死んだと思った? 生きてますよ。
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「テスト終わったー!」
なでしこ、大垣さん、犬山さんとともに電車で帰宅途中定期テストが終わった開放感からか、なでしこが安堵の声を上げる。
「はー後は休みを待つばかりやぁ」←余裕
「だねー」←まぁまぁ
「余裕だったぜー」←ギリギリ
「うむ」←余裕
長いテスト期間を終え羽を伸ばして冬休みを待つことができる期間に入ったことでだいぶ余裕ができたなー。
「あれ? 二人とも降りなくていいの? 駅過ぎちゃったよ?」
「たしかに、何か用事でもあるの?」
犬山さんと大垣さんはいつもならさっき着いた波高島駅で降りてるはず……。どうしたんだ?
「お二人さん方……今から"カリブー"に行くで!!」
「かりぶぅ?」
「カリブーか」
たしか自転車で志摩さんへのお礼の品を見繕うために行ったっけな。
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「へぇー身延駅って初めて降りたけどこんなところだったんだねー。レトロな町だー」
「新居間所の通りに似てんな」
「それ思ったよ〜」
静岡県湖西市にある新居間所(新居間跡)ってところの古風な通りにすごく似ている気がする。瓦屋根だったり石垣だったりがあって地面は土っていうthe昔でーすみたいなとこなんだよな。
「あおいちゃんここにカリブーってお店があるの?」
「せや商店街の端っこの方やけどなー」
「カリブーって何のお店なの?」
「それは着いてからのお楽しみやでー」
しばらくして…………
「あっ!」
「どした? なでしこ?」
突然なでしこがお店の暖簾らしきものに向かって走っていく。
「これ知ってる! 野菜がたくさん入った味噌煮うどん!」
「「…………」」
「こっちはみのぶまんじゅうだって!! もしかして身延の名物かな!?」
うむ、今日もなでしこは元気でかわいいな〜(鼻血)。
「あっ、いぬだー!」ダッ
「転ぶなよ〜」
「元気な犬やな」
なでしこと一緒になって犬をわしゃわしゃする。ふっ……やはり犬だ、犬は全てを解決する……!
「着いたで〜」
「カリブーってアウトドアのお店だったんだー!」
「お二人さん方アウトドア用品店来たことなかったやろ?」
「うん!!」
「……う、うむ」
実は来たことありまーす、なーんて言えるか! 見たまえ犬山さんのあの純粋無垢な瞳を……!
明らかに初見の反応を楽しみにしている感じやぞ、ここは秘技"話合わせ"を使って乗り切るしかあるまいよ。
「だからテスト明けに行こうってあきと話しとったんよ」
「だが気をつけろよ二人共!!」
「?」
「店内には高額商品が待ち構えている……ヤバいと思ったらすぐに外の空気を吸うんだ」
「わ、わかった」
バイ○ハザードかな?
「ここから先は危険だちゃんとセーブはしたか?」
「セ、セーブ?」
「さっさと入らんか」
メ○ルギアソリッドだったわ。犬山さんの言う通り迫真な演技をする大垣さんを置いてなでしことカリブーに入店する。
後ろから未だに迫真な声が聞こえるが無視しておこう。
「ふおぉぉぉ!!」
「心奪われまくりやなぁ」
スゥ~…………かわいいな(真剣)。これは世界がほっときませんわ。
「とりあえず一旦各自で自由に回るかー」
「「「おー!」」」
まあ、自由に回るってなって誰についていくかは決まってるよなぁ……!
「お! リンちゃんが使ってるタイプのコンロだ!」
お兄ちゃんなでしこが可愛すぎて心配です、自分の心臓が。
「ランタンに……ヒーターなんてのもあるんだー」
「畳むと結構小さくなるな」
「ふおぉぉぉぉぉこれ可愛い!!」
「なに……? なでしこより可愛いものがあるのか!?」
この世で最もかわいくてうちゅくしいなでしこに勝るものがあるというのか……?
「お兄ちゃんみてみてー」
「ふむ、これはたしかに(なでしこよりは劣るが)かわいいな」
「でしょー! ガスランプかぁキレイだなぁ……」
(なでしこのほうがキレイだがな!)
二人してガスランプに魅入っていると後ろから声をかけられる。
「火つけてみますか?」
「いいんですかっ!?」
「いいですよ~」
そう言うと店員さんは手際よくガスランプに火をつけていく。ほぅ、下から引火させるのか。
「ガスで手軽に使えるし人気の商品なんですよ。レトロでかわいいでしょ?」
「ですね」
「(ゆらゆらした火が小さな焚き火みたいでかわいいなぁ)……」
「おひとついかがですか?」
ふーむ、なでしこが結構気に入ってるしここは出すしかないよね。日和ってる奴いる? いねぇよなぁ?
「……」チラッ
「(4690円か)……うむ」
「……お金貯めてまた来ます」( ◜×◝ )
「買おうか?」
「ううん、自分でお金貯めて買うよぅ」
「そっか」
う~ん……偉い!! なでしこ偉いぞ!! 目先の欲に囚われず堅実に目的を達成する道を模索する…………偉い!!
そんななでしこがお兄ちゃん誇らしいです!! (涙)
「ええのあった?」
「うん、でも手が出ないや」
犬山さんと合流した後大垣さんとも合流しまとまってカリブーを回りキャンプ用品をみていく。
アウトドア用の温かい服なんかも試着してみたりして……。
「大きなテントだねー」
「ファミリー用のいいやつやなぁ」
「めちゃめちゃ広いなー。ウチラの980円テントとは大違いだぜー」
「大人が川の字になって寝れそうだね」
小さい頃昼寝とかで雑魚寝するときはいつも両隣に桜ねーちゃんとなでしこが居たっけなぁ。
「ふむ、非常に快適だな……ブランケットと枕を持ってきてくれたまえ」
「調子こいてると叱られるで」
みんなもお店の迷惑になるようなことはやめようね! (誰?)
「あ、そうだ。マットだマット」
「次のキャンプまでになんとかせななー」
「たまごのパックみたいな表面してるこれ?」
「雑誌とかでよく紹介されてるやつやな」
マットは大まかに分けると……
・ウレタンなどでできた折りたたみマットのフォームタイプ
・空気を入れて膨らませて使うエアタイプ
・中にスポンジが入ってるエアマットのインフレータブルタイプ
の3種類があります(by大塚○夫ボイス)。
「どれが一番いいんだ?」
「インフレータブルはコンパクトにまとめられて一番寝心地がイイ! らしいッス」
「でも空気入れるタイプはパンクすることもあるで」
「それは困るねぇ」
「だが空気を入れるタイプはめっちゃコンパクトになるぞ!」
空気を入れるタイプはフォームタイプの半分くらいになるらしい。……迷うなー。
「ま、結局600円の銀マットしか買えへんのやけどな〜」
「……見慣れたバッドエンドだね」
うん……わかってたけどな!!
悲しきかな金欠学生にはこれくらいしか買えへんのやな……(泣)
「でも……マットってそんなに必要かな?」
「まあ確かにそうだよな、寝袋は十分フカフカで寝心地いいし」
「地面からの冷気を防ぐ役割もあんだよ。これから気温はどんどん下がるし……冬キャンでマットは必需品だぞ」
「なるほどね」
「イーストウッドの時は底冷えして途中起きてもうたし」
「だよなー」
寒……かったか? 意外にも適温だったような……。
「寒……かったかなぁ? 私はぐっすり眠れたけど……」
「ほんと強い子だなお前」
「なでしこ強い子元気な子やで」
お兄ちゃんなでしこが強い子に育ってくれて嬉しいです! (シスコン)
「はぁ~やっぱキャンプイスいいよなー」
「せやなー」
近くにあったキャンプイスコーナーらしきところで展示されているキャンプイスに座る。
うむ、この普通の椅子に座る感じとはまた違った沈み込む感じが、なんか~……良いんだぁ~。
「あたし……バイト代入ったらキャンプイス買うんだ……」
「死亡フラグやめぇや」
「ご飯食べたらお風呂入るんだぁー……」
「そこで死んだら死にきれんわ」
帰ったらなでしこをなでなでするんだー…………。
はっ! いかんいかん脳死状態でキモいこと考えてしまっていたぜ。
恐るべしキャンプイス……!
「つーか一通り見て思ったが殆どが大人価格だぜ……」
「アウトドアって大人の趣味だよね」
「働くようになるとバンバン買えちゃうものなのかな?」
たしかに、どれを見ても数万から十数万までピンからキリだけどこれを買ってる人が少なからずいるんだもんなぁ……。
あー早く大人になりてぇー。
「自由になるお金は増えるやろなぁ、社会人になると金銭感覚が十倍変わるって聞いたことあるわ」
「更に社会王になると金銭感覚が十万倍変わるらしいぞ」
「なんや社会王て」
「ちなみに社会神になると世界中のお金を使えるようになるんだってね」
「なわけあるかいな」
まあ、嘘ですよ。はぁービル○イツくらいお金欲しいな〜。
え? そんなに何に使うんだって? なでしこのために全部使うに決まってんだろ何度も言わせんなよ。(一回しか言ってない)
「そういえばあきちゃんてどこでバイトしてるの?」
「あたしか? イヌ子が働いてるスーパーの隣だぞ」
「酒屋さんやな」
「そうだったんだー!」「そうだったの!?」
知らんかった……てか酒屋って未成年雇って働かせていいのか?
……ホントに大丈夫なのか? いろいろと。
「何かあったらすぐ警察に言うんだよ大垣さん」(真剣)
「えっ? ……わ、わかったっす」
「ガチ過ぎません?」
ヤバいやつには警察をぶつけるのが一番(色々な意味で)楽だって桜ねーちゃんがいってた……んだから正解に決まってる。
「そうそうバイトで思い出した……新しい歴史の先生!」
「田原先生の代わりに来た鳥羽先生のこと?」
「そうそう」
「優しそうな先生だよねーキレイだし」
(なでしこのほうがキレイだけどな!)
学年が違うから担当する先生も違うわけで……俺は鳥羽先生という人には会ったことがない。
しかーし! なでしこがこの世で一番可愛いことは自明の理である!
「あの先生ウチのバイト先で"グビ姉"ってあだ名つけられてんだよ実は」
「「「グビ姉?」」」
「毎日欠かさず夕方にふらっと現れビール6缶パックを買って帰るらしい」
「へーめっちゃ酒好きなんやなー」
「……」
「酒好きで済ませれるのそれ?」
文字のまま読み取ると毎日ビール6缶飲んでるってことになるが…………ヤバくね?
ほんとにその人教師なん? 授業中に酒盛り始めちゃわない?
「……」
「どうしたなでしこ?」
「鳥羽先生って前にどこかで会ってるような気がするんだよぅ」
「そうなのか?」
不味いぞ……なでしこに変な繋がりができてしまう。毎日ビールを飲み明かし社会的に堕落していくなでしこが…………(大袈裟)。
……いやそれもあり、か? (末期)
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「ありがとうございましたー」
「帰りに身延まんじゅう食って帰るかー」
「「「さんせー」」」
大垣さんと犬山さんはそれぞれ600円の銀マットを購入し、俺となでしこは手ぶらで帰路を歩いていく。
「身延まんじゅう一個65円出来立てですよ」
「じゃ3個下さい」
「私も3個で」
「じゃあ私は……10個ください!!」
「「食うねー」」
「半分は家族のお土産だよぅ」
「じゃ俺も10個で」
(やっぱパイセンも大食漢なのか?)
(各務原先輩もよー食うなー)
ふっ……この先の展開は読めてるぜ。半分は家族へのお土産と言っているが(そんななでしこが誇らしいですはい)、目の前に出来立てパワーを持ったまんじゅうを置かれてなでしこの手が止まるはずもなく…………食べきってしまい再び買いに行くという二度手間を事前に阻止するのさ!
「良かったらお茶もどうぞ」
「ありがとうございます」
「あそこのベンチで座って食おうぜー」
「「りょーかーい」」
ふっふっふ……我ながらなでしこのための行動は完璧だぜ! 惚れ惚れしちまうくらいにな! (キモい)
「饅頭うまー」
「うまいなぁ。丁度出来立てってツイてるよなぁ」
「ほんのり温かくてモチモチしてておいしいねぇ」
「うむ」
生地が温かいから柔らかくもっちりとしていて、中の餡子を邪魔しないように調和している……。そこへお茶が入ると……これまた美味い。
このクオリティで一個65円とは……まだまだ日本も捨てたもんじゃないのぅ。日本人でよかったわい。
「やっぱり日本人なら饅頭とお茶ズラ」
「ズラぁ」
「身延まんじゅうって他の名物に比べたら知名度低いよなぁウマいのに」
「ふぇやなぁ」
「歌とか作ったら流行りそうだね」
「みーのーぉぶまぁーんじゅう♪」
「それはほたるの光だ」
懐かしーほたるの光。でかいスーパーとかでよく鳴ってたっけか。
「よし、決めたっ! 私もバイトしてキャンプ道具買いに来る!」
「お?」
「そしたら帰りにまた身延まんじゅう買いに来るよ」
「ええなぁ」
ついになでしこもバイトデビューか〜。嬉しいような寂しいような……。
……となるとバイト先は慎重に慎重を期して選ばなければな。
は? なぜって? なでしこはその溢れ出る魅力から変な虫がすぐ寄り付くからな、そんなやつはね?この俺が血祭りにしてあげるが……そもそもそんなやつがいないところに勤めればいいわけなのさ!
「あ、全部食べちゃった……」
「安心しろなでしこ、家へのお土産用は既に買ってあるから」
「ほんと!?」
「うむ」
「ありがとうお兄ちゃん!」
さっすが俺。なでしこへの愛はとどまることを知らんな。(シスコン)
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頑張ろ。