長めです。
早くなでしこの親友との話を書きたい。(まだ1期すら書き終わってねぇのに笑)
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時を遡ること数時間前……
「ふぃー」
平日は授業の予習復習をし週末に課題を終わらせるタイプの俺は転校後初の週末で出ていた課題を終わらせていた。意外にもこっちの勉強にもついていけていて安心する。もしかして僕って天才? (違います)
「よし、コーヒーブレイクとしようか」(-д☆)キラッ
最近ハマりだしたブレンドコーヒーを作って一息つくためにリビングへと階段を降りていく。
「お姉ちゃん! ここに連れてって!」
リビングへと降りるとなでしこがスマホを見せながら何やら桜ねーちゃんと話していた。うーむ、眼福眼福。
「どれどれ……ふもとっぱら?」
「富士宮のキャンプ場らしいわ」
なでしこのスマホを桜ねーちゃんと共に覗き込みながらそう呟く。……富士山の麓にあるからふもとっぱらなのか、なんか安直だな(失礼)。というかなでしこは何で急にそんなところに行きたがってるんだ? もしかして、キャンプするのか?
「装備無しにキャンプするのか?」
「ちがうよぅ、リンちゃんがここでキャンプしてるって斉藤さんが教えてくれたからこの前のお礼がしたいんだよー」
「なるほどなー」
誰だよなでしこが装備無しでキャンプするとか言ったやつは! まさか装備無しでキャンプという無謀なことを頭が良いなでしこがするわけ無いだろ! なでしこのIQは53万なんだからな! てかこの前ってあれか? なでしこ遭難事件のときか? 律儀にお礼するなんて、なでしこえらいぞー。
「まぁ、いいわよ」
「ほんとっ!? やったー!」((o(´∀`)o))ワクワク
桜ねーちゃんに送ってもらえることが決まったなでしこは喜びを露わにはしゃぎだす。かわいい。それにしてもなでしこ第一な桜ねーちゃんが言っちゃ悪いがあまり知らない他人(桜ねーちゃんからしたら)になでしこを預けるなんて珍しいな。桜ねーちゃん自らが付き添うから大丈夫なのか。
「そうや、あんたも来なさい」
「えっ? 俺も?」
「今日このあと暇でしょ?」
「まあ、わかった」
そっちだったか。まあ、暇だが……。なんなら喜んでついていこうとしていたが。
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そんなこんなで桜ねーちゃんの車の運転の下いざ麓キャンプ場へと来たわけなのだ。ちなみに桜ねーちゃんは富士宮で大学の友達と遊んでくると言っていた。……男じゃないよな?
「なべ?」
「うん、餃子なべ! 冬はお鍋が1番だよー」
志摩さんの疑問に答えつつ俺が持っていた籠の中からレジャーシートを取り出しその場に引くなでしこ。ちなみに籠には他にも鍋の材料やブランケットなどが入っている。
「寒い外で食べたらきっとすごくおいしいよぅ」
たしかに。寒い中での鍋は2倍うまく感じると誰かが言っていたような気がする。しかも、外ご飯だからさらに8倍うまく感じるだろうな。これも誰かが言っていたような気がするような気がしないでもない。
「なでしこ、野菜切っとくよ」
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
「……何か手伝おうか?」
せっせと動き鍋の準備をする俺達を見て手持ち無沙汰になったのか志摩さんがそう聞いてくる。お礼が言えるなでしこは偉いっ! まあでも、今回の料理に手伝いは必要ないと思うな。なぜって? それは……
「いいよーリンちゃんはゆっくりしててー。大丈夫! 切ってぶちこんで煮るだけだもん!」
(……すげー不安)
そう、今回の鍋は具材を切って汁にぶち込んで煮るだけという超お手軽かつ超旨い(まだ、食ってないが)料理なのだ。志摩さんがすごく不安そうな顔をしているが安心したまえ、なでしこの料理は三ツ星シェフの料理に匹敵するのだから……! しかも、お手軽って発案者のなでしこは天才だな(あたりまえだが)。
「ねぇ、まさかここまで自転車で来たの?」
「ううん、お姉ちゃんに車で送ってもらったんだよ」
(ああ……キウイのお姉さん)
「今回は私も明日までちゃんとキャンプするからねーっ!」
鍋の材料を領域展開! 伏魔御厨子ッ! しながらなでしこと志摩さんの会話を聞く。そう、今回はテントを持ってきていない(というか持ってない)ので、桜ねーちゃんの車で寝泊まりをするつまりは車中泊となるわけだ。
「でもテントまだ持ってないから車で寝るんだけどねー。布団も持ってきたし」
「そ、そうなんだ」
「あれ? 車で寝たらちゃんとキャンプじゃないのかなぁ?」
「いいんじゃない? オートキャンプだと結構車中泊いるよ」
確かに少し周囲を見渡すとサイト内に車があり、車中泊をしている人がちらほらといる。白菜を領域展開伏魔御厨子ッ! で細切れ(食べやすい大きさ)にする。
「……でお姉さんは?」
「富士宮の方に遊びに行ってるよ。9時くらいに戻ってくりゅって……えきし!」
「大丈夫か? なでしこ」
「うん、急に寒くなってきたねぃ……」
標高が高く開けた所であるためか急激に冷え込んできて吹く風が冷たく感じる。このままではなでしこが風邪を引いてしまう! たしか持ってきた籠の中にブランケットが入っていたはずだ!
「ほらなでしこ、これにくるまっときな」
「貼るカイロあるけど使う?」
「ありがとうお兄ちゃん! リンちゃんもありが……もしかして、せ……1500円?」
「それはもういいよ」
俺が引っ張り出したブランケットを受け取りながら志摩さんの貼るカイロも受け取ろうとしたがなにかふと思い出したように神妙な顔付きで志摩さんにそう聞くなでしこ。なんなんだろう、1500円にトラウマでもあるのか?
「好きなだけ使いなよ。鍋作ってくれてるし。……お兄さんのほうもよかったらどうぞ」
「ありがとーっ!」
「ありがとう志摩さん」
(……?)ドキッ
実は俺も結構寒いと思っていたのでありがたく受け取ることにする。ありがたやーありがたやー。やっぱりパーカーにシャカジャンは軽率だったか……ちょっと後悔。
「でも、これはあのときのお返しなんだー。カレーメンの」
そういえばそんなことを数時間前にも言っていたな。しまった、お返しというならば俺こそ志摩さんになにかしてあげなくてはならないはずなのに……。なにせなでしこを助けてくれた大恩人なのだから。そのうちなにか大きなお返しをさせてもらおう。
「野菜切り終えたぞなでしこ」
「ありがとうお兄ちゃん。このスープに全部ぶち込んでっと……あとはできるまで鍋を覗いてはいけませんよ」(= ν =)ムフフ
((なでしこの恩返し……))
鶴の恩返しとなでしこが志摩さんに対する恩返しを掛けてふとそんなことばが思い浮かぶ。なかなかに面白い。センスあるわ俺(だまれ)。
「ねぇリンちゃん貼るカイロってどこに貼ると1番効くのかなぁ?」
「両目」
「いやいや、そんなわけ……」
そんなわけないやろ。流石に両目に貼ったらやばい気がするんだが。意外にも志摩さんってボケたりするんだな。……なでしこ、信用して両目に貼ろうとしない。怪我するよ。
「確か太い血管がある首の付け根とかがいいって何かに書いてあった気がするな」
熱中症とかになったときの冷す位置とおんなじ感じで貼れば1番暖かくなるんじゃないかな? たぶん。メイビー。
「あと、みぞおちとか肩甲骨の間とかだな」
「わかったよぅ」
志摩さんが俺の言ったことを補足しなでしこにアドバイスすると、なでしこは首の付け根から貼るカイロを貼り付け始める。……。
「……」スッ
おそらくみぞおちに貼るためになでしこがシャツをたくし上げる前に動作を察知し顔を手で隠す俺。なでしこ、仮にも男の人が目の前にいる状況でシャツを上げるのはやめなさい。そういう無防備なところがお兄ちゃんとっても心配です。
(……見ないようにするんだ)
「むむむ、届かない。お兄ちゃ「志摩さんに頼みなー」……リンちゃん背中に貼ってもらえる?」
「わかった(ちゃんと弁えてるの意外だな。喜んでやりそうなのに)」
背中に届かないなでしこが俺に貼るように頼んでくるが全力で志摩さんに丸投げする。そういう無防備な(略)。というか志摩さんから失礼なことを思われてる気がするが気の所為だろうか?
「……5分だけ横になっていい?」
「「やめといたほうがいいと思う」」
貼り終えたなでしこが横になって寝る体制に入ったので志摩さんと声を揃えてやめたほうがいいと言う。なでしこは1回寝ちゃうとなかなか起きないからなー。そんなこんなで雑談を交えながら待つこと数十分。
「さてさて、そろそろいいかな?」パカッ
ようやくなでしこメシが食えるぞー! うぉー! 腹減ったー! アリーナー盛り上がってるかーい? スタンドー風邪引いてないかー? みんなーいっくよー! (うるさい)
「ま、まっ赤だ……」
「坦々餃子鍋! そんなに辛くないから心配しなくていいよ。辛そうで辛くない少し辛いお鍋だよっ奥さん!」
「「スーパーの実演販売か」」
意外にも赤い見た目をした鍋を見て志摩さんがそう呟くがなでしこの言う通り辛い鍋ではないから安心してほしい。……なんでって? だって俺あまりに辛いの無理だし。というか、なでしこが可愛い。
「はいはいたーんとお上がり」
「いなかのおばあちゃんか」
「お兄ちゃんもそんなに辛くしてないから大丈夫だよー」
「ありがとうなでしこ」
鍋から持ってきていた小分け用の皿に具材たちを移し俺と志摩さんに渡してくれるなでしこ。さすがなでしこ、俺が辛いの得意じゃないことを考慮して辛さを抑えてくれているのか(もちろん辛くても美味しくいただくが)。些細な気遣いができるなでしこ、俺のスーパーエンジェルシスターったら超優秀ー! 愛してる!
「それじゃいただきまーす」
「い……いただきます(辛そう)」
「いただきます」
三者三様の食事の挨拶を唱えなでしこが作った担々餃子鍋を食べる。なでしこは何やら志摩さんが食べるのを固唾をのんで見守っているが。
「うまい……」
「よしっ!!」
「はーうますぎるー」
うますぎるー。気絶しそうなくらい美味すぎるわ。辛くないといえどほんのり効いた唐辛子が寒い中過ごした身体を芯から温め、解きほぐしてくれる。そして、この野菜とかの出汁を含んだ鍋のスープを吸ったちょっと大振りな餃子。これがまたうまいんだわ。少し大振りな餃子だからかスープをたくさん吸って中の餡と溢れ出してくるんだわ。しかも、中の餡は野菜たっぷりでくどくないから食べやすいという。もうね、そりゃ美味いよね。しかも、俺にとってはちょうどいいベストな辛さだから最高。
「どうじゃ体の芯からあったまるじゃろぅ?」
(いなかのおばあちゃん気に入ったのか。でも確かに唐辛子で体の芯からポカポカと……)
「……」スッ
カイロのせいで余計に暑かったのか志摩さんとなでしこが服を脱ぎ始めたので、それを事前に察知した俺は椀と箸を素早く置き両手で顔を隠した。心臓に悪いから急に脱ぐのやめてくれ……(志摩さんは一瞬逡巡してたが)。
「ん? もしかしてその餃子全部入れたの?」
「そうだよーおいしいでしょー浜松餃子」
「やっぱうまいなー浜松餃子は」
浜松餃子は煮るとスープを多く吸って美味しく、焼くと薄皮でパリッと中はあっさり目に仕上がって美味しいという煮ても焼いても美味い万能餃子だから最強なんだよな。浜松人はみんな一回に30個は食ってる。それくらい美味い。
「あっ! ごはん忘れたー……」
「いやそんな食えんし……」
「安心しろなでしこ、パックご飯なら常備してるぜ」(-д☆)キラッ
「ほんとっ! お兄ちゃん!」
持ってきていた鞄から非常時のパックご飯(もちろんなでしこ用)を取り出しなでしこに渡しておく。俺は常になでしこには美味しいものをいっぱい食べて笑顔でいてほしいと思っている(シスコン)ので、鞄の中には常になでしこ用の食材が多く入っているのだ(もちろん賞味期限は入れ替えで消費してるから大丈夫)。まぁ、そんなことしてると桜ねーちゃんに怒られるのだが。……え? 鞄重くないのかって? むしろご褒美です(鼻血)。
「……」ソワ
「……?」
どうしたのだろう? 志摩さんが何やらソワソワしだしたぞ…………。ふむ、ちょっと席外すか。ソワソワしだした理由になんとなくの推測が立った俺は席を外すことにする。
「なでしこ、ちょっとトイレいってくるわ」
「ん、わかった」
「(志摩さん、何か言うなら今のうちだよ)」コソッ
(……!)
なでしこに言ってから席を外す際に志摩さんに耳打ちをしておく。今の反応で推測がほぼ確信に変わり憶測が間違っていなかったことに若干安堵しつつも、本当にトイレには行きたかったのでさっさと行くことにする。おそらくだが、志摩さんはこちらとなでしこをチラチラと見ていて口をモゴモゴさせていたので何かしら話したいことがあって、でも話しづらそうだったので1番関係が深いなでしこと2人にしたほうが良いと考えたのだ。
お花摘み中……
「ふぅー」
トイレを無事に済ませた俺は時間を少し潰すためにキャンプ場を当てもなく歩いていた。にしても、景色がいい。広大な開けた土地にそのすぐ近くにある富士山。なでしこほどではないが俺も富士山には憧れていた(静岡県民の定め)ので、ここまではっきりと富士山を眺められるのは何やら感慨深いというか。本当に山梨に来たんだなって思うというか。……あいつ元気にしてっかなぁ。
「……」
ふと、静岡にいるなでしこの次に親愛を向けているなでしこの親友に思いを馳せる。そうしていると、お別れの際のあいつの顔を思い出す……あかん、涙出てきた。
「……行くか」
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「戻ったわー」
「おかえりー」
なでしこと志摩さんのところへ戻ると何やら雰囲気がいい感じになっていたので解決できたのだと安心する。それに、志摩さんの顔も心なしかよくなってるような気がした。
「あれっ、もう食い終わったん?」
「うんっ!」
いっぱい食べて満足したのか笑顔で返事をするなでしこ。かわいい(鼻血)。これだけ食べても体型を維持できるのだから陰で相当頑張っているのだろう。偉いぞーなでしこー。というか、そうとうあの一件が効いているのだろうな。
「じゃあ片付けますか」
そうして夜は更けていく…………。
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以外にも察しが良い兄。流石にある程度は弁えている模様。
次話すでに書いてるんですけど過去最高に長くなりそうなので気長にお待ちいただければと……