予玖土町決闘都市   作:ラットマンΣ

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亡霊

 ———アキルがデュエルしている同時刻 蒼葉邸地下 グレンの研究室にて

 

「たく、1人で運営やるのも疲れるぜ。9割は借りてきたリリスの家のAI(ダアト)に任せてるけど()()()()()は俺がやらなきゃだしなぁ……」

 

 1人の白髪の少年……グレン・フォスターはそうぼやく。

 彼の管理するものこそ、この屋敷の最大の秘密にして心臓部……()()()()()()だ。

 千年鏡から発生した微弱な次元の揺らぎを拡大、再解釈することによって()()()に干渉する装置……『デュエルディメンションシステム』その門番(ゲートガーディアン)こそグレンとダアトである。

 

「にしても暇だなぁ、俺もデュエルしてぇなぁ……みんな楽しそうだなぁ……」

 

「ふぅん、こんな田舎の屋敷には似つかわしく無い最新テクノロジーの結晶があるとはなぁ」

 

「田舎とはなんだ! って……海馬社長じゃん。なんか様ですか? つか、最新式のデュエルディスクかっこいいっすね、俺も欲しいっす。後、一応ここトップシークレットエリアなんだけどなんでいるん?」

 

「この俺に稚拙なロックなど通用しないわ! それより凡骨はどけ! その装置は俺が有効活用してやる」

 

「あはは〜冗談キツいぜ? んなわけにゃいかねぇんだわ。ダアト、やれ」

 

『了解致しました、グレン様。現在よりプロトコル・ゲートガーディアンを発動します』

 

 静かな機械音声と共にソリッドヴィジョンが投影される。

 ダアトの場に三体の『合体魔神-ゲート・ガーディアン』と『ゲート・ガーディアン』、『闇の守護神-ダーク・ガーディアン』が攻守∞完全耐性(フルパワー)で召喚される。

 

『さぁ、海馬瀬人様。あなたのターンです』

 

『ふぅん、詰めデュエル式の防護ロックか……」

 

「詰めデュエルじゃねぇよ。()()()()()()さ! 誰も突破できない無敵の防護ロックさ。やるだけ無駄だ、決闘都市(バトルシティ)の方に戻った方が有意義だぜ?」

 

「……………………」

 

(遊戯……いや、アテムを葬らなければいけないのは俺だった……だが、それを逃した。奴の亡霊が今も俺の中で彷徨い続けている……その俺が()()()()()()()を突破できないなど許されるはずがない……遊戯……!!!)

 

「俺のターン! ドロー!!!」

 

 海馬瀬人の執念が眠れる(ファラオ)の魂を震わせる。

 大地をことごとく焼き尽くすかの如き咆哮がこだまする。

 

『error、error、未知の反応を感知しました。デュエルディメンションシステムに多大な負荷がかかります。損傷率計測不能。ただちにデュエルの強制停止を———

 

「黙れ! 俺は『マジックカード「クロス・ソウル」』発動! キサマの場の『合体魔神ーゲート・ガーディアン』3体を生贄に捧げ、生贄召喚を行う! 俺が呼ぶのは、コイツだ!」

 

『オベリスクの巨神兵』!!! 

 

「馬鹿な! あのカードはもう存在しないはず……I2社のデータサーバーも厳重封印中だぞ?! ……いや、ちげぇ。アイツの新型ソリッドヴィジョンシステムとデュエルディメンションシステムが作用し合って別世界のオベリスクを顕現させたのか?!」

 

「……………………」

 

「だ……だが、『ゲート・ガーディアン』はフィールドを離れた時新たな『ゲート・ガーディアン』が攻守∞完全耐性(フルパワー)で召喚される! ……あれ? 出てこない? バグかな?」

 

「馬鹿め! 神の降臨に対して如何なる特殊能力も作用することはない! さらに俺は手札の『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を見せ新たなる僕を呼び出す! 現れよ! 『青眼の(ブルーアイズ・)(オルタナティブ・)白龍(ホワイト・ドラゴン)』! 更に『白き乙女』を召喚!」

 

「神の召喚で多少は計算が狂ったがまだ場には攻守∞完全耐性(フルパワー)のガーディアンが二体いる! いくら神といえどこの二体を突破するなんて不可能だ!」

 

「……俺は『オベリスク』の効果を発動! 場のモンスター2体を生贄に捧げ、相手モンスターを全て破壊し、『オベリスク』の攻撃力分のダメージを貴様に与える!」

 

「バカな! ガーディアン達はモンスター効果を受けない———

 

「モンスターではない……神だ! 

 

「な……ガーディアン達が消し炭に……ありえない!」

 

「ゴッドハンド・インパクト!!!」

 

「ふぅん、まだLPが4000ポイント残っているか……ならば凡骨共々消し飛ばしてくれる! 『オベリスク』の攻撃!!!」

 

「ゴッドハンド・クラッシャー!!!」

 

『error、error、error…………』

 

「ギャァぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

「……千年キューブ、終ぞ解析できなかったがこのデュエルディメンションシステムさえあれば奴をまた俺の前に呼び出せるはず……なんだと?!」

 

 海馬がデュエルディメンションシステムを操作する。

 しかし…………

 

『error、出力異常。時空間制御に失敗。Unknownが出力されました。システムの強制再起動を開始します。60……75……90……100%。時空間制御安定を確認。再出力に必要なエネルギー、不足。白紙のカード(ブランクカード)を用意してください』

 

「ちっ! まだ足りないか……だが収穫はあった。しばらくお守りを続けてろ、凡骨……気絶しているか……」

 

 そう言い残して海馬はその場を去った。

 

 

 

 ———とある裏路地にて

 

「おやおや、これはどういうことだい? マァ、俺様には関係ないか。再び現世に復活したんだ、好きにやらせてもらうぜ! ……闇は飢えている……」

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