吾輩はジムである   作:呼び水の主

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16話 俺、敗北……!?

 やばいやばいやばいやばい死ぬゥ!

 目の前のモビルアーマーから未来でも読んでんのかっていうくらい先読みで放たれたビームの嵐を紙一重で斬り払い続ける。

 んぉぉぉぉっ!見えてるのに回避できないっ!大きく動けば隙に付け込まれる!両手に握りしめたビームサーベルで飛んでくるビームを斬って弾いてそれまた斬ってを、俺の命が尽きるまで続けさせられている!なんだよこの理不尽リズムゲームはよぉ!

 

『姐さん!』

『今助けますわ!』

 

 ギャル!?縦ロール!?

 ギャルの狙撃にモビルアーマーが反応し僅かに後退する。

 間髪入れずに縦ロールのドムがドリルをギャルギャル言わせながら吶喊する。

 

『ウチの姐さんに手ェ出した罪!その身で払ってもらうかんなぁ!』

『わたくしが踊って差し上げましてよ!』

 

 お、お前らぁ!(ヤンクミ)

 ミノフスキー粒子で何言ってるかわかんねーけど助かった!

 よぉし反撃じゃい!

 

「アル!みんなと息を合わせて!」

 

 おうよ!俺たちのターン!連携攻撃だぁ!

 オラ!精神コマンド発動!集中!必中!突撃!……愛!?

 ララちゃんの分か。アッハイ……。よ、ヨーシ!

 マリア!オルドリンデェ!ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!

 

「二人とも!行くよ!」

『宇宙でウチの射線から逃げられるかよ!』

『ドリルの錆にしてやりますわぁ!』

 

 ギャルの狙撃に押されているのか、こちらを様子見するように飛行するモビルアーマー目掛けて俺と縦ロールが突撃する。

 さっきから大分無理させてるが、もう少し持てよ!ビームサーベル!

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 必殺!ビームバリヤー!手首を高速回転させてビームの傘を作り、モビルアーマーのビームを弾きながら突撃する!

 逃れようとする敵をギャルのスナイプが軌道を塞ぎ、身動きを縛る!

 仕上げだ!行けェ!縦ロール!俺の背後からドリルが飛び出し馬鹿みたいに敵にかっ飛んで行く!

 敵はしめやかに爆散!

 ドムとモビルアーマーの激突と共に、視界を覆うほどの爆発が生じる。わずかな静寂。

 

「やったの!?」

 

 ララちゃん!?それダメだって!?

 晴れた視界の先に巨大な人形に変形したモビルアーマーが出現していた。

 

「モビルアーマーが変形をした!?」

 

 滲み出す気迫のようなモノに押されて、思わず硬直する。な、なんだよ、このプレッシャーは!

 モビルアーマーがわずかに身じろぎし、その背後に半壊したドムが漂っているのが露わになった。

 

『オルトリンデ!?て、テメェェェェ!』

 

 ギャルの絶叫と共に吐き出された突き刺すような狙撃を悠々と回避し、カウンター気味にその異形の腕から放たれたビームがギャルのハイザックの上半身を食い破り爆発する。

 

 瞬く間に部隊の仲間が削られていく。圧倒的すぎるッッッ!何も、何もできなかったッッッ!

 異形が迫る。巨大な鉤爪が俺の両腕をガッチリと咥えて押さえ込む。くそっ!?動けない!?

 目の前の、人を模しているようでいて人から外れた異形のフォルム!特徴的なこの見た目は!戦闘中はすばっしこくてよく見えなかったが、やっぱメッサーラかよぉ!ってことはパイロットは!お前は……!お前の名は……!

 

「感じるぞ!その息遣い、やはり女のものだったか!」

「うぁぁ!?くっ、接触回線!?」

「3人とも素晴らしいセンスだが、特にキミからは特別なものを感じる!ああ、素晴らしい!この出会いは、運命だ!」

「運命!?」

「そうとも!どうかな?私と来ないか。キミと私なら人類をより良い方向へ導ける!」

「生憎だけどそんなものに興味はないわ!」

「いいや違うな!避けては通れぬ道だ!これからの時代を動かすのは女だよ、その頂点がキミなのだ!」

「それを決めるのはあなたじゃない!時代は動かしたい者が動かせばいい!」

「キミに相応しいのは私だけだ!」

「初対面で馴れ馴れしいのよ!アルフォンス!」

 

 シロッコォォァァァァァッッッ!!

 てめぇなに俺のララちゃんに粉かけとんじゃぁぁぁぁ!

 粉どころか揉み込んでカラッと揚げるレベルで求愛してんじゃねぇこのバカモンがぁぁぁぁぁ!

 くらえぃ!怒りのバァルカンッッッッッ!!至近距離からバルカン連射しながら頭フリフリを受けろぉ!

 

 バルカン砲がメッサーラの肩関節とモノアイに滑り込み内部を引き裂く。よっしゃぁ!拘束が緩んだ!スラスター全開!

 離脱ぎわにメッサーラにビームサーベルを突き立てる。ハッハァー!左腕はもらったぜぇぇぇぇぇ!捥ぎとった左腕をシューッ!超!エキサイティンッ!

 

『フッ、振られたか。生の感情を剥き出しにするなどと思っていたが、なるほどこれが俗人の抱く感情ならば悪くない!だが、手に入らないのなら生かしておく義理もあるまい!』

 

 投擲された自らの左腕を薙ぎ払い、圧倒的なプレッシャーが俺とララちゃんに迫る。これマズ!?

 気づいた時にはメッサーラが視界から消えて、次いでとてつもない衝撃が俺を襲った。

 な、なんだ!?何も見えなかった!瞬間移動!?

 

「アルフォンス!?上ッ!」

 

 マジかよいつの間に!?ええい南無三!

 ララちゃんの声だけを頼りにビームサーベルを頭上に切り上げる。

 そしてそれは虚しく空を切り、次の瞬間、俺はバックパックを吹き飛ばされ、錐揉みしながら()()()()()()

 

 おい、マジか。

 みるみる視界が地球の青に染まる。

 推進力を失った身体は宇宙を泳げず、重力の井戸に引き摺り込まれていく。

 

『キミが私の運命なら、また会えるだろう?』

 

【→】

 

 ホワンホワンホワンジムジムゥ〜。

 というわけで冒頭に戻るぜ!

 こういう経緯で俺は今生身で大気圏突入してるわけだな!

 アァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!助けてェー!助けてェー!

 俺こんな死に方嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 ※大気圏突入で死ぬ(ガンダム世界でやりたくない死に方ランキング第一位)

 

 やばい、身体が高熱になりすぎて、ララちゃんの意識がどんどん薄くなっていく……。

 死なないでくれ!ララちゃん!

 

「アル、ありが、と……。生まれ変わったら、わたし……」

 

 おい!縁起でもないこと言わないでくれ!生まれ変わりなんて都合のいい話なんてねぇ!死んだらそれで終わりなんだ!次なんて、次なんて無いんだ!だから君は生きるんだ!

 なんとか出来ないかと周囲を見回す。

 降下していたはずのエゥーゴの部隊は既に見えなくなっていた。

 とっくに皆突入を終えてしまったらしい。

 なにかないか!何か!シールドとか、機体の残骸でもなんでもいい!なにかないのかよ!

 

 ──ちくしょう……。

 ダメだ……、俺も、意識が……。

 ララ、ごめん……。

 

 今際の際に、俺の身体に触れるモノがあった。

 ぼんやりと目を開ければ、赤熱する大気から俺を庇う金色の戦闘機の姿。

 

「間に合ったようだな。その機体に大気圏突入能力はない。全く無茶をする」

 

 こ、このCV池田秀一なイケメンボイスは……!?

 ヤツだ……ヤツが来たんだ!

 完ッ壁なタイミングゥ!惚れちまうぜ〜!!




私こそが人類を導くシロッコだ!

「何度問われても答えは同じです。私が愛するのはあなたではありません」言葉のスイカバー
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