吾輩はジムである   作:呼び水の主

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10話 俺だ!

 

 俺、ジム。いまモビルスーツ健康ランド(格納庫)にいるの。

 は?(キレ気味)

 絶賛全身オーバーホール中なんだが?どこかの天パが無茶苦茶やるせいで全身ガタガタなんだよぉ!!

 人の目を盗んで運び込まれた、ろくな整備もされてないこの俺をあそこまで酷使するとか悪魔か?そうだよお前連邦の白い悪魔だったわ。ヤンナルネ。

 

「手配しておいて言うもんじゃないが、よくこんな旧式でティターンズのハイザックを墜とせたものだ」

「ハヤト!久しぶりだな」

「直接会うのは7年ぶりか?相変わらず腕は落ちてないようで何よりだ」

「7年、そんなに経つのか。あのハヤトがカラバのリーダーなんだものな」

「我ながら、博物館の館長で収まっておけばと思うこともある。だが、今はこれでいいと思ってもいる」

「わかるさ。ティターンズの行いを許すわけにはいかない」

「一緒に戦ってくれて嬉しいよ、アムロ」

「こちらこそ。しかし、オレにあのララ・アンデルセン役が務まるかどうか」

「できるさ。君はニュータイプなんだからな」

「よせよ」

 

 ウフフ、アハハ……。

 ケッ!男同士がイチャコラしよってからに!

 男なんざ大嫌いだぜ!俺のコックピットシートに座っていいのはララちゃんだけだ。俺が守護らねばならぬ……。

 ララちゃんと実際に過ごした時間は3ヶ月も満たない。けれど、あの娘はもう、俺の大切な一部なんだよ。

 今頃どこで何しているのか……。無事でいてくれたらいいんだが。

 

【→】

 

 俺が天パに調教され始めてから3ヶ月が過ぎた。はっやーい!

 今の俺は天パの動きについて行く為、とんでもねぇ魔改造が施されていた。て、天パに貞操を辱められた……。許さん……。絶対に許さんからな。シャア・アズナブル……。

 

 今の俺はそうだな。わかりやすく言えばフルアーマージムって感じの見た目だぜ。武装のお披露目をしたいから、有り難く拝聴してくれよな!

 まずは武装!ジムⅡのビームライフル!安心と実績のボウワ社製!……に見せかけた一点もので、内部構造を見直し威力を向上させ、今トレンドのEパック方式を採用した高級品だぜ。使いやすくていい武器だが、通常品に見た目寄せる意味あったか?この妙なこだわり方、作ったやつはたぶんド変態だぜ。(ウラキに劇似のメカニックへの熱い風評被害)

 そして右肩の増加装甲に付けられた、砲身を切り詰めて短くしたクレイバズーカ。ビームサーベルで鍔迫り合いしてる時に不意打ち気味にバーンって撃つと敵がバーンってなる天パのお気に入り。いきなり撃つから俺もビビるというジム的に最悪の武装だ。しかしコイツがビームライフルの次に使用頻度高いという悪夢……。んで、左肩の増加装甲内部にグレネードランチャー。ゼータが腕にしまってるやつだな。これも不意打ち気味に(以下略)。俺の鼓膜は死ぬ。ないけど。そして最後にシールドだな。これは比較的調達しやすいジム・コマンドのものが選ばれている。天パはよくシールド捨てるからな……。シールドは消耗品なんだ。捨てるたびにカラバの物資調達係であるニナに劇似の女性メンバーに説教されてるのウケるんだけど。

 

 ……なんかウチのメンバー、他人のそっくりさん多くね?

 いやでも名前違うし、ただ0083キャラに劇似なだけのモブだと思うぜ!

 ゲルググ乗りの眼鏡の雰囲気ヒョロガリくんとゴツい女メカニックの夫婦とかもいるけどただの他人の空似だぜ!

 

 あ、天パとハヤトが格納庫に入ってきた。

 なんか妙に俺の整備を念入りにしてるし、いやな予感がするぜ……!(最近妙に当たる)

 

「オレが宇宙に上がる、か……」

「やはり、まだ宇宙は怖いかい?」

「いや、行くさ。その為にここに来たんだものな」

 

 やはり宇宙か。いつ出発する?俺は帰らせてもらう。

 天パが俺を見上げてくる。やめろ。こっちを見るな。

 いやじゃ!天パと宇宙なんて行きとぅない!

 天パよ、お前は宇宙はトラウマだろ。ゼータ時代頑なに宇宙出てこなかったじゃん。そのおかげでカミーユの主役度が引き立つ絶妙な立ち位置なんだよそれが正解!だから宇宙はやめとこう!?な?(宇宙で天パの操縦を受けると酔って吐くと思っている)

 

「いくぞ、ジム」

 

 はなせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

 やめろぉぉぉ!助けてくれ!誰かこの天パを止めてくれー!

 ァァァァァァァ!打ち上げシャトルに拘束するな!ジムに酷い事する気でしょう!?

 主役級ネームドが宇宙に上がるって絶対イベント発生するやつじゃねーか!宇宙はxとyとz軸が360°まであるんだよ!?アムロ撃ちとかやらされたら腰がねじ切れちまうよぉ!!

 あ、カウントダウンはじまった。──スゥ。

 

【→】

 

 「ティターンズの艦隊か!」

 

 宇宙に上がって、シャトルから離脱した途端にこれだよ!

 ランデブー予定のサラミス改を助ける為に急行する。

 7年ぶりの宇宙だ。やっぱ、俺……、宇宙ってたのしい……。(学生以来の海水浴で年甲斐もなくワクワクするハンチョウ達の気持ち)

 

 はいバーン。そんなこんなでハイザックは粉々。バーンバーン。アムロ強いな。あ、撃墜数カウントはじまった。ティターンズって一応エリート部隊なんだけどなぁ。ひたつ!ふたつ!なお地上では10を超えると数えるのが面倒なのか黙って黙々と撃墜していくのでそれはもう怖い。

 

 ……ん?俺たちの攻撃を避けるやつがいる?

 この機体、まさか……。まさか!?

 

「黒いガンダムだと!?」

 

 黒いガンダム。ガンダムマークIIか!?俺の知ってるシンプルなそれとは違う、肩を覆うように展開された大型ブースターに、あれは、ヘイズルのシールドブースターか!なんか、一部GP02の要素入ってないか!?

 

 アムロの射撃を避ける驚異的な腕前。それだけでわかる。コイツは、エースだ!

 

「ティターンズの黒いガンダム!エースのリリィ・マルレーンか!」

 リリィ・マルレーン?なんなんだ、この違和感は……。俺はこの動きを、知っている?

 

 敵機がバルカンを撒き散らしながらシールドブースターを点火、凄まじいシールドバッシュを繰り出す。接近し死角となったシールドの影でビームサーベルを抜刀。

 

「チィ!?やる!」

 

 珍しくアムロが押されている。

 この強引さ、がむしゃらな突撃戦法。

 これは、随分と洗練されているが俺の知っている動きだ!

 ビームサーベルを回避され、追撃を嫌って逃げるそぶりをするが……。その次はまたシールドを構えて突撃、だ、ろ!?

 ドンピシャ!

 ガァン!!反応しきれなかったアムロの操縦を振り切り動く。

 うぉぉぉ!必殺シールド白刃取り!!

 接触した瞬間駆け抜ける電流。このティリリリリンな感覚は……!?

 

 そして接触回線で聞こえる敵のパイロットの息遣い。

 こ、この心拍数と可愛らしい吐息は──!?

 

「ティターンズのリリィはララ・アンデルセンか!?」

『……!?』

「なるほど、探しても見つからないわけだ!」

 

 黒いガンダムの背後で、敵艦と砲撃戦を繰り広げていたサラミス改が撃ち負けて爆発する。その光を背負いなから、ガンダムの双眸がこちらを睨みつけていた。

 

 ララちゃーーーん!俺だぁぁぁぁぁぁ!ジムだぁぁぁぁぁぁぁ!

 くそ!ダメだ!こんな激戦じゃ伝わるものも伝わらない!

 こうなりゃガンダムから引き摺り出して俺に乗ってもらうしかない!

 

 今の俺で、ララちゃんのガンダムマークIIに勝てるのか!?

 ララちゃんがなぜティターンズにいるのか、理由もわからない。

 俺が入っていい問題なのか?なんかすごい切実な理由とかあるのかもしれない。

 それに、性能的に俺より格上のガンダム相手に手加減なんて無理だ。俺は君を、殺してしまうかもしれない……。

 いや、ちがうよな。何を弱気になってんだ?俺は!

 足りねぇなぁ。足りねぇぞ、俺!足りねぇ足りねぇ!覚悟が足りねぇ!

 

 君が欲しい!それだけでいーだろうが!

 ララ・アンデルセン。俺の魂。悪いが全身全霊!全力全開で君を取り戻す!

 たとえそれを君が拒むとしても!力尽くでいただいてゆく!

 それ以外のことは!

 全部ぶっとばしてから考える!

 ララ!お前の愛機はただ一人!

 

 俺だ!




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