(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話   作:春はる

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前回の続きで、2期1話の途中からの話になります。

では、本編をどうぞ。



第15話

 

 

〜音楽室〜

 

滝「では早速合奏を始めていきますが、今日はその前に一人紹介したい人がいます」

 

やってきた滝先生がそう言った時に、音楽室のドアが開いた。

 

入ってきたのは、眼鏡を掛けた男性だった。

 

滝「彼はこの学校のOBでパーカッションのプロです。夏休みの間、指導してもらうことになりました」

 

先生の言葉に、パーカッション組から"プロ!?"という驚きの声が上がっていた。

 

橋本「橋本真博と言います。どうぞよろしく!あだ名は、はしもっちゃん。こう見えても滝くんとは大学からの同期だから、滝くんの事で知りたい事があったらどんどん聞きに来てね!」

 

大学からの同期だっていう橋本さんの自己紹介に、皆は呆然となっていた。

 

橋本「あれ、反応薄いなー」

 

滝「余計なことは言わなくていいですよ」

 

橋本「滝くんモテるでしょう?女子から、キャーキャー言われてるんじゃないの?」

 

「はい、吹奏楽部員“以外”の女子から…」

 

橋本「あはは!吹部女子からは人気ないかー!ごめんなー!滝くんが口悪いのは昔からでね……イタッ!」

 

滝先生から"余計なことを言うな"と言われていたのに、普通に言い続けてた橋本先生は滝先生から強い力で足を踏まれていて、その様子に皆は苦笑いしていた。

 

すると、いきなり橋本先生が歩き出したから、不思議に思ってると向かった場所は久美子だった。

 

蓮(……久美子、空の方を見ながらぼんやりというか上の空?)

 

橋本「起きてるー?」

 

久美子「……あ、はい!」

 

橋本「新任のコーチなのに興味なし?落ち込むな〜!」

 

久美子「すみません!」

 

上の空状態の久美子の事が気になりつつも、滝先生から"練習を始めます"と言われたから、意識を久美子の方から練習に切り替えた。

 

いつも通り、合奏をやってからパート練習を行って今日の練習が終了した。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜帰り道〜

 

練習を終えた俺は久美子達と帰ろうと思ったけど、いつの間にか居なくて連絡すると、先に帰ったらしい。

 

軽く話を聞いた感じだと、吹部を退部した2年生らしき女子が副部長の田中先輩に復帰したい事をお願いしに来た事と、他の2年生から"話し合いをしたい、先に帰ってて欲しい"と言われたみたい。

 

久美子たちの話に、前に秀一が言っていた2年生部員少ないが関係していると思ったけど、久美子達も詳しい事は聞いてないと言っていた。

 

その話を聞いて、ひとまず先に帰ったのは仕方ないと思いつつ校門を通ろうとした時だった。

 

優子「ねぇ」

 

蓮「吉川先輩?」

 

優子「聞きたい事があるから途中まで帰らない?」

 

蓮「途中までなら」

と答えたら、吉川先輩は先に歩き出した。

 

先輩の歩くスピードに車椅子の速度を合わせてしばらく進んでいると、先輩から話しかけられた。

 

優子「……西原は、みぞれとどうやって仲良くなったの?」

 

蓮「聞きたいことって、その鎧塚先輩との関係なんですか?」

 

優子「そうよ。……それで、どうなの?どんな感じで今の関係になったの?」

 

蓮「……別に、これっていう事はしてないですよ」

 

優子「?」

 

蓮「初めて会ったのは、入部後の楽器選びの時でなんですけど、その時は喜多村先輩と岡先輩と話してて、鎧塚先輩とは挨拶したぐらいで話はしなかったです」

 

優子「他には?」

 

蓮「パート練の時は、同じ楽器だから一緒に練習しましたけど、俺がトイレとかで離れる時とかに声をかけたり、練習の事で質問したぐらいです」

 

優子「もっと声をかけようとか思わなかったわけ?」

 

蓮「なんか人見知りとか人と話すの苦手なのかなって思ったんで、挨拶とか質問とかの一声かけるぐらいだけして、あまり話はしない方がいいかもって考えて話さなかったです」

 

優子「ふ~ん」

 

蓮「けど、たまに話しかけられる時があって、その時は少し話をして終わる感じですかね。なので、殆どはさっき言ってた感じで過ごしてますよ」

 

優子「……そんな感じだから、気を許した感じかもね、みぞれは」

 

蓮「?」

 

優子「無遠慮に自分に踏み込んでこないけど、挨拶とかのほどほどに声をかけてくる感じだから、居やすかった。だから、他の皆よりは仲良くなってるというか気を許してる感じ」

 

蓮「そんな感じですか?」

 

優子「そんな感じよ。……と、私はこっちだから」

と話してると吉川先輩がそう言ってきたから、"あ、はい"と返事をすると、先輩は歩き出した。

 

けど、すぐに止まって振り向いてきて、"それと"と言ってきた。

 

優子「……私、みぞれの事を大事な友達だと思ってるからさ、今のままでみぞれと仲良くしてくれると嬉しいよ。みぞれは、悪い子じゃないから……って、分かってると思うけどね」

 

吉川先輩はそう言って俺の返事を聞かずに帰っていったから、俺も家へ帰った。

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

〜翌日・帰り道〜

 

 

吉川先輩と帰った日の翌日の今日。

 

いつも通り練習をして時間が経ち帰る時間になり、今日は久美子と葉月と緑と麗奈の4人と一緒に帰っていた。

 

その途中、コンビニでアイスを買って食べながら、2年生の部員の事とかの話をしていた。

 

その話を終えた後は駅まで向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

〜電車内〜

 

緑「そういえば、明日は花火大会があるんですが、誰と行くとかありますか?」

 

電車に乗って少ししてから、緑がそう聞いてきた。

 

蓮「花火大会……もうそんな時期なんだ」

 

緑「忘れてました?」

 

蓮「そうだね、忘れてた。……けど、妹の玲と一緒に行くと思うよ」

 

緑「高坂さんとは一緒に行かないんですか?」

 

蓮「行かない……と言うより、多分、麗奈は久美子と一緒に行くと思うよ。あの2人俺の予想以した上に仲良くなってるから、もう2人で回る約束でもしてると思うし」

 

緑「あー、確かに2人とも仲良くなってますもんね」

 

蓮「あがた祭りの時、麗奈を誘ったけど久美子から誘われたからって事で断られたから、今回も二人で約束してたら断られるだろうなって思ってる」

 

緑「けど、一応は高坂さんに聞いていた方がいいと思いますよ」

 

蓮「そうだね。家に帰ったら連絡して聞いてみるよ。それで断られたら玲と一緒に行くことにする」

 

緑「あ、なら、蓮くんと妹さんの玲さんと、私と琥珀の4人で回りませんか?」

 

蓮「兄妹姉妹で回る感じ?」

 

緑「はい!それに私、蓮くんの妹さんに会ってみたいです!」

 

蓮「じゃあ、そうしよっか」

と、緑の提案に乗った俺は、麗奈に連絡を取ったあとに緑に連絡すると伝えた。

 

麗奈に断られたら待ち合わせ場所と時間を決めると話をしたタイミングで降りる駅に着いたから、"また明日"と声をかけてから駅に降りた。

 

 

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家に着いた後に麗奈に連絡をすると久美子と約束してて、麗奈は久美子と2人で回りたいと言ってきたから、"了解"と返事をした。

 

その後に、玲に声を掛けて緑と話した花火大会の事を伝えると、二つ返事でオッケーしてくれたから、俺は緑に連絡をした。

 

緑に麗奈から断られた事と玲も行くことをオッケーしてくれた事を伝えて、待ち合わせ場所と時間を決めてこの日は終わった。

 

 

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〜翌日〜

 

 

今日も朝早くに音楽室に入った時に、鎧塚先輩だけじゃなくて吉川先輩もいた。

 

優子「え、聞いてない?」

 

みぞれ「なんの話?」

 

優子「そっか、どうしよっかな……」

 

なんか2人だけの会話をしているようだった。

 

蓮「……おはようございます」

 

内容は気になるけど、詮索しない方がいいかなって思った俺は2人に挨拶をした。

 

みぞれ「……おはよう」

 

優子「ん……あ、西原か。おはよう」

 

蓮「なんか話してたみたいですけど、練習してもいいですか?」

 

2人からの挨拶を聞いたあと、そう聞いた。

 

みぞれ「いいよ」

 

優子「……西原、みぞれと話す内容を聞かなかった事にしといてくれるなら、練習してていいよ」

 

蓮「……訳あり?」

 

吉川先輩の言葉にそう返すと、"そう、訳あり"と答えてきた。

 

蓮(現部員の2年生達が言いたがらない部員が少ない事が関係してるかも)

 

そう思った俺は、"分かりました、聞かなかった事にしときます"と答えた時に、音楽室のドアが開いた。

 

入ってきたのは、麗奈と久美子がやってきた。

 

蓮「おはよう」

 

麗奈「おはよ」

 

久美子「おはよー」

 

蓮「今日も2人で来たんだね」

 

麗奈「久美子と仲良くなったし、一緒に練習するようになったしね」

 

久美子「まぁね」

 

蓮「そっか」

と、俺がそう返すと2人は先輩にも挨拶をした。

 

けど、挨拶した後はそのまま麗奈達は会話をせずに無言のままで、麗奈達は練習している場所に行こうとした時だった。

 

みぞれ「優子、仲悪いの?その2人と……」

と、鎧塚先輩が全く会話が無い状態のこの雰囲気で吉川先輩にそう質問をした。

 

優子「え?」

 

いきなりの質問に吉川先輩が驚いて、鎧塚先輩を見てから麗奈の方を見て、麗奈の方も吉川先輩を見ていた。

 

麗奈「そうなんですか?先輩」

 

優子「さぁ……どうなんだろうね、後輩」

 

2人がそう一言だけ発して見合ってた時に、久美子が"え、えっと、あー"と声を出した。

 

久美子「……いやー、仲いいって言うか悪いって言うか……普通って言うか、そう普通!先輩と後輩って感じです!多分」

 

みぞれ「ふ〜ん」

 

鎧塚先輩がした質問から始まった会話は、久美子が代わりに答える感じになったけど、鎧塚先輩はそんなに興味ない感じで返答をしていた。

 

その状態に居づらくなったのか、久美子は麗奈に声を掛けて楽器を持って音楽室から出ていった。

 

2人が居なくなった後に、吉川先輩が"本当に……"と声をかけて話を始めた。

 

優子「あれだけ色々あったのに、みぞれは部内の人間関係のこと疎いよね……」

 

みぞれ「……だって興味ない」

 

優子「そう。……それでさっきの話、希美の事なんだけど……」

 

みぞれ「希美……」

 

優子「うん。希美がね、部活に戻りたいって話してきたらしいの……」

 

みぞれ「そう……」

 

蓮(……希美……部活に戻りたい……下の名前呼びだと退部した2年生の事なのかな……)

 

隣で聞こえてきた単語が凄く気になったけど、聞かなかった事にすると言った手前、"2人に聞いたりしないようにしておこう"と内心で思いながら、練習を続けた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

〜全体練習中〜

 

 

全体練習になり、滝先生の厳しい指導も受けつつ練習を続けていた。

 

滝先生から指導途中に橋本先生がパーカッション組に声を掛けたりもしていた。

 

滝「他には何かありますか?」

 

橋本「そうだね……全体的にちょっと大人しい印象がある。普段の皆がそのまま演奏に出てる感じだね。もう少しでお互い図々しくなった方がいい」

 

蓮「図々しく……」

 

橋本「そう。気になった事があったら、どんどん言い合ってみるとか、そんな感じ。……わかった?」

 

「はい!」

 

橋本先生からの言葉に返事をしてから、練習が再開された。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜練習後〜

 

 

練習と片付けも終えて帰ろうとした時に、階段近くで口にハンカチを当ててうずくまってる鎧塚先輩がいた。

 

蓮「先輩、大丈夫ですか……!?」

と、すぐに近づいて声を掛けると、先輩は俺をチラって見てきたと思ったら、俺の後ろから"蓮?"と声を掛けられた。

 

蓮「あ、久美子」

 

久美子「あ、鎧塚先輩、どうしたんですか?」

と、久美子も俺と同じくうずくまってる先輩にそう声をかけた時に、フルートの音色が聞こえてきた。

 

久美子「この音、南中のフルート」

 

みぞれ「……この音……聞きたくない」

と言いながら、先輩は壁に手をつきながら立ち上がった。

 

蓮「ひとまず、保健室に行きますか?」

 

みぞれ「……今日は、もう帰るから大丈夫。……心配、ありがと……」

と、先輩はそう言って階段を降りていった。

 

久美子「……私、このフルート演奏してる人の所に行ってみるけど、蓮はどうする?」

 

久美子の言葉に、少し考えてから答えた。

 

蓮「いや、帰るよ」

 

久美子「そう?……じゃあね」

 

屋上へ向かいに行った久美子を見送ってから、一階まで降りて、校舎玄関の所に着いた時に、鎧塚先輩がいたのが見えた。

 

蓮「先輩」

 

みぞれ「……なに?」

と、チラッと俺を見た先輩は小さい声でそう呟いた。

 

蓮「いや、体調はどうかなって。さっきは本当に悪い感じだったので」

 

みぞれ「今は大丈夫。……あの音はしてないし」

 

蓮(吉川先輩が言った訳ありは、あのフルートの音色と吹いてる人が関係してるかも。ただ、詮索しないって言ったのもあるけど、詮索して鎧塚先輩がまた体調崩したらそれはそれで大変)

 

そう思った俺は、フルートの事とかを頭の片隅に追いやった。

 

蓮「ひとまず体調が大丈夫なら良かったです」

 

みぞれ「……私、帰るね」

 

蓮「あ、はい。また明日」

 

みぞれ「……ん」

と頷いた鎧塚先輩は先に帰っていったから、俺も家へ帰った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

家に着いた後、花火大会に行く準備を済ましていた玲に急かされつつ、制服から私服に着替えて花火大会が開催されてる場所まで向かった。

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

〜花火大会〜

 

 

緑と約束していた待ち合わせ場所に着いて、少し待ってると緑と琥珀ちゃんがやってきた。

 

全員が集まった時に、真っ先に反応したのは玲だった。

 

まず2人がそっくりな事に驚いてから、すぐに琥珀ちゃんに抱きついた。

 

玲「かわいい!!」

 

琥珀「!?」

 

いきなり抱きつかれた琥珀ちゃんは驚いて慌てて離れようとしていた。

 

蓮「玲、ストップ!」

 

俺はそう言って玲の頭にチョップした。

 

玲「痛っ!?」

と、琥珀ちゃんから離れたから、玲の腕を掴んで俺の隣に引っ張った。

 

琥珀ちゃんは、緑の後ろに隠れてしまったのが目に入った時に、玲が"おにぃ!"と叫んできた。

 

玲「酷いよ!いきなりチョップするなんて!!」

 

蓮「琥珀ちゃん、めっちゃ驚いて離れようとしてたよ」

 

玲「えー!だって、凄く可愛かったのに!」

 

蓮「だからって、いきなり抱きつくのはどうかと思うけど……」

 

緑「……2人とも仲良いですね」

と、玲と話をしていると緑がそう言ってきた。

 

玲「当然です!私はおにぃの事が好きですから!」

 

蓮「仲良いのは否定しないけど。……それより、さっきは玲がごめん。いきなり玲が抱きつくとは思わなかったし。琥珀ちゃんもごめんね」

 

琥珀「……大丈夫……」

 

緑「確かにびっくりしましたけど、えっと玲さんは悪気があった訳じゃないんですよね?……それなら大丈夫です。琥珀と仲良くしてくれたらそれで十分です」

 

玲「緑さん、いい人!」

 

蓮「緑、ありがと。……それより、改めて玲は2人に自己紹介して。2人とは初対面なんだから」

と声を掛けると、玲は自己紹介をしてくれたから全員で回り始めた。

 

回っている間、玲は緑と2人で話したり琥珀ちゃんと声をかけて仲良くなったりとしていた。

 

しばらく回り、花火が上がる時間が近づいた。

 

今いる場所でも見えるので邪魔にならない位置に移動した時に、琥珀ちゃん飲み物がほしいと言ったから、緑が買いに行く事になり玲もついでに買いに行く事になった。

 

その間に、俺と琥珀ちゃんが待つことになり、緑が琥珀ちゃんを俺の膝の上に座らせてきたから、少しびっくりしつつも琥珀ちゃんが落ちないように支えた。

 

緑「2人とも、少し待っててください」

 

玲「すぐ戻るからねー」

と、2人はそう言って買いに行って居なくなった。

 

蓮「綿あめ、食べる?」

と、食べるつもりのないのに玲が勝手に買った全く口をつけてない綿あめを琥珀ちゃんに勧めると、琥珀は頷いて受け取って食べ始めた。

 

蓮「美味しい?」

 

琥珀「美味しい」

 

蓮「良かった。緑……お姉ちゃん優しいよね」

 

琥珀「うん、お姉ちゃんいつも優しい」

 

そんな感じの会話をしながら、たまに綿あめでベタベタになった琥珀ちゃんの口の周りを拭いてあげたりしながら2人が戻ってくるのを待った。

 

 

しばらくして2人が帰ってきた。

 

玲「お待たせ!」

 

緑「戻りました〜」

 

玲から飲み物を受け取って一口飲んでから、少しした時に花火が打ち上がった。

 

その花火を4人で話をしながら見ていた。

 

 

そして時間が経ち、花火が打ち上げ終わった後は、解散となった。

 

 

こうして、1日が終わった。

 

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