なでしこ(兄)のゆるキャン△   作:てるまるまる

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風邪引きと一人旅

 

 最近忙し過ぎて筆が進まん……。

 オラにチカラ(評価)を分けてくれぇー。

 

 ────────────────────────

 

「はぁ……寒」

 

 試験休みに入ったから久しぶりにソロキャン中……今回はバイクで上伊那までの道のりだ。

 

「……ん」ブーッブーッ

 

『リンおはよー』

 

『お、こんな時間に起きてるなんて珍し』

 

『今から寝るんですー』

 

『今日はどこいってんの?』

 

『ソロで上伊那』

 

『また長野かー寒そー』

 

『ってあれ? ソロって一人なの?』

 

『なでしこちゃんとキャンプって言ってなかったっけ?』

 

『あー……』

 

 ────────────────────────

 

 2日前……

 

『試験休みにキャンプ? うん行く行く!!』

 

「南部町にある川辺のキャンプ場なんだけど……11、12日で行かない? 自転車で行ける距離の所」

 

『いいねーっ!』

 

 四尾連湖での焼き肉キャンプのとき自分からキャンプに誘うと言ったことを先日ふと思い出して、なでしこを誘うため電話をかけたところ予想通り乗り気ななでしこに安心する。

 

「じゃあその日、朝7時になでしこの家に自転車で迎えに行くから」

 

『うんっ!』

 

「おやすみなでしこ」

 

『おやすみーリンちゃん』

 

 待ち合わせ時間などの決め事をしてからなでしことの電話を終える。自転車でここからなでしこの家に行ってなでしこを拾ってから南部町のキャンプ場に行く予定だ。

 今回のキャンプはどうだろうか……? 

 

 ────────────────────────

 

 その翌日……

 

「……なでしこからだ、どうしたんだろう?」ブーッブーッ

 

 明日に控えたなでしことのキャンプに備えて準備をしているとなでしこからスマホに電話が掛かってきた。

 

「もしも『りんぢゃあぁぁん! 風邪引いだぁぁあ!』……」

 

 び、びっくりしたー。

 

「……だ、大丈夫?」

 

『ひぐぅううごべぇえんん!』

 

「謝らなくていいって、キャンプはまた今度に……」

 

 突然の電話越しの大声にびっくりしたが、そっか……明日のキャンプはまた別の日になりそうだな。

 

『ううん私に構わずキャンプに行って! わだしの屍を乗り越えでぇええ!』(´;ω;`)

 

「おい死ぬな」

 

 ソロキャン行けってことか? 

 

「とりあえずお大事にね」

 

『うんごべんねぇ』

 

「大丈夫だって」

 

 なでしことの電話を終えて明日の予定を色々考える。風邪でお見舞い行くのも大袈裟だし…………気を遣ってキャンプしないのも何だかな。

 というか、なでしこでも風邪引くんだな。

 

「気になるキャンプ場あるしそこに行くか」

 

 ってことで早速タブレットで行きたかったキャンプ場について調べ始める。まずは、家からのおおよその距離はっと。

 

「家から片道150キロか。高ボッチの時と同じくらいか……遠いなぁ」

 

 うーん、直線距離なら近いのになぁ。南アルプスのせいで伊那方面に行くには迂回する必要があるからどうしても遠くなっちゃうんだよな。

 

「ん? ……120キロ?」

 

 マップ上に複数のルートが表示されている中で120キロと表示されたルートがあった。山越えルートだけど30キロも近道できるぞ……! 

 

「前も山走ったし何とかなるか……よしこのルートにしよう」

 

 山越えって結構大変なんだけどこの前の高ボッチも山走ったから大丈夫……多分。

 

「あとは周辺の観光スポットも……しらべて……」

 

 うーん……行き当たりばったりも旅の楽しみ方だってお爺ちゃん言ってたしもう寝よ。流石にねむい。

 

 ────────────────────────

 

『という訳』

 

『私の屍を越えてゆけキャンプw』

 

『あとでお見舞いメール送っとこう(⁠ ⁠◜⁠ェ◝⁠ ⁠)⁠』

 

『じゃ、私そろそろ寝るよ〜。おみやげよろしくねー』

 

『寝たらおみやげ無しな』

 

『ギギギギ』

 

(お、南アルプス市入ったー!)

 

 斉藤とバイクを走らせる合間合間に色々やり取りしているうちに南アルプス市に入った。

 

「ふぅ……ここらで一休みと」

 

 道中犬っころに威嚇されたり族に一瞬紛れ込んだりしながらもしばらくしてコンビニで一旦休憩を挟む。ずっと走り続けると体力保たないしな。

 

「? なでしこからだ」ブーッブーッ

 

 バイクを止めると同時になでしこからスマホに電話がくる。どうしたんだろ。

 

「え!? 風邪治ったの!?」

 

『うん、でも今日は家で寝てなさいって言われちゃった』

 

 いや、そりゃそうだろ。というか今からキャンプに行こうとしてたのか……? 

 

『リンちゃん今日キャンプ行ってるの?』

 

「うん、上伊那のキャンプ場に向かってる」

 

『かみいな?』

 

「長野県の南部にあるとこ」

 

『へぇー?』

 

「写真送るから大人しく寝てなよ」

 

『はーい』

 

 そう言ってなでしことの通話を終える。さてと、休憩もほどほどにして行きますか。

 

 ────────────────────────

 

「オーライ! オーライ! …………OKです!」

 

 大きな声を出しながら入ってきた自動車の誘導を行い定位置で停車させる。

 

「レギュラーでしょうか? ハイオクでしょうか?」

 

「レギュラーで」

 

「給油量はいかがいたしますか?」

 

「満タンで」

 

「かしこまりました……レギュラー満タン入りまーす!」

 

「「「お願いしまーす!」」」

 

 給油口を開けてもらいレギュラーの給油ノズルを伸ばして給油していく。

 

「車内清掃はいかがいたしますか?」

 

「じゃあお願いしようかな」

 

「かしこまりました!」

 

 給油する間に車内を清掃していく。ここはテキパキかつ丁寧に行わなければ給油後に時間ができてしまう。……ので理想を言えば給油が終わるのとほぼ同時に終わらせるくらいの速さで終わらせる。

 

「……」サッサッ

 

 まずは軽くホコリやゴミを全体的に塵取りで掃いた後、掃除機で細かいホコリを吸い込む。このお客さんキレイな車内だからやりやすいな。

 

「……よっと」バサ

 

 次にフロアマットを車外に出し砂やホコリを落とし、車内に残ってる砂埃などもまとめて掃除機で吸い込む。

 

「……」シュッシュッ

 

 フロアマットを戻したら座席のシートと天井、内ガラスを専用のクリーナーとマイクロファイバータオルで拭き上げていく。マイクロファイバータオルはそれぞれ水拭き用、乾拭き用などと使い分けをしシートの素材でもタオルとクリーナーを使い分ける。

 

「……よし」

 

 そんで全体的な拭き上げが終わったら最後にシートとフロアマットのホコリを掃除機で綺麗にし清掃完了だ。

 

「お待たせしました車内清掃完了です」

 

「あぁ、ありがとうね」

 

 お客様に清掃が終了した旨を伝えてから給油が終わったノズルをもとに戻す。ふむ、やはりまだまだ給油終了直後に清掃を終えることはできないか。

 

「料金が……レギュラー満タンで6355円となります」

 

「10000円でお願いします」

 

「はい、では10000円お預かりいたします」

 

 自動釣り銭機に10000円を入れて精算をし、出てきたお札と小銭をお客様に渡す。

 

「大きいほうが……3000円と……小さいほうが645円のお返しとなりますお確かめください」

 

 お札を数えながら渡し、お客様が入れたのを確認してから小銭を手渡しするのがこのガソスタのルールなのだ。

 

「ありがとね、またお願いするよ」

 

「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております……お客様お帰りでーす!」

 

「「「ありがとうございましたー!」」」

 

 "丁寧な接客をしお客様を見送るまでが仕事"これがうちのガソスタのスローガンだ。いいね。

 

「頑張ってるね〜各務原くん」

 

「大倉さん、お疲れ様です」

 

 この人は近年セルフガソスタが流行っている中でもフルサービスガソスタを経営し続けている店長の大倉さん。

 

「いやー各務原くん接客丁寧だし綺麗に車内清掃してくれるから結構お客さんから人気なんだぜー」

 

「いえいえそんな……」

 

「いや、まじまじ」

 

 とはいえ正直店長の大倉さんから直接褒められるのは嬉しい。なんせこの辺のバイトの求人はほんとに少ないから雇ってくれた大倉さんには恩を感じているのだ。しかも、バイクの整備などを色々教えてくれたのは何を隠そう大倉さんなのだ。

 

「おっと、そろそろ各務原くん上がりだね」

 

「そうですね」

 

「じゃあもう上がっちゃっていいぜー」

 

「ホントですか!?」

 

「うん、しっかり時間通りの給金はつけとくからさー安心してくれぃ」

 

 よっし!! いやー早く上がれるのはマジでデカいぜ。昨日から風邪を引いているなでしこの看病を早くせねば……! 

 

「ではお先に失礼します!」

 

「お疲れさーん」

 

 もうバイト中もなでしこのことが心配で心配で集中しにくかったからなー。

 よっしゃ、なでしこのためにスポドリやら買って帰るぜ! もちろん爆速でな! 

 

 ────────────────────────

 

「ふぃー」カシャン

 

 文字通り持てる力100%を使って爆速で帰ってきてやったぜ。さっさとチャリを置いて家にガンダッシュ! 

 

「あれ? パイセン?」

 

「ん? 大垣さん?」

 

 なんでこんなところに? 

 声をかけられた方を見るとそこにはビニール袋を片手に佇む私服姿の大垣さんが。

 

「なぜにこんなところに?」

 

「いやーなでしこのお見舞いをしてやろうかと思いまして」

 

 いい子やなー。普段からの言動で隠れてるけど大垣さんっていい子だったんだな。(失礼)

 

「そういうとこね、じゃ上がって上がってー」

 

「お、お邪魔しまーす」

 

「洗面所は行って右側だから」

 

「うす」

 

 手洗いうがい大事。ってことで終わったら早速なでしこの部屋へと向かう。

 

「なでしこ入るぞー」コンコン

 

「いいよー」

 

「……なにしてんだーなでしこ?」

 

 部屋に入ると目の前に広がっていたのはイモムシのように布団に包まっているなでしこの姿が。

 

 

 

 

 スゥ~…………かわいいかよ! (クソデカボイス)

 

 

 

 

 え、待って可愛すぎない? どれくらい可愛いかってこの世の全ての可愛いを集めてもなおそれを凌駕して圧倒的な差をつけて一位でゴールする(?)くらいに可愛い。はーほんと…………愛……ですわ。

 コロコロとベッドの上で転がってるのもなにもかもが愛おしい……! 神様って二物以上を与えるんだな。

 

「生きててよかった……(泣)」

 

「!?」

 

「お兄ちゃん、今リンちゃんの行き先をナビゲートしてるんだけど……」

 

「ほーん、志摩さんどこ行ってるの?」

 

「上伊那だって。だから伊那と駒ヶ根の観光スポットで何かいいところ無いかなぁ」

 

「うーん、行ったことないけどそこらへんなら"千畳敷カール"が良いんじゃないかな」

 

 千畳敷カール。

 氷河期時代に形成されたとされる中央アルプスの宝剣岳東部に広がるカール地形。なんかの本で読んだ記憶があるが、たしか日本アルプスでしかカール地形って見られなかったはずだし、志麻さんなら静かなところの方がいいだろうしな。

 

「せんじょうじきかーる?」

 

「中央アルプスにある日本を代表するカール地形の一つだよ」

 

「へぇー……よーし、早速リンちゃんに紹介しよう!」

 

「……そうだなでしこ、ちょーっとスマホ貸してみー」ニヤニヤ

 

「? いいよー」

 

 なでしこからスマホを受け取った大垣さんは物凄いタイピング速度で何かを打ち込んでいく。何してんだろ? 

 

「……」カキカキ

 

 と思ったら近くにあったスケッチブックにマジックペンで何かを書き込んでいく。……うーん? 

 

「よし、なでしここいつを持って寝転がってくれぃ」

 

「?」

 

「(<◎>◞౪◟<◎>)」パシャリ

 

「……」

 

「……」

 

 なでしこに“助けてリンちゃん! ”と書いたスケッチブックを持たせて上から踏みつけるような画角で写真を一枚。なにこれ? (ゴ〇リ)

 

『なでしこは預かった。返してほしくば私の言う通り旅を続けるのだ!』

 

『こっからはあきちゃんと二人体制でお送りしまーす!』

 

『もう好きにしろよ』

 

『リンちゃん! 駒ヶ根にアウトドア雑貨も売ってる薪ストーブ屋さん見つけたよ!!』

 

『へー、ちょっと寄ってこうかな』

 

『しまりん! 伊那にきのこ帝国っていう……』

 

『それさっき聞いたわ』

 

『リンちゃん! さっきのストーブ屋さんの近くにわんこが祀られてるお寺見つけたよ!!』

 

『じゃとりあえずその二つに行ってみるよ』

 

『写真送ってねー』

 

『うい』

 

 ────────────────────―

 

「なるほどなー。しまりんは風邪を引いたなでしこを元気づけるため一人極寒キャンプへ旅立ったわけか……」

 

 うん、違う。志摩さんがソロキャンをするに至るまでの経緯を大垣さんにざっくりと話したところ先のような反応が返ってきたわけだが……微妙にニュアンスが違う希ガス。

 

「あ、そうだお見舞い持ってきたんだったぜ」ガサゴソ

 

「?」

 

「ほれ」

 

「あー! ほうとうだ!!」「お、ほうとうじゃん」

 

「おめぇ食ったことねぇって言ってたろ? 全快したら母ちゃんにでも作ってもらいな……」( ー`дー´)キリッ

 

 なんかかっこつけてるところ申し訳ないんだけど腹ペコなでしこの目の前に食べ物なんか出したら……

 

「けほっけほっ……あきちゃんの作ったほうとうが食べてみたいなぁ」チラッ

 

 ほらね。案の定なでしこは大垣さんにほうとうを作ってもらうよう若干具合が悪いふりをしながらお願いしていた。うんこれは作るしか選択肢はないよね。

 こんなにもなでしこが可愛くお願いしてきてるんだからこれを断るなんてありえないというかもし断るなら俺は末代まで大垣さんを呪う羽目になってしまうな。(早口)

 

 

 ということで……

 

 

「あきちゃんほうとうって具は何入れるの?」

 

「えーとかぼちゃ、白菜、にんじん、キノコとかだなたしか」

 

「そんくらいなら冷蔵庫の中に全部入ってるからご自由にどうぞ」

 

「うっす」

 

 やってきたのは我が家のキッチン。うちの冷蔵庫は基本的に健啖家の父さんとその血を継いだなでしこのために大量の食材たちが鎮座している。

 それにプラスして俺が釣りやキノコ狩りで採ってきた魚やらキノコ、山菜やらがあるため我が家の冷蔵庫に入っていないものはないんじゃないかというくらい食材たちがスタンバってる。

 

「梨っ子あきちゃんの作る本場のほうとう……楽しみだなぁ」キラキラ

 

「あんま期待すんなー」

 

「サポートは任せて」

 

「あざっす! ……さてと、とりあえず切って煮てみっかー」

 

 とりあえずほうとうのパッケージ裏に書いてある通りに作ろうということで記載の材料を捌いていくっ! ……じゃなかった、切っていく。

 

「ただいまー」ガチャ

 

「あ、お母さんおかえりー」

 

「おかえりー」

 

「あら? 何か作ってるの?」

 

「梨っ子あきちゃんが本場のほうとう作ってくれるんだってー」

 

 材料を領域展開しながら細切れにしていると我が家の聖母ディスイズマイマザーがご帰宅なされたようだ。リビングの扉を開けて入ってくると同時にこちらの動きにも気づいたようだ。

 

「お、おじゃましてます」

 

「いらっしゃい、冷蔵庫の中のもの自由に使っていいからね」

 

「うす」

 

「そういえばまだほうとう作ったことなかったわねぇ、お父さんは会社の人と食べに行ったらしいけど」

 

「お父さんずるーい」

 

 さすが健啖家の父さんだな。ただ俺たちを差し置いて一足先にほうとうを食べたのはギルティだぜ。

 

「おっ何か作ってるのかー?」ガチャリ

 

「梨っ子あきちゃんが本場の絶品ほうとう作ってくれてるんだよぅ」

 

 噂をすればなんとやら。なでしこの風邪をもらい会社を休んでいた父さんがリビングに入ってきた。

 

「おおーほうとうか! ほうとうといえば会社の人から聞いたんだが、地元の人が家で作るほうとうはドロドロしててお店のやつとはまた違ったウマさがあるらしいぞ!」

 

「「へぇー」」

 

「ふーん、そうなの大垣さん?」コソコソ

 

「えっ? ……さぁ?」コソコソ

 

 絶対違うじゃんそれ。

 

「どうする、ほうとうなんて家で出るもん食っただけだし作ったことなんてねーぞ……」ボソボソ

 

「大垣さん?」

 

「いやいや、私だって曲がりなりにも山梨県民。県民の本能が本物のほうとうの味を知っている筈……!」ボソボソ

 

「……」

 

「私にだって本物の激ウマほうとうが作れる筈だー!」

 

 いや、うん全部聞こえちゃってるから。この距離の近さで丸聞こえな大垣さんの独白を聞いたところ、大垣さんはほうとうを作ったことがないらしい……心配になってきたな。

 

「…………ってことで始まりましたあきちゃんの30分クッキング! パチパチパチー」

 

 何か始まった……! 

 

「量はてきとう!」キャピ☆

 

「おい」

 

 てきとうなんかい。なでしこに出すものだから丁寧に作らなければだめでしょうが。

 まあ、そこんところは俺がサポートしますか。

 

「とりあえず火の通りにくい根菜を出汁とともに煮ていく」

 

「柔らかくなったら次は麺だね」

 

 しばらくして根菜を菜箸でつついて火の通りを確認する。……よし。

 

「粉付きのまま麺をとうにゅうー!」

 

「しばらく煮たら残りの野菜を入れてまた煮込む……」

 

「甲州みそを入れたらさらに煮込むぜぃ」

 

「ただいま、何作ってんの?」ガチャ

 

「一流ホテルのシェフも認めた至高のほうとうだよー」

 

 みそを入れてさらに煮込む途中、桜ねーちゃんも帰ってきて結局一家全員でほうとうを味わうことになった。

 というかハードルを上げるのやめなさいなでしこ、大垣さんプレッシャーに押しつぶされそうになっちゃってるから。

 

「ってことでかんせーい!」

 

 ササッとお椀に完成したほうとうを盛り付けて配膳していく。

 

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

 

 さてさて、梨っ子が作る本場のほうとう……その味や如何に! 

 

「ふーっふーっ……」もっもっ

 

「はふっはふっ……」モチモチ

 

「ん〜〜〜〜っ! おいしいっ!」

 

「うむ」

 

「もちもちしててうどんとは別の食べ物だよっ!」

 

「溶けた野菜と味噌が絡んで……」

 

「濃厚でおいしいわねぇー」

 

 なでしこ、父さん、母さん三者三様の食レポでほうとうの旨さを物語る。

 

「うまいなぁ」

 

 たしかに美味い。粉付きで麺を入れたことによりスープにとろみが付き、麺によく絡まることで甲州味噌とそれを支える出汁の風味や味がダイレクトに伝わってくる。そしてなによりほうとうがもちもちしててうどんとはまた別の食感で自身のその旨味を伝えてくる……! 食材の声が聞こえるッ! 

 

「あきちゃん! ほうとう最高だよっ!」

 

「あったりめぇよ──っ!」

 

「…………」もぐもぐ

 

 ふっ、見たまえあの桜ねーちゃんのしかめっ面を……! 

 このほうとうがよほどお気に召したようでだいぶ顔をしかめてらっしゃる。

 

「千明ちゃんこれ……」

 

「は、はひっ!?」

 

「めちゃくちゃ美味いわね。後でレシピ教えてもらえる?」

 

「う、うまいんかい」ホッ

 

「大垣さん、桜ねーちゃんは美味しいものを食べると顔をしかめる癖があるだけで怒ってるわけじゃないよ」コソッ

 

「そ、そうなんすか」

 

 そうなのだ。桜ねーちゃんは美味しいものを食べるとき顔をしかめる癖がある。

 そして、そのしかめる具合によって美味しいものかそうでないか判断できるというよくわからない特性があるのだ。

 ……愛おしいですね〜。

 

 ────────────────────────

 

 ゆるキャン△4期制作決定……これはきましたわ。

 マジちょーうれぴっぴ。(キモッ)

 

 

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