(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話   作:春はる

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早く出来ましたので、二週連続の投稿です。

前回より文字数が増えました。

では、本編をどうぞ。



第6話

 

 

~蓮視点~

 

 

「もしかして、蓮?」

 

声がした方に顔を向けると、中学時代の親友で立華へ進学した坂下結香(さかしたゆいか)、洛秋へ進学した岬悠一(みさきゆういち)がいた。

 

結香「悠一、やっぱり蓮だよ!」

 

さっき声をかけたのは、結香の方だったみたい。

 

悠一「……ここに蓮がいるって事は、北宇治で吹奏楽部に入ったからいる……って、認識でいい?」

 

蓮「うん、そうだよ」

 

結香「麗奈も、久々だね」

 

麗奈「ひさしぶり、結香。あと、岬もね」

 

悠一「久しぶり、高坂」

 

緑「あの、蓮くん。このお二人と親しい感じですけど……」

 

結香と悠一の二人と少し話してると、緑がそう聞いてきたから"紹介するね"と言って二人の事を教えた。

 

蓮「この二人は、俺と同じ中学……南聖から知り合った親友。二人とは吹奏楽部に一緒に所属してたよ」

 

緑「そうなんですね」

 

蓮「結香はユーフォ、悠一はチューバをしてて、制服を見て分かる通り、結香は立華へ、悠一は洛秋へ進学してる」

 

二人のことを紹介した後に、麗奈以外の三人、葉月と緑と久美子も自己紹介をした。

 

久美子「高坂さんとも知り合いなんだね」

 

悠一「北中だった高坂とは、蓮経由で知り合った。休日にな」

 

葉月「蓮と二人は久しぶりに会ったの?」

 

結香「中学卒業後からは会ってなかったし、連絡も取り合ってなかったからね」

 

久美子と葉月の質問に答えた二人が、俺の方を見てきた。

 

結香「でも、蓮が吹部にまた入ったのは嬉しいよね」

 

悠一「確かにそれはそう。中学の事が響いて入らないと思ってた」

 

結香「だね~。蓮が中三の途中で音楽へ復帰したとはいえ、私も吹部には入らないと思ってたしね」

 

悠一「蓮の高校進学の第一希望もバリアフリーだったから余計にな」

 

麗奈「……そう言いつつも、二人も嬉しそうだよね」

 

悠一「そりゃ、蓮と高坂の二人がいる吹部が弱いままじゃないだろ。……それに顧問も滝さんだし」

 

結香「うんうん」

 

蓮「まぁ、吹部に入ったからには頑張るよ」

 

二人とそんな感じで話している時に、久美子が"質問していい?"と声をかけてきたから、"いいよ"と答えた。

 

久美子「蓮が吹部にまた入った事を凄く嬉しそうだったけど、それってどういう事?」

 

結香「……蓮。もしかして、南聖の出来事は話してないの?友達達に」

 

蓮「言ってないよ。けどさ、そうホイホイと簡単に話すような内容じゃないでしょ」

 

結香「それはそうだけど」

 

悠一「でも、話してた方がいいと思うぞ。せめて北宇治で仲良くなったこのメンバーぐらいには」

 

二人の言葉を聞いて"それもそうだね"と呟いた。

 

結香「と、ごめん。私、そろそろ集合時間が近くなったから、もう行くね」

 

悠一「俺も行くわ」

 

蓮「分かった。またね」

 

返事をした後に、サンフェスイベント会場にある時計を見ると、北宇治のバスの所に集合する時間が近づいていた。

 

久美子「それで……」

 

蓮「……中学の事は、別の日に話すでいい?もう、時間が近いし」

 

久美子の言葉を遮る形で、そう伝えた。

 

俺の言葉に、久美子と隣で話を聞いていた葉月と緑も頷いて、バスの所へ先に歩き始めた。

 

麗奈「……話すの?」

 

久美子達、三人のあとをついていく感じで移動を始めた時に、麗奈が俺に聞こえる声でそう聞いてきた。

 

蓮「まぁ、悠一が言った通りで、あの三人には話してた方がいいと思う。あと秀一にも話すつもりだけど、そのメンバーは問題ないしね」

 

麗奈「……蓮がそう判断するなら、私は何も言わない。一つ確認だけど、パートメンバーには?」

 

蓮「久美子達に話すなら、ダブルリードの先輩三人にも話すよ。先輩の中で話すなら最低でもその三人には話しとかないとだし」

 

麗奈「……」

 

蓮「喜多村先輩と岡先輩は結構心配してくれてる。鎧塚先輩も見た目は分かりづらいんだけど、雰囲気的に気にしてくれてる感じはあるからね」

 

麗奈「……分かった」

 

麗奈と話をしていると、バスの所に着いた。

 

この後は、バスに乗って学校へ戻り、解散となった。

 

こうして、サンフェスでの出来事があった一日を終えた。

 

 

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サンフェスが終わり、高校に入って初めての中間試験を挟みつつ、日が過ぎた。

 

中間試験を終えた後は、いよいよ夏のコンクールに向けての練習を始まった。

 

滝先生がコンクールについて説明を始めた。

 

吹奏楽コンクールは、甲子園のような吹奏楽部最大の大会なんだけど、北宇治はここ10年は府大会止まりで銅賞という結果だそうだ。

 

そんな事を考えながら先生の説明を聞いていた。

 

滝「そして今年はオーディションを行いたいと思います」

 

先生の言葉に、"オーディションですか?と部長が呟いた。

 

滝「私と松本先生の二人で演奏を聞いて大会に出るメンバーを決める……ということです」

 

練習中に喜多村先輩にチラッと北宇治高校の吹奏楽部は上級生が優先的に出場をしてきていたと聞いていた。

 

だからか、いきなり降って沸いたオーディションという話に部員から反対意見が多く出た。

 

滝「三年生が一年生より上手ければ良いだけの事です。もっとも一年生より下手だけど大会には出たいという上級生がいるなら話は別ですが……」

 

先生の正論に反対意見の言った部員達は反論できずに、黙ってしまった。

 

その後は各パートに分かれて練習ということになったので、ファゴット&オーボエのダブルリード組もいつも練習している場所に移動した。

 

 

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来南「課題曲と自由曲の譜面とCDを貰ってきたよ」

 

コンクールで披露する曲を確認してみると、課題曲はプロヴァンスの風、自由曲は三日月の舞だった。 

 

蓮「自由曲は、三日月の舞か……」

 

来南「この曲、結構難しそうだね」

 

蓮「この曲は確か他の吹奏楽曲と同じ一般的な形式で比較的とっつきやすい曲構成ですけど、トランペットのソロ部分や低音楽器が躍動する部分とかがあるので、易しくない難易度ですね」

 

美貴乃「て事は、結構低音パートとかが一番大変な感じね」

 

蓮「そうですね。……と言っても、じゃあ他パートは簡単かと言うと、そうじゃないですけどね。それに課題曲もありますから」

 

俺の言葉に、岡先輩は"そうよね"と呟いてて隣にいる喜多村先輩と鎧塚先輩は頷いていた。

 

蓮(それにしても、トランペットのソロパートに麗奈が選ばれたら荒れそうだし、先生反発組が噛みつきそうな気がする。……まぁ、その時はその時に考えればいいかな)

 

来南「西原、そろそろ練習を始めよっか」

 

トランペットのソロの事を考えていると、喜多村先輩にそう声をかけられたから、"はい"と返事をした。

 

今日はオーディションで演奏する部分の練習をするつもりなので、鎧塚先輩と横並びになって練習をした。

 

 

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~練習終了後・下校時~

 

 

練習を終えて帰る際に、サンフェスで話した俺の中学の出来事をいつ話すかという確認を久美子達と確認しようと、久美子達に声をかけた。

 

声をかけた時に、葉月がソフトケースに入れたチューバを抱えていたのに気が付いた。

 

その事を聞くと、今日はチューバを家に持って帰って練習をしたいとの事だった。

 

蓮「そっか」

 

久美子「それで、蓮の話は?」

 

蓮「ほら、サンフェスの時に南聖の事を別の日に話すって言ったでしょ。俺は今日はどうかなと思ったけど……」

 

緑「葉月ちゃんが家で練習が……」

 

蓮「葉月の練習したいって気持ちは邪魔したくないから、今日は無しにしよう。明日に話すでいい?」

 

俺がそう聞くと、二つ返事で"明日でいいよ"と言ってくれた。

 

話がまとまった後は、駅まで一緒に帰った。

 

 

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~翌日・放課後~

 

 

今日も今日とて吹部で練習をやり、その帰り道。

 

麗奈と葉月、緑と久美子と秀一の五人と帰っていた。

 

五人と一緒にいる理由は、サンフェスの時に葉月達に南聖中で起きた出来事を話す約束をしたからだ。

 

麗奈には昨日の帰り道に連絡を取ってて、今日の放課後に、中学の出来事を話すという事と、説明する側に来てほしいと言うことを伝えていた。

 

秀一には、練習が終わった後に声をかけた。

 

そうこうしているしてる内に、話をする為に向かっていたファーストフード店に着いた。

 

 

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~ファーストフード店~

 

 

ドリンクを持ってテーブル席に集まり、皆が椅子に座ると一番最初に緑が口を開いた。

 

緑「私自身、自分でも認める吹奏楽オタクです。なので、南聖での吹部活動休止の理由、コンバスをしていた蓮くんが現状が誰よりも気になってます」

 

久美子「私と葉月ちゃんも気になってはいる」

 

秀一「俺も、南聖の活動休止は気になってた」

 

緑「なので、詳しく教えてくれるのはありがたいです」

 

四人がそう伝えてきた事に、俺は頷いた。

 

蓮「じゃあ説明するけど、まず南聖の吹部が活動休止した結論を言うと、俺が車椅子生活になったからだよ」

 

緑「蓮くんの今の状態が?」

 

蓮「……もっと正確に言うと当時二年の俺が一昨年の中学校吹奏楽部府大会前に、同じコンバス担当していた三年の一人に背中から押されて車に轢かれた」

 

麗奈「轢かれた結果、蓮は歩けない状態になって車椅子生活になりコンバスが演奏が出来なくなった。そんな出来事で、南聖の吹部は活動休止になった」

 

俺と麗奈の説明に皆は静かになったけど、少しして緑が質問してきた。

 

緑「さっき、背中を押されたと言ってましたけど、なんで押されてしまったんですか……?」

 

蓮「その辺含めて説明していくね」

と伝えて、まず一昨年に南聖の吹部にいたコンバスメンバーの人数を教えた。

 

当時のコンバスは三年二人で二年は俺一人、一年は居ない。

 

そして説明の為、俺の背中を押してきた三年を「三年A」として、もう一人の三年を「三年B」と呼びながら話すと伝えた。

 

その事に四人は頷いたのを見てから、緑の質問に答えた。

 

蓮「南聖もオーディションでコンクールメンバー決めてたんだけど、当時の演奏曲にコンバスは二人必要だった。オーディションの結果、俺と三年Bが選ばれたんだ」

 

緑「……じゃあ蓮くんは、先輩の逆恨みで車イスの生活にされてしまったんですか!?」

 

蓮「そういう事だよ」

 

葉月「……えっとつまり、その三年Aはオーディションでメンバーに選ばれなかった腹いせに蓮を後ろから押した。それで蓮は車に轢かれてしまったってこと?」

 

俺が葉月の言葉に頷くと、葉月は一瞬ポカンとなったが、すぐに"ありえない"と呟いた。

 

葉月「蓮は、オーディションでメンバーに選ばれたのにそんな事をされる筋合いなんてないよ!確かに選ばれないのは悔しいと思うけど、背中を押して車に轢かせるなんて酷すぎだよ!」

 

緑「そうです!」

 

久美子(私も中学の時にメンバーに選ばれた際に、三年妬まれてトラウマに感じる事をされたけど、私以上の事をされてるのは驚いた)

 

二人がそう叫んで、秀一と久美子も驚いきつつも静かに聞いていた。

 

そんな中、久美子が口を開いた。

 

久美子「……そのオーディションってさ、先生だけが審査するやつ?」

 

葉月「……どういうこと?」

 

久美子「いや、先生だけの審査なら、贔屓したんじゃないのかって文句言う人もいるんだ。けど、顧問と部員達で決めるオーディションをやる所もあるらしいんだ」

 

葉月「へぇ~」

 

久美子「だから、南聖中学はどうなのかなって思って……」

 

久美子はオーディションの審査方法を聞いてきたから答えることにした。

 

蓮「えっと、顧問と副顧問、楽器ごとの部員達の前でオーディションをするって感じだよ」

 

久美子「……それはつまり、コンバスのコンクールメンバーのオーディションだったら、顧問と副顧問とコンバス担当の部員だけでオーディションって事ね」

 

秀一「じゃあ三年Aは目の前で蓮の実力を見て反論は出来なかった。だけど、納得するのが無理だったから押した感じか……」

 

蓮「そんな感じだよ」

 

久美子「ソロパートは?」

 

蓮「ソロパート選びは、先生と全部員の前でオーディションしてたよ。だから各パート、ソロパート共々、各担当か全部員の違いがあるけど、生徒達も選ぶ側になってたって事だよ」

 

俺の説明に、久美子は"なるほど"と呟いていた。

 

すると、久美子の隣に座ってた緑が質問してきた。

 

緑「でも、待ってください。その年の前……蓮くんが一年生の時はどうなんですか?」

 

蓮「俺が一年の時も、先輩Aは選ばれてなかったね。多分、翌年には選ばれると思ってたんだと思うよ」

 

久美子「その人は、一年生の時は選ばれてたの?」

 

蓮「又聞きで聞いた内容だと、選ばれてなかったらしい。だから、三年間レギュラーになってないね」

 

久美子「……ぶっちゃけ、その人は上手かったの?」

 

蓮「……強豪校の南聖中のメンバーと比べると微妙かな。でも強豪校じゃなければ、選ばれる腕前はある感じだったよ」

 

麗奈「つまり、そいつは自分の実力がないのが原因なのに、レギュラーに選ばれなかったのは蓮のせいにしたってことだよ」

 

蓮「そういった出来事があったから、南聖の吹奏楽部は活動休止になったって事だよ」

 

俺と麗奈がそう言うと、三人は静かになってしまった。

 

麗奈「……その時の蓮は見てられなかったよ。病院に行った時は、"一命を取り留めるかどうかも分からない"とまで言われたから……」

 

葉月「でもなんとか一命を取り留めたんだよね」

 

麗奈「だけど、その後の蓮も見てられなかった」

 

久美子「え?」

 

麗奈「蓮は中三の途中まで、コンバスが出来なくなった反動で吹奏楽や音楽自体に対する熱意が無くなって、一切、音楽に触れなかったし話題にも出てこなかった」

 

緑「それ程の反動があったんですか……」

 

蓮「コンバス奏者のお父さんが憧れだったからね」

 

麗奈「……その上、蓮に対する陰口・悪口も多かったんだよね」

 

久美子「前に話してたね、それ。どんなことなの?」

 

麗奈「……吹部が活動休止したのと三年Aが背中を押させたのは、メンバーを降りなかった蓮が原因だとかを、陰で色々と言ってた女子生徒が多かったみたい」

 

麗奈の言葉に"なんで女子が?"と不思議に思っていたから、少し説明した。

 

蓮「三年Aって、無駄にイケメンなんだ。だから見た目だけで魅了され良い所しか見ない吹部に関係ない女子が、三年Aを擁護する為にそう言ってたって結香と悠一に聞いたよ」

 

その説明に、皆はさらに意味不明だと思っている顔になった。

 

緑「そんなの……酷すぎますよ……」

 

蓮「でも、三年A以外の吹部の皆が、そんな女子生徒達を押さえ込んでたから、俺自身が何かされるとかはなくて問題なかったよ」

 

周りがそうなってフォローしてくれてたし、中学が違う麗奈も休みの日に様子を見にきてフォローをしてくれてた。

 

蓮「そこから少しずつ気持ちが整理出来ていって、中三になった時にコンバスは無理になったけど、オーボエで一番の奏者になればいいって思ったんだ」

 

秀一「それで、今に至るって感じか?」

 

蓮「うん、そうだよ」

 

俺は秀一の言葉にそう返しつつ頷いた。

 

蓮「北宇治もこれからオーディションだけど、色々と衝突あると思うけど、流石に南聖みたいな事は起きないと思ってる」

 

秀一「そりゃそうだろ。最悪、人が死ぬかもしれないような事はホイホイ起きたら吹奏楽部やオーディション、何よりコンクール自体が無くなるかもしれないだろ」

 

蓮「そうだけどね。……まぁ、これが南聖での出来事だよ」

 

そう言って説明を終えると、久美子達から"話したくれてありがとう"と言われた。

 

その言葉を聞いた後、そろそろ帰らなくちゃいけない時間帯になったから、みんなと分かれた。

 

緑とは同じ方向なので途中まで一緒に電車に乗っていたけど、お互いに無言のままだった。

 

蓮(喜多村先輩達には、時間がある時に話しとこう)

 

無言の時にそう思っていると、俺が降りる駅になったので、"また明日"と声をかけて"はい、また明日です"と返事を聞いた後に駅を降りた。

 

 

そして、帰路について、一日を終えた。

 

 

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~久美子視点~

 

 

蓮から南聖での出来事を聞いた後、解散となった。

 

家の最寄り駅に着いた後、道中で分かれる前に高坂さんに一声かけた。

 

久美子「今日の蓮の話を聞いて、分かったんだけどあれは凄く心配するね」

 

麗奈「……当たり前。あの出来事は、客観的に見ても幼馴染みとか以前に心配するのは当然だから」

 

久美子「……話をしてる時とか心配してる高坂さんを見て思ったんだけど、高坂さんって蓮の事が好きなの?」

 

私がそう聞くと、高坂さんが歩くのやめた。

 

麗奈「なんでそう思ったの?」

 

久美子「さっきも言ったけど、あの出来事は誰でも心配する。……でも、高坂さんの雰囲気とかが好きな人を傷つけられてショックを受けたみたいな感じに見えたんだよね」

 

私の言葉に、高坂さんは少し考えてから口を開いた。

 

麗奈「好きかどうかは分からないし、私自身が蓮と付き合うイメージが湧かない。……でもこれだけは言えるのがある」

 

久美子「?」

 

麗奈「あんな事があったのに、今はオーボエで努力を続けて特別になろうとしてる蓮を尊敬してるし、かっこいいと思ってる。私はそんな蓮に負けたくない」

 

麗奈はそう宣言して、スタスタと一人で帰っていった。

 

久美子「……先生の事をかっこいいって反応した時よりも、蓮に対してかっこいいとか蓮への思いとかを言ってた今の方が、凄く気持ちが籠ってたな……」

 

もう見えなくなったけど、高坂さんが帰っていった方を見ながら、私は呟いた。

 

久美子(ひとまず南聖の出来事も分かったし、明日からもコンクールとオーディションに向けての練習を頑張るか)

 

改めて、そう決意してから家へ帰り、濃い一日を終えた。

 





次回は、また遅くなると思いますが、待ってくれたら幸いです。



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