(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話 作:春はる
遅くなりましたが、完成しましたので投稿します。
後書きに※マークの後にお知らせを書いときました。
では、本編をどうぞ。
~蓮視点~
久美子達に中学の出来事を話した日から、オーディションとコンクールに向けての練習が続いていた。
そして、数日した雨が降っているある日。
パート練習で一区切り付いた時に、三人に俺が中学の時の話をした。
来南「……楽器選びの時に、中学はオーボエじゃないって言ってたのは、その出来事があって濁した言い方になったって事?」
蓮「そうです」
美貴乃「そんな逆恨みで押すのは、流石に理解できないわ……。文句を言うなら、まだ全然分かるけど」
みぞれ「……ひどい……」
蓮「俺も文句を言われるぐらいなら、まだ良かったと思うんですけどね……」
来南「……でも、なんでその話をしてくれたの?」
蓮「喜多村先輩と岡先輩は、結構……心配というか何かと気にかけてくれたりしてますし、鎧塚先輩も雰囲気的に気にしてくれてるので……」
みぞれ「……」
蓮「それに、車椅子に乗ってるのを、基本的に気にせずに接してくれているのもありますね」
美貴乃「……まぁ、西原は同じダブルリードの後輩だし、真面目でいい奴なのは知ってるからね。それに車椅子に乗ってるのは関係無いでしょ」
来南「確かに、美貴乃の言う通りだね。そもそも北宇治は、その辺のバリアフリーが充実してる学校だよ。西原の様な人は初めてじゃないしね」
美貴乃「実際に上級生にいたしね。とにかく西原の事は関わりたくない人じゃないから」
蓮「そう言ってくれると嬉しいです」
来南「でも、教えてくれてありがとう」
と、喜多村先輩から言われた。
そこから練習を再開して、しばらくして全体練習の時間になったから、音楽室に移動した。
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~音楽室~
音楽室で全体の練習をしばらくして全体練習が終了して、今日の吹奏楽の活動が終わった。
優子「高坂さん、練習終わりよ!片付けて」
麗奈「はい」
オーボエをケースに片付けてる時に、そんな声がふと聞こえたから、麗奈の方をチラッと見た。
蓮(前に秀一が、麗奈が先輩に目を付けられてるって言ってたけど、あの吉川先輩に目を付けられてるって事かな)
自分の中でそう予想をしつつも、少し心配になってきた。
蓮(秀一には心配してない風に答えたけど、やっぱり俺みたいにならないか心配だし、麗奈に声をかけとこ)
そう考えながらオーボエをケースにしまって教室へ戻ろうと音楽室の扉に移動した。
扉の所に久美子と葉月と緑のいつもの三人がいたから、皆と少し話をしてから、近くにきた麗奈に"一緒に帰ろう"と誘った。
麗奈からオッケーをもらって、下駄箱まで向かった。
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~帰り道~
蓮「……あのさ、トランペットの吉川先輩いるよね?」
帰り道、麗奈と帰っている時に、俺は麗奈にそう聞いた。
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~麗奈視点~
蓮「……あのさ、トランペットの吉川先輩いるよね?」
今日、蓮に誘われて一緒に帰っていると、蓮はトランペットの先輩の事を聞いてきた。
麗奈「……大きめのリボンをしている人がそうだけど、吉川先輩がどうかしたの?」
蓮「秀一から前にトランペットの先輩に目を付けられてるって事を聞いてたんだけど、あの吉川先輩に目を付けられてるってこと?」
蓮の言葉に、"塚本、そんな事を蓮に言ってたんだ"と内心に思いながら、蓮の質問に答えた。
麗奈「突っ掛かってくるよりも私の演奏を聞いて、鋭い目で見てきたり何か言ったりしてくるのは多いね。その辺りで先輩に私が思う所を言ったりしてるのは、確かだよ」
蓮「そっか」
と、私の言葉にそう呟いた蓮を見て私は"……心配してるの?"と聞くと、"そりゃそうだよ"と返してきた。
蓮「……麗奈が正論・事実を言ってるのも、北中でそれが原因でほぼ孤立みたいだったのも知ってる。だから、北宇治でも対立とかして、俺みたいにならないかの心配はしてるよ」
麗奈「……対立するかもだけど、そうならない様にするから」
蓮の言葉に私はすぐには答えられなかったけど、蓮にあまり心配はさせたくなかったから、そう答えた。
麗奈「それに、吉川先輩は中学の三年よりはマシだと思うよ。手を出すタイプよりも、ストレートに言ったりするタイプだと思うから、蓮みたいにはならないと思う」
蓮「そうだったらいいけど……一応、気を付けてよ。……まぁ、対立したとしても俺は麗奈の味方になるから」
蓮はそう返してくれたから"心配してくれてありがとう"と伝えると、蓮は小さく頷いた。
そのあとは、お互いに黙ったままで駅まで向かった。
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~電車内~
麗奈(蓮、中学の件から上級生との対立するような状態になりかけてる時には、凄く心配してくるようになった……)
本当に蓮は、心配してきた。
でも、私は仕方ないって事を理解している。
現に、蓮自身が自分の実力を認められない先輩に背中を押されて、車椅子生活にされた。
だから、対立みたいな事が起きたら私がそうなってしまうんじゃないかと心配して聞いてきた。
麗奈(でも、そうならないように動いてたら特別にはなれない。だからどうしても対立する状態になると思うけど、今は最低でも蓮が味方で居てくれるから、頑張れる部分はある)
そう考えていると、家の最寄り駅に着いたから駅に降りて、家へと帰った。
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~数日後~
~蓮視点~
喜多村先輩達に中学での出来事を話した日から、一つ問題が起きつつも時間が過ぎていった。
数日間、全体練習していた時にテナーサックスをしてる三年で、久美子と秀一の幼馴染みの斎藤先輩が吹部を辞めると言った。
その出来事の後、翌日に部長が休んでしまったり、久美子から去年に何が起きたのかを聞いたりした。
そんな数日が過ぎていったある日の昼。
教室で久美子達で昼を食べてる時に、葉月が真剣な顔で"久美子"と名前を呼んだのが耳に入った。
久美子「どうしたの?葉月ちゃん」
葉月「久美子って、塚本と付き合ってるの?」
久美子「へ?……私と秀一が?」
葉月「うん」
久美子「ただの幼馴染みで、付き合ってないよ」
緑「緑、安心しました。葉月ちゃん、行きましょう!」
葉月「いや私、塚本の事が好きとかじゃなくて!」
久美子「好き?葉月ちゃんが、秀一を!?」
葉月「そうじゃなくて……」
緑「あがた祭り、一緒に行きたいな~って思ってませんか?……思ってたら、恋ですよ」
緑が両手を使ってハートマークを作っていた。
蓮(そういえば忘れてたけど、もうあがた祭りの時期か……)
あがた祭り。
6月5日に行われるお祭りで、この時期になると皆ソワソワしだすんだ。
蓮(友達同士で行くのもあるけど、葉月みたいに女子が男子を誘おうとしたりする。意外とあがた祭りの後で恋人同士になってる人もいたんだよね、確か……)
俺は、緑と葉月の話を眺めながらご飯を食べ終わり弁当箱を片付けながら、そんな事を思っていた。
緑「で、蓮くんの方はどうなんですか?」
弁当箱を鞄にしまった後に、緑がそう言ってきた。
蓮「……どう?って、なんの事?」
緑「高坂さんとの関係ですよ。二人は幼馴染みなんですよね。ならば、意識しているとか好きになってるとか、あがた祭りで告白したいとかありますよね!?」
蓮「……いや、無いかな」
緑が聞いてきた事に少しだけ考えてから、そう答えた。
緑「なんでですか!?幼馴染みは恋愛物の物語に必ずと言っていい程に題材に使われるじゃないですか!」
蓮「……そう言われても……」
緑「蓮くんは高坂さんの事、好きじゃないんですか?」
蓮「……麗奈の事は好きだよ。ただ、その好きが恋愛の意味合いかと言われると、どうだろうって感じ。……それに麗奈と恋人になって付き合うイメージが湧かない」
緑「え~」
久美子(高坂さんと同じような事を言ってる)
緑「小さい頃から一緒にいる幼馴染みだから、恋愛の好きという自分の気持ちに気が付かないっていう状態ですか?」
蓮「……どうなんだろう……」
緑「物語だと何か切っ掛けがあって両思いだったと気付く展開になりますよね。実は蓮くん達もそうなるかもしれませんよ!」
蓮「……えっと」
久美子「緑ちゃん、蓮が困ってるからそろそろやめてあげたら?」
緑「え~……でも……」
久美子「でもじゃないと思うけど……」
緑の言葉にどう答えようかどうしようかと悩んでいたら、久美子が間に入ってくれた。
その事にホッとした。
蓮(……でも、麗奈と恋人か……。仮に俺と麗奈が両思いで告白したとして、そもそも俺と付き合ってくれるのかな、麗奈は……)
そんな事を考えていると、葉月が"ねぇ"と声をかけてきた。
蓮「?」
葉月「高坂さんとの恋愛云々は置いといて、蓮は高坂さんと一緒にあがた祭りに行った事はあるの?」
蓮「中2のあがた祭りまでは二人でとか、俺の妹を入れて三人でとかで回ってたよ」
葉月「そうなの?」
蓮「うん。去年は熱意やらが無くなって祭りに行く気力も無かったから、行かなかったけどね」
そう答えてからも、話をしていき、昼時間が終わった。
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~放課後~
~パート練習場所~
~蓮視点~
美貴乃「もうすぐあがた祭りよね」
来南「そうだね、今年も一緒に行くでしょ」
今日もパート練習をして一旦休憩にしようっていう話になり、休憩していると喜多村先輩と岡先輩の二人があがた祭りの話をし始めた。
来南「そういえば、西原はあがた祭りは行ったりしてたの?」
二人の会話が聞こえてくる中、俺はオーボエの状態を確認していた時に、喜多村先輩がそう聞いてきた。
蓮「一昨年までは麗奈と二人だったり、自分の妹も入れて三人で行ったりしてましたよ。小さい頃は、流石に親と一緒に行ってたりしてましたけど」
美貴乃「……高坂と二人で行ったりしてたのに、二人は付き合ってなかったの?」
蓮「え……まぁ、はい」
美貴乃「……案外、幼馴染みの恋愛は現実には、ないんだね~……」
来南「今年は行くの?」
蓮「まだ決めてないですし、何も話してないんで誘ってもないですね」
来南「そうなの?」
蓮「はい。あの件があって、それどころじゃなかったですし、去年は去年で行く気力が無かったですね。そういうのが相まって、忘れてた感じですね」
美貴乃「なるほどね……。それで誘う予定なの?」
蓮「まぁ、あとで誘います」
そんな話をしていると、全体練習の時間になったので音楽室に向かった。
音楽室で全体練習をして部活動を終了した後に、麗奈をあがた祭りに誘おうとしたけど、一足先に帰ったみたいで居なかった。
麗奈に"明日の放課後聞きたいことがある"とメッセージを送って、少ししてから"分かった"と返事を確認した後に、家へ帰った。
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~翌日・放課後~
~練習後~
夏服になった。
そして放課後になり、パート練習と全体練習を行って練習が終わった。
部活動が終わった後に、麗奈に声をかけて、あがた祭りに誘ったけど、久美子と一緒に行く約束をしたみたいだった。
その事に"分かった"と返事をして、一足先に家へと帰って、家で玲を誘って、あがた祭りは玲と一緒に回ることにした。
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~全体練習休憩中~
~久美子視点~
部活と片付けが終わった後に、秀一から声をかけられた。
秀一「あがた祭りは、どうする?」
少し前に、秀一からあがた祭りを回るか誘われたけど、その時は"なんで?"って返して、行く行かないの返事自体はしてなかった。
だから今、その行く行かないの返事を聞いてきたんだと思う。
でも私は内心どう答えようと悩んでいると音楽室から出てくる生徒が目に入って、咄嗟にその人の腕を掴んだ。
久美子「私、この子と一緒に行く事にしてるから!」
秀一「え、高坂と?」
と言う秀一の言葉に、私は"え……"ってなり、腕を掴んだ人の顔を見た。
確かに高坂さんだった。
まさか咄嗟に掴んだ腕の人が高坂さんとは思わなかったし、ここで"今の無し"とか"違う"とかを言うのは違う気がした。
どうしようと内心で慌ててると、音楽室から葉月ちゃんが出てきた。
葉月「塚本、ちょっといい?」
秀一「え……」
久美子「ほら、葉月ちゃん呼んでるよ」
秀一「……」
秀一は少し不服そうな顔をしながら葉月ちゃんと話をし始めた。
その様子を見て一安心して、高坂さんに"ごめん"と言って離れて、すぐに音楽室に戻った。
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~部活終了後~
~下駄箱~
麗奈「……で、どこで待ち合わせ?」
久美子「え?」
麗奈「……一緒に行くんでしょ?」
久美子「……あ、うん……」
と麗奈の言葉にそう返した後に、時間や待ち合わせ場所を決めて、二人で帰ることにした。
その帰り道に、一つだけ質問した。
久美子「……あのさ、蓮と一緒に行かなくていいの?」
麗奈「なんでそんな事、聞くの?」
久美子「だって、蓮から中学の時は一緒に行ってたって聞いてたから」
麗奈「……でも、今年は先に誘ってきたの黄前さんでしょ?」
久美子「そうだけど……」
と呟きながら、内心では"誘ったって感じじゃないけど"と思ったが、そのタイミングで高坂さんは"それに"と呟いてきた。
麗奈「それに、蓮は私と行けなくても玲と行くから」
久美子「玲?」
聞いた事がない名前が出てきた。
麗奈「蓮の妹だよ」
久美子「へぇ~」
そういえば、昨日のお昼に蓮は"妹とも一緒に行ってた"って言ってたなと思い出した。
久美子「蓮とその玲って子は、一緒にお祭りに行くぐらい兄妹仲がいいんだね」
麗奈「……そうだね。結構あの二人は仲いいよ。親が言ってたけど、思春期とかで兄妹仲が険悪とか気まずい感じの関係になった事はないし、今後なる感じはしないって」
久美子「ふーん」
"私とお姉ちゃんのとは違うな……"と、思ってしまった。
現状、私はお姉ちゃんに反抗心というか息苦しい感じを抱いてるから、どこかに一緒に行くとか仲良く過ごすのは出来そうにない。
そんな兄妹・姉妹仲の事を考えてると、いつの間にか駅に着いていた。
駅に着いて電車に乗ってから家の最寄り駅まで、私と高坂さんは一言も喋らずにいた。
そして、あがた祭り当日になった。
次回は、あがた祭り当日とその続きの話を書いて投稿します。
※今回、この二次創作の高坂麗奈の幼馴染みという作品で書く内容の範囲についてお知らせします。
書く原作の内容の範囲は、アニメ1期と2期の黄前久美子1年生編のみを書きます。
劇場版とリズと青い鳥の2年生編と、アニメ3期の3年生編については執筆予定はありません。
元々、アニメ1期2期のみを書くつもりだったんですが、本小説のあらすじ部分にも何も明記していなかったので、ここでお知らせという形で記載させてもらいました。
あらすじ部分にも記載しました。