「並行世界の異世界……なんか、頭痛が痛いみてぇな感じだな」
クレアは美影にツッコむ。
「うるさいわねぇ……とりあえず話を続けましょう。
美影はそっと瞳を閉じる。
「……あー、全然分からん」
当然ながらクレアには全く理解ができない。
「なら
そう言って美影は瞳を開きクレアを見つめる。
瞬間、クレアの脳内に
「……なるほどな、大体わかった。それはさておきめちゃくちゃ頭痛いんだが?」
「そりゃそうよ、脳内に記憶を直で植え付けているのだから。普通なら脳が焼けるわ」
美影はさらっと恐ろしいことを口にした。
「ははは、二度とやるな馬鹿野郎! って言うかお前はどこで異世界の情報を手に入れたんだよ!」
「ただ見ただけよ? そこの閻魔の
美影は閻魔の方をちらっとみる。
「……どうにも様々な世界を見るのが趣味な者で……まさか受刑者に使われてるとは思わなかったですがね!」
閻魔は美影を睨む。
「なんつうか、色々とガバいな? 要はあれか、
「まぁ、そう言う事よ。スケール的にわかりやすいんじゃない?」
「流石に無礼すぎません?」
閻魔は一連の会話にツッコミを入れる。
「まぁ、とりあえず現状は理解したしアキル辺りに連絡して……」
「しなくていいわよ、どうせあの女は知ってるだろうしそれを含めての大会だもの」
「どう言うことだ?」
クレアが美影に問う。
「あの女は既に事情の大半を知っているのよ。その上でこの町全体に
美影はつまらなさそうにそう答えた。
「……ん? けど、それじゃあアキルが負けたら根本からダメじゃねぇか?」
「ムカつくけどあの女、自分が負けるなんて微塵も考えてないのよ。さっき遠巻きにデュエルを見たけど
美影はそう言ってベンチに座る。
「なんでそう言えるんだよ?」
クレアの問いに対して美影は指を鳴らす。
瞬間、クレアの脳裏にヴィジョンが浮かぶ。
「君臨せよ! CiNo.1000! 夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア!」
天上を切り裂き現れたるは異形の神、絶対なる力の象徴にして混沌の頂。
「くっ! 馬鹿な! 私のブラッド・ローズを逆用して進化したというの?!」
一人のシスター服の女が叫ぶ。
「消えなさい、敗者は」
ヴィジョンはそこで途切れた。
「……なるほどな、メリアーナのやつが負けたか。にしても『ブラック・ローズ』に『ブラッド・ローズ』か、知らないカードだな負けた後は回収されてるしあれも異世界のカードか?」
「そうね、この子達と同じ世界のカードよ」
そう言って美影は2枚のカードをクレアに渡す。
「そろそろ頃合いね、精々アキルには気をつけなさいな。それじゃあね、イカれたシスターさん」
そう言って美影と閻魔はクレアの元を後にした。
「……『ブラックフェザー・ドラゴン』と、
そう言ってクレアは見せられたヴィジョンを頼りにメリアーナの元に向かった。
(キーっ! なんなのよあの女! メリアーナとリゼットをボコボコにして! 絶対仕返ししてやる!)
そこでは、白いコートを着た魔女の精霊が空中でジタバタしながら暴れていた。
(みっともないなディアベルゼ? ザマァないぜ)
(げ! アステーリャ……)
(ディアベルスターだ! そう呼ぶな!)
二人の精霊は主人を無視して取っ組み合いの喧嘩を始めた。
「……あー、大丈夫かメリアーナ?」
「……ええ」
クレアの声に応えたメリアーナは酷く怯えていた。
クレアは頭をガシガシと掻いた後、メリアーナの腕を掴んで引き寄せる。
「静葉探すぞ! とりあえず一緒に来い! あと、メソメソするな! いつもの傲慢さはどこ行った?!」
「……アンタにそう言われるなんてね」
メリアーナは少し笑ってクレアの手を解く。
「さ、静葉ちゃんを探しに行くわよ! さっさと来なさい、クレア!」
「は、誰に言ってるんだってぇの! 行くぞ!」
———その頃 とある路地裏にて
「行きなさい『銀河眼の時空竜』! 『青眼の究極竜』! 粉砕なさい!」
2体の竜を従える一人のデュエリストが散らばった異界のカードを捕獲していた……