(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話   作:春はる

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16話です。

では、本編をどうぞ。


第16話

 

〜翌日〜

 

 

〜蓮視点〜

 

 

花火大会の翌日。

 

 

今日も滝先生と橋本先生から指導を受けながら練習をしていた。

 

滝「では本日の練習は、ここまでにします」

 

2人からの指摘に皆が返事をした時に、滝先生がそう告げた。

 

滝「明日からは2日間のお盆休みに入りますが、その後すぐ合宿です。体調管理にはくれぐれも注意して風邪など引かないようにしてください」

 

「はい!」

 

橋本「ヘックシュ!!」

 

滝先生が体調管理の事を伝えた後に、橋本先生がくしゃみをして"注意してくださいね"と滝先生から言われていた。

 

晴香「では合宿の予定確認するから、パートリーダーはいつもの教室に集まってくださーい」

 

部長の言葉で、パートリーダーが動き出したのをきっかけに皆は片付けを始めた。

 

俺もオーボエを片付けたりとしている時に、緑と久美子の会話が聞こえてきた。

 

緑「久美子ちゃん。お盆休み、どこかに行ったりするんですか?」

 

久美子「ううん。特にないけど」

 

緑「本当ですか?じゃあ、レッツプール!」

 

久美子「プール?」

 

緑「はい」

 

聞こえてくる2人の会話が聞きながら片付けを終わらせた俺は、2人に一足先に帰る事を伝えて、家へ帰った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜家・自室〜

 

 

家に着き、自室のベットで寝転びながらスマホを弄ってると、着信の通知が来て、名前を確認すると麗奈からの電話だった。

 

蓮「もしもし、麗奈どうしたの?」

 

麗奈『えっと、確認なんだけどね……2日あるお盆休みの1日、私はプールに誘われて行くんだけど、蓮はプールは行かないよね』

 

蓮「行かないってよりは行けないしだから、皆と楽しんできて」

 

麗奈『分かった。蓮は休みはどう過ごすの?』

 

蓮「俺は、玲と喜多村先輩と岡先輩の3人と出かける」

 

麗奈『……え、なんで……?』

 

蓮「なんかね、元々は玲が喜多村先輩と岡先輩の2人から誘われたらしいんだけど、玲が俺とも行きたいって先輩に言ったみたい。で、先輩がオッケーしたから、俺も行く事になった感じ」

 

麗奈『そ、そうなんだ……』

 

蓮「うん。……そうだ、もう一日お盆休みがあるけど、そこで一緒に出かける?」

 

麗奈『あ、えっと、ごめん。そこは、久美子と2人で出かける約束してて』

 

蓮「そっか。また、合宿日に」

 

麗奈『うん』

 

通話を切った俺は、ベット横にあるサイドテーブルにスマホを置いて"はぁ〜"とため息をついた。

 

蓮(麗奈と久美子は仲良くなるって思ってたけど、思ってた以上に仲良くなってるな。麗奈が、他の皆……友達と仲良くなるのはいいんだけど……)

 

そう考えている内に眠くなってきたから、リモコンで部屋の電気を消して布団をかぶった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

翌日、玲と一緒に先輩2人と待ち合わせをしている場所へ向かった。

 

この日は、完全に女子3人の後ろをついていく形で、服屋や化粧売り場とか回ってたから場違い感が凄かった。

 

"玲が楽しんでるならいいか"と思いながら、3人と回って1日を終えた。

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜合宿日〜

 

 

お盆休みが過ぎていき、2泊3日の合宿当日になった。

 

合宿をする施設に着いた時に、練習するホールを久美子達と話をしながら見ていた。

 

その途中で滝先生が来たから、挨拶をして少し話もした。

 

話を終えてから練習の準備とかを始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

〜ホール〜

 

 

準備を終えて先生が来るのを待っていると、扉が開いて滝先生がやってきた。

 

滝「では練習を始める前に、皆さんに紹介したい人がいます。どうぞ」

 

練習をするホールで滝先生がそう言うと、扉が開いて女性が入ってきた。

 

滝「今日から、木管楽器を指導してくださる新山聡美先生です」

 

新山「新山聡美といいます。よろしく」

 

「木管!」

 

「超美人じゃん」

 

「流石、滝先生」

 

「え、そうなの?」

 

美人の新山先生がやってきたから、皆からいろんな反応が上がっていた。

 

滝「午後は木管は第2ホール、パーカスと金管はこちらで練習します。新山先生は若いですが優秀です。指示にはきちんと従うようにしてください」

 

新山「優秀だなんて、褒めても何も出ませんよ?」

 

滝「いえいえ、本当のことを言っているだけです」

 

新山「まぁ!滝先生にそう言ってもらえて嬉しいです」

 

美貴乃「なになに!?」

 

来南「マジなやつ!?マジなやつ!?」

と、近くにいる喜多村先輩と岡先輩もテンションが高い感じで言葉か出てたし、他の皆もテンション高かった。

 

松本「お前ら、静かにしろ!」

と、松本先生の一言で皆は静かになり、滝先生から"各自、練習場所に移動してください"とだけ言われた。

 

滝先生の言葉に、俺も含めたダブルリード組や他の木管楽器は第2ホールへ向かった。

 

 

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〜練習後〜

 

〜夕食〜

 

 

新山先生の指導される練習後、夕飯時間になり食堂に行くと晩ご飯はカレーだった。

 

席はパート組で分かれていて固まる形だったから、ダブルリード組も固まる事になった。

 

カレーが乗ったトレーを受け取った時に、席まで喜多村先輩が車椅子を押してくれたので、席に着いた時にお礼を伝えた。

 

その後、皆でカレーを食べてる時に、岡先輩が"はぁ~"とため息をついた。

 

美貴乃「新山先生の練習、すっごく疲れたわ」

 

来南「だよね。もう一回がずっと続いたもんね」

 

蓮「実質、10回通しみたいな感じになってましたし」

 

岡先輩から出た言葉は新山先生から受けた練習だった。

 

滝先生の知り合いという事もあって、滝先生並みにすごい人だった。

 

喜多村先輩が言った通り、演奏をしたら新山先生から"もう一回"と言われたが、それが今日の練習終わりの時間まで何十回も続いたんだ。

 

蓮「流石、滝先生の知り合いだけあって厳しかったですね」

 

俺の言葉に岡先輩と喜多村先輩は頷いていた。

 

みぞれ「……ビックリしたし、私も流石にちょっと疲れた」

 

蓮「鎧塚先輩も、そうだったんですね」

 

みぞれ「ん」

 

鎧塚先輩の言葉に反応した後に、岡先輩が"そういえばさ"と俺の声をかけてきた。

 

美貴乃「蓮は、新山先生と橋本先生とかは知り合いなの?」

 

蓮「いや、知り合いじゃないです。滝先生は親同士が知り合いだったから知ってた感じですけど、2人とは親が知り合いとかじゃないので完全初対面です」

 

美貴乃「あ、そうなんだ」

 

蓮「だから、新山先生の指導が厳しいとは思わなかったです」

 

美貴乃「そうなんだ」

 

来南「……明日もこんな感じになるのかな」

 

蓮「先生達の事だから、また違う練習になりそうな気がします。今日みたいにハードの練習に」

 

美貴乃「それもそうかもね」

 

みぞれ「それは大変」

 

来南「でも練習頑張らなきゃだね」

と、3人と今日の練習の事で話をしながら、夕食時間を過ごしていった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜夕食後〜

 

夕食後、お風呂に男子部員に手伝ってもらいながら入って、泊まる事になって数人部屋に戻ろうかなと思った時に、スマホを持った鎧塚先輩に会った。

 

蓮「どこか行くんですか?」

 

みぞれ「ちょっと外に出て涼む。……まだ眠れないし」

 

蓮「そうなんですね。……じゃあ、俺は戻りますね」

 

俺はそう言って部屋に戻ろうとした時に、"西原くん"と呼ばれた。

 

蓮「?」

 

みぞれ「……聞きたい事があるから、聞いてもいい?」

 

蓮「あ、はい。いいですけど……」

と返すと、外を指さして歩き出したから俺は先輩の後ろをついていった。

 

外にあるベンチに先輩が座ったから、隣に移動すると先輩から口を開いた。

 

みぞれ「西原くんは、コンクールは好き?」

 

蓮「コンクールですか?」

 

みぞれ「ん。……私は嫌い。結局、審査員の好みで結果が決まるでしょ」

 

蓮(あぁ、そういう……)

と、内心で思った後に俺は少し考えてから先輩の質問に答えた。

 

蓮「正直に言うと、俺はコンクールに対して好き嫌いは無いです」

 

みぞれ「……なんで?」

 

蓮「ほら、前に中学の出来事で、俺は車椅子生活になった事は話しましたよね」

 

みぞれ「……うん、聞いた」

 

蓮「それで、南聖で出れたコンクールは中1の1年間だけで、吹部は活動中止になったから2年生からのコンクールに全部出れなかった。何よりも演奏が全く出来なかった」

 

みぞれ「……」

 

蓮「だから、今は楽器は違うけど演奏が出来ててコンクールにも出れるだけで嬉しいんですよね」

 

みぞれ「……だから、楽しそうに演奏してたり、練習中とか頑張ってたんだ……」

 

蓮「はい、だから演奏は楽しいし、コンクールに出る以上は全国まで行って、金を取って一番になりたいと思ってるので、練習を頑張ってるって事です」

 

みぞれ「……そう」

 

蓮「まぁ、金を取れなかったり全国に行けなかったら悔しいとか納得出来ないとか思うかもですけど」

 

みぞれ「……」

 

俺の言った事に、先輩は黙ったままになった。

 

蓮「……じゃあ、俺、部屋に戻りますね」

 

みぞれ「ん」

 

先輩の返事を聞いてから、俺は部屋に戻った。

 

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ーーーーーーーーー

 

 

〜久美子視点〜

 

 

夕食後に誰かと電話をしている夏紀先輩に呼ばれて話をした。

 

通話を終えた夏紀先輩から話を聞くと、電話相手は希美先輩だったようで部活休みの時に言ったプールの件で夏紀先輩に私の事を話してたみたい。

 

夏紀先輩から希美先輩の事で話をした後に、夏紀先輩が部屋に戻っていくのを見送ってから、外に出た。

 

外に出た私は音楽を聴きながら、希美先輩関係の事で考えていた。

 

そんな時に、いきなり足首辺りに何かが触れたのを感じ取った。

 

久美子「ひっ!?」

 

びっくりして下を見た。

 

久美子「鎧塚先輩!?」

 

鎧塚先輩がだった。

 

みぞれ「その曲、嫌いだからやめて」

 

久美子「あ、はい。すみません。……先輩、どうしてここに?」

 

みぞれ「リズムゲーム。……涼みに外にいた。眠れないし」

と鎧塚先輩が答えた後に隣に座るように促してきたから、私は隣に座った。

 

隣に座った後に、リズムゲームの事を聞いたけど何も答えなかった。

 

久美子(なんていうかマイペースな感じ……取っつきにくいな……。やっぱり蓮とか普通に接してるの凄いな〜……)

 

そんな事を思っている時に、"ねぇ"と声を掛けられた。

 

みぞれ「コンクールって好き? 」

 

久美子「え?」

 

みぞれ「……私は嫌い。結局審査員の好みで結果決まるでしょ」

 

久美子「でも、そういうのって、なんとなく仕方ないかなって思っちゃってます」

 

みぞれ「仕方ない?」

 

久美子「え、はい」

 

みぞれ「私は苦しい。皆も悲しんだりするからコンクールなんて無ければいいのに……って、思ってたのに

 

鎧塚先輩はそう言ったけど、言ってる途中でどんどん声が小さくなっていって、"無ければいいのに"って言った後の言葉だけ聞こえなかった。

 

久美子「……じゃあその、鎧塚先輩はどうして続けてるんですか」

 

みぞれ「分からない」

 

久美子「先輩?」

 

みぞれ「……西原くんの答えを聞いてから、もう余計に何も分からない」

 

"分からない"と言った時の鎧塚先輩の表情は、本当に分からない感じの表情に見えた……けど、蓮の名前が出たのが気になった。

 

久美子「……なんで、蓮が出てくるんですか?」

 

みぞれ「……なんでもない、忘れて」

 

そう言った鎧塚先輩は立ち上がって建物の中に戻っていった。

 

久美子(蓮の答えを聞いてって事は、コンクールの事を私に聞く前に蓮にも聞いてたって事なのかな……。蓮に確認しようかな……いやでも、希美先輩の事をあすか先輩に聞きたいし)

 

鎧塚先輩の言葉に、蓮に確認したい気持ちと希美先輩の事であすか先輩に聞きたい気持ちが出てきた。

 

久美子(……色々と気になるけど、一番気になるのは希美先輩の事だしあすか先輩に聞くって言っちゃったから、蓮に確認するのは後回しにしよう)

 

そう考えてから、部屋に戻った。

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

〜部屋〜

 

 

他の皆が起きないように、できるだけ音を立てずに部屋に入り、布団に寝転び掛け布団もかけた時に、"久美子"と麗奈が名前を呼びながら近づいてきた。

 

麗奈「ねぇ、どこに行ってたの?」

 

久美子「あ、いやちょっとね」

 

麗奈がまだ起きてる事に驚きながら、私はそう答えた。

 

麗奈「そう。……あのさ、蓮ってダブルリードの先輩達の誰か好きなのかな?」

 

久美子「いきなりどうしたの?」

 

麗奈「……最近さ、蓮がどんどん先輩と仲良くなっていってるから。……中学の時の事があったから、仲良くなってるのはいいんだけど」

 

前に聞いた様な事を、また私に聞いてきた。

 

久美子「……前から言ってたというか聞いてたけどさ、麗奈は蓮の事はLOVEの意味で好きなの?」

 

私は麗奈の質問に答えずに質問を返すと、麗奈は考え込んだ。

 

少しした時に、麗奈は口を開いた。

 

麗奈「……多分……ううん。確実に好きなんだと思う」

 

久美子「やっと認めましたか……」

 

麗奈「え?」

 

久美子「いや、だってさ、今まで蓮が先輩と話してるのを見てた時とか、今みたいに聞いてくるって事は麗奈は嫉妬してるって事だよ。嫉妬してるって事は、確実に好きだと思う」

 

麗奈「そんな風に見えてたの?」

 

久美子「うん。というか、これも言ったと思うけど"なんで付き合ってないの?この2人は"って感じだったよ」

 

麗奈「道理で香織先輩も聞いてきてたんだ……」

 

麗奈が言った言葉に"どういう意味?"と聞くと、府大会が終わった後の吹部活動中……特に休憩中とかに、蓮との関係を聞かれたりしてたらしい。

 

その時は、今まで私にされた質問に対して答えた様な事を先輩に答えたと教えてくれた。

 

麗奈「……それより、蓮はどうなんだろう」

 

久美子「……別に、恋愛の意味で誰々が好きとかはないんじゃない?」

 

麗奈「なんでそう思うの?」

 

久美子「んー、なんとなく。(本当は蓮も麗奈の事を気になってたり嫉妬してる感じに私は見えたからが理由だけど。前に花火大会で一緒に回った時の事を話したら羨ましそうにしてたし)」

 

麗奈「えー、なんとなくって何よ、久美子」

 

久美子「なんとなくは、なんとなくだよ。……それより眠いから、寝させてよ」

と、麗奈に伝えて無理やり離れさせてから布団にもぐった。

 

そうしていると、いつの間にか私は眠りに落ちていた。

 

 

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〜翌朝〜

 

 

翌朝、目覚めた私はあすか先輩を探し、練習をしているホールであすか先輩を見つけた。

 

久美子「あすか先輩、あとで時間もらえませんか。 話したいことがあるんです」

 

ホールにいたあすか先輩に、私は挨拶せずにそう切り出した。

 





2期2話の終わりと同じような場面で終わらせた為に、変な切り方になってしまいましたが、次回は2期3話以降の話を書いて投稿していこうと思います。

ちなみに、原作では新山聡美が出た際に、麗奈が死んだ魚の目をしてましたが、設定に書いてある通り、麗奈は滝先生にLOVEの感情を持っていません。

指導者・奏者として、尊敬やLikeなどの意味合いで好きという事にしてますので、新山先生が登場しても死んだ魚のような目はしていません。

単純に、紹介された際に麗奈は"へぇ〜"や"綺麗な人"などを思っていたという感じです。
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