(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話 作:春はる
やっと、書けました。
最近、会社で仕事内の変化がありすぎでこの作品と他2作品(はいふり・ガルパン)が執筆する余裕がありませんでした。
が、やっと響けユーフォニアムの続きが出来ました。
では、本編をどうぞ。
~蓮視点~
合奏当日になった。
滝「約束の日になりました。この一週間の成果が楽しみです」
音楽室に入ってきた滝先生がこの一言を言ってきた後に、全体のチューニングをしてから演奏を開始した。
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~演奏終了後~
滝「……良いでしょう。細かい所で気になる部分はありますが、なにより皆さん合奏してましたよ」
蓮(ひとまず第1関門の合奏は突破できた)
と、一安心していたら、滝先生はプリントを配ってきた。
滝「皆さん。これがサンフェスに向けた練習メニューです」
先生の言葉を聞きながら練習メニューを見てみると、平日と土日にもミッチリ練習メニューが組まれている。
周りの部員は土日にも練習が組まれている事に驚いていた。
滝「さて、残された日数は多くありません。ですが、皆さんが若さにかまけてドブに捨てている時間をかき集めれば余裕でしょう」
滝先生の言った辛辣な言葉に俺は苦笑いしたが、先生は話を続けた。
滝「サンフェスは楽しいお祭りですが、コンクール以外で有力校が一堂に集まる大変貴重な場でもあります。この場を利用して、今年の北宇治は一味違うと思わせるのです」
先生のその言葉に部長が"でも……"と弱気な事を呟いていた。
滝「出来ないと思いますか?……私は出来ると思いますよ。何故なら、私達は全国を目指しているのですから」
その言葉に部の空気がなんとなく変わった。滝先生は本気だって事が分かったんだと思う。
そんなこんなで今日は部活動は終了となった。
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合奏をした日から、最初の時よりも皆が練習をし始めた。
それはファゴット&オーボエパートも同じで、特に俺は喜多村先輩と岡先輩の二人と練習をするようになった。
鎧塚先輩はいつも通り一人でするか、俺と二人で横並びでするかのどっちかだった。
まぁ、ともかく喜多村先輩と岡先輩と練習するようになってから、二人ともよく話するようになった。
その途中で身体測定があったりしつつも練習をする日々が続いていたある日。
サンフェスの衣装が配られて試着をする事になった。
あすか「それと、今日の練習は外でやりまーす。試着が終わったらジャージに着替えてグラウンドに集合で!」
あすか先輩の言葉の後に、女子は音楽室で試着で男子は空き教室で試着からのジャージに着替える事になった。
俺も当然音楽室から出たが、車椅子だからサンフェスには参加できないので着替えない。
着替えない俺は真っ先に校庭に移動しといた。
グラウンドに移動して、"めっちゃいい天気だな……"と呟きながら、先にグラウンドにいた滝先生と松本先生の所に移動して皆が来るのを待った。
しばらくして皆が集まったので、今日は練習の楽器を持たないでの行進が始まった。
俺はというと、日陰になってて足を折り畳めるベンチが用意されている休憩できる場所で皆の練習風景を見ている。
今日は行進の練習だ。
サンフェスはマーチングの為、演奏も大事だけど一番は行進。
行進は、歩幅が1歩62.5cmで左足から歩き出して8歩でちょうど5m……といった感じで凄く細かくて厳しいから、当然足がそろっていないと演奏のミスより目立つ。
現に、皆の行進を見てると揃ってる所もあるけど、やっぱり揃ってない所もある。
だから、それぞれの部員が部長と副部長の二人から厳しい指摘がされていた。
麗奈も大変そうだったけど、なんとか付いていっていた。
そんな感じで練習風景を見ていると、クタクタになった葉月と久美子がそう呟きながら休憩しに来た。
葉月「疲れた……」
久美子「はぁ~……」
蓮「二人とも、ひとまずお疲れ様」
二人の言葉に、そう伝えた後に緑がいないことに気が付いた。
蓮「……緑は?」
葉月「なんか、緑は可愛いからガードをやってって言われて、今も練習してるよ。……ほら、あそこで」
葉月が指差した方を見てみると、確かにガードの練習をしていた。
葉月「私なんか謎ステップまだなのに……」
そう呟きながら、教わった謎ステップを目の前でやり始めたけど、うまく行かず途中でやめた。
葉月「……そういえば、蓮と同じパートにいる先輩三人も私と同じ謎ステップだったけど、あの三人の担当のファゴット?とオーボエは演奏しないの?」
蓮「そもそもファゴットとオーボエは外で演奏はおすすめできないんだ。理由は、楽器が繊細なのと音が響かないからだね」
葉月「楽器が繊細なの?」
蓮「うん。そもそも木管楽器は直射日光とかそういうのに弱くて、長く晒しておくと楽器が割れたりするからね」
"他にも理由はあるけど"と付け加えながら説明すると、葉月は驚いていた。
その様子を見た後に、俺は喜多村先輩達の所に行く事にして、車椅子を動かし始めた。
葉月「謎ステップやってた時に注意されたんだけど、あすか先輩って厳しいよね」
夏紀「あすか先輩は、ドラムメジャーだからね」
葉月達のそんな会話を聞きながら、喜多村先輩達の方へ向かった。
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蓮「お疲れ様です」
と、喜多村先輩と岡先輩の所に着いた時に、そう声をかけた。
美貴乃「……ほんと疲れたわよ」
来南「本当にね」
蓮「さっき、葉月も疲れてましたよ」
来南「あの子、あすかに色々と注意されてたよ」
蓮「確かにあすか先輩が厳しいって言ってました。……二人はどうだったんですか?ステップの方は」
来南「私達は……」
二人の練習具合の事を質問して、そこから行進とかの話をしていた。
美貴乃「前から気になってたんだけど、西原はあの先生と親しい感じだけど、昔からの知り合いなの?」
少し話をしていた時に、岡先輩が滝先生を指差しながらそう質問してきた。
蓮「そうですね。俺の両親と、滝先生の親が知り合いなんです」
美貴乃「昔からのあんな感じなの?」
蓮「んー……音楽に関しては厳しいですね。例え知り合いでも贔屓とかしない人ですよ」
来南「そうなんだ」
美貴乃「でもあの言い方はイラつくよ」
蓮「そこも滝先生のやり口なので……」
と、岡先輩の言葉に苦笑いしつつ、そう言った。
滝先生の話を少しした時に、また練習を再開するとという声が掛かったので、二人は集まりに向かった。
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~練習終了後~
しばらくして練習が終わり、集合が掛かった。
あすか「来週の本番まで時間がないから明日も集中して練習していくからね」
全員「はい」
あすか先輩が言った言葉に返事をした後に、部員の一人が明日からグラウンドが使えない為、"もうちょっと合わせた方がいいと思うんだけど"と進言してきた。
滝「分かりました、30分延長しましょう。帰らなきゃ行けない人は帰ってください。続ける人は家に連絡すること」
先生の言葉に返事をした後、俺も練習を見る為に残った。
そして30分が経ち、練習が終わった。
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~放課後~
~久美子視点~
久美子(今日は爆睡だな……)
と、欠伸しした後にそう思いながらふと横を見たら隣の車両に高坂さんがいた。
高坂さんも私の方を見てたから、お互いに目を合わせた状態になっていた。
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駅に着いて降りると、高坂さんも同じ駅だったみたいで降りていた。
私は"何、話せば……"と思いながら、高坂さんについていく感じで、少し後ろを歩いていた。しばらくお互いに無言だったけど、沈黙を破ったのは高坂さんだった。
麗奈「……蓮の事は、どう思う?」
沈黙を破ったと思ったら、いきなり蓮の事を聞いてきた。
いきなり蓮の事を聞いてきた事に、不思議だと思いながらもとりあえず答える事にした。
久美子「……どう思う?って聞かれても、蓮とはクラス内で話したり授業の移動とか帰りとか一緒の時に話したりするから、私的には仲のいい友達って感じだよ」
麗奈「蓮が車椅子に乗ってる事は?」
久美子「車椅子に乗ってる事自体も特に気にならないよ」
麗奈「……陰口とかは?」
久美子「え、陰口?……私は言ってないし緑ちゃんと葉月ちゃんも言ってないと思うよ、聞いたことないから。他の部員とかクラスメートが言ってるのも聞いたのないよ」
私がそう答えると、"……そう"となんとなく安心したような口調で呟いたと感じた。
久美子「……もしかしなくても高坂さんって、蓮の事心配してるの?」
麗奈「悪い?」
久美子「いや、悪くないけど……ただ、なんでそこまで心配してるの?」
麗奈「……ちょっとね」
高坂さんのその言葉に、私は"もしかして"と思った事を聞いた。
久美子「……南聖中とか、蓮が車椅子になった時が関係してるの?」
麗奈「別に。……話、変わるけど、滝先生の事はどう思う?」
高坂さんは、私が質問した事に答えないで、いきなり先生について聞いてきた。
久美子「え、先生の事?」
麗奈「そう」
急に話が変わったから驚いたけど、とりあえず答えることにした。
久美子「……えっと、いい先生だと思うよ。皆、練習するようになったし教えるのうまいし、それにかっこいい、とか……」
麗奈「……かっこいい?」
私が言った中で、"かっこいい"に即反応した。
久美子「わ、私がというより、他の部員が言ってたんだよ。……て、高坂さんもそう思ってたの?」
麗奈「そう思ってはいるけど、深い意味はない」
私の問いかけに答えた高坂さんの言葉が少し気になったけど、深く考えずに先生の話を続ける事にした。
久美子「……ふーん。まぁ、乗せるのうまい先生だなって。ほら、海兵隊が出来たぐらいでいきなり全国目指せるとかあり得ないよなって」
高坂さんから聞かれた先生の事で、私はそう答えた。
少しして完全に答えた後に、また失言してしまったのに気が付いて、反射的に"あ、違う!"と声に出して高坂さんの表情を見てみた。
"気に触ったかも"と思ったけど、高坂さんは意外にもクスッと笑った。
麗奈「黄前さんらしいね」
前髪をかきあげながら、そう呟いて微笑んでいた。
私はその微笑みを見て、謎ステップよりも謎だったと思ったけど、ちょっとだけ嬉しかったと感じた。
そして、高坂さんはそのまま帰っていった。
久美子(そういえば蓮の詳しい事、聞けなかったな)
ということを、高坂さんが歩いていった方向を見ながら、思い出した。
久美子(……でも高坂さん、あんまり話したそうにはしてなかったし、"陰口"とか言ってたから蓮本人が居ない時に話したくないって感じなのかな)
話を聞けなかった理由を、自分なりにそう結論付けてから私も家へと足を向けた。
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~サンフェス当日~
~蓮視点~
本番当日になった。
吹奏楽部では様々な係があり、その係として音楽室内や楽器を置いている場所などで、楽器運搬などサンフェス会場へ行くための準備をしていた。
少ししてその準備が終わり、会場までバスで行くので、バスが待機してる場所に移動した。
バスは、高速バスタイプだったけど、ちゃんと車椅子の人でも乗れるバスだったので、問題なく乗れた。
俺の前の座席に葉月と緑が居て、サンフェス会場までの間二人と話をして過ごしていた。
麗奈は離れた席に座っていた。
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~サンフェス会場~
サンフェス会場に着き、皆が衣装に着替えて待機場所に集まった時に、松本先生が口を開いた。
松本「いいか、お前ら!いよいよ本番だぞ!手を抜いたら承知しないからな」
全員「はい!」
松本「気合いを入れろ!声が小さい!」
全員「はい!」
なんとも松本先生らしい言葉だった。
そのあとに来た滝先生は、"特にありません。皆さんの演奏を楽しみにしてます"という言葉だけだった。
滝先生の言葉の後は、順番が来るまで待機になったから、周りを見渡してみると、立華と洛秋が近くに集まっていた。
葉月「あのブレザーの学校、強いの?」
いつの間にか隣に来てた葉月が、そう聞いてきた。葉月の隣に久美子と緑もいるのを確認つつも、葉月の質問に答えた。
蓮「ここ10年、関西大会常連校の強豪校だよ。それにあっちも強豪校」
洛秋の説明をした後に立華の方に指を指した。
久美子「立華高校……!」
葉月「立華高校?」
緑「呆れる程、マーチングが強い高校です。"水色の悪魔"と呼ばれている有名校ですね」
しかも北宇治の演奏順は立華高校と洛秋高校の間だ。
内心、"すごい順番だな"って思いながら、麗奈に声をかけた。
蓮「麗奈、今日の調子はどう?」
麗奈「問題ないよ。自分の実力を出すだけだから」
蓮「麗奈なら実力を出せるの知ってるし問題ないの分かってるから、余程の心配はしてない。けど、今日のマーチング頑張って」
麗奈「頑張るよ」
放送『続きまして、立華高校吹奏楽部の皆さんです』
少しだけ麗奈と話した後に、場内放送がされ立華の演奏がスタートした。
立華高校は十八番の曲を披露していて、演奏の上手さに部員の皆が自信を無くなっていたが、その瞬間麗奈が音を出した。
その事に、今回は取ってるけどデカリボンを付けてた吉川先輩に注意されてたけど、麗奈は涼しい顔で"すみません"と言うだけだった。
その様子に苦笑いしていると、北宇治の順番が来たタイミングで滝先生が口を開いた。
滝「本来音楽とは、ライバルに己の実力を見せつけるためにあるものではありません。ですが、今ここにいる多くの他校の生徒や観客は北宇治の力を未だ知りません」
滝「ですから今日は、それを知ってもらういい機会だと、先生は思います。さあ、北宇治の実力、見せつけて来なさい!」
全員「「はい!」」
皆が返事をした後に、俺は先生と一緒に移動して、そして北宇治の演奏がスタートした。
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~演奏終了後~
練習よりも見に来てくれた人達の評価も良かった演奏が終わった。
演奏終了後、滝先生から今回のマーチングに関して良い評価をもらい、次からコンクールに向けて練習をするなどの話をされた。
その後は楽器の積み込みなどの片付け作業を終えたけど、学校に戻るバスの所に集まる時間まで、しばらくあるのでそれまで自由時間ということになった。
サンフェスはイベント事でもあるため、食べ物系の屋台がある。
俺は麗奈と二人で洛秋や他の学校の演奏を聞いてきたりした後に、屋台が並んでる場所を回っていた。
その時に葉月達と合流して話をしている時だった。
「もしかして、蓮?」
と、名前を呼ばれたから、声をした方を見てみた。
見てみると、立華高等学校と洛秋高等学校の制服を着ている中学の時の親友の二人がいた。
次回は、5話の続きから書きて投稿します。