(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話 作:春はる
完成したので、投稿します。
では、本編をどうぞ。
~西原家~
~蓮視点~
麗奈と一緒に帰り、家に着いた。
蓮「ただいま~」
玲「おにぃ、おかえり~。麗奈ちゃんもおかえりー!」
玄関に入るなり、妹の玲がそう叫びながら麗奈に抱きついた。
麗奈「……ただいま、玲」
由実「蓮、おかえり。麗奈ちゃんもね」
蓮「ただいま」
麗奈「……ただいまです」
由実「もうご飯は出来るから、先に食べる?」
お母さんがそう聞いてきたから、俺は麗奈に"どうする?"と聞いた。
麗奈「先に食べてから、スタジオで練習しよう」
蓮「分かった」
玲「二人とも、練習するの!?」
蓮「そうだよ。玲もやるでしょ」
玲「うん!」
ご飯の後にスタジオで練習すると聞いた玲は元気良く頷いて、玄関口に置いてるタオルを持った。
タオルを持った玲に手伝ってもらいながら車椅子のタイヤをある程度綺麗にしてから、リビングへ向かった。
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~スタジオ内~
夕食を食べた後、家のスタジオに移動して練習した。その時に俺は思いっきり叫んだから、玲に驚かれた。
玲「お、おにぃ……いきなり叫んでどうしたの!?」
蓮「今日、吹奏楽で問題があったからストレス発散で叫んだ」
玲「でも、いきなり叫ばないでよ、驚くんだから……。」
蓮「ごめんごめん」
麗奈「……それにしても、前よりも上達してるね。玲のトランペット演奏」
玲「え、ほんと!?」
麗奈「うん。私程でもないけど」
玲「絶対に、麗奈ちゃんより上手くなって麗奈ちゃん以上に特別になるから!」
麗奈「それは楽しみにしてるけど、追い越させないよ」
玲「絶対、特別になるからね!」
麗奈にそう言われた玲はそう叫んだ後に、"あっ"と声を上げた。
玲「今日は吹奏楽で何があったの?今日は帰ってくるの早かったし、おにぃは叫んでたけど」
蓮「あぁ、それは……」
と、玲の質問に北宇治の吹奏楽の様子と実力、それと今日の出来事を俺は説明した。
玲「えぇー、北宇治そんな状態なの~……」
麗奈「でも、滝先生が顧問で来たから変わると思う」
玲「……まぁ、確かに滝さんの指導なら変わるかも」
蓮「吹奏楽の話は一旦置いといて、麗奈まだ練習してく?」
麗奈「勿論」
と、俺の質問にそう答えてきたから、お母さんから一声かけられるまで、三人で練習を続けた。
お母さんに声をかけられた後は、練習を終了して楽器もしまってから麗奈は帰っていった。
こうして一日が終わった。
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麗奈と玲の二人とスタジオで練習をして晩御飯も一緒に食べた日から、2・3日過ぎた日の放課後。
各パートのリーダー達によるパートリーダー(パーリー)会議がされたので、しばらく待機になった。
その待機している間、俺は鎧塚先輩の隣で練習をしていた。
入部して楽器選びをしたりした日や、先輩達がボイコットした日とかのそういった出来事以外の部活活動日での練習は、常に二人で練習をしている。
そして、その練習中は基本的にお互いに喋ってない。
挨拶は当然してるけど、鎧塚先輩は話すのが苦手というか口数が少ないからあまり話しかけない方がいいと思ってるからだ。
けど、俺がうまく演奏が出来ない部分を鎧塚先輩に多少聞いたりした時は、返答は少し間が空いてからだけど、ちゃんと教えてくれる。
そこまで関係が凄く良好とは言えないだろうけど、険悪な状態や先輩に避けられてはない関係性だと、自分の中でそう思ってる。
そんな中で練習をしていた時だった。
緑「あ、蓮くん。パートリーダー会議が終わったみたいで、音楽室に集合だそうです」
緑がやってきて、そう教えてくれたから"分かった"と伝えた。
緑「緑、先に行ってますね」
蓮「うん」
と頷いてから、オーボエを一旦ケースに片付けた。
蓮「先に音楽室に行っときますね」
隣でオーボエを片付けてる鎧塚先輩にそう伝えると、無言のまま頷いた。
頷いたのを見てから、音楽室へ先に向かった。
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~音楽室~
音楽室に入った後、緑達の所に移動した。
緑達と少し話しをしていると、鎧塚先輩や他のパートの先輩や同級生達が集まってきた。
そして全員が集まったのを確認した部長は、パートリーダー会議でまとまった事を教えてくれた。
晴香「来週の合奏まで練習をして、その結果サンフェスに出場しないと先生がおっしゃるようであれば、その時はきちんと抗議するという事で、まとまりました」
そう伝えてから"何か意見はありますか?"と聞いてきたタイミングで、音楽室の扉が開いた。
入ってきたのは滝先生だった。
滝「こんな時間に集まって合奏ですか?」
晴香「いえ、パートリーダー会議があって」
滝「そんなのは別に時間をとればいいでしょう。折角、今週は三者面談で授業が短いというのに。……一週間後の合奏で改善が見られなければサンフェスに出れないんですよ」
晴香「は、はい。そ、それは……「言っておきますが」……」
滝「私は本気ですよ。……さぁ、練習をしますよ。皆さん、体操着に着替えてください」
晴香「え、体操着に?」
滝「はい。着替えたら楽器を持って校庭に集合です」
先生はそう言った後、すぐに音楽室から出ていったから、俺は慌てて追いかけた。
蓮「先生」
滝「蓮くん。どうかしました?」
蓮「いや、俺はどうすればいいかなと思って……。あれですよね……外で一周ぐらい走らせてから楽器を吹かせる練習ですよね?俺の場合はそれが出来ないので……」
滝「あ……すみません。つい、蓮くんの状態が頭から抜けてました。ですが、ひとまず蓮くんも校庭に集合をお願いします」
先生にそう言われたか、"分かりました"と返事をしてから校庭へと向かった。
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~校庭~
校庭に移動した後、部員が集まる前に滝先生に声をかけた。
すると、頼みたい事があると言われたので話を聞いてみると、どうやら校庭一周のタイムを90秒に定めたらしいので、ストップウォッチで時間を計ってほしいと言われた。
滝先生の言葉に断る理由はなかったので、二つ返事で了承した。
そして、部員全員が集まった後に先生は皆に校庭を一周走ってもらうと伝えた。
晴香「走るんですか!?」
滝「はい。全速力で一周走ってきてください。タイムは90秒で、それ以上かかった人はもう一周で」
滝先生の言葉に皆は"えぇ~"と言ったり少し質問したりしていたけど、先生は聞く耳を持っていなかった。
そんな中、喜多村先輩に声をかけられた。
来南「ねぇ。……西原は車椅子だし走るの無理だよね。ここにいて大丈夫なの?」
蓮「先生からストップウォッチで90秒計る事と、90秒以上になった人にもう一周走るように伝えてって事を頼まれました」
来南「あ、そういう係なの……」
蓮「みたいです」
滝「よーい、スタート」
喜多村先輩の言葉に答えたタイミングで、先生が前フリもなく"スタート"と言ったから、ストップウォッチのボタンを押してタイムを計り始めた。
葉月「ウソ……!」
そして、先生の"スタート"という言葉を聞いて真っ先に走り始めたのは葉月だった。
来南「ヤバ、走らないと……!」
喜多村先輩もそう呟いてから走り始めて、俺はそんな走り始めた皆の様子を見ていた。
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しばらくして皆が走りからの楽器を吹いた後、それぞれの練習場所に移動となった。
俺も鎧塚先輩と一緒に練習をしている場所に移動して、準備を終えて、廊下で窓の方の向きで横並びで先生を待っていた。
蓮「……先輩のオーボエって昔から使ってるんですか?」
待ってから少しした時に窓から外を眺めながら、俺はそう聞いた。
みぞれ「……」
何も返事が無かった。
でも、少し無言の状態が続いた時、鎧塚先輩が"前"と小さく呟いた。
みぞれ「……前から、使ってる。……親が、部活用に買ってくれた」
蓮「……じゃあ、俺と同じくマイ楽器って事ですね」
と、俺は返すと鎧塚先輩はまた静かになり、そのままお互いに無言のままになった。
蓮「……先生、遅いですね」
無言のまま待ってても先生が来ないので、そう言って鎧塚先輩が"……ん"答えたタイミングで、足音が聞こえた。
滝「すみません、遅くなりました」
そう言いながら先生が来た。
蓮「今日の練習は何をすればいいんですか?」
俺がそう聞くと、まず別々に演奏してほしいと言われたから、まず鎧塚先輩が演奏してその次に俺が演奏した。
滝「そうですね。……合奏当日までにお二人に最低限必ず上達してもらう事は特に無いですね」
みぞれ「……無い」
滝「はい。ただ、二人には合奏以降の府大会・関西大会・全国大会に向けて、改善はしてもらった方がいい事がありますね」
みぞれ「……改善……?」
滝「はい。蓮くんは自覚してると思いますが、演奏技術の向上です。表現力は申し分ない程なので、演奏技術の上達させる為に練習を続けてください」
蓮「はい」
滝「次に鎧塚さんですが、演奏技術が申し分無いですが、表現力が乏しいですね。……悪い言い方をすれば、機械が演奏している様に感じます」
みぞれ「……機械……?」
滝「はい。……といっても、曲によって表現力は変わりますので、練習の際にはその曲の自分なりのイメージを思い浮かべて練習をする事を心掛けてください」
みぞれ「……善処、します……」
滝「……」
と、先輩が返事した後に、先生が静かになった。
その事に不思議に思ってると、質問してきた。
滝「……パート練習の際は、二人で廊下に横並びになり二人で練習をしている形ですか?」
という先生の質問に、俺は"そうですけど……"と答えて先輩はワンテンポ遅れて頷いていた。
滝「……二人の課題はお互いに逆ですし、このまま刺激を受けながら練習をした方がいいと思ったので、今後とも二人はその練習方法で、練習を続けてください」
蓮「分かりました」
と、俺が返事をしたのと先輩が頷いたのを確認した先生は、別のパートの所へ向かっていった。
先生が居なくなったのを確認した後、俺と先輩は部活活動終了まで練習を続けた。
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~帰り道~
今日の練習を終えた帰り道、俺は久美子と葉月と緑の三人と帰っていたけど、今は帰り道の途中にあるコンビニ前で話をしていた。
話してる内容は滝先生の指導やどこのパート練習はどうだとかの話で、今は久美子が、低音パートの練習様子を話してた。
話を終えると、久美子は俺の方を見てきた。
久美子「蓮の方は?オーボエは二年生の鎧塚先輩と二人だけらしいけど、先生からの指導はにどんな感じだった?」
久美子はそう聞いてきた。
蓮「こっちはお互いに改善点を言われて終わった感じかな」
葉月「改善点?」
と、聞き返してきた葉月の言葉に"うん"と頷いてから、先生に言われた改善点を教えた。
緑「蓮くんは演奏技術で、鎧塚先輩は表現力ですか……」
蓮「合奏までに最低限上達してほしい事は無かったみたいだけど、合奏云々よりも府大会・関西大会・全国大会に向けて上達するようにと言われたって事だね」
緑「先を見据えた練習をしとくようにって感じですか?」
蓮「そんな感じだよ。演奏技術も今すぐに上達する訳じゃないし、表現力も曲とその演奏者によって変わるから」
緑「確かにそうですね」
オーボエ側の先生の指導に対する話を終えた辺りで、秀一を見かけた。
蓮「あれ、秀一だ……」
俺がそう呟くと久美子達も向こうもお互いに気がついて、秀一が俺達の方へ来た。
側に来た秀一が、なんの話をしていたのか聞いてきて、久美子が先生の指導の話をしていたと伝えた。
久美子「で、トロンボーンはどんな感じ?先生に見てもらったんでしょ?」
と聞かれた秀一は、"たっぷり絞られたよ……"と疲れた感じで話してた。
指導は意外と厳しかったらしい。トロンボーンの練習の話を聞いた後は、駅まで皆と向かった。
秀一「そういや、蓮は高坂と幼馴染みなんだっけ」
皆と駅へ向かっていると、秀一が小声で俺にそう聞いてきた。
蓮「そうだけど、麗奈に何かあった?」
秀一「トランペットパートの先輩に目をつけられてるみたいなんだって」
蓮「なんでまた……」
秀一「思ってる事をハッキリと言ったみたいで」
蓮「あぁ……そういうこと。……麗奈ってそういう所があるから」
秀一「そ、そうなのか?」
蓮「うん。麗奈がハッキリと言うのって正論というか事実なんだよね」
秀一「けど、いいのか?言った内容によってはさ、孤立するかもしれないぞ」
蓮「麗奈が言った事が間違ってないなら、俺は麗奈側に付く事にしてるから大丈夫だよ」
秀一「……蓮がそう言うなら、もう何も言わないけど」
麗奈の話をしていると駅に着いたので、秀一と久美子と葉月の三人とは反対のホームに緑と移動した。
途中まで緑と家へ帰った。
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~夜~
~自宅・蓮の部屋~
部屋で過ごしている時に、麗奈から電話が掛かってきた。
蓮「麗奈、どうした?」
麗奈『……帰り道、黄前さんと塚本?っていう名前の男子の二人が、滝先生の事で話してたんだけど……』
蓮「いいことは言ってなかった感じ?」
麗奈『帰り道にその話が聞こえて、反射的に私が反論とういうかそういうのを言った感じ』
蓮「まぁ、二人に限らず他の部員もかも滝先生の事は知らないから、良いこと言ってないの多いと思うよ」
麗奈『その辺は、家になった後にそう思ったよ』
蓮「言い過ぎたなって気になるなら、明日にでも一言ぐらい詫びたら?」
麗奈『そうだね。黄前さんに伝えとく。塚本って男子には蓮が伝えておいて』
蓮「"言い過ぎたって思ってる"って事を伝えとくよ」
麗奈『よろしく。……また、明日』
蓮「また明日」
通話を切った後、俺はベッドに移って眠った。
そうして一日を終えた。
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翌日の放課後、吹奏楽部の練習終わりに秀一に麗奈が言っていた事を伝えといた。
その次の翌日からの日々も合奏当日にまで練習を続けていった。
そして、合奏当日になった。
次回は、合奏当日とサンフェスなどキリの良い所まで書いて、投稿しようと思います。