(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話   作:春はる

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今回の内容は、前半はあすか先輩関係と滝先生の奥さんの話で、後半からアニメ2期12話の終わりの全国大会前日から当日の結果発表までです。

一つにまとめた為に、文字数が9600文字を超えるという長くなりました。

本編をどうぞ。



第22話

 

 

〜蓮視点〜

 

 

駅ビルコンサートから日が経った。

 

日が経っていった日々の中で、田中先輩は"大丈夫"と言いながら部活に来たり来なかったりとする事が多かった。

 

そんな日々の中で、橋本先生から演奏の指摘を受けたり、久美子が風邪をひいて休んで麗奈がお見舞いに行った日もあったりした。

 

そうして時間が過ぎていったある日の練習終わりの時だった。

 

滝「では本日の練習はこれで終了しますが、1つ皆さんにお話があります」

と、先生が切り出して皆の顔を見渡してきた。

 

滝「田中さんが、今週末までに部活を続けていく事の出来る確証が得られなかった場合、全国大会の本番は中川さんに出てもらう事にします」

 

先生の言葉に部内に動揺が広がったが、部活は終わりという事で片付けを始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜帰り道〜

 

 

〜駅のホーム〜

 

 

部活の片付けを終えた俺は、麗奈と久美子と葉月と緑の4人と駅のホームにいた。

 

麗奈「滝先生の判断は正しかったと思う。今みたいな状況が続いて、皆が揺れているのはよくないし」

 

電車が来るまでの間、緑達が滝先生が言った田中先輩の事とコンクールの事について話をしていた中で、麗奈が3人にそう言った。

 

久美子「あすか先輩は、それでいいのかな」

 

麗奈「了承してるって、滝先生が言ってた」

 

麗奈の言葉に久美子は黙ったけど、"蓮は……"と俺に声をかけてきた。

 

久美子「……蓮はさ、どう思ってるの?滝先生が言ったこと」

 

蓮「……俺も、麗奈が言ったのと同じ事は思ってるよ。低音パートの久美子達は田中先輩の方を心配するのは当然だけど、今のままじゃ練習どころか本番にも影響出るから」

 

久美子「……」

 

俺の言葉に、久美子は黙ったままになった。

 

蓮「俺だって、今の部内の雰囲気に心配不安を俺も感じるから、田中先輩に戻ってもらった方がいいと思ってはいるよ」

 

緑「そうなんですか?」

 

俺の言葉に緑が反応した。

 

蓮「うん。そう思ってはいるけど、自分が今やる事は周りがどんな状態でも自分の演奏をするって、俺は思ってる」

 

俺の言葉に、隣にいる麗奈は頷いていた。

 

蓮「まぁ、俺がそう言えるのは田中先輩とは関わりが少ないから、先輩の事を気にかける気持ちが少ないのもあるけど。……鎧塚先輩の騒動の方が田中先輩より心配したよ」

 

葉月「そうなの?」

 

蓮「うん、鎧塚先輩とは同じ楽器&パートだし、尊敬してる先輩だから。あの時が今とか起きたら、久美子みたいな感じに思う」

 

葉月「そっか」

 

俺がそう言うと、久美子は"……そう"と小声で呟いていた。

 

麗奈「鎧塚先輩の事、本当に尊敬してるだ」

 

蓮「まぁ、演奏技術とか本当に凄いし、表現力も今や麗奈に引けを取らないレベルだから、目標みたいにもなってるから」

 

麗奈「そう。まぁ、そういう人が近くに居たら上手くなるのはあるよね」

 

蓮「うん」

 

そう話してると、俺と緑が乗る電車が到着する音が反対ホームから聞こえてきたから、麗奈と葉月と久美子に"また明日"と伝えて緑と反対ホームに向かった。

 

 

反対ホームで電車に乗った後に、3人に手を振って家へと帰った。

 

 

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〜数日後・放課後〜

 

 

〜音楽室〜

 

 

駅のホームで話をした日から、数日が経った。

 

その数日の間に、他の低音パート組とかの皆と協力してもらいながら、久美子が田中先輩を連れ戻す為に動いていたのを見ていた。

 

そんな中、今日の放課後もいつも通り吹部が始まる時だった。

 

あすか「ごめん、遅れた!」

 

突然、音楽室の扉が開いて、田中先輩がそう言いながらやってきた。

 

先輩がやってきた事に部員達は喜んでいたし、俺もひとまず練習とか本番とか影響が良い方になりそうと思いながら、久美子と中川先輩と話す田中先輩を見ていた。

 

そして、練習を始める前に田中先輩から話があった。

 

あすか「結局、皆に迷惑をかける形になってしまって、本当にすみませんでした。これから本番まで必死で練習して、いい演奏したいと思います。よろしくお願いします」

 

橋本「なんか、ずいぶん真面目な挨拶だなぁ!性格変わった?」

 

あすか「そうですね。ちょっぴり、大人になったのかも?」

 

練習を見に来ている橋本先生の言葉を聞いた田中先輩は、久美子の方を見ながら答えていた。

 

蓮(やっぱり久美子が、いろいろと動いてたんだ)

 

そう考えていると話を終えた田中先輩が席に戻ったので、練習が始まった。

 

 

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〜練習後〜

 

〜学校・下駄箱〜

 

 

田中先輩が復帰したという衝撃な日の練習も終わって、家へ帰ろうと下駄箱に着いた時に、麗奈がいた。

 

蓮「麗奈、誰か待ってるの?」

 

麗奈「蓮を待ってた」

 

蓮「俺?」

 

麗奈「うん。聞きたいことがあって」

 

蓮「じゃあ、帰りながら話聞くでいい?」

 

俺の言葉に麗奈は頷いた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜帰り道〜

 

 

学校から出た後、麗奈が車椅子を押されながら駅に向かっていた。

 

蓮「それで聞きたいことって?」

 

麗奈「滝先生の事なんだけど、先生に奥さんいたの知ってる?」

 

麗奈の言葉に内心"え?"となったけど、すぐに答えることにした。

 

蓮「いや、知らない。お父さん達からは何も聞いてないけど、なんでそんな事を聞くの?」

 

俺がそう返すと、麗奈が説明をしてくれた。

 

少し前に、最終下校時間まで練習をして久美子と一緒に帰った日があった。その時に音楽室の鍵を滝先生に返しに行った時に机の上に写真が飾ってあるのを見つけた。

 

その写真は、滝先生と新山先生と橋本先生の3人ともう1人の女性が滝先生にくっついてるのを撮ってるもので、家に帰った後に親に聞いたら、先生の奥さんだって教えてくれたみたい。

 

麗奈「その話を聞いて、蓮は知ってたのかなって単純に知りたかっただけなんだけど、蓮も知らなかったんだ」

 

蓮「うん、知らなかった。……で、その奥さん、今は?」

 

麗奈「病気で亡くなってるみたい」

 

その言葉に"あ〜……"と言葉が出た。

 

蓮「それなら言えないし、話す訳ないよね」

 

麗奈「うん。蓮が経験した南聖の出来事も言えるような事じゃないから、その類いだよね」

 

蓮「そうだね。でも、目の見える位置に写真を飾ってるって事は、奥さんの事は今でも好きで大切なんだと思う」

 

麗奈「そうだと思う。……それで、その話を聞いちゃったから、お墓参りに行っとこうと思ったんだけど、蓮も来る?」

 

蓮「そうだね、俺も行くよ」

 

麗奈の言葉に俺は頷いて、いつ行くかを決める事にした。

 

麗奈「滝先生は多分話さないと思うから、新山先生とかに無理言って教えもらおうと思う。だから場所を聞けたら教える」

と、麗奈から言われたから"分かった"と返事をした辺りで駅に着いた。

 

 

駅に着いた後は、それぞれの電車に乗って家へ帰った。

 

 

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麗奈から先生の奥さんの話を聞いてから、2日後の放課後。

 

俺と麗奈は先生の奥さんのお墓参りに向かっていた。

 

昨日の内に新山先生に無理言って教えくれたらしくて、今日の放課後に行くことになった。

 

 

そして、お墓に着いて麗奈が買ったお花を供えて手を合わせてから帰る事になった。

 

麗奈「蓮は、何を伝えた?」

 

蓮「ん〜、まずは謝ったかな。勝手に奥さんの事を聞いたって事と場所まで聞いてきちゃったから」

 

麗奈「私もそうだね。でも、その後に私達が吹部なのと全国出場した事と金を目指してるって伝えた」

 

蓮「俺もだよ。だから応援しててくださいって事も伝えた」

 

麗奈「うん。絶対に金を取ろうね」

 

蓮「うん、絶対に……!」

 

麗奈の言葉に力強く返事をして、1日を終えた。

 

 

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〜全国大会前日〜

 

 

〜蓮視点〜

 

 

お墓参りに行った日から時間が経ち、全国大会の前日になり全国大会が開催される場所の近くの合宿所にあるホールで皆が集まっている。

 

明日が本番の為、前日の今日も練習をする為に楽器を持って各々の待機していた。

 

そして、先生がやってきた。

 

滝「では、始めましょうか。いよいよ明日が本番になりますが、焦らず落ち着いていつもどおり音を重ねていきましょう」

 

全員「「はい」」

 

滝「小笠原さん」

 

晴香「はい。じゃあ、チューニングベーで!」

 

部長の言葉で、チューニングを始めて練習がスタートした。

 

 

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〜夜・宿泊施設〜

 

〜就寝時間前・外〜

 

練習が終わり夕飯も食べ終わった後の俺は、就寝の時間になるまでの自由時間内に、皆が泊まる宿泊施設の少し外に出れる場所で夜空を眺めていた。

 

蓮(明日、本番。……金が目標だけど、とにかく今の実力をしっかり出して演奏してから、麗奈に告白しよう)

 

そう考えている時に扉が開く音が聞こえて振り向くと、麗奈だった。

 

麗奈「蓮、本当に居た」

 

蓮「誰かに聞いてきたの?」

 

麗奈「久美子が、ここに行く蓮をチラって見たって言ってた」

 

蓮「そう」

 

麗奈「……それで、蓮は明日のこと考えてたの?」

 

蓮「まぁね……明日、本番だから空眺めながら考えた。星がよく見えるから、気持ち落ち着かせるのに良さそうだったから」

 

俺の言葉に、麗奈は星がよく見える夜空を見上げた。

 

麗奈「確かによく見える」

と、一言呟いた麗奈はそのまま静かになったから、俺も空を眺めた。

 

2人して夜空を眺めてから少しした時に、"蓮"と呼ばれて麗奈を見た。

 

麗奈「全国大会、実力出し切って絶対に金を取ろう。……あと、結果が分かった後に、話したいことがあるから」

 

真剣な顔で、そう伝えてきた麗奈を見た俺は頷きながら"分かった"と答えた。

 

蓮「金を取る為に実力出し切る為に頑張るよ。……で、俺も伝えたい事あるから」

 

俺がそう言うと、麗奈は一瞬キョトンとした顔になったけど、"分かった"と答えてくれた。

 

蓮「じゃあ、俺は部屋に戻るよ」

 

麗奈「うん。……おやすみ、蓮」

 

蓮「……ん、おやすみ」

と、麗奈に返して泊まる部屋に戻り、眠りについた。

 

 

そして、全国大会当日になった。

 

 

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〜麗奈視点〜

 

 

夕食後、蓮と話をしようと周りを見渡したけど居なかったから、近くに居た久美子に声をかけた。

 

麗奈「久美子、蓮がどこにいるか知ってる?」

 

久美子「蓮?……そういえば、あっちの方の外に出れる場所に向かったのを、チラって見たけど……」

 

麗奈「分かった、ありがとう」

 

私はお礼を言って、久美子が言った場所に向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

〜外〜

 

 

外に出てみると居たから"本当に居た"と口から出ると、"誰かに聞いてきたの?"と蓮から聞かれた。

 

久美子からの聞いたことを伝えると、"そう"と呟くだけだったから、質問した。

 

麗奈「……それで、蓮は明日のこと考えてたの?」

 

蓮「まぁね……明日、本番だから空眺めながら考えた。星がよく見えるから、気持ち落ち着かせるのに良さそうだったから」

 

蓮の言葉に見上げると、確かに星がよく見えた。

 

麗奈(蓮と2人でいるの久しぶり)

と、最近は久美子と一緒にいる事が多いから、そんな事を思いながら蓮と空を眺めた。

 

麗奈(全国大会……金取って終わったら、告白しよう)

 

空を眺めながら、私はそう決意してから、蓮に声をかけた。

 

麗奈「蓮。全国大会、実力出し切って絶対に金を取ろう。……あと、結果が分かった後に、話したいことがあるから」

 

蓮「金を取る為に実力出し切る為に頑張るよ。……で、俺も伝えたい事あるから」

 

私の言葉に、蓮は真面目な顔でそう言ってきたから、内心"え?"ってなった。

 

麗奈(伝えたい事、なんだろう。……いや、今はコンクールに集中して終わったら考えよう)

 

蓮の言葉に少し考えてしまったけど、すぐにコンクールの事に頭を切り替えた。

 

麗奈「分かった」

 

蓮「じゃあ、俺は部屋に戻るよ」

 

麗奈「うん。……おやすみ、蓮」

 

蓮「……ん、おやすみ」

と言った蓮は、部屋へと戻っていった。

 

麗奈(気になる事はあるけど、今はコンクールをやり切る)

と、決意してから私も部屋へ戻って、布団にもぐった。

 

そして、全国大会当日になった。

 

 

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〜全国大会当日〜

 

 

翌日、全国大会の本番になった。

 

開催されるコンクール会場前の外で皆で待機している間に、緑が周りにいる他校の説明をしていたけど、興奮状態で早口気味だった。

 

その様子に苦笑いしながら見ていたら、会場内のホールに移動となったので、移動を始めた。

 

 

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〜ホール内〜

 

 

ホール内で、チューニングや演奏の最終確認を始めて、皆が確認を終えてステージ横に移動する時間が近づいてきた辺りで、先生が口を開いた。

 

滝「これからいよいよ本番です。私達は、春に全国大会出場という目標を掲げ、ここまでやってきました。結果を気にするなとは言いません」

 

ここで先生は言葉を切ってから、話を続けた。

 

滝「ですが、ここまで来たらまず大切なのは、悔いのない演奏をする事です。特に3年生、今日が最後の本番です。この晴れ舞台で悔いのない演奏をしてください」

 

3年「はい!」

 

先生の言葉に、3年生が力強く返事を返すと、部長が手を上げた。

 

晴香「先生、一言いいですか?」

 

滝「もちろんです。どうぞ」

 

晴香「ついに本番だよ。私、今日だけはネガティブなこと絶対言わない。私ね、今……心の底からワクワクしてる。いい演奏して、金取って帰ろう!」

 

部長の言葉に皆で返事を返すと、次に田中先輩が話すことになった。

 

あすか「えーと、全国に関して皆にいろいろ迷惑をかけてしまいました。こうやってこの場にいられるのは、本当に皆のおかげだね、ありがとう」

 

田中先輩は、そう言って頭を下げた。

 

あすか「今日は、ここにいる皆……北宇治全員で最高の音楽を作ろう!それで笑って終われるようにしよう!」

 

田中先輩の決意も返事を返すと、部長が"じゃあ"と声を出した。

 

晴香「では皆さん、ご唱和願います。北宇治ファイトー!」

 

「「おー!」」

と、部長の掛け声に皆で叫んだ後、ステージ横に移動をした。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜ステージ横〜

 

 

リードを咥えながらステージ横で待機している時に、左肩をチョンチョンとつつかれたから、左を見ると鎧塚先輩だった。

 

蓮「どうしたんですか?」

 

みぞれ「……さっき黄前さんに言ったけど、今日のリード最高なの」

 

蓮「最高のリード……なら、オーボエソロも含めた全部の演奏、期待してます」

 

みぞれ「ん、期待してて。……西原くんのリードは?」

 

蓮「俺のリードも最高です」

 

みぞれ「それなら、私も西原くんの演奏、期待してる」

 

鎧塚先輩がそう言ってからリードを咥えて、左手をグーで出してきた。

 

それを見た俺も右手をグーにしてグータッチをした。

 

来南「2人ともここにいたんだね」

 

美貴乃「2人でグータッチしてたわね」

 

蓮「あ、はい。鎧塚先輩、今日のリード最高みたいなので、"演奏期待してます"って伝えて……」

 

みぞれ「……西原くんも、リード最高って言ってた」

 

美貴乃「それで、グータッチしてた感じなの?」

 

岡先輩の言葉に鎧塚先輩が頷くと、喜多村先輩と岡先輩もグーにして出してきた。

 

来南「なら、同じパート組全員やろ。その方が頑張れるし」

 

美貴乃「同じパート組、一体感を感じるし」

 

2人の言葉に、俺と鎧塚先輩は顔を見合わせたけどお互いに頷いてから、4人でグータッチをした。

 

4人でグータッチをしたタイミングで、部長から"皆"と声が掛かった。

 

晴香「北宇治、いくよ。」

 

部長の言葉にステージ上に移動して、それぞれ演奏準備を始めた。

 

そして指揮台に滝先生が立ち、演奏がスタートした。

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

〜演奏後〜

 

 

演奏を終えた北宇治は、結果発表まで時間を潰す事になった。

 

蓮「本番、終わったね〜……」

 

麗奈「そうだね。……話、結果発表が終わったら話すから」

 

蓮「うん、こっちも終わったら話すよ」

 

俺と麗奈は、そんな一言だけの会話をして空を眺めて結果発表の時間になるまで待っていた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜結果発表〜

 

 

時間が経ち、結果発表になった。

 

 

『お待たせいたしました。それでは、これより高等学校後半の部の表彰式を行います』

 

そうアナウンスされた後に、まず先に指揮者賞の発表になって、他校の皆が声掛けを始めた。

 

「しまった!これがあった!」

 

「どうする?何も決めてないよ!」

 

何も声掛けの言葉を考えていなかった俺達が慌てていると、滝先生の順番が次になった。

 

「次だよ……」

 

「間に合いませんね……」

 

『滝昇』

 

麗奈「先生、尊敬してます!」

 

皆が諦めて、先生の名前が呼ばれた時に麗奈が立ち上がって叫んでいた。

 

優子「高坂、ファインプレー!」

 

香織「ありがとう!助かった!」

 

先輩2人の言葉を聞いた麗奈は頷いてから、席に座って俺の方を見てきた。

 

麗奈「なんで、蓮は何も言わなかったの……!?」

 

蓮「俺もすっかり忘れちゃってて、皆と一緒に慌ててた」

 

麗奈「何やっての」

 

蓮「ごめんごめん」

 

麗奈の言葉に謝ってると、結果の発表になり、順番に結果を言われていき、北宇治の順番になった。

 

『北宇治高等学校……』

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜結果発表後〜

 

 

北宇治の結果は、銅賞だった。

 

全員で撮る写真で皆は静かでカメラマンから"もう少し笑顔を下さい"と言われる程に、皆のテンションは低めだった。

 

まぁ、写真撮影はなんとか終わった後に麗奈の所に向かうと、滝先生が麗奈に話しかけていた。

 

滝「高坂さん、先ほどの声かけありがとうございました」

 

麗奈「え、あ、あれは」

 

滝「実を言うと少し自信がなかったので、嬉しかったです。自分のやりたい事を押しつけてばかりで、皆さんには好かれていないと思っていたので」

 

麗奈「そんな事ありません!皆、滝先生のこと尊敬しています!」

 

滝「そうであれば、うれしいのですが」

 

麗奈「少なくとも、私は先生の事を指導者としてトランペット奏者としても尊敬しています」

 

滝「そう言っていただけると、教師冥利につきます。ありがとうございます、高坂さん」

と、滝先生はお礼を言った後に他の部員の所へ向かっていった。

 

その様子を少し見ていると、俺に気付いた麗奈が"蓮"と呼ばれた。

 

麗奈「私、大会終わった後に話したい事あるって言ったよね」

 

蓮「うん」

 

麗奈「皆がいるから恥ずかしいんだけど……」

と、麗奈は言葉を切って顔を少し赤くしながら下に向けた。

 

その様子を見た俺は、内心で"もしかして"と思った時に麗奈が顔を上げた。

 

麗奈「あのさ……私、蓮の事が好き!幼馴染としてもそうだけど、恋愛の意味でも好き。……だから恋人になってほしい」

 

麗奈から告白に、俺は言葉に失った。

 

麗奈の近くにいる吉川先輩と中世古先輩に至っては開いた口を手で隠してる状態で驚いていたし、他の2、3人の部員も驚いていた。

 

蓮「あ、え、えっと……麗奈、俺のこと好き……」

 

麗奈「うん。……それで蓮、返事は……?」

 

近くにいる中世古先輩達がいるってこと、皆の"どう答えるの?"みたいな目線で見てくること、告白された事にも恥ずかしさを思いながら、麗奈にちゃんと答えることにした。

 

蓮「えっと、俺も麗奈の事が好き……です。幼馴染としても恋愛の意味で好き」

 

麗奈「……じゃあ、オッケーってこと……?」

 

蓮「うん」

 

俺が頷くと、麗奈は笑顔になって抱きついてきたから、びっくりしながらもなんとか受け止めた。

 

麗奈の方も車椅子が倒れないような力加減で抱きついてきたみたいだったから、車椅子ごと倒れる事はなかった。

 

抱きついてる麗奈をなんとか引っ剥がすと、後輩の恋愛模様を目の前で見たからなのか、少し顔を赤くさせた吉川先輩と中世古先輩が声をかけてきた。

 

香織「高坂さん、大胆だね。ここで告白するなんて」

 

中世古先輩の言葉に、麗奈は顔を赤くさせながら答えた。

 

麗奈「いや、でも、大会終わった後にするつもりでした。別に明日とか別の日でも良かったと思うんですけど、勢いでしたほうがいいかなって思ったので」

 

優子「確かに高坂が大胆に告白してたけど、西原も西原ですぐに告白をオッケーしたわね。もしかして、西原も告白するつもりだったの?」

 

蓮「……えっと、まぁ、俺も大会終わった後に、麗奈に告白するつもりだったんですよ」

 

吉川先輩の言葉に俺がそう答えると、麗奈が"そうなの!?"と声を出した。

 

蓮「うん。文化祭の時に、悠一にいろいろ言われて、麗奈の事が好きって自覚したから、大会が終わった後に告白しようと思ってたんだ」

 

麗奈「私も似た感じ。……私は、合宿の時に久美子に言われてだったけど」

 

香織「……でも、高坂さん。良かったね、オッケーをもらえて」

 

麗奈「はい、嬉しいです」

と、中世古先輩の言葉に返した麗奈に見た俺は、麗奈に声をかける事にした。

 

蓮「麗奈、一つ聞きたいんだけど……」

 

麗奈「なに?」

 

蓮「告白されて嬉しいし俺もオッケーしたけど、麗奈は俺でもいいの?」

 

麗奈「……どういう意味?」

 

蓮「いや、俺さ中学からいきなり車椅子になったじゃん。だから麗奈に凄く迷惑というか負担になると思うんだ。俺、そこがちょっと引き目に感じてて……」

 

麗奈「そんなの関係ない!」

 

蓮「んぐ!」

 

麗奈は大きめの声を出して、俺のほっぺを両手で挟んできた。

 

麗奈「蓮は、中学の事があっても音楽に真剣で努力家。私の味方で居てくれるけど贔屓しない。そういう所が尊敬出来るしかっこいいって思ってる」

 

ほっぺを両手で挟んだまま、言葉を切ってからもう一度話を始めた。

 

麗奈「車椅子に乗ってても乗ってなくても、私はそういう蓮の事が好きになったというか好きになってたの。だから、自分の事を低く言うのはやめて」

 

麗奈の言葉を聞いた俺は嬉しくなりつつ頷いてから、麗奈の手を掴んでほっぺから離した。

 

蓮「……ごめん、もう言わない。麗奈にそんな事を言われたら、もっと好きになれるように、もっと音楽、吹奏楽とか楽器演奏が上手くなるように頑張る」

 

俺がそう言うと、麗奈は笑顔で頷いてくれたのを見て、ふと先輩2人を見ると、顔をさらに赤くさせていた。

 

優子「あんた達、私と香織先輩がいるの忘れてたでしょ。張本人じゃない私達でも聞いてて恥ずかしくなる話をしないでよ。しかも大会終わった後にするなんて」

 

香織「告白して結ばれたと思ったらそんな2人だけの世界になるとは思わなかったな〜……」

 

先輩の言葉に俺も麗奈も恥ずかしくなったけど、ひとまず2人に謝った。

 

2人に謝ったタイミングで、先生から集合が掛かったので先生の所に移動した。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

集合が掛かって、吹部の全員が集まったのを先生が確認した後、部長と副部長の小笠原先輩と田中先輩から一言となった。

 

まず、部長からだった。

 

晴香「私たち3年はこれで引退です。最後になりますが、今日までこんな不甲斐ない部長に付いてきてくれてありがとう。この1年は嫌な事も不安な事もあって辛かった。でもそれ以上に皆と演奏が楽しくて……」

 

あすか「では、泣き虫部長に代わって一言」

 

話してる途中で泣いてしまった部長を見た田中先輩が、そう言ってから、話を始めた。

 

あすか「今日の演奏で言いたい事は何もありません。私達が全力を出し切った北宇治の音は全国に響いた。3年生は、これで引退、 あとは2年生の天下です。もう不安しかありません」

 

田中先輩の言葉に、中川先輩とか反論したりして少し笑いが起きた。

 

あすか「えー、私は皆さんが知っての通り、回りくどい話はできないので、はっきり言います。今回の結果、私はめちゃくちゃ悔しい。でも3年に雪辱の機会はもうない」

 

先輩は言葉を切り、1年、2年のいる辺りを見渡してから口を開いた。

 

あすか「こんな思いは私達だけで沢山。だから来年は必ず金賞を取って!これは最後の副部長命令!分かった?」

 

「はい!」

 

あすか「よーし、その返事、忘れないよ。卒業しても毎日見に来るからね」

 

夏紀「先輩、それ最悪です」

 

最後にそんなやり取りで2人からの言葉は終わった……と、思ったら、"お姉ちゃん!"と久美子が叫んで走り出して居なくなってしまった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

その後、久美子がなんだか満足というか良かったというか、何がともあれ良い顔になって戻ってきた。

 

お姉ちゃんって叫んでたから、身内の事でスッキリした事があったんだと思った俺は特に聞かないでおこうと思った。

 

 

俺と麗奈のこと、久美子の行動もありつつも、こうして全国大会で銅賞を取った今日を終えた。

 





滝先生の奥さんの話、本小説だと麗奈は先生に恋愛のラブでは無いので、母親に八つ当たりしたり、久美子を山に誘って問いただすような事は起きてません。

次回、最終回です。
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