長めです。蒼也視点です。
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「とりあえず身延の方までいってその先の本栖みちから本栖湖付近まで行くか」
ヘルメットを被りながらルートを考える。逸る気持ちを抑えつつ一番なでしこが行きそうで最適なルートを選択し出発する。
(なでしこなら余裕で40kmくらいは自転車で走れるからな……)
なでしこはとある一件でフィジカルチートに大変身し、ただのミニベロでもここから最大50kmくらいならいけてしまうためなるべく捜索範囲は広めで考えておく。
「フッフッ……」
途中の登り坂をリズムよく足を動かすことで持てる最大限の速度でなでしこを探していく(とあるアニメで誰かさんが登り坂はリズムが大事だっていってたような、いってなかったようなシランケド)。
「ふぅ…………ここにはいないか……」
身延駅まで20分程度で到着しあたりを少し徐行速度で見て回るが、見つかる気配がない……。
「……」
あたりもだいぶ暗くなっているからか、本格的に心に焦りが見え始める。心に焦りというか……
「なでしこ成分が足りねぇ!!!」
昼間からほとんどなでしこに会っていないせいか俺の中のなでしこ成分が切れ始めているっ! まずいぞ、こここここのままでは俺の中のありとあらゆる活力が失われ、果てには生きる気力すら失って自殺してしまうかもしれん……。あぁとにかく一刻も早く見つけ出せないと俺が野垂れ死んでしまう……。ほらみろ今でも手足に震えが、禁断症状が出始めている……。
「……っし……さっさと行くか」
頭を振りダダ下がっていた気持ちを切り替え先の本栖みちを目指す。そう俺は切り替えのできるクールボーイ(笑)なのだ。
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(なかなか見つからないな……)
本栖みちに入りあたりをよく見ながらも最高速度で自転車を漕ぎなでしこを探すが一向に見当たらない……。まじヤバイ。どれくらいやばいかというとウルトラマンが実際では3分以上戦っていることがバレたときくらいやばい(誰がわかんねん)。そんなよくわからんことを考えていたとき、スマホショルダーにセットしていたスマホに着信が入る。
「! 桜ねーちゃんからだ!」
何か進展があったのかと思いながら路肩に寄せてから停止し、そのまま電話に出る。
「もしもし桜ねーちゃん」
『そうや、なでしこが見つかったわよ』
「マジ?! どこ? どこにいんの?!」
『一旦落ち着きなさい……、本栖湖の浩庵キャンプ場ってところにソロキャンパーさんといるみたいよ』
なでしこが見つかったという報告を聞き逸る俺を宥めながらなでしこの所在を言う桜ねーちゃん。本栖湖か……すぐそこだな。ソロキャンパーさんなでしこを見つけてくれてありがとう! まじ神! 仏! ……ん? ソロキャンパーさん?
「……桜ねーちゃん、ソロキャンパーさんって男?」
『えっ? ……さぁ?』
まずいぞ……、そのソロキャンパーさんが男だったら非常にまずいぞ。俺のハイパーエンジェルシスターなでしこは誰の目から見ても世界一、いや宇宙一の美人だから……そんななでしこと二人っきりになったら……男ならまず間違いなく襲いかかったりするだろう(ド偏見)。心細い中なでしこが襲われる状況を想像すると…………
「そんなことさせるか──ー!!! まってろよなでしこ! お兄ちゃんが今行くぞ──ー!」
『?! ちょっといきなり大声だしてどうしたの?!』
全力でお兄ちゃんを遂行する!
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「オラオラオラ!」
あの後急に大声だしたことを桜ねーちゃんに謝罪し、桜ねーちゃんも車でなでしこを迎えに行くことを聞いたがその間になでしこが襲われないとも限らないため、比較的そのキャンプ場近い俺はすぐさまキャンプ場へ行くために本栖みちをチャリで爆走していた。
(うーん、確かキャンプ場って金かかるんだよな……あれか?)
本栖みち途中のトンネルを抜けた先にロッジらしき建物を発見し一度寄ってみることにする。自転車を適当なところに停め、ロッジの明かりがまだついていたので営業しているのかと思い声をかける。
「すいませーん、キャンプ場に入りたいんですけどー……」
「……はーい、一泊でのご利用ですか?」
「いや、キャンプ場にスーパーエンジェ……知り合いがいて会いに行きたいんですけど」
「でしたらデイキャンプという扱いになりますので500円になります。あと、ここに名前と連絡先を……」
なんかややこしくなってきたな……。今すぐにでもなでしこの安否を確認しなければならないというのに……。というかデイキャンプって何やねん。キャンプにデイとかいう概念なんかあらへんやろ(バカ)。段々となでしこの安否を早く確認したいがために焦りが出てくる俺。……あぁもう面倒だ!
「……」スッ
「……えっ?」
「……それ預けとくんで……じゃ!」ダッ
「ちょ、ちょっとまって!」
自身の財布を管理人さんの前のカウンターに置き去り全力ダッシュ! (絶対にやめましょう)おそらく今までで最高速度であろう速さでダッシュする。今の俺はウサ○ンボルトすらも超越するッ!
「えー…………?」
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そうしてきちんと受付を済ませた(笑)俺はキャンプ場へと入り、なでしこがいるであろうテントもしくはそのソロキャンパーさんとやらを探す。
(……にしても意外と空いてるんだな)
意外とキャンプサイトが空いていることに驚きつつも、探す手間が省けることに安心しなでしこを探すとあっさりと見つかった。焚き火の前にしゃがみ込み誰かと喋っている……
「なでしこっ」
「……ほぇ? お兄ちゃん?」
「よかった、ほんとに、無事で……」
息を整えるために膝に手をつきながらなでしこを見ると、本当に何事もなかったようで心から安心し安堵する。そして、おそらくなでしこを保護してくれたであろうソロキャンパーさんの方を向くと、そこにいたのはなでしこや俺よりも一回りくらい小さい小学生くらいのお団子ヘアーの少女だった。いやー男じゃなくてよかったよかった。いやそんなことはどうでも良くて(よくはないが)、とりあえず……
「なでしこを助けてくださり本当にありがとうございました!!」ガバッ
地面に頭を突き刺すような勢いで下げながら、感謝の意をその少女に述べる。
「いえ、別に大したことは……」
と遠慮がちにそんな事をいってくる。……神か? いや仏やな。南無阿弥陀仏うんたらかんたら。
「いやいや! あなたはなでしこ(と俺)の命の恩人ですよ! この御恩は一生っ忘れませんっ!! (byサンジ)」
「そんな大げさな……」
とそこで俺はなでしこに振り返り(なぜビビる?)……
「なでしこー! お兄ちゃん超絶バチクソ心配したぞー!」ガバッ
「わわっ……」
人目もはばからずなでしこに抱きつき不足していたなでしこ成分を吸収していく。
「うわぁ……(シスコンだ)」
横から嫌悪と侮蔑の視線を感じるが、わたしは一向にかまわんッッ!!
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「ん゙ん゙……さて、なでしこそろそろ桜ねーちゃんが車で迎えに来るだろうから自転車取りに行くぞ」( ー`дー´)キリッ
なでしこ成分を存分に充電できた俺は何事もなかったかのように表情を切り替える。俺は切り替えのできる(略)。おっと……噂をすれば桜ねーちゃんからだ……
『今どこ?』
『なでしこと助けてくれたソロキャンパーさんと一緒にキャンプ場内にいる』
『わかったわ、管理棟の駐車場に停めてあるからなでしことソロキャンパーさんも連れてきて』
『おけまる水産』
「桜ねーちゃんが管理棟にいるから来いってさ」
振り返りなでしこにそう言うと、ふと思い出したようになでしこが急激にビビりだした(だからなぜ?)。
「……お姉ちゃん、絶対に怒ってるよね……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
あーなるほどね。たしかになでしこを誰よりも大事に思ってる(本人は絶対にそんなこと言わないが)桜ねーちゃんなら怒るだろうな。甘んじて受け入れるしかあるまい……なでしこよ南無阿弥陀仏。
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「うちのバカ妹がほんっとーにお世話になりました」
「別に大したことは……」
場所は変わって管理棟の駐車場。あのあとソロキャンパーさんにも一緒についてきてもらい駐車場に着いた途端、桜ねーちゃんが車から出てきてなでしこに愛のゲンコツを3発食らわせ今に至る。ちなみに俺はすぐさま管理棟へ行き管理人さんに謝罪し財布を返却してもらった。ホントにスミマセンでした。
「アンタ、持ち歩かなきゃ携帯電話とは言わないのよ!!」
「ひえ~」(泣)
「おらっさっさと乗れブタ野郎!!」
「いででで、やめれーカレーめんがでるぅ」うぇっ
眼の前で繰り広げられる姉妹の戯れ合い(ガチ)を微笑ましく眺める俺をドン引きしながら見ているソロキャンパーさん。あれがツンデレというやつなのだよワトソン君。
「っとそうだ……これつまらないものですが」スッ
「あ……どうも……」
よくある言葉とともにソロキャンパーさんに大量にキウイの入った袋を差し出す(桜ねーちゃんがお詫びとして持ってきたやつ)。唐突だけど詫び物につまるつまらないって関係なくね? どうでもいいって? ……どうでもイイデスネ、ハイ。
「そろそろいくわよー」
「わかったー」
車に乗った桜ねーちゃんから声がかかったため返事をしソロキャンパーさんに軽く会釈してから車に向かいいつもの後部座席に乗り込む(すでにロードバイクは積み終わっている)。ちなみになでしこは助手席に乗っている。
「それじゃいくわよ。……おやすみなさーいカゼひかないでねー」
車を発車させ桜ねーちゃんは窓から顔を出してソロキャンパーさんに向かってそう言う。……さて帰りますかー。
「なでし「ちょっと待ってお姉ちゃん!」……ビビったぁ」
「どうしたの?」
なでしこの頭を心配しようとした(悪口ではない)俺の言葉を大きな声で遮って桜ねーちゃんに待ったをかけるなでしこ。急にどうしたんだ?
「わたしの電話番号って知ってる?!」
「えぇ」
あーなるほどね。
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あの後桜ねーちゃんから自分の携帯電話の番号を聞き適当な紙に書いたなでしこは車から降り、キャンプ場に戻ろうとしていたソロキャンパーさんに番号を書いた紙を渡して一言二言言葉をかわしてから車に戻ってきた。なでしこは誰とでも仲良くできる才能があるからな。マジ尊敬。神。天使。
「あんた達明後日から学校でしょ? ちゃんと準備しなさいよね」
「だいじょうぶだよぉ」
「……(やべ、そういやなんもやってねぇ)」
卒業アルバムに意識を取られていたのと急いで家を出たので荷解きも準備も何にも終わっていないことに焦りを覚え始める俺。……まいっか。俺は(略)
「ねぇお姉ちゃん、キャンプ道具ってうちにあったっけ?」
「うーん、でかいテントだったら見た気するわね」
「ほんとっ!?」
なでしこ、キャンプするのか? なでしこがキャンプ……。テントで寝てたら何者かに襲われたり……。夜中に一人で心細くて泣いたり……。うーむ……心配だー。かと言ってなでしこがやりたいことに口出しして嫌われたら……。"お兄ちゃん大っ嫌い! "なんて言われたらその場で爆発四散して宇宙の果てまでふっ飛ぶ自信があるぞ……。うむむ……。心のなかで葛藤していると、
「さっきから気になってたけど、あんたなんか煙臭いわよ」
「およよ?」
それは俺も思った。
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まだ、アニメ第一話しか終わってない件について\(^o^)/ リンちゃん視点書くか迷う。