吾輩はジムである   作:呼び水の主

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14話 俺、大気圏突入!?

 

 おおおおおおおおお!?!?

 俺の視界が真っ赤に燃える。

 警告灯がお前死ぬぜと泣き叫ぶ。

 シャア少佐!減速できません!?

 俺は今、まさに死に直面していた。

 バリュートなしでの大気圏突入。

 

「ダメだわ!減速できない……!」

 

 ララちゃんの焦った声が聞こえる。

 装甲が赤熱し、コックピット内の温度が上昇。

 あまりの息苦しさにララちゃんがヘルメットを脱ぐと、玉のような汗が無重力を泳いで俺のモニターを濡らした。

 

「はぁ…はぁ…!こんな、ところで……!」

 

 BiBiBiBiBiBi!

 コックピット内では、異常値を知らせる速度計と高度計が無情にも鳴り響いていた。焦りを煽るその音が、逃れようのない現実を突きつけてくる。

 くそ!このままじゃ、重力の井戸の底に辿り着く前に燃え尽きちまうぞ!?どうする!?どうすればいい、俺!

 

【→】

 

 時は少し前。

 シャングリラ事件の後、なんやかんやあってエゥーゴに合流したシーマ艦隊9隻。ジャブロー降下作戦で全戦力を投入したいエゥーゴは、予備戦力としてのシーマ艦隊を歓迎。

 降下作戦時のエゥーゴ艦隊の護衛を任された俺たちだったが──。

 そこにティターンズの艦隊が迎撃に出現。

 意外にも律儀なシーマは自身の艦隊を前に出してこれを迎え討った。

 

「総員!第一種戦闘配置!総員!第一種戦闘配置!ティターンズ艦隊と思われる攻撃部隊が侵攻!各パイロットは搭乗機へ!」

「ブレックスはシャングリラを保護すると確約したんだ。アンタたち!アタシらの故郷はアタシらの働き次第だよ!」

「エゥーゴの偵察部隊によると、敵旗艦はシャングリラを襲撃した例のアレキサンドリアです!」

「因縁めいてるねぇ!あの時の意趣返しといこうじゃないか!」

「シーマ隊!出撃準備完了しましたァ!」

「進路クリアー!発進どうぞ!」

「シーマ様、大漁……、いえ!ご武運を!」

「海賊業は一旦廃業さね!任せときな!シーマ、ゲルググ!出撃するぞ!」

 

 船体にエゥーゴのマークを入れたリリー・マルレーンからシーマのゲルググが飛び出していく。それに続くように、これまた現地改修を通り越した魔改造ゲルググ達が追随する。元海賊らしからぬ見事な軌道でゲルググの編隊が敵に迫る。

 よくもまああんな機体で……。

 まあ、俺だって大差ないくらい魔改造品なんだけどなぁ!

 ガンダムマークIIとジムのニコイチ、それが今の俺だからな。

 クク、流石はムーバブルフレーム。馴染む!実に馴染むぞ!

 以前よりも遥かに人だった時に近い動きが出せるからな。

 格闘戦なら敵なしですよガハハ!

 

 そうこうしてるうちに俺のコックピットにララちゃんが乗り込んでくる。

 その細身で小柄な体をシートにおさめ、テキパキと計器を起動していく。次々とシステムが立ち上がり、俺のボディが戦闘モードへと切り替わって行く。

 新しい体でも戦闘に不安はない。いや、しかし……、他の懸念が……。

 

『シーマ隊が完了次第、ララ隊順次発進!先発したシーマ隊に合流後、これを援護せよ!』

「了解。オルトリンデさん、マリアさん、行けますか」

『こちらオルト機、ツィマッドのエンジンは今日も絶好調ですわぁ!早く!はやくこの子に血を捧げませんと!』

『ウチらが連邦の化物と組むことになるなんて、奇縁もいいところだよなぁ!?頼りにしてるぜ?ララ隊長ォ!』

 

 俺の新たな懸念。こいつらだよこいつら!

 シーマ艦隊に所属してた女性パイロットらしいんだが、海賊やってただけあってキャラが!キャラが、濃いッ!

 

 ララ隊のイカれたメンバーを紹介するぜ!

 ララ・アンデルセン!俺の相棒で最高で無敵にかわいいパイロットでララ隊の隊長だ!23歳金髪ロングの儚げ美人!かわいいね!最近俺の思考を読んだような言動が増えてきた……。か、かわいいね……!

 オルトリンデ!ツィマッド社に魂を吸われた狂信者!ピンク色のドリルヘアーと同じくヒートドリルを装備した魔改造ドム・グロウスバイル(らしきもの)を引き摺り回して敵を撃殺する、周りに合わせて荒くれ言葉を使ってたらなぜかお嬢様言葉になっていた頭のおかしいエセお嬢様だ!

 マリア!お清楚な名前とは真逆のヘソだしヘソ舌ピアス眼帯ボブカット高身長(180㎝)の属性盛り過ぎギャルキャラだ!その見た目に反してザクⅠスナイパー(だったもの。今のボディはハイザックで頭がなぜかザクフリッパー)を操る狙撃戦のエキスパートだ!

 濃ッ!以上!

 

 見た目も乗機も濃すぎるメンバーを果たしてララちゃんはまとめることができるのか!?

 デスワァー!キャハハハ!と姦しい通信回線に俺は恐怖した。必ずこの邪智暴虐の小娘どもからララちゃんを護らねばならぬ……。

 

 先発のシーマ隊が全機発進し、俺の番が回ってきた。

 格納庫から覗く宇宙は蒼く輝く広大な海原だ。

 恐怖は感じない。ただ、広い海に自分という存在が溶け出してしまうような、そんな錯覚ばかりが俺を支配する。

 

「アルフォンス、準備はいい?」

 

 おっと、ついボーッとしてた。

 片足をカタパルトに乗せて、グリップを掴む。ザンジバル級のカタパルトは、連邦の物とは随分違う。

 エゥーゴ所属としての初戦闘、華々しく飾ってやろうじゃないの!

 

「進路クリアー、ジム、発進どうぞ!」

「了解!ララ・アンデルセン!ジムMk-Ⅱ行きます!」

 

 視界が加速する。体が前へ前へと引っ張られ、宇宙へと飛び出す。

 カタパルトで得た速度を殺さず、バックパックの4基のスラスターを点火。

 俺とララちゃんが、そらを翔ける。

 

 魔改造ジム、ドリルドム、スコープドッグが隊列を成してティターンズへと迫る!

 




 アイドンウォントゥルーズ!ディサーイァー!
 アイドンウォントゥルーズ!マッファーイァ〜ァァ〜!
 イツタイトゥガンダァム!ザファーイティーィィ〜ン!
 ジャスワンウェイトゥ…!ジィィィィィィムゥゥゥゥゥゥ!
 ジィィィィィィィムゥゥゥゥゥゥゥァァァァァァァ⤵︎
 …ジィィィィィィィィムゥゥゥゥゥゥァァァァァァァァァァ⤴︎
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