予玖土町決闘都市   作:ラットマンΣ

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十の光を操る聖女

「お、いたいた。おーいシズハ!」

 

 ラフな格好をしたポニーテールの少女を見つけたクレアは嬉しそうに手を振る。

 

「クレアにメリアーナさんですか……ちょうどいいですね」

 

 対する静葉は虚な目でクレアを見る。

 

「シズハ?」

 

「私とデュエルしてください、クレア!」

 

 静葉はそう言ってデュエルディスクを構える。

 

(あー、ありゃ力に飲まれてるな。クレア、とりあえず一発しばけ)

 

「マジかー……しゃあねぇ、行くぜ!」

 

「「デュエル」」

 

「先攻は……シズハか」

 

「私のターン! 私は『時械御巫』を特殊召喚! 更に自身をリリースしてデッキより攻守が0の『時械神』モンスターを手札に加える! 来なさい、『時械神ラツィオン』! 更に『時械神ラツィオン』は自分のフィールドにモンスターがいない時リリース無しで召喚できる! 現れなさい『時械神ラツィオン』! 更に魔法カード『時を裂く魔瞳(モルガナイト)』発動! これにより私は手札で発動するモンスター効果を発動できなくなる代わりに通常召喚が1ターンに2回行え、通常ドローが2枚になる! 私は手札から『宣告者の神巫(デクレアラー・ディヴァイナー)』を召喚! 効果によりデッキから『トリアス・ヒエラルキア』を墓地に送りレベルアップ! 更に墓地の『トリアス・ヒエラルキア』の効果により『宣告者の神巫(デクレアラー・ディヴァイナー)』をリリースして墓地より特殊召喚! 更にリリースされた『宣告者の神巫(デクレアラー・ディヴァイナー)』の効果によりデッキから『ブーテン』を特殊召喚! レベル9の『トリアス・ヒエラルキア』にレベル1チューナーモンスター『ブーテン』をチューニング! 十の奇跡を納めし聖書が開かれる時、新たな世界が降臨する! シンクロ召喚! 現れよ! 『時械神祖ヴルガータ』! カードを2枚セットしてターンエンド」

 

「え?! 『教会』支給の『教導(ドラグマ)』デッキじゃない?! それにいきなりレベル10のモンスターが二体ですか……だけど攻撃力は0……何かあるわね」

 

 観戦に回っていたメリアーナが呟く。

 

「んなこたぁ承知の上よ! 行くぜ、アタシのターン! ドロー!」

 

「この瞬間! 『時械神ラツィオン』の効果発動! 相手がドローした時に1000ポイントのダメージを与える!」

 

「な?! ぐわぁぁあ?!」

 

 ラツィオンから放たれた炎がクレアの身を焼く。

 

「さぁ、どうしますクレア?」

 

 冷たい瞳で静葉はクレアに問う。

 

「けっ! 先制パンチが決まったからって調子乗るなよ! アタシは手札1枚をコストに『黒魔女ディアベルスター』特殊召喚! 効果で『反逆の罪宝-スネークアイ』をセット! すぐさま発動し『時械神ラツィオン』を永続魔法扱いで魔法・罠ゾーンに封印する! 更に『一騎加勢』発動! 『ディアベルスター』の攻撃力1500アップ! これでバトル! 『ディアベルスター』で『ヴルガータ』をこうげ———」

 

 その宣言に合わせて静葉の口角が少し上がるのをクレアは見逃さなかった。

 

「……ダメージステップ『禁じられた聖杯』を『ヴルガータ』に発動。効果により攻撃力400アップ、その代わりに効果を無効化する! 攻撃続行! 行け『ディアベルスター』! 黒・魔・法(ブラックマジカ)!」

 

「くっ……ァァァァア!!!」

 

 静葉に3600ポイントの大ダメージが襲い、吹き飛ばされる。

 

「どうだ! 目は覚めたか?」

 

 その声に対して静葉は立ち上がりながら答える。

 

「……本来『時械神』は戦闘・効果では破壊されず戦闘ダメージも0にする……それを知らずに私の表情一つで読み当てた……流石ですね! クレア!」

 

 立ち上がった静葉の瞳は光り輝いていた。

 どうやら取り憑かれた力は祓われたらしい。

 

(やれやれ、だな)

 

「ったく、手のかかる相棒(バディ)だぜ! カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ! トラップ発動『虚無械アイン』! さらに『アイン』を墓地に送り『無限械アイン・ソフ』発動! 効果により墓地の『時械神祖ヴルガータ』をEXデッキに戻しデッキから『無限光アイン・ソフ・オウル』をセット! そして私のターン! 2枚ドロー! 『無限械アイン・ソフ』を墓地へ送り『無限光アイン・ソフ・オウル』を発動! 自身の場にモンスターが存在しない時、デッキ・手札・墓地から『時械神』を一種類づつ特殊召喚できる! 来て! 『時械神ミチオン』! 『時械神サンダイオン』! バトル! 2体の『時械神』で『ディアベルスター』を攻撃!」

 

(ぬっ……ぐっ……ァァァァア!!!)

 

「ディアベルスター!!! ……けどダメージは……」

 

 クレアの問いに対して静葉は口角を上げ高らかに答える。

 

「バトルフェイズ終了時『ミチオン』の効果! 相手ライフを半分にする! さらに『サンダイオン』の効果! 相手プレイヤーに2000ポイントのダメージを与える! 喰らいなさい! 王国の神罰(マルクト・ジャッジメント)!」

 

「うわぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

「……負けちまった、か」

 

「ふふん! 私の勝ちですね!」

 

 静葉は嬉しそうに勝ち誇る。

 

「二人とも、いいデュエルでしたよ! 静葉ちゃんも元に戻ったみたいですしね!」

 

 メリアーナは二人に歩み寄る。

 

「ほれ、静葉お前の勝ちの証だ」

 

 そう言ってクレアは2枚の白紙のカード(ブランクカード)を渡す。

 

「ありがとうございます! って……え?!」

 

 瞬間、2枚の白紙のカード(ブランクカード)が光り輝きカードが書き換わる。

 

「カードが書き換わった?! 『スターダスト・ドラゴン』に『No.81 超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ』……知らないカードだ」

 

「……何だこりゃ?! ……つうかシズハ! お前のデッキもなんなんだよ! 『時械神』なんて知らないぞ!」

 

 クレアは静葉に詰め寄る。

 

「え……は! そう言えばなんで私のデッキが変わってるんですか?」

 

「お前もわかんねぇのかよ! ……はぁ、なんか疲れちまった」

 

 クレアは大きなため息を吐く。

 

「まぁ、クレアはここまで連戦でしたみたいですし仕方ないですね」

 

 やれやれと言わんばかりにメリアーナは首を振る。

 

「それでは(わたくし)とデュエルしていただくのはメリアーナ様ですね?」

 

 不意に声が響く。

 3人が声の方向に振り返るとそこには一人のメイドが佇んでいた……

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