なでしこ(兄)のゆるキャン△   作:てるまるまる

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クリキャン会議

 

 よし。(間に合ってない)

 

 ────────────────────────

 

「おにく…………当たってもーた!!」

 

 クリスマスキャンプに向けての会議を行うためにいつものように部室へと集まった我々野クル一行。

 そんなときおもむろに犬山さんが懸賞のチラシを出したかと思えばそこに載ってる1等のA5ランクの国産黒毛和牛肩ロース肉に当選したというではないか。

 

「何ィ!? これ当てたのか!? マジで!?」

 

「ふおぉぉぉ! いいお肉だー!!」

 

「A5ランク……だと」

 

「バイト先で勧められた懸賞に応募したらたまたまなー」

 

「すごいよあおいちゃん!!」

 

「あ、もしかしてこの前に言ってたいいものってこれのこと?」

 

「そうなんですよー」

 

 なでしこが風邪を引いた日、クリスマスキャンプに向けて話し合いをしている時にバイト終わりの犬山さんからグループにチャットで予告があったのを思い出し、もしやと思い実際に聞いてみるとそのとおりだったようだ。

 

「これ使うてキャンプごはん作ろうやないか」

 

「「やったーっ!!」」

 

「いいねぇ」

 

「おにく!」

 

「おにく!」

 

「おに「一人4000円ずつや」……!?」

 

 ま、まじかぁ。

 ま、まあそりゃタダではいかんか。なんせA5ランクの国産黒毛和牛だからなぁ。

 

「あ、あきちゃんいくら出せる?」

 

「ぐぬぬ…………」

 

「お兄ちゃんは?」

 

「くっ……ぎり……やな」

 

「うそやでー」

 

 なんや嘘かいな。なでしこはお小遣いでしか収入がないから最悪の場合俺が全額出そうかと覚悟してたわ。

 

「こんちはー」カラカラ

 

「「「あ、いらっしゃーい」」」

 

「いらっしゃい斉藤さん」

 

「どうもー」

 

 そんな犬山さんをよいしょしてると、斉藤さんが部室に入ってきたので皆でお出迎えする。

 ふむ、これで本日のメンツは揃ったな…………我々野クル+1名によるクリスマスキャンプ会議、略してクリキャン会議が今! 始まろうとしている! 

 

 ────────────────────────

 

「実はあたしもいい物を手に入れたのだよ……」

 

「なんやて……!」

 

「ドキドキっ」

 

「ムネムネ」

 

「聞いて驚け見て驚け! ババァ──ン!」

 

「あ、キャンプイスや」

 

「違うよ猫のねどこだよー」

 

「いやいや自撮り台じゃない?」

 

「焚き火台だよ焚き火台!! お前らワザと言ってるだろっ」

 

 クリキャン会議を行うため狭い部室(さすがに5人は入らんて)から校庭へと移動した我々野クル一行+1名。そこで大垣さんから重大発表を受け三者三様の反応をするが、どうやら大垣さんはお気に召さなかったようだ……。

 

「まぁ本当はバイト代入った全能感で調子こいてコミコミ3万の焚き火台買おうとしたんだが……ポチろうとした瞬間思いっきり鼻血出てやめたんだわ」

 

「高すぎて体が拒絶反応起こしたんか」

 

「んでこれにしたってわけ。年末セールで4500円だった」

 

「それでも結構奮発したやん」

 

 980円テントに比べたら大分進展(?)してるな。

 

「ねぇ斉藤さん。キャンプ一泊二日でよかったの?」

 

「たしかに斉藤さん寝袋持ってへんかったよね?」

 

「んーとね、泊まりのほうが楽しそうだから寝袋休みに調べて注文しちゃったんだ〜」

 

「「「おおー」」」

 

「私寒いの苦手だからこれにしたんだけど……」

 

「おーどれどれー…………よんまんごせん!?」

 

「「「高っ!」」」

 

 寝袋だけで4万5000円!? 大垣さんの思わずといったように出た金額に斉藤さん以外の全員で驚愕してしまう。

 

「アウトドアは良い経験になるからってお父さんがお金出してくれてねー」

 

「いいなー」

 

「ブルジョワだねぇ」

 

「あき! 鼻血出とる!」

 

「ほわっ!?」

 

「はいティッシュ」

 

「あ、あざす……」

 

 斉藤さんのお家ってもしかして豪邸だったり……? 

 もしかすると斉藤さんってお嬢様だったりするのかな? 

 私気になります! (キモ)

 

「さーて! 斉藤隊員が我が探検隊に体験入隊するということだが……ウチの探検隊は甘くないぞヒヨッコ! 覚悟はあるか!?」

 

「イエッサー!」

 

「よおぉぉぉし!」

 

「……なにこれ? (ゴロリ風)」

 

 早速焚き火台で焚き火しながらクリキャン会議を進めることにしたわけだが、なんなんだぁこの茶番はぁ。

 

「前回の探検も苦難の連続だった…………」

 

 まだやるんかい。その先で語られたのはどこのディスカバリーチャンネルだよとツッコミたくなるような改変ストーリーだったことをここに記しておく。

 

「ほんじゃクリキャン作戦会議はじめまーす」

 

「「「「おーっ」」」」

 

「えーキャンプの日取りは24、25日、場所は富士五湖周辺て事だけ決まっておりますがー、具体的なキャンプ場はこれから決めてきまーす」

 

「たいちょう! おやつはい「好きなだけ持ってきてよおぉぉぉし!!」」

 

「じゃ犬山くん持ってくものの説明ヨロ」

 

「はいはい」

 

 さっそくといった感じで焚き火台で焚き火し、野クルポットで湯を沸かす間にヌルっと始まったクリキャン作戦会議。そこはさすがの野クル部長である大垣さんが議事進行を務め話が進んでいく。

 

「て言うても持ちもんはだいたい前回と同じや。テントはうちらのと志摩さんのがあるから斉藤さんは寝袋と着替えくらいやね」

 

「分かった」

 

「リンちゃん来る気になってよかったよね」

 

「だね!」

 

 実はなでしこが風邪を引いた日、お見舞いに来てくれた大垣さんが帰ったあの後大垣さんに志摩さんからチャットで今回のクリキャンに参加する旨が伝えられていたのだ。

 

「あとは寒くならんよう着込んでくるってことやね」

 

「「「「りょーかーい」」」」

 

「……せや、昼と夜のごはん何作ろか?」

 

 ポットの湯が沸きココアを入れる傍ら犬山さんが疑問を呈する。

 

「夜はイヌ子の当てた肉でなんか作るとして、昼はどっかで買ってく感じじゃね?」

 

「当てた肉?」

 

「あおいちゃんが懸賞でお肉当てたんだよぅ」

 

「おーラッキーガールだね」

 

「みんなで焼き肉とかやっちゃう?」

 

「薄切り肉だからちょっと違うなー」

 

「何かクリスマスっぽいキャンプ飯にしたいよなぁー」

 

「「「うーん……」」」

 

(クリスマスっぽいキャンプ飯か…………)

 

 順当に行けば七面鳥の丸焼きだったりローストチキンだったりと豪華な主食がクリスマスの時に食べるものとして挙げられるが、キャンプ場で作って片付けるまでのことを考えるとそんな手の込んだものを作るのは難しい…………うーむ。

 

「ねぇ、クリスマスだしプレゼント交換ってやらないの?」

 

「「「プレゼントこうかん……」」」

 

「たしかに……」

 

 はっ……! たしかにクリスマスといえばプレゼント交換だな。去年のクリスマスはなでしこが用意したプレゼントが当たって、いい大人ながらも嬉し泣き(号泣)したような……。

 

「せやなぁ、今のままだとクリスマスにやるだけで普通のキャンプや……」

 

「あ、あおいちゃん私プレゼント買ったらキャンプするお金が……」

 

「ま、まあ私もバイト代まだやからちょっとキビシい……」

 

「あ、マズイこと聞いちゃったかなー」

 

「斉藤、本当のクリスマスプレゼントはなみんなの心の中にあるもんなんだぜ」(-д☆)キラッ

 

「イイハナシ風に言うてもダマされへんで」

 

 とはいえ、なんでもいいから今年もなでしこからのプレゼントがほすぃのだ…………。

 

「せや、私お肉をプレゼントにしてまおー」

 

「なっ!? ずりーぞイヌ子!!」

 

「にくー!」

 

「おにくー!!」

 

「……ふむ」

 

「? どうかしたんですか」

 

「ないしょ」

 

 これならいけるか…………? 

 

「そうだ、プレゼントの代わりにおもてなしするってどうかな?」

 

「おもてなし?」

 

「例えばあおいちゃんはお肉を使った料理でおもてなしして、私は次の日の朝ごはんを作ってみんなをもてなすとか……」

 

 少しプレゼントについて考えていた意識を話し合いに戻すと、各々が出来るおもてなしでクリスマスプレゼントにしようという。

 人のために行動できるなでしこだからこその天才的なアイデア。

 さすがIQ53万のマイスーパーエンジェルシスター、これには世界も喜び勇んで脱毛するわ。

 

「それええなー」

 

「これだったら家から食材持ってくればいいからお金かからないし」

 

「キャンプで出来る遊び考えてくるとか?」

 

「クリスマス気分に浸れるおもてなしとか?」

 

「「「いいねー!」」」

 

「一人はみんなのために!! みんなは一人のために!! ワンフォーオール、オールインワンだよ!!」

 

「なでしこ、オールフォーワンね」

 

「ありゃ?」

 

 うん、可愛い。

 そろそろ皆さん(?)もなでしこが可愛すぎて俺の考えていることが手に取るように分かるようになってきたんじゃなかろうか? よし、表出ろ。(なんで?)

 

「あ、キャンプに犬連れてってもいいかな?」

 

「「「「犬?」」」」

 

「こいつ、ちくわって名前なんだけど」

 

「チワワだー」

 

 斉藤さんのスマホに次々と映し出される飼っている犬の写真を皆で眺める。

 

「かわええなー連れて来てぇー」

 

「うんうん連れてきてよー」

 

「ふっ、やはり犬だ犬は全てを解決する……」

 

「じゃ、一緒に連れてくるよー」

 

 突然ですが皆さんは犬派ですか猫派ですか? まぁ、なでしこが好きな皆さんならもちろん犬派ですよね。異論は潰します♪ 

 

「犬とキャンプする人意外といるんだよなー」

 

「犬用のキャンプブランドとかもあるしなー」

 

 そんなこんなで沸いた湯でココアを飲みながら皆で談笑していると…………。

 

「ちょっとあなたたち! こんな所で何やってるの!?」

 

「「「「「?」」」」」

 

 おそらく1年生か3年生だかの担当の先生が駆け寄ってくる。なんで怒ってんだ? なんかやったか? 

 

「校庭で焚き火なんかして……火事になったらどうするんですか」

 

「あ、先生先生。あたし達一応登山部の大町先生に許可取ってからやってますよ」

 

「野外活動サークルってことでな〜」

 

「え? 大町先生? そうなんですか?」

 

 

 ということで…………

 

 

「大町先生、生徒だけでの火の取り扱いは危険だと思います。火事にでもなったりしたら…………」

 

 職員室まで登山部の大町先生に証言してもらうために移動してきた我々野クル一行+1名。どうやらこの先生は我々野クルが許可なく校庭で焚き火をしていると思い注意をしに来たようなのだ。まあ、たしかに生徒だけで焚き火してたら非行少年・少女たちに見えてもおかしくはないが。

 

「最初のうちはあたしが立ち会って片付けの仕方とか消火器の使い方を指導しましたから大丈夫ですよ」

 

「ですが……」

 

「火を使うときは一声かけてくれるし……な、大垣」

 

「ういっす!」

 

「それに……」

 

「……なんですか?」

 

 なぜこっちを見る大町ティーチャー。不意に言葉を切った大町先生がこっちを見てくる。

 

「各務原くんもいますし」

 

「どういうことですかそれ」

 

「…………まぁ全く心配がないわけじゃないですが、あたしも他の部の顧問がありますしねぇ」

 

 おい、なにサラッと流してんねーん。というか今の間はなんやねん。

 何? 俺がいるとなんか起きるの? 先生たちの間で俺ってどんな存在なの? 

 

「そうだ! いっそ鳥羽先生監督されたらどうです?」

 

「へっ!?」

 

「ねえ、俺ってどんな存在なの?」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

 なんで皆黙るん? 

 

「た、確か鳥羽先生まだフリーでしたよね」

 

「まあ……一応」

 

「ねぇ」

 

「せ、先生顧問やってくれるんですか!?」

 

「いやー安心しました! 教頭へはあたしから言っときますね!」スタコラサッサー

 

「…………ぐすん」

 

 泣くぞ俺。

 

 ────────────────────────

 

「先生、一杯どうぞ」

 

「あ、ありがとう」

 

「みんなして無視するんだもんね…………」ブツブツ

 

「野外活動サークル……あなたたち普段どういった活動をしているんですか?」

 

「えーと、アウトドアの本読んだり……」

 

「校内の落ち葉とか枝を集めて焚き火でコーヒー飲んだりして」

 

「休みの日にみんなでキャンプしてます!!」

 

「そうだよね……みんな俺に期待なんかしてないもんね…………」ブツブツ

 

「こ、今度の休みもキャンプ行くんだよねー」

 

「「「ね、ねーっ!」」」

 

「…………あーあ、お兄ちゃん悲しいなー」チラッ

 

 お兄ちゃん悲しいなー! (クソデカボイス)

 なでしこに慰めてほしいなー! 

 

「お、おいさすがに無視できなくなってきたぞ……」コソコソ

 

「せ、せやな…………」コソコソ

 

「というかパイセンあんな面倒くさい性格だったか……?」コソコソ

 

「お兄ちゃんはあからさまに無視されるといじけちゃうんだよ(真面目)」コソコソ

 

「なるほどね〜」コソコソ

 

「ちなみにこういうときはどうしたらいいんだ、なでしこ?」コソコソ

 

「こういうときはねー…………」

 

「……ぐすん」

 

「お兄ちゃん!」

 

「?」

 

「ん!」

 

「!?」

 

 突然腕を広げたなでしこが抱き着いてくる。

 …………ふっ、我が生涯に一片の悔いなし。

 

「おいおいこんなんで復活するのかー?」

 

「…………」

 

「するよぅ!」

 

「…………」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「……あ、あれっ? お兄ちゃん?」

 

「…………」

 

「…………死んでねーか? パイセン」

 

「ほ、ほんまや」

 

「ものすごく幸せそうな顔して死んでるね〜」

 

 我が生涯に一片の悔いなしっ! 

 あ、ちなみに我々野クルの顧問となった鳥羽先生は四尾連湖での酔っ払いだったらしい。

 ふっ、安易になでしこに近づけるとは思わないことだ…………! 

 

 ────────────────────────

 

 大学生GWほぼ無い件について。休み5日間しかなかったんだお、ウィークじゃねぇじゃん(´・ω・`)

 

 

 

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