彼女の表情がもはや興奮や怒りを通り越して、もう5周くらい回って冷静になり…猟奇的とも言える笑みが浮かんだ。

 

「ぶっ潰れるまで鳴かせてやるよ…メスガキがよぉ…♡!!!」

 

ピキピキと青筋と浮かぶ震える手で強く、わたしのカラダは押し付けられて─────あっ♡

 

 

 

─────▼▼─────

 

 

チュンチュン、と朝を告げる鳥が窓の外で鳴いている声で、ミルコ─────兎山ルミは起こされた。

 

「ヤベ」

「……くぅ、むにゃ…Zzz」

 

そして自らの腕の中で眠る蛇の少女の寝顔を見て、昨日のあらましを一瞬で思い出してしまった。いやどう考えても挑発しまくったコイツが悪いし、個性事故だろコレ。と思ったがそれ以上に…。

 

(……やべぇ。最高に気持ちよかった!!!!!雑魚とのケンカなんかよりよっぽどスカッとした!!!!!)

 

彼女は銀糸の睫毛に彩られた目をかっぴらいてそう強く心の中で叫んだ。蛇の少女の豊満なカラダをひと際強く抱きしめると、呻く声が汗で濡れる乳房の間から聞こえるがそれどころではない。複数個性なんてそう何人も居てたまるか、昨日のカエルっ子が勘違いしてただけだろ。と思っていたがそれは間違いだったらしい。コイツは間違いなく何個も個性持ってる。それもこうなんか、ベッドの上でしか使い道がないような個性を大量に!!!

 

(どんだけ乱暴にしても傷つかねぇし、ついても治るし、何やっても最高に気持ちイイし、今もカラダがバカみてぇに調子いいし)

 

あれだけ一晩中、腰や全身の筋肉を酷使したと言うのにまるで疲労がない。というより三日三晩ぶっ通しでケンカして一日中フロ入って一日中寝た時くらいに調子が良くスカっとした気分になっている。何より最高に気持ちよかったし。…やべぇ、ケンカの前にコレを知ってしまってたら虜になってたかもしれない。

 

(男のアレをアタシにアレしやがったのはビビったけどな!!!なんでもアリだなコイツ!!!!最高にスカッとしたけど!!!)

 

しかしそのせいかもう寝室がとんでもことになっている。なんで飲み物も加湿器も置いてないのに、シーツもカラダもこんなびちゃびちゃになってんだ。ニオイもドロドロに煮詰めたチョコレートみたいに充満してて、その中にほのかにレモンのようにツンとするニオイが漂っている。これ換気していいのか?外にこの空気逃がしたら二次災害発生しねぇか???そんな思考を巡らしつつ上半身を起こそうとして─────。

 

「ふぁ…す、すきっ…だいスきっ…///」

「あ?」

 

なんか唐突に愛の告白が自分の胸の谷間から聞こえてきたと思ったら……どうやらむにゃむにゃと寝言を呟いていたらしい。ちっちゃな牙がチラチラ覗いてキスを誘ってるような…じゃねえ。なんだコイツかわいいな。昨日あんなに求めてきて、コッチもあんなに欲望をぶつけたのにまだ夢の中で続きをしてるらしい。とんでもねぇタフな野郎だな。その頬に汗で張り付いた緑の髪を手ですくってやると─────

 

 

 

 

「むにゃ…好き──────────────────つゆ、ちゃん♡」

 

「は?」

 

ブチィッ、と頭の中で何かがブチ切れる音が聞こえた瞬間、アタシは理性を窓から捨てた。

 

 

────────▼▼───────

 

 

「ケロ。大丈夫かしら、ナナちゃん」

 

ミルコの事務所がある高級マンションの階段を昇りながら、蛙吹梅雨は一人呟いた。数週間ほどの付き合いだけど既にわかる。彼女はめちゃくちゃ臆病で口下手なのだ。初めて会った時はまるで狼かの如くツンツンで隠していたが…女子高生に襲われて個性の暴走をしてからはそれが顕著だ。もしそのせいで誤解されてたりしたら…。

 

(まぁでも、あのミルコさんも調べてみたら凄い人みたいだったし大丈夫よね。心配するだけ損かしら)

 

もともとヒーローに明るくない梅雨だったが、昨日の帰りにスマホで彼女について調べてみたら仰天した。なんか良くわかんないけどオールマイトが1位のランキングでNo.5?つまり日本のヒーローの中で5番目にすごい人ってこと??私そんなヒーローに喧嘩売ってたのねケロケロケロ。と一人電車の中で青ざめていた。蛙だから表情変わらないけど。

 

「えっと901、901……あ、ここね。」

 

いつも通学電車の中から眺めていたタワーマンション、一生自分には縁がなさそうだと思っていた最上階の一室のインターホンを鳴らす。……。返事がない。もう一回鳴らす。……???あれ?ここよね?大き目のノックをしてみるが─────あら、開いてるわ。

 

「お邪魔しま…す」

 

梅雨が扉のノブをゆっくりと回し、重たい金属製の扉を開けた瞬間、内側から甘ったるい香りが一気に押し寄せてきた。まるで溶けた砂糖と蜂蜜が混ざり合ったような、濃厚で、空気を重たくさせるほどの。鼻腔に染み渡るその香りは、花蜜のように甘美で、まるで夢の中に引き込まれるかのような感覚を呼び起こす。…そして、彼女はこのニオイの正体について思い当たる節がありすぎた。

 

「………!?!?!?あッ、つゆ、ちゃ、おはははははhおはよ!!??!」

「落ち着いて、おはようナナちゃ─────ん─────?」

 

彼女を出迎えてくれた蛇の少女の姿は、白いバスタオルにくるまれ湯気を纏っていた。それはいい、朝からお風呂は別にそういう人もいるだろう。ジャージャーとシャワーの音も聞こえるのはミルコさんかしら。ただ、彼女の鱗に覆われてない太ももの内側から何かが一筋垂れて─────。え???

 

めちゃくちゃ濃い"魅惑"のニオイ+シャワーを浴びたナナちゃん+謎の液体=???……ここから導き出される結論に、梅雨ちゃんs’脳内CPUは熱暴走を起こした。

 

「つ、つユ、ちゃん!!まって!これ、こせいが、えっと、その……え?大丈夫?」

「だだだだだだ大丈夫よ、ちょっと脳が爆発しそうになってるのを必死に堪えてるだけだからららら」

「オちツいて!!ゴめン!謝るから!!!!」

 

肩を揺さぶって口からエクトプラズムが出てる彼女を正気に戻そうとするが、次の瞬間にはハッ!と正気に戻りうんうんと頷き謎に納得していた。

 

「ケロ。うん、よくよく考えたら10:0でナナちゃんがえっちすぎるのが悪いわ。被害者はミルコさんの方ね。」

「!?!?」

「あまりミルコさんに迷惑かけちゃダメよ。私ならいつでも付き合うから言うのよ。ケロケロ。」

「まって!!!ちがウの!!!事故、ダから!!!」

 

そう頷く梅雨の生暖かい眼差しはナナの心臓に深々と突き刺さり、どんな罵倒よりも強く彼女を傷つけた。一体どうすれば弁明できるかと必死に言葉を並べていると、この部屋の主がシャワー室から出てきた…バスタオルすら纏わずに。

 

「よう!!よく来たなカエルっ子!昨日疑って悪かったな!!!マジで複数個性だったわソイツ!!」

「とんでもないですミルコさん。こちらこそ、昨日はあなたがどんなヒーローかすら知らずに迷惑をかけてごめんなさい」

「いいっていいって!若いヤツにケンカ売られるなんて久しぶりだから超楽しかったぜ!!…あと敬語いらねえからな!」

「ケロ、それならお言葉に甘えるわ。敬語とっても苦手なの」

 

そういってクシャクシャと梅雨ちゃんの頭を撫でるミルコ…さま…。どっちも笑顔で撫でられてる梅雨ちゃんもとっても嬉しそう。でも、その…目のやりどころに…なんで梅雨ちゃんは平然とできるんだ!?そんな風にアタフタとしてるとミルコさまが意地悪くニヤついて腕を首に回してきて胸を押し付けてきて─────。

 

「…コイツやべぇよな?悪ィな!ガマンしようと思ったんだけど!!」

「ケロケロ、入ってきた時ナナちゃん幸せそうなお顔だったしいいのよ。っていうかいい加減に服着ましょう二人とも」

「だってよ!!良かったな~~~優しい彼女で!!!!」

 

彼女。その言葉を告げられた途端ぽふっ、と蛇の少女の頬からピンクの湯気が溢れた。え?彼女?いや、何回もカラダを重ねてるから確かにそういう表現になるかもだけど、え?彼女?そうか?そうなのか?梅雨ちゃんが固まった顔をつんつんしてきてるけどそれどころではない。

 

「え~~と服な、服。お前が着れそうなヤツあったかなぁ?あ、そういやなんかミスってサイズちっちぇえコスあったな。アレどこやった?え~~っと」

「私服も動きやすそうな服ばっかりなのねミルコさん。あ、コレとか素敵ね。」

「おう、それコスチュームの上から羽織るだけでいいからな、そういうの重宝すんだよ。あ~~?もしかしてアッチの事務所に置きっぱか?いや最近着た覚えあるんだけどなぁ~~?」

「ケロ?下着は?」「コスチューム着てりゃいらねえからな、ほとんどねぇよ…あ!思い出した!!」

 

そういうとミルコさまはバタバタと寝室に駆けだして─────なんか持ってきた。え?あれって昨日着てたコスチュームじゃない?しかもそれその後、自分が"魅惑"を暴走させちゃってなんやかんやした時に着てた…やつ。

 

「ほら!それ着とけ!アタシと同じくらいの胸だし多分ピッタリだろ!それなら脚ヘビでも着れるしな!!」

「え」

「良かったわね、ナナちゃん。さ、おててバンザイして?」

「え」

 

─────その後、儚い抵抗も空しく、満面の笑顔の梅雨ちゃんに舌でグルグルに拘束されて。ヒビの入っていた尊厳を徹底的破壊されました。




着衣状態でのキス以上のことはしてないのでセーフ!セーフです!

どういう展開がいい?

  • スーパー梅雨ちゃん無双
  • 主人公ちゃんがひたすらえっちぃ目に
  • スーパーミルコさん無双
  • ひたすら百合百合
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