(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話 作:春はる
第1話です。
では、本編をどうぞ。
第1話
~蓮視点~
~四月~
今日は北宇治高等学校の入学式。
俺は高校に進学して高校一年生になった。
校門を通ろうとした時に、吹奏楽の人達が立っているのが見えた。
どうやら、入学を祝うために演奏をするみたいで、少し待つと演奏が始まった。
蓮(……下手。……って言っても、俺自身も上手いって言えないから、口が裂けても言えないな……)
演奏を聞いて下手だったから"下手"と思ったけど、俺自身あまり表立って吹奏楽の人にそう言える程、演奏が上手いとは言えないと思ってるから、車椅子のタイヤを動かして校門を通った。
黄前「だめだこりゃ……」
校門を取った時に、音楽とは別に後ろから一人の女子のそんな言葉が確かに聞こえた。が、一人言に聞こえたから反応せずに教室へ向かった。
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~教室~
教室の後ろのドアから教室に入ると、先に来ていた生徒の何人かに見られてきた。
蓮(やっぱり慣れないな……)
そう思いながら、入ってすぐの自分の席に向かった。
黒板に席表が張り出されてるけど、俺は入学前の春休みに来た担任の先生から、教室の席は後ろの扉から入ってすぐの椅子が無く机しかない場所が、俺の席だと教えてくれたからだ。
そこで荷物を置いて、先生が来るまで待っていた。
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しばらくしてると、担任の先生……松本先生が入ってきて話を聞いた。
その後に出席を取られた。
松本「西原蓮」
蓮「はい」
と、名前を呼ばれて返事をした時に、前の席に座っていた下の名前がサファイアと呼ばれてた女子が俺の方をガッツリ見てきた。
その事に不思議に思ったが、特に気にせずにいた。
そのあとも時間が過ぎていって帰宅という事になったから、帰り支度をして廊下に出た。
廊下に出た時に、教室から松本先生に、"西原"と呼ばれた。
蓮「?」
松本「校舎内の移動は問題はないか?どこかに引っ掛かりそうになったとか、そういうのはあったか?」
どうやら車椅子での移動に問題がないかという質問をしに来たみたいだった。
蓮「大丈夫です。朝の校門の所も、校舎の中とか体育館に行くまでの間とか、スムーズに行けました」
松本「そうか。もし何かあればすぐに言うようにな」
蓮「分かりました」
松本先生の言葉にそう返事をして帰ろうと教室から出て、学校内にあるエレベーターに行こうとした時だった。
緑「西原蓮くん」
と、廊下に出た瞬間に名前を呼ばれて、名前を読んだ方を見ると、サファイアと呼ばれてた女子と、あと二人の女子がいた。
緑「南聖中学校で、コンバスやってましたか?」
名前を呼ばれた後に、サファイアちゃんからそう質問された。
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~緑視点~
松本「西原蓮」
その名前を聞いた私は、"はい"と返事がした方へ見てしまった。
私が見た事に不思議そうにしていたけど、見てしまったの仕方ない。
だって、西原って名字はオーケストラで活躍してる有名な人と同じ名前だったし、"西原蓮"って名前は私が聖女にいた時に聞いた事があったから。
でも、中学二年の途中から見なくなったから、どうしたんだろうと思っていた所で、北宇治で会うと思わなかった。
そんな事を思ってると時間が過ぎていって、下校になった。
葉月「あ、オパールちゃん」
私は鞄を持って廊下に出たら、後ろから声をかけられて、声をした方を見ると二人いた。
二人の内、片方のカバンにチューバくんがついてた。
緑「あ、それ……チューバくんですよね!可愛いな……」
葉月「そういえばオパールちゃん」
緑「……サファイアです……」
葉月「あ、ごめん」
緑「……でも、サファイアってあれですし、緑と呼んでくれるとありがたいなって思います」
といった後に、私は改めて自己紹介をした。
その時に、教室の後ろの扉から西原蓮くんが出てくるのが見えた。
葉月「緑は、あの男子と知り合いなの?」
と、葉月ちゃんが私の目線に気付いて、そう聞いてきた。
緑「知り合いじゃないです。ただ、私が一方的に知ってるだけなんです」
久美子「……じゃあなんで知ってるの?ストーカー?……あ」
と、久美子ちゃんが手で口を押さえたけど、私は気にせずに質問に答えた。
緑「私、京都府内から関西圏、全国各地の吹奏楽の強豪校の情報収集をする程、吹奏楽が好きな程の吹奏楽オタクなんです。それであの男子の事を知ってたんですよ」
久美子「それであの男子はどんな人なの?」
緑「名前は、西原蓮くんです。中学は、南聖中学校に通っててコンバスをやっていたのを、コンクールで何度か見てたので知ってます。それと両親も有名な人なので知ってるのもあります」
私がそう言うと、葉月ちゃんは西原くんのご両親の事を聞いてきたので教えてあげた。
西原くんの父親はプロのコンバス奏者で、現在は世界最高峰のオーケストラの一員でコンサートをしている。
そして母親は、人気雑誌などで活躍していた元モデルで、モデル引退後にトランペット奏者としてコンクールで活躍していた。
現在はトランペット奏者も引退して、音楽とモデルの後進育成をしている事を教えてあげた。
葉月「はぇ~、凄い親の息子なんだね~」
久美子「あの南聖に通ってたんだ……」
ご両親の凄さに驚く葉月ちゃんの隣で、久美子ちゃんはそう呟いた。
葉月「南聖中学って吹奏楽が強いの?」
緑「強いですよ!公立中学の中で最多の全国大会出場&優勝した学校です。……なんですけど……」
葉月「どうしたの?」
緑「二年前……私と久美子ちゃん、葉月ちゃんが中学二年の時に、いきなり南聖が府大会に出なくなって去年まで活動休止になりました。今年からは活動を再開したみたいですけど」
久美子「それは私も知ってる。あの強豪校が活動休止になったからね」
葉月「そうなんだ」
緑「それで北宇治に入学したら、車椅子に乗ってる西原くんを見かけたって事なんですけど、なんで車椅子に乗ってるのかが疑問なんです」
葉月「もしかしたら、吹奏楽の活動休止と関係あるのかも」
緑「もし、そうだったら気軽に聞けないかもしれません。けど、話はしたいです」
私がそう言い終わると同時に、いつの間にか先生と話をしていた西原くんが、先生と話を終えて帰ろうとしてたので、声を掛けに行った。
緑「西原蓮くん。南聖中学校で、コンバスやってましたか?」
と、声をかけた。
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~蓮視点~
緑「南聖中学校で、コンバスやってましたか?」
蓮「やってたけど……えっと、何か用?サファイアちゃん」
と、聞き返すとサファイアちゃんは"うっ……"と声を出した。
緑「……出来れば、緑と呼んでくれたらありがたいです」
どうやらサファイアと呼ばれるのは嫌らしい。"でも当たり前か"とすぐに思った。
だって、誰がどう聞いたってキラキラネームで恥ずかしいと感じる名前だ。
そう思った俺は、すぐに謝る事にした。
蓮「そう呼んで、ごめん。これから緑って呼ぶよ」
緑「いえ……」
蓮「俺の事は、蓮って呼んでよ」
緑「分かりました、蓮くん」
蓮「それで、隣にいる二人は?」
と、質問すると二人が自己紹介してくれた。
ポニーテールをしてる女子が黄前久美子で、髪が短い女子が加藤葉月だそうだ。
俺も改めて名前を教えてると、お互いに下の名前で呼びあう事になって、"分かった"と言ってから緑に声をかけた。
蓮「緑。それで、なんで俺にコンバスやってるか聞いてきたの?」
緑「えっと、それは……」
久美子「中学の時はコンバスやってたのに、北宇治で蓮を見かけたら車椅子に乗ってたのが疑問になったから声をかけたみたいだよ」
緑「く、久美子ちゃん……!」
久美子「……あ」
どうやら、久美子は思った事がすぐに口に出る性格みたい。
けど、車椅子生活になった話は、そうホイホイと人に話すような事じゃないし濁しとこう。
蓮「車椅子生活になったのは、まぁ色々とあったって事にしといて。南聖の事もお願い」
俺がそう言うと三人は頷いてくれた。
緑「車椅子生活になった事で、コンバスは出来なくなりましたよね?」
蓮「確かにコンバスは出来なくなったけど、今はオーボエをやってるよ。元々、小さい頃はコンバスとオーボエをやってたからね」
そこから葉月の質問で、コンバスやユーフォの事や吹奏楽部の事とかを教えた。
その後に、俺と緑と久美子が吹部に入ってたのを知った葉月が高校から吹部に入るつもりと言ってきたので、見学しに音楽室へ向かった事になった。
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~音楽室~
音楽室前に着いて、廊下から音楽室内を覗く形で三人が見てた。
俺はその三人を見る形になってた。
葉月は、久美子からユーフォニアムとオーボエを教えてもらっていたけど、いきなり驚いた声を出した。
すると、音楽室の扉が開いてメガネをかけた人が出てきた。
あすか「もしかして見学者かしら?」
と、言った後に葉月にマジックをしかけて驚かせていた。
晴香「あすか」
と、他の部員に名前を呼ばれて音楽室内の並べられてる席に戻っていった。
さして、チューニングとかが始まったけど、やっぱりそこまで上手くはなかった。
でも、過去には府大会銅賞まで行った程の実力はあったらしい。
そんな事を思いながら、吹奏楽部の演奏を見てると、音楽室の扉が開いた。
久美子(え、え……こ、高坂さん……!?)
音楽室に入ってきたのは、幼馴染みの高坂麗奈だった。
麗奈「すみません」
晴香「見学ですか?」
麗奈「いえ、入部をしたいんですけど」
あすか「ようこそ、吹奏楽部へ!」
麗奈の言葉であすかと呼ばれた先輩が入部届けやらの話をし始めた。
緑「そろそろ、行きましょうか」
緑がそう言ってきて、久美子が凄く頷いたのを不思議に思いながら音楽室から出ようとした時だった。
麗奈「?……あ、蓮、居たんだ」
と、麗奈が俺に気付いてそう言ってきた。
蓮「居たんだは無いでしょ、麗奈。……俺、北宇治に受かったってメッセージ送って伝えたよね」
麗奈「うん。メッセージは見たよ。ただ、教室に見ても居なかったし、ここにいるとは思わなかったから」
蓮「そういうことね。……今日はもう帰るから」
麗奈「分かった。また、明日」
蓮「また明日」
と、麗奈に伝えてから緑達と音楽室から出た。
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見学を切り上げた後の帰り道。
緑「さっきの子は知り合いですか?」
久美子「中学の時、吹部で一緒だったんだけどね……。それより、私は蓮と高坂さんが下の名前で呼び合う知り合いだったのが驚きなんだけど……」
蓮「俺と麗奈は幼馴染みなんだ。幼稚園と小中学校は違うけど、親同士が知り合いって事で家族ぐるみの付き合いだったから」
久美子「はぁー」
俺の話の後に吹部の話になった。
吹部初心者の葉月の疑問に答えながら話をしていった。
そして駅に着いたから、俺は駅員さんにタロップのお願いをした。
俺と緑は久美子と葉月の二人と逆方向みたいなので俺と緑は反対のホームに移動して、電車が来たのでタロップを掛けてもらって乗り込んだ。
電車が発車してからしばらくして緑が話しかけてきた。
緑「蓮くんは、吹部に入りますか?」
蓮「俺は入部しようと思ってるよ。演奏はお世辞にも上手いとは言えないけど、せっかく吹奏楽があるし久しぶりにやりたいからさ」
緑「そうですか」
この後も降りる駅に着くまで話をした。
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~蓮視点~
~翌日~
翌日になり、学校に着いてた俺は職員室に行き、松本先生の所へ向かった。
蓮「松本先生」
松本「西原。何かあったか?」
蓮「いえ、部活の入部届けってあります?」
松本「一応あるが、もう決めたのか?」
蓮「はい。吹奏楽部に入部しようと思って」
と伝えてから入部届けを受け取って、その場で書いて先生に渡した。
職員室で入部届けを書いて松本先生に受け取ってもらってから、教室に入ると葉月がマウスピースを使って練習をして緑は隣で応援していた。
久美子はその事に驚きつつも、葉月と緑が上手く吹く方法を聞いて、教えてもらっていた。
蓮「二人は吹部に入るの?」
葉月「入るよ。蓮は?」
蓮「俺も入るよ……って、ついさっき職員室に行って松本先生に入部届けをもらってその場で書いて提出したけど」
葉月「はや!」
と、驚かれたけど、葉月と緑は久美子にどうするか聞いて、最終的に三人も入部する事にしたみたいだった。
そして、時間が過ぎていき入学してから二週間が経った。
タグに書いてある通り、次回から不定期更新かつ亀より遅い亀更新になります。
そして、第2話は出来てない為に、すぐに投稿が出来ません。
その辺りは目を瞑っていただけるとありがたいです。
ですが、今後ともよろしくお願いします。