地獄の砂漠縦断装甲列車の対空砲銃座に配属された儚げちびっ子ロリTS娘 作:4645 (ケモ系大量生産クリーチャー)
「はひっ、ひゃひっ、ひいっ……」
緊張で息が吸えないのに、妙に頭が落ち着いてる気がする。
真下で鋼鉄の車輪が熱砂を噛む音で何も聞こえないはずなのに、何故か今撃ってる俺の銃座のシャコッ シャコッって音しか聞こえない。
ああ、これがシェルショックってやつなんだろうな。違ったっけ
「がぶぁ"ァ"」
銃座の真横まで肉薄して並走してきた敵の騎兵に、俺が撃った航空機用の砲弾がぶっささって、左肩から肺の半分ぐらいまでをぶちゅっと抉りとった。
鬼気迫る表情でアイスまんじゅうみたいな対戦車手投げ弾を握りしめ、かっこいい真っ黒の馬を駆ってた濃い顔のおっさんは、銃座の丸い装甲板の隙間から覗く俺の顔を見ると、驚愕したような表情を浮かべて、それから1秒も経たないうちに俺の撃った弾ではじけとんだ。
おっさんは音が入った血の泡を噴きながら、しばらく主人の死を知らない馬に慣性で跨っていたけど、しばらくするとぽろりと手投げ弾を取り落として、落馬し、視界の外に流れて行った。
おっさんのめちゃくちゃ暑そうな白っぽい軍服が妙に網膜に焼き付いて離れない。
俺対空砲じゃねえのかよ
なんで人撃たなきゃいけないんだよ
なんでだ、
「がァん"ッ"!!」
…なんて考えてたら、車両に衝撃が走った。
多分凄い音がしたんだろうけど、俺は靴の裏に走った稲妻みたいな衝撃で気がついた。爆音で耳がやられてるからね。
まあ、衝撃がしたってことは装甲が持ったってことだろうから、俺は気にせず数十メートル先の砂丘から見え隠れする敵の曲刀を振りかざした騎兵を撃ち続けようとしたんだけど、なんか弾が出なくなってしまった。
俺は血がにじんで皮がべろべろに向けた少女の小さな手を久しぶりに銃座から離して、中で水がちゃぽちゃぽと揺れている感じのする砲座に縋り付くようによろよろと回り込み、中で弾が詰まってないかを確かめたけど、ぜんぜん詰まってなかった。
というか、よく見たらさっきまで同僚が補充してくれてたはずの保弾板が機構に差し込まれてなかった。
あれ、どうしたんだろう。
黒煙を吐く壊れたエンジンのようにトロトロと回る脳ミソを精一杯回転させても全く答えを思いつけない。
思考停止状態に陥ってそのまま銃座にすがりついていると、バンと急に列車が揺れて、足の踏み場がないぐらい空の薬莢でジャラジャラになった床にしりもちをついてしまい、そのまま後部の壁に打ち付けられてしまった。
熱砂と黒い油と高音になった薬莢に、その皮が剥がれた血みどろの手を焼かれて、ちょっと痛い。
ついでに背中のどこかの骨が折れて、肺に刺さってるような気がする。
たぶん、俺はもう死ぬんだろうな。
きっと線路が爆破されたか、指揮車両に手投げ弾を投げ込まれたか、もしくはふつうに撃破されたか。分からないけれど、もう鋼鉄が砂をすり潰す衝撃は感じない。
それに、わずかにだけど衝撃が走る前にキキーッと断末魔のようなブレーキ音が聞こえたような気もするし、悲鳴じみた警笛の音も聞こえた気がする。
だからきっと、たぶん、もうダメなんだろう。
でも、綺麗だ。
大量の小さな穴が空いた車両と、ギラギラと照りつける太陽と、床にちらばって小山になった大きな金色の筒が、それぞれ光を反射したり、ちりばめたり、プラネタリウムみたいだ。
「けぷ……… けぷふっ……けふ…」
うぇ、やたらとげっぷがでる。
口の中がじゃりじゃりしておいしくない
れぇ…と唾液で砂を洗い流そうとすると、真っ黒な血反吐が砂と一緒に出てきた。
しかしそんなことはもういいや。
すごく眠くて気持ちいい。このまま寝てしまいそうだ。
でも、うおおおおおおおおおおーみたいな異国の雄叫びが聞こえてきて、眉をひそめる。
うるさいな。
…あ、装甲ドアがやぶられて、濃い顔のおっさんが飛び込んできた。
すごく嬉しそうだったのに、こっちを見た瞬間に血の気が引いたような顔になった。
なんでだよ
なんで悲しそうな顔するんだよ
…やめろ、
ちかよるな
そんな顔するなよ
俺はおまえらが死んでも悲しめないのに
おれが、おれがわるいみたいな
……痛い
抱き上げられ…
BattleField1思い出して書きました
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