(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話   作:春はる

12 / 24

遅くなりましたが、前回の続きです。

投稿後、文章を多少の追加・修正しました。

本編をどうぞ。



第11話

 

 

 

〜連視点〜

 

 

再オーディションをすると決まった事で、部内はひとまず落ち着いたので厳しい練習が行われる様になった。

 

厳しい練習をしてく日々が続き、学校は夏休みに突入した。

 

夏休みに突入したが、再オーディションもコンクールもある吹奏楽部には夏休みを満喫する事は殆ど無く、練習の続ける日々として夏休みを過ごしている。

 

そういう練習の日々のある日の午前中、音楽室で全体練習を行って、秀一が演奏について指摘されてたりとしながらも練習が続いた。

 

途中で、パート練になりそれぞれの場所で練習を始めた。

 

 

そして、時間が経ちお昼になった時は喜多村先輩達と一緒に共に昼食を取った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜麗奈視点〜

 

再オーディションが決定した後、練習が続き学校は夏休みになった。

 

そんなある日の今日。

 

午前中、まず全体練習をしパート練となった。

 

そしてパート練をする時に、"北高吹奏楽部として、コンクールで一緒に演奏するのに代わりはないから、いい演奏しようね"と、香織先輩から言われた。

 

その言葉に"はい"と返事しつつ、内心で"やりにくいな……"と思ったがけど、その後すぐにパート練習がスタートした。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

パート練を終えてお昼も先輩達と食べ終わり、私は先輩に1つ伝えておきたい事を言うことにした。

 

麗奈「先輩、蓮の事は知ってますよね」

 

香織「?……オーボエの1年生の西原蓮くんのこと?」

 

麗奈「はい。……私と優子先輩との贔屓とかのやり取りの件で、蓮も色々と言われてますよね」

 

私が伝えたいと思ったのは、オーディションの時の出来事で蓮も色々と言われているから、先輩に蓮はそんな悪い事をしないという事を伝えたいと思ったから。

 

香織「あ、うん。確か、高坂さんのために先生に何かしたとか、見た目に反してそんな事を平気でする性格が悪い男子……とかを話してるのを聞いたけれど……」

 

先輩は、又聞きした感じの内容を教えてきてくれた。その内容は許せないものだったけど、とにかく私は先輩に話を続けた。

 

麗奈「蓮はどんな事でも私の味方で居てくれてるけれど、音楽に関して滝先生同様に絶対に贔屓に加担する事はしないです」

 

麗奈「それに、いくら私の味方で私の演奏の実力を知ってても、どっちを選べって聞かれても両方の演奏をしっかり聞いてから選ぶんです」

 

麗奈「それだけ蓮は音楽にも真面目でしっかりしてるんです。それに中学であんな事があったのに、ずっと練習を続ける努力家なんです。私が尊敬するぐらいになんです」

 

香織(中学であんな事があった?……少し気になるけど、西原くんの事を話す高坂さんの表情が、笑顔というか微笑んでる。それだけ大切に思ってるって事かな)

 

麗奈「何より悪い性格なんかじゃないです。小さい頃からずっと優しいですし……って、なんで微笑んでるんですか……?」

 

蓮の事を話してると香織先輩が微笑んでいたのが見えて、なんで微笑んでいるのか自然と聞いていた。

 

香織「あ、ごめんね。高坂さん、微笑みながら話をしてたから、凄く西原くんの事を気にかけてるんだなって思っちゃたから。高坂さん、西原くんの事が大切なんだね」

 

先輩の言葉に、"それは当然です"と迷いなく答えると、"そうなんだね"と呟いた。

 

麗奈「なので、蓮の事を悪く思わないでください」

 

香織「うん」

と、その後、話してこない感じだったから、私は練習を始めたがそのタイミングで先輩は、屋上から校舎内に戻っていった。

 

しばらく一人で練習をしていると、"麗奈"と声をかけられ顔を向けると久美子がやってきた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜廊下・階段近く〜

 

〜蓮視点〜

 

パート練をした教室で喜多村先輩達とお昼を取った後、俺はトイレに行き用を済ました。

 

教室へ戻ろうと階段近くを通りかかった時に、トランペットを持った中世古先輩が出てきた。

 

香織「!」

 

蓮「あ」

 

香織「〜〜!?」

 

先輩に気付いて避けようとしたけど、気がついた時には車椅子の足置き部分のフットレストが先輩の脛に当たってしまった。

 

当たりどころが悪くて結構な痛みが来たらしく、中世古先輩は凄く悶えていた。

 

それに対して、どうしようも出来なくて、痛みが引くまで待つしか無かった。

 

しばらくして痛みがなくなったのか先輩が立ち上がったので、声をかけた。

 

蓮「中世古先輩、すみませんでした。……血、出てないですか?」

 

香織「あ、ううん。こっちもごめんね。ちゃんと、周りを見てなかったから。……血は、ちょっと出ちゃってる」

 

その言葉を聞いて、見てみると靴下に少し赤っぽい色が滲んでいた。

 

それを見た俺はポッケに入れていた絆創膏を取り出した。

 

蓮「これ絆創膏です。使ってください」

 

香織「あ、ありがとう。絆創膏、持ってるんだね」

 

蓮「中学の時、結構こういう感じになったのが何回かあったので、持つようにはしてます」

 

香織「そう。ありがとう」

と、先輩はお礼を言った後に絆創膏を貼り、貼り終わった後に俺を見ながら"えっと"と先輩は呟いた。

 

香織「オーボエをしてる西原くん……だよね?」

 

蓮「あ、はい」

 

香織「どう?部活は」

 

蓮「色々と起きてますけど、楽しいですよ。パートの先輩3人とも仲良くできますし」

 

香織「それなら良かった」

と呟いてから中世古先輩は黙ってしまったが、麗奈の事で一言伝える事にした。

 

蓮「……あの、麗奈がすみませんでした」

 

香織「え?」

 

蓮「麗奈、ケチつけるなら云々って言ったので……」

 

香織「あの時の事ね。……別に気にしてない、って言っても嘘になるけど、西原くんが謝る事ないよ。それに今は、オーディションに向けて練習しないとだしね」

 

蓮「……」

 

香織「……西原くんは、なんであの時の優子ちゃん達の会話に入ったの?」

 

蓮「あれは反射的にです。あの時、麗奈と吉川先輩がまだ何か言いそうだったのが見えたので会話に入った感じです。あと俺が口を挟めば、麗奈はそこまでの反論はしないと思ったんですけど」

 

香織「高坂さんの、あの言葉は予想外だったってこと?」

 

蓮「そうですね」

 

俺の言葉に、先輩は"……そっか"と呟いた。

 

蓮「……でも麗奈の悪く思わないでくださいね。麗奈は悪く言えば頑固な感じですけど、本当はいい子なんです。奏者として特別になる為にストイックに練習を続けて頑張ってるんです」

 

蓮「だから、なんていうか環境もあると思うんですけど、努力するのも練習する場所があるのも当たり前ってのもあったから、対立になっちゃった感じなんです」

 

蓮「そのせいというか、事実・正論だろうとその逆だったとしても、ズバズバ言っちゃう所があって、あの時の事になってしまっただけなんです」

 

蓮「素直で優しい所もあって、「ふふ」……ん?」

 

香織「あ、ごめんね。早口で話してたから」

 

先輩の言葉に、"あっ……"となったけど、先輩は気にせずに話を続けてきた。

 

香織「高坂さんの事をすごく大切に思ってるんだね、西原くんも」

 

蓮「それは、まぁそうですね。麗奈とは幼稚園と小中は違いますけど、小さい頃からの幼馴染なので」

 

香織「そっか」

 

蓮「……ん?先輩、"西原くんも"ってどういう意味ですか?」

 

香織「あ〜、高坂さんもね、"蓮の事を悪く思わないでください"って事を言った後に色々と言ってたの。だから君から話で、お互いの事を凄く大切に思ってるんだな〜って感じたの」

 

先輩は微笑みながらそう言ってきたから、なんだか恥ずかしくなった。

 

蓮「そ、そろそろ、教室に戻りますね」

 

俺はそう言って教室に戻った。

 

午後にも練習が開始し、1日を終えた。

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜香織視点〜

 

 

教室へ急ぐように戻ってしまった西原くんを見て、思わずまた微笑んでしまった。

 

香織(確かに高坂さんの言う通り、西原くんがいい子なのは伝わった。と言っても、ダブルリードの来南達からも話をなんとなくは聞いてたから性格が悪い子じゃないのは知ってたけど)

 

そう思いながら、あすかがいる場所へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

あすか「ほい」

 

西原くんと話の後、外で練習をしていた。

 

そして一区切り付いた時に、近くにいるあすかが水のペットボトルを投げてきた。

 

香織「どう思う?」

 

ペットボトルをキャッチしながら、あすかにそう聞くと"良いんじゃない"と、前と同じ事しか言わなかった。

 

香織「またそれ?」

 

あすか「またって、同じは同じだよ。良いは良い、それ以上はないし、決めるのは私じゃないよ」

 

香織「じゃあ、聞き方を変える。あすかはどっちが適任だと思う?」

 

あすか「上手いほうがやるべきだと思うよ」

 

香織「高坂さんの方が良いってこと?」

 

あすか「だからそれを聞いてどうするのー?決めるのは私じゃないんだよ」

 

香織「知りたいの、個人的にどう思ってるか」

 

あすか「いいの? 言って」

と、私の言葉にあすかはそう返してきた。

 

その言葉に私はすぐに反応せずに少し考えてから答えた。

 

香織「……ううん、言ってほしくない。冗談でも高坂さんがいいとか」

 

私の言葉に、あすかは"思考を読む能力者か"と茶化した感じで言ってきた。

 

その言葉に苦笑いしていると、あすかは"じゃあね"と言って戻っていった……と思ったら、"あ"と声を出して私の方を見てきた。

 

あすか「そういえば、さっきから気になってたけど、靴下が少しだけ赤っぽい色が滲んでるのは、どうしたの?午前中はそんなのなってなかったよね?」

 

血が滲んでいる事が気になって、声をかけたみたい。

 

香織「ここに来る時に、校舎内の階段近くの廊下で西原くんの車椅子が当たったんだ。その時に血が出たから付いた感じ。傷自体は西原くんが絆創膏をくれたから、それを貼ってるよ」

 

あすか「……西原って、この間の贔屓云々の話に割って入った一年生のオーボエ男子でしょ。南聖中出身の子」

 

香織「あの子、南聖中なの!?」

 

あすか「知らなかったの?」

 

そう聞いてくるあすかに頷いた。

 

そもそも西原くんとしっかり話したのだって、さっきが初めてだからだ。

 

今まで同じパートの高坂さんと話をした時も彼の話題は特に出てこなかった。

 

今日、屋上で練習をした時に、高坂さんから西原くんの事を言われた時に、"中学であんな事"っていう言葉を言ってて気になったのはあった。

 

だけど、高坂さんと西原くんの2人共、口を挟む事が憚られるぐらいにお互いの良い所とか話してフォローしてて聞けなかったし、中学の名前とかも出てこなかった。

 

ダブルリードの来南と美貴乃の2人と吹部のパートの話をしてても、中学の事は出てなかった筈だし。

 

吹部のメンバーとの今までの話を思い出してると、"と言っても"とあすかが呟いた。

 

香織「?」

 

あすか「そういう私も、黄前ちゃん達が話してるのを聞いたぐらいだけどね〜」

 

香織「黄前ちゃん達って……低音パートの1年生3人の事だよね」

 

あすか「そう、その3人。黄前ちゃん達と西原は同じクラスで仲良いらしいよ。一緒にお昼食べてたり帰ってたりしてるんだって」

 

香織「へぇ〜」

 

あすか「で、なんか南聖中でいろいろ起きたらしくて、車椅子生活になったんだって」

 

あすかの"いろいろ起きた"という言葉に、"中学であんな事があったのに"っていうが関係してるのかなと内心で思った。

 

香織「あ、そういえば、南聖中の吹部って、いきなりしばらく活動休止してたみたいだもんね」

と、中学校吹奏楽部の中でも強豪校である南聖中学吹奏楽部が、活動休止した事を思い出しながら呟いた。

 

あすか「あれはいきなりだったよね~」

 

香織「それが、西原くんと何か関係あるのかな?」

 

あすか「さぁ?なんとなく聞こえただけの話だから実際はわからないけどね〜。……まぁ、西原の事は気にせずに、今はオーディションに集中しなさいよ〜」

 

あすかの最後の言葉に"分かってる"と返すと、"じゃあね〜"と言い今度こそ校舎内に戻っていった。

 

その様子を見てから、私は時間になるまで練習を続けた。

 

 

そして、翌日の再オーディションをする日になった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

〜ホール〜

 

〜蓮視点〜

 

中世古先輩に話をした日から翌日なり、今日はホールでの練習になった。

 

そして、練習前には麗奈と中世古先輩のトランペットソロパートの再オーディションをすることになっている。

 

俺は出来る範囲で準備を進めて、準備が大体終わり車椅子でもステージを見れる場所に移動した時に、麗奈と久美子が2人で話しながらホール内に入ってきた。

 

2人は話し終わると、麗奈が俺の方に来た。

 

麗奈「私、負けないからね。確実に勝ちに行くから」

 

蓮「知ってる。でも俺は、2人の演奏をしっかり聞いて選ぶだけだから」

 

麗奈「だから、しっかり聞いてて」

 

蓮「うん。でも応援してるから」

と聞いた麗奈は頷いてから、すぐにステージに移動した。

 

少しした後に中世古先輩も移動したので、再オーディションがスタートした。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜終了後〜

 

 

2人の演奏が終わった。

 

最初に演奏を始めたのは中世古先輩からだった。

 

演奏を聞くと、確かに吉川先輩が上手いと何度も言うのも、上級生の中で一番上手いって言われるのも分かった。

 

ただ、次に演奏を聞いた麗奈の演奏が始まると部員達の息を呑むのに気づいた。

 

改めて聞くと、やはり実力はずば抜けて高い。

 

2人の演奏を聞いて、身内知り合い贔屓を抜きにしてソロに選ばれるのはどっちが良いとなると麗奈の方がいいと思った。と、思っていると、滝先生がステージに出てきた。

 

滝「では、これよりソロを決定したいと思います。中瀬古さんがいいと思う人」

 

そう問いかけると、吉川先輩が立ち上がり拍手をし、他部員たちの何人かも拍手をした。

 

滝「では、高坂さんがいいと思う人」

と、中世古先輩への拍手が収まった後に先生が問いかけてきたので、俺は拍手をした。

 

俺と同じタイミングで久美子が立ち上がり拍手をした。その後にも葉月や緑なども続けて拍手をしていった。

 

そして拍手が収まった後に、滝先生は先輩の方に向いた。

 

滝「あなたがソロを吹きますか?」

と、先輩に問いかけた。

 

どうやら先生は、先生自身で決めるんじゃなくて演奏をした生徒自身に、ソロを吹くかどうするかを決めさせる形みたいだ。

 

香織「吹かないです。……吹けないです。 ソロは、高坂さんが吹くべきだと思います」

 

先生の問いかけに、先輩は麗奈に向きながらそう答えた。

 

滝「あなたがソロです。中瀬古さんではなく、 あなたがソロを吹く。いいですか?」

 

先輩の答えを聞いた先生は麗奈に向いてから、そう伝えた。

 

麗奈「はい!」

 

先生の言葉に、麗奈は力強く返事をした。

 

 

こうして、トランペットソロパートの再オーディションは、麗奈に決定し終結した。

 





次回はアニメ1期12話のエピソードを中心を書いて投稿予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。