処女が許されるのは16歳までだよね~?   作:耳野笑

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 前回のあらすじ!

 ベルはフォンをオ○ズにオ○ニーする日々を送っていた!

 ある日、ベルは男性ギルドメンバー3人に話し掛けられ、ベタベタされてニヤニヤしていると、ヤキモチを焼いたフォンに怒られた!

 さらに、男性のギルメン3人から誘われ、一緒に夕食を食べることになった! そこで「女を紹介してほしいけど、最低Bカップで」と言われ、心に深い傷を負った!
 その夜、ベルはフォンにおっぱいを吸わせてもらいながら慰められたのだった!

 また別の日。猫の魔獣が脱走し、100万Gの懸賞金が掛けられた! フォンとベルはその猫を探して森に入ると、偶然ベルの同期であるジュリアと出会った!
 3人は猫を襲っていたサソリの魔獣を撃退し、無事に猫を保護したのだった!

 ジュリアとの別れ際、「貴方は人間ではない」といわれ、検査を受けることを勧められるフォン! 半信半疑ながらも検査を受けると、なんと半分だけ人間ではないことが判明したのだった!


第5話 ほらやっぱり貴方が誘惑してたんじゃないですの! 誘ってるんだから襲われても文句言えませんわよねっ!?

 

 ある日の夜。僕はいつも通り、ベルさんにおっぱいを触らせていた。

 

「硬った……!!!! すごっ……最高っ……しあわせですわっ……!」

 

 ベルさんは興奮し、鼻息を荒くし、目をギンッギンに見開きながら、僕のおっぱいをまさぐる。

 

「はあっ……! はあっ……! エロすぎ……! すっご……!」

 

「ところでベルさん」

 

「はあっ……! はあっ……! なんですの……?」

 

「実は、ジュリアさんの言う通り検査受けたら、半分人間じゃないって結果が出ちゃった」

 

「……。えっ!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

 ベルさんは驚愕し、紅蓮色の瞳を大きく見開く。おっぱいを触っていた手も止まる。

 

「えっ、ちょっ、マジですの?」

 

「うん、マジ。半分は人間だけど、もう半分は別の種族の血が流れてるって」

 

「なんでそんな大事な話をおっぱい触られてる時にし始めるんですの!?」

 

「そんな重い話じゃないからだよ」

 

 あんまり真剣に受け止められても気まずい。僕自身そんな深刻には考えてないし。

 

 でも、ベルさんは真面目な顔をしている。

 

「い、一応確認なのですが、ご両親の種族は……?」

 

「どっちも人間だよ」

 

 ベルさんの顔が深刻そうに翳る。

 

「そんな顔しないの。ほら、おっぱい吸っていいから」

 

「っ……!? さ、流石に今は遠慮しておきますわ……」

 

「え~? めったに吸わせてあげないし、ほんとは吸いたいんでしょ?」

 

「……っ!」

 

 急にベルさんの目が泳ぐ。顔にうっすら血が上り、赤くなる。

 

 おっぱいを見つめる紅蓮色の瞳が、赤く輝く。――期待の籠もった眼差しだ。

 

「吸いながらでいいから話聞いてよ」

 

「えぇ……。本当にいいんですのね?」

 

「うん、どうぞ」

 

「し、失礼しますわ……」

 

 ベルさんは遠慮がちにゆっくりと、僕のおっぱいに顔を近づけ――僕の乳首を口に含んだ。

 そして、ちゅうちゅうと、赤ん坊のように乳首を吸う。

 

 その感覚が気持ちよくて、ちょっと身体をよじってしまう。

 

「明日からの1週間、休みもらったんだ。帰省して、直接訊いてくるよ」

 

「1週間!?!?!? 1週間も貴方のおっぱい触れないなんて死んでしまいますわ!」

 

「ベルさん、騎士団戻ってからどうするつもりなの?」

 

「ぅ……か、考えたくありませんわ……」

 

 ベルさんの顔が歪む。世界の終わりみたいな絶望的な表情だった。

 

「話戻すけど、僕はお母さんとお父さんのどっちか、あるいは、両方と血が繋がってない可能性があるんだ」

 

 どちらかの前配偶者との間に生まれた子。

 そもそも捨て子で、里親に引き取られて育てられた子。

 いくつか、可能性は考えられる。

 

「まあ、それは百歩譲っていいとしても、他の問題があるんだ」

 

「他の問題ですの?」

 

「たとえばエルフみたいな長命種とのハーフだったら、人間より長く生きることになる。逆に、短命種とのハーフだったら、人間より早く死ぬ。……僕は、人間の女の子と同じ早さで生きられないかもしれない」

 

「あっ……」

 

 寿命が違うというのは、そういうことだ。愛する人と、同じくらいの時間を過ごせない。

 

 ベルさんは慮るような眼差しで僕を見る。

 

「フォンさん。私も行きますわ」

 

「えっ、そんなに毎日おっぱい触りたいの?」

 

「違いますわよ! 貴方を、ひとりにはさせませんわ!」

 

「……っ!?」

 

 ドクン、と心臓が跳ねる。

 

 驚きが、喜びに変わる。嬉しさが胸を満たして、いっぱいになる。

 だって、それは――。

 

「実は『一緒に来て』って言おうと思ってたんだけど……ベルさんからそういってもらえるなんて、思ってなかった」

 

「あ、そうなんですのね」

 

 僕は両腕を前に出す。ベルさんは迷い、視線を泳がせてから、「これでいいのかな」みたいな顔で、僕に応えるように抱きしめてくれる。

 

 僕はベルさんの背に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。そして、彼女の耳もとに唇を寄せて――。

 

「ありがとう、ベル」

 

 ――呼び捨てで、彼女の名を呼んだ。

 

 ベルさんの身体がビクッとなる。

 

「……貴方を、ひとりにはさせません。私が一緒にいますわ」

 

 固い意思の籠もった声色だった。本気で僕に向き合ってくれていることが感じられて、嬉しかった。

 

「大好きだよ、ベル」

 

 ベルは、それきり何も言わない。抱きしめ合っているので、彼女がどんな顔をしているのかは分からない。

 

 でも――。

 

 ――貴方に呼び捨てを許可した覚えはありませんわよ。

 

 ――だから貴方に呼び捨てを許可した覚えはありませんわよ。

 

 初めて、呼び捨てにしても拒まれなかった。

 

 ベルが、僕を受け入れてくれた。他人でも敵でもない存在として、ベルの隣にいることを許された。

 

 そのことが、たまらなく嬉しかった。

 

 僕が抱擁をやめると、ベルは起き上がる。紅い瞳には、優しさが滲んでいた。

 

「今日はもう部屋に戻って、ゆっくりお眠りください」

 

「うん、おやすみ、ベル」

 

「おやすみなさいませ、フォンさん」

 

 *

 

 私は、フォンさんがいなくなってから、ベッドにうつ伏せになる。

 彼の体温がまだ残っている。

 彼のいい匂いが、まだ残っている。

 

「フォンさん……」

 

 呼び捨てにされても、拒めなかった。

 

 彼の、消え入りそうな声。悲しそうな表情を見て――守ってあげたいと思った。ひとりにさせたくないと思った。

 

 心臓が――きゅうと痛む。

 

 フォンさんのことを考えると、胸が高鳴る。心臓がバクバクと鳴り、嬉しさとくすぐったさを伴う痛みを感じる。

 

 フォンさんという人間に、入れ込んでしまっている。本気になってしまっている。

 

 私は、あの男の本性を、知っているのに。

 

 ――はい、処女けって~い(笑)♡

 

 ――恥ずかしかったんだ?(笑)♡ 処女ってバレるの嫌で見栄張っちゃったんだ?(笑)♡

 

 ――処女(笑)♡ ザコ処女(笑)♡ 弱者女性の底辺処女(笑)♡

 

 思い出すだけでも腸が煮えくり返りそうな怒りが猛る、罵倒の数々。

 処女を嗤い、嘲笑い、下に見てバカにすることに心からの喜びを感じるという歪んだ性格と人間性。

 

 最悪の、オスガキだ。なのに――。

 

 ――大好きだよ、ベル。

 

 あの「大好き」は、本心なんですの?

 

 明らかに『からかい』の意図で、「好き」って言ってくる時もある。でも、こんな風に、しっとりと言ってくる時もある。これは、本気なんじゃないですの?

 

 真に受けてしまいたくなる。

 

 本音だとしか思えなくなる。

 

 フォンさんの温度と匂いが残るベッドに顔を押し付け、息を吸う。媚薬のような淫香を吸い込み、頭が蕩けてバカになってしまう。

 

 あっ、やばっ、好き……。フォンさん、好き……。

 

 *

 

 僕たちは約1日かけて、故郷の町にたどり着いた。とっくに日は暮れて、辺りは真っ暗だ。

 

 実家の前に立つ。

 

 緊張する。お母さんとお父さんのどちらかと、血が繋がっていないかもしれない。自分の寿命が、人間と同じではないかもしれない。

 

 その時、ベルが僕の腰に手を回す。

 

「大丈夫ですわよ。私がいますから」

 

 顔を上げると、ベルが慈母のような優しい笑みを浮かべていた。

 不安そうな僕を案じて、励ましてくれているのだ。

 

「ありがとう、ベル」

 

 そして、僕は扉をノックした。

 

 *

 

「フォン。あなたには、半分だけ淫魔(インキュバス)の血が流れてるの」

 

「……えっ?」

 

 お母さんが、そういった。

 

 リビングに上がり、ベルの紹介を済ませ、意を決して話を切り出したら、母から返ってきた答えは――。

 

「あなたは、半魔なのよ。人間である私と、インキュバスであるお父さんの間に生まれた、ハーフなの」

 

「黙っていてすまなかった、フォン。実は、俺はインキュバスなんだ」

 

「え、えっ、えっ?」

 

 い、インキュバス? インキュバスって、淫魔のインキュバス? 

 

 お父さんは立ち上がる。その尾てい骨からは尻尾が伸び、頭からは黒い角が生える。

 

「え、え、え?」

 

 お父さんがインキュバス? 僕にもインキュバスの血が流れてる……? う、うそでしょ?

 

「角も、翼も、尻尾も体の中に折りたたんで隠してたんだ」

 

 僕は口を開けたまま固まる。衝撃の事実を頭が受け入れられず、呆然とする。

 

 そんな僕の代わりに、ベルが「どうして隠していたんですの?」と訊いてくれた。

 

「遠い昔の話だけど、インキュバスは被差別種族だった過去がある。オスの淫魔は性奴隷として売買されていたんだ。だから……今でも、インキュバスに対する差別意識のある人はいる。人間の中にもいるし、長命種は特にその傾向が強い。長く生きている分、昔の価値観を変えられないんだ」

 

 さらに、お父さんは続ける。

 

「フォン。お前を、そういう奴らから守りたかったんだ。差別や偏見に晒されないよう、人間だと偽って育てたんだ」

 

「でも、もう限界よね。フォンも18歳になるんだし、インキュバスとして本格的に覚醒する時期だものね」

 

「えっ、か、覚醒って……僕にも角とか尻尾生えるの……?」

 

「ああ、そうだ。俺も18歳くらいの時期に、覚醒して、角と翼と尻尾が生えた。そして――性欲と感度が急増した」

 

「「えっ」」

 

「覚醒を迎えたインキュバスは、性欲と感度が2倍になる。女に愛されやすい体質になるんだ」

 

 さあっと、血の気が引いた。

 

 感度、2倍……? え、うそ、嘘でしょ。そんなの――。

 

 隣を見ると、ベルと目が合う。

 

 もし、感度2倍の状態でS○Xなんてしたら……絶対勝てない。間違いなく快楽堕ちする。ベルに、理解(わか)らされてしまう。

 

 ベルも同じことを想像したのか、紅蓮色の瞳は期待と下心でキラキラと輝いている。うっすら口角も上がっていた。

 

「……冗談、だよね?」

 

「いや、本当なんだ。フォン、お前は半魔なんだ。今まで黙っていてすまなかった」

 

 お父さんたちは頭を下げる。

 

 残されたのは――僕がインキュバスと人間の間に生まれた半魔で、もうすぐ感度2倍のクソザコ体質になるという事実だった。

 

「ちょっと……ひとりにさせてください……」

 

 *

 

 部屋にひとりで閉じこもっていると、ドアがノックされた。

 

「フォンさん、入ってもよろしいでしょうか?」

 

 ベルの声だ。僕はドアを開ける。

 

「……大丈夫ですの?」

 

「大丈夫じゃない」

 

「ですわよね。お邪魔しますわ」

 

 僕の部屋にベルが入ってくる。僕がベッドに腰掛けると、ベルも隣に座った。

 

「でも、よかったじゃありませんの。ご両親とも血が繋がっていましたし。寿命も、インキュバスなら人間と変わりませんわ」

 

 そういって、ベルは微笑む。紅い瞳は、柔らかい優しさを宿していた。

 

「う、うん、それはホッとしてる。ありがとう」

 

「どういたしましてですわ」

 

 家族関係と寿命という、最大の懸念事項は無事に解消した。思いがけないところに着地したが、悪い想像はすべて外れて何よりだった。

 

「ですが」

 

 やけに強い語気で、ベルはそういった。

 

 ベルの顔から表情が消える。優しい笑顔を浮かべていた直後だけに、不穏さを感じる。

 

ほらやっぱり……じゃないですの

 

「え?」

 

「ほらやっぱり淫魔じゃないですの!」

 

「わっ!?」

 

 ――ベッドに押し倒された。興奮したベルが、僕に覆いかぶさってくる。

 紅蓮色の瞳孔がギンッギンに見開かれている。発情した獣のような、理性のない瞳だ。

 

「おかしいと思ってたんですわよ! 怜悧で冷静で慎み深い淑女たる私がこんなにも興奮するなんて! 貴方が私を誘惑してたからじゃないですの!」

 

「誘惑なんてしてないよ!」

 

「無意識でもインキュバスの催淫は発動するじゃありませんの!」

 

 インキュバスの視線には微弱だが催淫効果がある。目を合わせていると、女を興奮状態にさせてしまう。また、インキュバスの匂いにも媚薬と同じ効果がある。

 半魔とはいえ、その効果がなかったとは言い切れない。

 

 つまりベルは――『自分が発情しているのはお前のせいだ』と主張しているのだ。

 

「よくも私を誘惑しましたわねっ! 許せませんわっ、このドスケベ男っ!」

 

「誰がドスケベ男だ!」

 

「こんなことされたら我慢できなくても仕方ありませんわよねっ!」

 

 ベルが僕の首筋に顔をうずめ、す~っ!と深呼吸した。

 

「ひゃっ!? か、嗅がないでよ!」

 

「すぅっ~! えっろ……! エロすぎ……! なんですのこの卑猥な匂いは! 間近でこんなエロい匂い嗅がされ続けて我慢してきた私に対して申し訳ないという気持ちはないんですの!」

 

「あるわけないでしょ! 嗅ぐな変態!」

 

「大体おかしいと思ってたんですわよ! Iカップなんて人間離れしたおっぱいしてるのはインキュバスだったから! 怪盗ヌーゼとの戦いで洗脳状態になった私が突然正気を取り戻したのは、貴方の洗脳に上書きされたからだったんですわね!」

 

「あっ」

 

 ――え、ちょっ、まさか、俺の洗脳が上書きされてっ……!? お前、何者だっ!?

 

 ――どうして、突然意識が戻ったんですの……?

 

 言われてみれば、そうだ。

 

 あの時ベルが覚醒したのは、僕が改めて洗脳に掛けてしまったからだ。

 

「罪の意識はないんですの! 貴方のせいで私は、毎日オ○ニーしなきゃいけないくらいムラムラしてたんですわよ!」

 

「それは絶対元からでしょ!!!」

 

「元からじゃありませんわ! 絶対に貴方がドスケベすぎるせいですわ! 反省なさいませ!」

 

「人のせいにしないでよ! ベルがオ○ニー中毒なだけでしょ!」

 

「誰がオ○ニー中毒ですの!!!」

 

 ベルは僕の両手首を片手で抑えつけてくる。そのままバンザイさせるように両腕を上げさせて――僕の腋に顔を突っ込んできた。

 

「すぅ~~~~~~~~~~!!!!!」

 

「ひゃっ!? ちょっ、長旅で汗かいてるから! そんなとこ嗅がないでっ!」

 

「あ~腋エッロ! もうドスケベすぎますわこの匂い! おっぱいデカすぎ罪、並びにドスケベフェロモン放出罪で逮捕ですわ!」

 

「キッモ! 言葉責めのセンスが終わってるんだけど!」

 

 ドスケベエロ男という不名誉すぎる烙印を押された上に、匂いのことをしつこく言及されて、羞恥心が込み上げる。

 恥ずかしくて、顔から火が出そうなくらい火照ってくる。

 

 身体が熱い。

 

 特に、頭と、背中と、尾てい骨が熱を帯びている。

 

 え? あれ、なに、この感覚……?

 

 ――瞬間、背中からバサッと翼が飛び出た。

 

「えっ!?」

 

「な、なんですの!?」

 

 さらに、尾てい骨から尻尾が生えた。真っ黒な鞭のように細長く、先端はハート形になっている。

 しかも、頭からは小ぶりの角が生えている。

 

 角、翼、尻尾。いずれも未体験の感覚が身体にあって困惑する。

 

 でも、これは――。

 

「え、うそ、まさか――」

 

「フォンさん、覚醒したんですの!?」

 

 ベルが目を見開く。

 

「あ、今の僕と目合わせない方が――」

 

「ふんっ!」

 

「きゃあっ!?」

 

 僕の装束のボタンが乱暴に弾かれた。更に下着をぐいっと引っ張られ、おっぱいを丸出しにされる。

 

 ベルの目がギンッギンに見開かれ、血走っている。ンフーッ!ンフーッ!と、猛獣のような鼻息を出しながら、僕のおっぱいに紅潮した顔を近づけてくる。

 

「やめてっ! 変態っ! 処女っ!」

 

「ふぅッ~! ふぅッ~! こんなの我慢できるワケないじゃないですの!」

 

 そういいながら、ベルは僕の乳首に吸い付く。ちゅ~!と強く吸引され――。

 

「ひゃあああああんッ!!!!!♡♡♡♡♡♡」

 

 ッ!?!?!?!?

 

 なに今の!?

 

「うわっ、感度すごっ……!」

 

 ベルは僕を見ながら驚いている。

 さらにベルは空いている方の手でもう片方の乳首をいじり、こりこりと抓り上げる。

 

「んあッ!♡ ああんッ!♡ ダメっ!♡ 乳首いじるのだめえッ!♡ なにこれッ!♡♡ こんなの感じたことないっ!♡♡」

 

 ベルが舌を這わせておっぱいを舐め回してくる。乳頭に舌ビンタを食らう度、快楽が背骨を駆けて、電流を流されたように身体が浮いてしまう。

 

「だめっ、おかしくなるっ! んひゃあっ!?♡♡ あああっ!♡♡♡」

 

 快楽に抗えず、甲高い声が漏れる。気持ちいい感覚が肉体の真芯を襲って、身体を悶えさせてしまう。

 

「うわ……フォンさん、えっろ……! こんなの、もうたまりませんわ……!」

 

 ベルは僕のズボンに手を掛け、ぐいっと引っ張り下ろそうとする。

 

「さあっ! あなたのおチ○ポ、私の赤ちゃん部屋に招待してさしあげますわ!」

 

「キッモ!!!!! よくそんな絶望的にキモい語彙出てくるね!?」

 

 そして、ズボンを下ろされ、あわやパンツも剥ぎ取られようという、その時――。

 

「ベル! ストップ!」

 

「ぐッ……!?」

 

 突然、ベルの身体が硬直する。

 

「な、んですの、これ……!」

 

 ベルは目を見開き、自分の身体が動かないことに驚愕している。

 懸命に体を動かそうとしているが、手や肩が震えるだけだ。

 

 ――洗脳状態。淫魔(インキュバス)の魔眼による洗脳だ。

 

「ベル、ベッドに横になって」

 

「ぐっ、ぐうッ……!」

 

 ベルは命令に抵抗している。完全に言いなりになる程の強い催眠ではないらしい。

 

 僕はベルの肩を掴み、ベッドに押し倒した。――これで、形勢逆転だ。

 

 ベルを見下ろす。紅蓮色の瞳は焦燥で揺れている。

 

「ふぉ、フォンさん……」

 

「楽しい時間は終わりだよ、ベル。いっぱいやり返してあげるから覚悟してね?」

 

「待って! いやですわっ! セクハラしたのは謝りますからやめてくださいませっ!」

 

 僕は、ベルの耳もとに顔を近づけ――。

 

 *

 

 フォンさんの綺麗な顔が近付いてくる。そして、私の左耳の近くに唇を持ってきて――。

 

「しょ~じょっ(笑)♡」

 

「んあっ……!」

 

「処女(笑)♡ 処女(笑)♡ 処女(笑)♡ 処女(笑)♡ 処女(笑)♡」

 

「ぐぅッ……! うぅッ……!」

 

 甘く、可愛らしい声で、『処女』であると指摘される。一番コンプレックスで、触れられたくないところを、無造作にいじくられる。

 

「今日まで、男の子と手を繋いだこともない。キスしたこともない。S○Xなんて夢のまた夢の、クソザコ処女(笑)♡」

 

「やめてぇッ……! 言わないでッ……!!」

 

「今日まで処女でいてくれてありがとう(笑)♡ オ◯ニーば~っかりしてたベルの人生に感謝~(笑)♡」

 

「こいっつッ……!!! マジで理解らせる! 絶対に泣かせますわっ!」

 

 そう叫び、暴れる。しかし、じたばたしてもフォンさんは離れてくれない。むしろ、ぎゅっと抱きしめられ――左耳にちゅっ♡とキスされる。

 

「あっ……♡」

 

「ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅ~♡」

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

 リップ音が鼓膜に直撃して、脳味噌に浸透する。

 

 ばかっ……! こんなので幸せになっちゃダメなのに……!

 

「処女♡ 処女♡ 処女♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅ~♡ 処女♡ 処女♡ 処女♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅ~♡ 処女♡ 処女♡ 処女♡」

 

「んあっ……♡ なにこれ頭おかしくなるっ……!」

 

 一音一音、『処女』という言葉が頭のなかに突き刺さる。女として負け組であることを突き付けられ、脳味噌が沸騰しそうなくらいムカついて堪らない。

 

 同時に、耳もとぽそぽそ囁きと、リップ音のせいで、脳が喜んでしまう。

 

 結果――脳と心で反対の感情が湧き上がって、頭が狂いそうになる。

 

「ねえベル。顔真っ赤で、悔しくて顔歪んでるのに……目だけとろ~んとしてない?」

 

「へっ……? そ、そんなこと……」

 

 フォンさんは、蠱惑的な、妖しい笑みを浮かべている。私を見つめる空色の瞳に、本心を見透かされているような感覚がする。

 

「もしかして、いじめてもらえるの期待してたの?」

 

「は、はあっ!?!?!?!?!?!?」

 

 冷や水を浴びせられたように、ドキンとする。

 

「そんなわけないじゃないですの! 私はそんな変態じゃ――」

 

 ――生温かい舌が、私の耳を這う。

 

「ひゃんっ!♡」

 

 ちゅっ♡ちゅっ♡れろっ♡れろ~っ♡と、耳穴を攻撃される。淫猥な唾液音が耳奥に響き、脳が幸せを感じてしまう。

 

「処女♡ 処女♡ クソザコドM処女♡」

 

 ちがうっ! 私はドMじゃないっ! 私は普通なのにっ! 性癖壊れるっ……!

 

 怒り、羞恥、屈辱――あらゆる感情が燃え上がり、下半身が熱を帯びる。熱い。もう、ぐしょぐしょになっているに違いない。

 

「処女さんかわいいっ(笑)♡ ダサくて惨めでかっこわる~いっ(笑)♡ 処女(笑)♡ 処女(笑)♡ どうやっても男の子に相手にしてもらえない処女(笑)♡」

 

「あ゛あ゛ッ……! く゛る゛し゛い゛ッ……! あ゛つ゛い゛ッ……!」

 

「ベルのおマ○コも泣いてるよ~?(笑)♡ 『え~んえ~んS○Xしたいよ~(泣) でも本体が弱者女性だからおチン○と出会えないよ~(泣)』って(笑)♡」

 

「このオスガキぃいいいいいいいいいいッ! マジで絶対ぶち犯しますわッ! 初めてだからって絶対優しくしてあげませんわッ! かならずっ、必ず理解らせますわッ!」

 

 身体が燃えるように熱い。苦しい。狂いそうなくらい、悔しい。

 

 怒りと興奮のせいで、身体が勝手に動く。腰をフォンさんにぶつけるように動かし、突き上げる。

 

「あはっ!(笑)♡ ウケる~!(笑)♡ 相手いないのに交尾しようと頑張って腰へこへこしてる~!(笑)♡」

 

「犯すッ……!!!!! ぜったいぶち犯しますわッ……!!!!!」

 

 ――熱い。頭が沸騰しそう。燃えるように熱い。血圧が上がって、血管がブチギレそうで、身体中を巡る血液が赤熱する。

 

「じゃあ、おやすみ(笑)♡ 大好きだよ、ベル♡」

 

 フォンさんはあろうことか、そのまま私の隣に横になる。目の前に、爆乳Iカップと最高の肉体があるのに、(さわ)れない。苦しくて、苦しくて、身体が爆発しそうッ……!

 

「覚悟なさいませッ! 私を辱めたその罪、貴方の生涯を以て償わせてやりますわッ!」

 

「うん、楽しみにしてるね~(笑)♡」

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!」

 

 怒りのままに咆哮する。が――。

 

「状態異常魔法――睡眠・誘夢(スリープメント)

 

 フォンさんが私の額に指を当て、魔法を掛ける。強烈な睡魔に襲われ、意識が揺らぐ。

 

「こ、の……オス、ガキ……」

 

 遠のく意識の中、黒い翼と尻尾を生やした妖艶な淫魔が、愉しそうに笑っているのが見えた。

 

 *

 

 翌日の正午。

 

 僕はキッチンで昼食を作っている。普段はお父さんが食事を作っているが、今日は代わってもらったのだ。

 

 ベルは「男子の手料理だ……」みたいな顔をしながら、ビーフシチューをゆっくりと、しみじみと、味わって食べている。

 

「……ありがとうございます、フォンさん。幸せですわ」

 

「結婚して持ち家に住めば、いつでも食べられるよ」

 

 ベルの手が止まる。お父さんとお母さんは噴き出し、げほげほとむせている。

 

「その、そうなんだな。そうか……やっぱりそういう関係なんだな」

 

 と、お父さんがいった。さらに、お母さんが――。

 

「昨日も、すごい喘ぎ声聞こえてきたもの」

 

 ベルの顔がさあっと青ざめた。『息子に手を出した女』という立場になってしまった現状を理解したのだろう。

 

 昨日乳首責めされている時、僕はまったく声を我慢できなかった。淫魔(インキュバス)として覚醒を迎えた身体は、あまりにも感じやすすぎたのだ。確かにあの嬌声では一階まで聞こえてもおかしくない。

 

 僕は恥ずかしくてうつむく。

 

「ベルのばか……!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 ベルは肩身が狭そうに謝罪する。そして、僕の両親にも向けて頭を下げた。

 

「その……申し訳ありません」

 

「年頃の男女だし、そういうことをするのもおかしくないわよ。私たちも付き合いたての頃、この人のフェロモンのせいで毎日性欲が昂って、襲わずにはいられなかったもの」

 

「それはお前のせいだろ」

 

「あなたがドスケベすぎるのが悪いのよ」

 

 言い争いを始めた両親を余所に、僕は隣のベルを見る。彼女も、困ったように苦笑している。

 

「ベル」

 

「なんですの?」

 

「僕も、ベルの家族に挨拶したいな」

 

「……っ!? ……な、なんだか外堀を埋められているような気がしますわ」

 

「ふふっ、逃がさないよ、ベル」

 

 ベルの顔が強張る。うろたえるように、面映ゆそうに、紅い瞳が泳ぐ。でも、嬉しそうに口角が上がっている。

 

 男の子との接点が皆無の人生を送っていた処女にとって、『美少年から迫られていること』がどんなに嬉しいかは、想像に難くない。

 

「いつか、私の家にも招待しますわ」

 

「うん、楽しみにしてるね」

 




『フォン』

性別:男性
種族:ヒューマンとインキュバスのハーフ
容姿:銀髪、水色の瞳。この世界においてIカップ相当の巨乳(胸板が大きい程カップ数が大きい)
職業:Aランク冒険者・召喚術士
備考:処女をからかって遊ぶのが大好き。

『ベル』

性別:女性
種族:ヒューマン
容姿:金髪、ツインテドリル、紅蓮色の瞳。Aカップ。
職業:騎士団員(謹慎中)→仮冒険者
備考:処女であることに強いコンプレックスを抱いている。
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