ようやく野クルの2人がでます。結局リンちゃん視点は未定。
────────────────────────
なでしこ行方不明事件の2日後の朝。俺となでしこは同じ高校本栖高校に転校することになっており今日がその初登校日である。あの日から大急ぎで荷解きと整理を終わらせた自分の部屋で本栖高校の制服に着替え、朝食を取るべく下のリビングに降りていく。
「おはよー」
「おはよう、蒼也」
台所で母さんが朝食を作りながら挨拶を返してくれる。気持ちがいい朝だぜ。
「そういえばなでしこは? まだ寝てんの?」
「そうみたい、ちょっと起こしてきてもらえる?」
「おけー」
姿が見えなかったなでしこについて問うと、未だに眠りこけているらしく起こしてくるように命を受けた。しょうがないな、スペシャルエンジェルマイシスターなでしこは(やかましい)。降りてきた階段を上りなでしこの部屋まで行く。
「なでしこー、朝だぞー」コンコンコン
「…………」
返事がないまるで屍のようだ。ちなみに2回ノックはトイレノックと知っているからきちんと3回ノックする。僕、天才だから(五条悟風)。
「入るぞー」ガチャ
このままでは遅刻する未来が見えたのでドアを開けて部屋に入らせてもらうことにする。
「むにゃ……」Zzz
グッ! …………可愛すぎる! そうやは300のダメージを負った!
って、んなことはどうでも良くて、案の定というべきかなでしこは布団にくるまりながら未だに眠りこけていた。……かわいっ。しかし、本当にこのままだと遅刻してしまうため心を鬼にしてなでしこを起こすための秘技を使う。
「うみゅ……………………っ!」ガバッ
「おー、ほんとに起きた」
ついこの間桜ねーちゃんから教わったなでしこを確実に起こす秘技"鼻つまみ"を行いなでしこを起こす(ほんとに起きるとは思ってなかったが……)。さすが桜ねーちゃんだな、略してさすさく。
「母さんが下で朝食作って待ってるから諸々の支度済ませて来な」
「うん、わかったよぅ」
なでしこのことだから恐らく昨日今日が楽しみすぎて夜更かしでもしたのだろう(夜ふかしはお肌の大敵だぞ(-д☆)キラッ)。そう推測を立てながら下に戻って朝食を取ることにする。
────────────────────────
「準備できたか?」
「うんっ!」
「じゃあ行くか、母さんいってきます」
「お母さんいってきまーす!」
「ふたりともいってらっしゃい」
あのあとしっかりと朝食をとり(相変わらず母さんの作る料理は美味しかった)、歯磨き等の準備を済ませて持ち物チェックをし、自転車のヘルメットを被りいってきますの挨拶を母さんと交わしてから学校へと向かう。ここから本栖高校までは確か内船駅から身延線一本で甲斐常葉駅までだったよな……。っと、
「なでしこ、ついてこれてるか?」
「うん、大丈夫だよ」
うむ、元気な子なでしこだ。偉い。そう、ロードバイクとミニベロだと走行性能にだいぶ差があって少しスピードを上げようとすると、あっという間においていってしまうから気をつけなければいけないのだ。フィジカルチートななでしこなら大丈夫かもしれんが、朝から体力使うのは良くない。登校した後のほうが俺たちは大変なのだから。
「ふぅ……とりあえず内船駅には到着っと」
数分自転車を漕いで内船駅に到着し、無人駅なので最新テクノロジーのSu○caやPa○moなんかは使えないため(東京の人うらやまぴー)車内で切符を買う。
────────────────────────
「甲斐常葉駅〜甲斐常葉駅です」
内船駅から大体50分くらいで甲斐常葉駅に到着し駅から学校まで1km程度の道のりを歩いていく。ちなみに電車の中ではなでしこが目新しい景色に興奮して無邪気にはしゃいでいた(可愛かったですまる)。
「はやくいこ! お兄ちゃん!」((o(´∀`)o))ワクワク
「わかったわかった、走ると転ぶぞー」
はやくもワクワクが止まらないのか今にも駆け出しそうななでしこを抑えながら少し急ぎ足で学校まで並んで歩いていく。
────────────────────────
「ふぅ……」
そんな朝の一幕がありつつ、現在は放課後。転校生というものはやはり物珍しいものがあるのか休み時間などは"どこから来たの? (ホームルームでいったやん)"や"趣味は? (お見合いか)"などの質問攻めに合い(何かやたらと女子から聞かれた)、放課後になる頃には大分体力を削られてしまっていた。しかーし! これから向かうはなでしこのクラス! なでしこに変な虫がついていないか一刻も早く確認せねば(シスコン)! 断じてシスコンな訳では無い!
「か、各務原くん……今日いっしょに……」
「ごめんね、今日用事あるからまた今度で!」
「……」(´・ω・`)
隣の女子から内容は知らんが話しかけられたので丁重にお断りし、なでしこがいるクラスへと全力ダッシュ! まってろなでしこー!
────────────────────────
「……(あの人かっこよくない?)」ヒソヒソ
「……(2年生かな?)」ヒソヒソ
なでしこがいる1年生の階にやってきてからというものの、2年生が1年生の階にいるのが珍しいのか遠巻きにそこかしこでヒソヒソ話を展開している。……どうでもいいが。
「なでしこのクラスはここか……おーい、なでしこー」
「お兄ちゃん! 部室棟ってどこ?!」
「おっ早速行くか?」
「うん!」
なでしこはソロキャンパーさんに助けられてからというもののキャンプに興味を持ったのか、本栖高校のキャンプができるような部活動やサークルをあれから調べ尽くし、要望に沿うサークルを見つけることができたようでそこに入部したいと前々から言っていたのだ。それを聞いていた俺は事前に部室棟の居場所を今日の休み時間で調べなでしこがすぐに行けるよう準備していたのだ。
「すぐいこう! 部室棟へ!」ダッ
「走るとコケるぞー」
────────────────────────
「あった! 野外活動サークル!」ズシャー
「ふぅついたついた」
少し走りながらも部室棟へ行き、部室棟の端に佇む"野外活動サークル"という名のついた部屋に到着した(部室棟の端っこだったとは……)。その道中ソロキャンパーさんに似ている子がいたような気がしたがお団子ではなくロングヘアーだったので違うと思う。
(ここの学校にはアウトドアの部活が2つあって登山部は体育会系だけど、こっちはまったり系って聞いたんだよねぇ……)
「早速入ってみるか?」
(みんなでテント張ったり……料理作ったり……焚き火して夜ふかししたり…………)(= ν =)ムフフ
「おーい? こりゃだいぶ先のことを想像してんな……」
おそらく自身がサークルに入った後のことを想像してニヤけているな(そんななでしこも可愛いが)。まだ入れると確定したわけではないんだけどな。
「コホン、こんにちはー」ガラガラ
「こんちはー」
意識を切り替えたのか咳払いをし扉を開けて入っていくなでしこに続き俺も野外活動サークルの部室へと入る。そこには一体どんな人外魔境が待ち受けているのか?! 次回、城○内死す! デュエルスタンバイ!
((せまい……うなぎのねどこだ……))
そこに待ち受けていたのは人外魔境などではなくただのうなぎの寝床だった。人一人通れるような縦長のスペースとその横にボックス型の棚が並んでいる。まじで狭いな……。こんなところですし詰めになりながら毎日活動してるのか……? 厳しいって(byジョージ)
「? アウトドアの本だ…………これは薪かな? それに松ぼっくりも……ツナ缶? 非常食かな?」ゴソゴソ
「……あんま不用意に触ると怒られるかもよ? なでしこ」
部室を物色し始めたなでしこに注意しつつも俺も部室をよく見回すと、よくわからん絵がボードに書かれてたりテントらしきものが棚に収納されていたりと意外にもしっかり活動していそうな雰囲気が感じられる。確かに部室が狭くてもキャンプやるのは結局外だしな……。みたいなことを思っていると、
「……」ガラガラ
「「!」」
「えっと……わたしは……あのぅ」
「……じー」ピシャンッ
急に扉が開き何事かと目を向けるとそこにはデコ出しツインテールのメガネをかけた女子が立っており、おそらくサークル関係者だと思い声をかけようとしたなでしこだったがその瞬間その女子に扉を閉められ隙間からこちらの様子をうかがうようにじっと覗き見られていた。ひょっこりはんかて。
「あきー、図書館からビバークの新刊かりてきたよ…………なにやっとるの?」
「いやイヌ子部室に謎のイケメンと空き巣がいるんだよ!」
少女説明中…………
「なんだ空き巣じゃないんかー」
失礼だな。こんなかわいいかわいいなでしこのどこが空き巣に見えるんだよ。天使にしか見えんだろ。あのあと、なんとか誤解を解き話を聞いてもらえることになったのでここにいる訳を説明した(なでしこが)。
「本栖湖で行き倒れていたところ」
「うん!」
「謎のキャンプ少女に助けられ」
「うん!」
「カレー麺までごちそうになったと」
「夜のふじさんがすっごくキレイだったんだよ!!」
「へぇーそれでアウトドアに興味出てウチらのサークル来てくれたんねー」
必死にあの日の出来事を伝えようとするなでしこはとてもかわいかったですまる(鼻血)。そんな感じでなでしこの話に聞き入ってると、
「それで、そちらのひとは?」
「……あ、俺?」
そこで俺は言葉に詰まった。俺は単純になでしこに変な虫がつかないようについてきただけであって大してキャンプに興味があるとか、アウトドアがしたいというわけでもなかった。しかし、ここで"俺はなでしこのそばで見守ってただけです"みたいな発言をしてみろ、"こいつ、シスコンだ"みたいなあらぬ疑惑を掛けられて終わりやぞ……。断じて俺はシスコンな訳ではないというのに(嘘つけ)……。
「まぁ俺もなでしこと同じ感じです」
秘技"帳尻合わせ"! ここでなでしこと同じような感じでキャンプに興味を持っていますアピールをすることでここにいることに不自然さを覚えさせず、なおかつシスコンと思わせずなでしこのそばにいる理由にもなるという一石二鳥な技なのだー!
「でもせっかく来てもらって悪いんだけど、ウチ部員募集してないんだよね」
「あ、そうなんだ…………」シュン
なんだってー! そんなこと聞いてないぞ?! 見ろ、なでしこがあからさまにがっかりしちゃってるじゃないか。よし、ここはお兄ちゃんが人肌脱ごうじゃないか!
「安心しろなでしこ、お兄ちゃんがアウトドアサークルを今から創立してあげよう。なに、野外活動サークルの募集にあぶれた人たちも招き入れたらそれなりの人数が集まるだろうさ」( ´∀`)bグッ!
「あ、いやウチあぶれるも何も部員2人なんだけど……」
「……(ならなぜ断るんだ?)」じー
「(ちょっとあき、なんで断るんよ? イケメンの人もそんな顔しとるで)」ヒソヒソ
「(だって部室超狭くなるじゃん)」ヒソヒソ
俺がなでしこにナイスアシストをしていると野外活動サークルは部員がこの2人のみだと判明した。ならなぜなおさら部員募集をしていないのかが謎なのだが、何やらコソコソと話し始めた部員の2人。全然聞こえてるけどな。
「(人が増えたら部に昇格して大きな部室もらえるでしょ)」コソコソ
「(何人になったら昇格するんだっけ?)」コソコソ
「(たしか4人以上)」コソコソ
「(おいおいピッタリじゃねぇか。これで狭い部室ともおさらばだな!)」コソコソ
いや、全部聞こえてるって。狭い部屋だからか2人のコソコソ話は筒抜けではっきりと聞こえてしまっている。しかし、デコ出しツインテールの方は現金なやつというような気配がする……。
「お兄ちゃん、部員募集してないみたいだけどどうしよう……」シュン
「よしよし、大丈夫だぞなでしこ、何か入れてもらえそうな雰囲気だから」
「こほん、実は君たちのような逸材を待っていたのだよ。クッキーとかくう?」
「たべるー!」
おいおい、手のひらクルックルやな。見事な手のひら返しを見せつけられ、呆れているとなんやかんやあって自己紹介をする流れとなった。まぁ、たしかにどちらも互いに知らない人だからな、もしかしたら3年生の可能性もあるし。それとマイエンジェルシスターよ、どこから出したかわからないクッキーなんか食べてはいけません。お腹壊すよ。
「私は犬山あおい、こっちが大垣千明」
「よろしくな」
「各務原なでしこです! よろしくね~!」パーッ
「各務原蒼也です。よろしくー」
「ん? 同じ苗字ってことはおまえら兄妹か?」
「「そうだ(よ!)」」
ふっ、宇宙一可愛いなでしこと血がつながっているという事実だけでも卒倒しそうなくらい嬉しいというのに、さらにイケメンというおまけ付きで生んでくれた母さんには感謝しなければならないな! もう足向けてなんか寝れないぜ!
「まぁいいか、とりあえず」
「「野クルへようこそー」」
「ありがとー!!」
「ふがっ」べちっ
「ヴん!」ドスッ
犬山さんと大垣さんが俺達を歓迎するために少し手を広げた瞬間、棚に座っていた犬山さんに大垣さんの手が大垣さんに犬山さんの膝がそれぞれ入るという悲惨な出来事が起きた。女子からおおよそ出ないような声がでたわ……。少し大きな動きをしただけでこの始末☆。はてさてこの先どうなりますことやら……。
「大丈夫か?」
「なんでここの部室こんなに幅が……」
「狭いかって? もともと使っとらん用具入れだったんよ。4月にウチらが作ったばっかのサークルで部員も2人しかおらんし……」
なるほどな創設初期だったってわけだ。たしかに用具入れと言われればそんな感じがしてくるな……。というかこれから先この部室に4人で活動するともなるとまともに活動できるのか? 不安になってきたな……。
「問題ないぞ各務原……いくら部室が狭かろうが活動場所は結局は外だ!」
たしかに! というか各務原って苗字で呼ばれると俺となでしこのどちらを指してんのかわからんな(今回はなでしこの方だと思うが)……。
────────────────────────
長くなりそうなので一旦ここまでで。次回ソロキャンパーさん登場! デュエルスタンバイ!