予玖土町決闘都市   作:ラットマンΣ

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アザミナ

 ———蒼葉邸宅地下

 

「マリクの反応が消えた?! 一体どんなデュエリストが最高神(ラー)を攻略したって言うの!」

 

 アキルは驚きのあまり叫ぶ。

 

「落ち着けよお嬢。まぁ、問題解決したしよしとしようぜ?」

 

 グレンが宥める。

 

「……それもそうね。それに、デュエルディメンションシステムで()()()()()()()()ことが分かったのは大きいわ。これなら私の目的は達成できる……」

 

 アキルは顔を俯けて一息つき、続けて語る。

 

「待っていてね、()()()

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 ———予玖土病院の一室にて

 

「シズハ! 大丈夫か?!」

 

「大丈夫ですよ、クレア。まぁ、デッキ無くなっちゃいましたけど……」

 

 静葉は俯く。

 

「まさかアキルさんがそんなことをするなんて……以前会った時からは信じられないですね」

 

 メリアーナは顎に指を当て語る。

 

「け! 今回の件、余程の理由があるらしいな! だけど気にくわねぇ、やり方が回りくどい上に汚ねぇ! なんつうか……アキルらしくねぇ! あー、むかつく!」

 

(落ち着けクレア、こういう時こそ冷静にだな……)

 

 ディアベルスターがクレアに言い聞かせるが……

 

(あの女まじムカつく! メリアーナと私をボコボコにしただけじゃなく、シズハからデッキを奪うなんて! それに———)

 

 ディアベルゼが静葉を睨む。

 

(アザミナの力を感じる、な。最悪だ)

 

 ディアベルスターが呟く。

 

「アザミナ? ってなんだよ、ディアベルスター」

 

 クレアがディアベルスターに問う。

 

(クソッタレの妖魔が作った忌々しい人形だよ……シルウィアやルシエラの肉体を弄んだクソ野郎だ! そいつの気配がシズハからするんだよ!)

 

 ディアベルスターは怒りながら語る。

 

「私の肉体にアザミナ? が寄生しているって事ですか?」

 

 静葉はディアベルスターに聞く。

 

(あぁ、いずれ実態を持って現れるだろうな。だが安心しな、その時はディアベルゼと協力して消し炭にしてやるからよ!)

 

 そう言ってディアベルスターは笑う。

 ディアベルゼは不満そうにしているが気持ちは同じようだ。

 

「にしても、急にアザミナが生える訳ねぇよなぁ?」

 

 クレアが一人呟く。

 

「アキルさんの仕業でしょうね」

 

 応えるようにメリアーナが声を出す。

 

「……一体何故? なんの目的で? 狙いは何?」

 

 静葉が呟く。

 場は静寂に包まれる。

 誰も答えを知らない、知るはずもない。

 知っているとしたらそれは蒼葉アキルだけだ。

 

「だぁぁぁぁぁ! わかんねぇ! 一旦考えるの止めだ! それよかシズハが無事で良かった、今はそれでいいだろ」

 

「そうですね、軽い怪我こそしていますが擦り傷程度の様ですし、アザミナの件はありますがよしとしましょう」

 

 メリアーナはそう言うと静葉の手を握る。

 

「何かあったらすぐ呼んでくださいね。私もクレアもすぐに駆けつけますから」

 

 そう言ってメリアーナは静葉の瞳を見た。

 

「ありがとうございます、メリアーナさん。何かあったら頼りにしてますよ、二人とも」

 

 静葉は笑顔で応えた。

 

「……まぁ、アタシはシズハの師匠みたいなもんだし当然だけどな! メリアーナがいなくてもなんとかならぁ!」

 

「ははは、ポンコツシスターが何を言いますか?」

 

「あ゛?」

 

「お?」

 

(……仲がいいんだか悪いんだか)

 

 ディアベルスターは首を振って呆れる。

 

(メリアーナの方が優秀に決まってるじゃない! なんせ私を使いこなせるデュエリストなんですから!)

 

 ディアベルゼは自慢げに語る。

 

(そうかい。まぁ、クレアはもっと強いがな、なんせアタシを使いこなせるデュエリストだからな!)

 

((あ゛?))

 

「なんと言うか皆さん似たもの同士って感じですね」

 

 静葉はディアベルスターやクレア達をみてくすくすと笑いながらそう応えた。

 

「むぅ……まぁいいや! とりあえず飯だ飯! 明日が予選最終日、英気を養っておかないとな!」

 

 そう言ってクレアは部屋を出る。

 明日は予選最終日、クレアは勘で波乱が起こる予感がした。

 そしてそれは最悪の形で現実になるのだった……

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