(完結)高坂麗奈の幼馴染みで車椅子生活のオーボエ奏者が吹奏楽部に入部して活動する話 作:春はる
前回の後書きに、あがた祭り当日とその続きと書きましたが、今回の内容はあがた祭り当日での話のみになりました。
あがた祭り以降の続きの話は次回になります。
では、本編をどうぞ。
~蓮視点~
~あがた祭り当日~
~自宅~
玲「そっか~、麗奈ちゃんは同級生と一緒に回るんだね」
蓮「そそ」
玲「まぁ、私たちは私たちで楽しもうね、おにぃ」
蓮「そうだね」
あがた祭り当日になり、一旦は学校から家に帰った。
その時に、麗奈が別の友達と行くことを玲に伝えて、二人でお祭りを回る事にしたので、あがた祭りをやっている場所へ向かった。
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~あがた祭り会場~
あがた祭りの会場に着いた時に、喜多村先輩と岡先輩にばったり会った。
来南「あれ、西原?」
美貴乃「ほんとだ」
玲「(おにぃが言ってた吹部のパートメンバーの先輩かな。一応聞いてみよ)……おにぃ、この二人は?」
蓮「夕飯とか家で吹部の話でしてたと思うけど、同じ吹奏楽部の三年生、先輩だよ」
玲「あ~、同じおにぃ以外にいるダブルリードパートに三人いる内の二人が、この先輩……」
蓮「そういうこと」
来南「……えっと、二人は兄妹なの?」
蓮「あ、はい」
玲「西原蓮の妹、西原玲です。私は南聖中学校吹奏楽部でトランペットをしてます」
来南「あ、うん。私はファゴットをしている喜多村来南だよ」
美貴乃「私も来南と同じファゴット担当の岡美貴乃よ」
玲「よろしくお願いします」
と挨拶していた玲が少し考え込む感じで静かになった。
けど、すぐに先輩二人に声をかけた。
玲「……あ、二人も一緒に回りましょう!」
蓮「玲、何言っての?」
玲「折角、ここで会ったし、一緒に回って私達の方は問題ないじゃん。おにぃ、いいよね?」
蓮「……はぁ……。先輩、妹がこう言ってますけど、大丈夫ですか?」
来南「まぁ、あがた祭りは私と美貴乃の二人だけで回る予定だったから、私達は別にいいけど。……そっちはいいの?」
蓮「別にいいですよ」
来南「そう、分かった。あ、あと、二人の事はどう呼んだらいい?西原って名字で呼ぶと妹も反応すると思うけど……」
蓮「じゃあ、俺の事は西原兄と「名前で呼んでいいですよ」……」
玲は俺の言葉を遮って、名前で呼んでいいと二人に伝えた。
来南「……えっと、いいの?」
玲「はい!」
美貴乃「……妹はそう言ってるけど、名前で呼ばれるの西原兄はどうなの?」
蓮「……こうハッキリと言う玲に、駄目って事を言っても聞かないので名前で呼んでいいですよ」
美貴乃「あ、そう……。じゃあ、蓮と玲って呼ぶわ」
岡先輩の言葉に頷くと、玲が"よし、行きましょー"と言ったから、あがた祭りを回り始めた。
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~人が少ない場所~
しばらく回って、玲が"休憩したい"と言ってきたから、人の邪魔にならない場所に移動したが、玲は喜多村先輩と岡先輩の二人を連れて飲み物を買いに行ってしまった。
その為、俺は一人で待つ事になったから、スマホで時間を潰していた時だった。
緑「蓮くん?」
横から名前を呼ばれたので振り向くと、緑と緑そっくりの子がいた。
蓮「緑と……もしかして妹?」
緑「あ、話してなかったですね。私の妹で、名前は琥珀って言います」
蓮「そうなんだ。……俺は西原蓮、よろしくね琥珀ちゃん」
目の高さを合わせられないから上から見る形だけど、俺がそう言ったら琥珀ちゃんは頷いた。
蓮「それにしても、二人ともそっくりすぎるね」
二人の顔を見ながら、そう呟くと"よく言われます"と緑が答えた。
緑「それで、蓮くんはここで何していたんですか?」
緑は琥珀ちゃんを抱き抱えてそう聞いてきた。
蓮「今日のあがた祭りに妹と来てたんだけど、飲み物を買いに行っててるからここで待ってる」
緑「蓮くんも妹さんとお祭りに来ていたんですね。けど、高坂さんは一緒じゃないんですか?」
蓮「麗奈は久美子と一緒に行くって言ってたよ。声をかけた時には、もう久美子に誘われてたみたい。だから妹と来たって感じだよ」
緑「じゃあ二人で回ってた感じですね」
蓮「いや、会場に着いた時に、吹部の同じパートの喜多村先輩と岡先輩と会って、妹の提案で二人と一緒に回る事になったから、四人で回ってた」
緑「あ、そうなんですか?」
蓮「うん。先輩達も二人だけで来てたみたいで、妹の提案でね」
と、俺がそう答えた時に、琥珀ちゃんが"あそこに行きたい"と屋台を指差して緑に伝えた。
緑「あ、うん。蓮くん、私は琥珀とまたお祭り回りますね」
蓮「分かった」
琥珀「……ばいばい」
蓮「うん。ばいばい」
琥珀ちゃんに手を振ると、二人は屋台の方へ向かっていった。
そして、二人が見えなくなって少し経ってから玲達が帰ってきた。
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~玲視点~
おにぃとあがた祭り会場に着いた時に、おにぃと同じパートの先輩に出会ったけど、北宇治の吹奏楽部の話を聞いてたから、すぐにパートメンバーの人だと分かった。
だから、どんな人なのかを聞いているけど、中学の出来事があるから、おにぃに怪我とかさせるような酷い事をする人なのかは、実際に確かめないと私自身が納得出来ない。
だから、おにぃの言葉を遮ったりして先輩二人にあがた祭りを回ろうと提案して、四人で回ることになった。
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しばらく回った時に、"意外と大丈夫そう"とか"結構いい人かな"とか思ったけど、もしもの事もあると考えて単刀直入に聞きたい事を聞くことにした。
おにぃの前で聞くのは良くないから、休憩するついでに先輩二人と一緒に買いに行く体で聞く事にした。
人が少なくて一休み出来る場所におにぃに少し待ってもらう事にして、ある程度離れた辺りで私は二人に声をかけた。
玲「お二人に聞きたいことがあります」
二人にそう言うと"何?"と聞かれた。
玲「おにぃの事をどう思ってますか?……コイツの事が嫌いだとか、居なくなって欲しいとかそんな事は思ってないですよね?」
いきなり私から飛び出した質問の言葉に、二人は驚いていた。
そう思うのは当然だと思う。
だって、さっきまで普通に祭りを回ってた所に脈拍のない事を聞かれてる訳だし、私も逆の立場でも驚くけどおにぃの事だから。
来南「……もしかして、中学の出来事が関係でその事を聞いてきた……感じ?」
玲「はい!」
来南「そっか。……まず言えるのは、私と美貴乃、あともう一人のパートメンバーは、蓮に対してそんな事を思ってないわよ」
美貴乃「いい奴だし、もう一人の後輩の鎧塚もそうだけどなんだかんだ大事な後輩でパート仲間って思ってるわよ」
来南「私もそうだから、さっきも言ったけど蓮に対してそんな悪い感情は持ってないから安心してね」
二人の言葉は嘘じゃなくて本心で言ってるのが伝わってきたから、一安心してホッとしていると、岡先輩から質問された。
美貴乃「そういうの聞いてくるって事は、蓮の事を凄く心配してたの?」
玲「それは当然ですよ。だっておにぃをあんな風にされたら誰だって心配するし、高校の友人とかがあんな事をする人なのか確認したくなりますよ」
美貴乃「だから、私達にさっきの質問をしたんだ」
来南「でも、それだけ蓮の事が好きって事だよね」
玲「はい、私はおにぃの事が好きですよ。私の髪型ポニーテールですけど、小さい頃におにぃがしてくれたから、ずっとポニーテールにしてるぐらいですもん」
美貴乃「あ、そう……」
髪型の事を言うと、引かれてしまった。
玲「ちょっと引かないでくださいよ」
美貴乃「いや、でも、大体は成長するにつれて、色々と髪型を変えたりとかしない?」
玲「んー、しなかったですね。服とか化粧はお母さんのおすすめを聞いたり、友達とかと買いに行ったりしてるけど、髪だけはなかったですね」
美貴乃「……そう」
来南「それにしても母親におすすめ聞いたりするってことは、母親も服とか詳しいんだね」
玲「だって、お母さんは元モデルですもん。だから、その辺り……アパレル?系とか化粧とか詳しいですよ」
二人「「……そうなの!?」」
玲「わ……おにぃから聞いてないんですか?」
と、二人の驚き具合に逆に私が驚いきつつも、そう聞き返すと、二人とも両親の事は聞いてなかったみたい。
中学で起きた出来事とか、麗奈ちゃんと幼馴染みとか滝さんと知り合いとかぐらいしか聞いてなかったらしい。
玲「お母さん、モデルを引退した後にトランペット奏者もしてましたよ。それとお父さんは、今もコンバス奏者で世界最高峰のオーケストラで活躍してますよ」
私がそう話すと二人とも口を開いたまま驚いてた。
来南「……凄い家の子だったんたね」
美貴乃「……確かに」
玲「だからって、変に態度変えないでくださいね!私とおにぃはそんなの絶対嫌なんで」
美貴乃「分かってるわよ。てか、今さら態度変える方が無理でしょ。散々、いつもの自分で関わってるんだから」
玲「なら、良かったです。……そろそろ飲み物を買っておにぃの所に戻らないと。あんまり待たせたくないし」
と、言ってからちゃんと飲み物を買ってからおにぃの所へ戻った。
戻っている最中に二人の事を、来南先輩、美貴乃先輩と名前で呼ぶことにして、小さい頃の出来事とかいろんな話をした。
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~蓮視点~
玲「おにぃ、戻ったよー!」
蓮「おかえり」
玲「うん。で、はい、ウーロン茶」
蓮「ありがと」
飲み物を受け取った後にお礼を言ったけど、なんか玲達の雰囲気がちょっと違うのに気が付いた。
蓮「ねぇ、玲。飲み物、買いに行った時に何かあった?なんとなく雰囲気が違う気がするんだけど……」
俺がそう言うと、"んー"と声を出してから答えてきた。
玲「いろいろと話をしたんだよね。それで仲良くなったし、二人の事を名前で呼ぶことにした!来南先輩と美貴乃先輩ってね!」
蓮「あ、そう……。てか、いろいろと話したって、何を話したの?」
玲「おにぃの小さい頃の話しとかねー」
来南「小さい頃は、蓮が玲の髪型をセットしてあげてたとか……」
美貴乃「家族と出掛けた時に、玲じゃなくて蓮が迷子になって泣いちゃったとかそんな感じの話とかを聞いちゃったわよ」
それを聞いた俺は凄く恥ずかしかった。
蓮「ちょっ、玲!そんな恥ずかしい話したの!?」
玲「盛り上がりすぎちゃって……」
蓮「~~!!……しばらく一緒には出掛けてあげない」
俺がそう言うと、玲は凄くショックを受けた顔になって、車イスに乗ってる俺に上手い感じに抱きついてきた。
玲「そんな殺生な事しないで~!友達と出掛けるのも楽しいけど、おにぃと出掛けるのが一番楽しいと思ってるんだよ、私は!そんな私から楽しみを取らないでー!」
蓮「いきなり抱きつくなー!倒れたらどうするのー!」
玲「あ、それは大丈夫!うまく、力加減をしてるから」
蓮「いきなり、冷静になるなよ……」
来南「本当に仲良いわね、この二人」
美貴乃「ね。玲、蓮の事が好きなの凄く伝わるから、そりゃ私達の事を疑っちゃうのは当然な気がするわ」
喜多村先輩達が会話をしてるのが目に入ったが、小声で話してるみたいで、内容は聞こえなかったから、すぐに意識を玲の方に向けて声をかけた。
蓮「玲、とにかく俺自身の話……特に小さい頃の話なんて絶対に俺の許可を取って。勝手に喋らないように」
玲「え~~」
蓮「え~じゃない」
玲「う~……分かった、約束する。……じゃあ今度、二人で出掛けよう!約束したし、ね、良いでしょ!」
蓮「はいはい」
と、玲の言葉に返事をしてから、一口ウーロン茶を飲んでから喜多村先輩達に声をかけた。
蓮「玲から聞いた話は、聞かなかった事にしといてください。恥ずかしいんで……」
来南「分かったわ」
美貴乃「……まぁ、それは当然だしね、そういう事にしとくわよ」
そう返事してくれたのを見て内心ホッとした。
そして、先輩二人と玲達とまたあがた祭りを回って、楽しんだ。
こうして、今日一日を終えた。
今回、麗奈と久美子はアニメ(原作)のエピソード通りにあがた祭りに行っていますし、二人で山に登り演奏していますし、麗奈が愛の告白等々をしてます。
二人が仲良くなる(きっかけになる)大事なシーンと思っていますので、変にオリ主の蓮を介入させたり蓮の話をいれない方がいいと思いましたので、何も書きませんでした。
その為、今回は西原兄妹があがた祭りに来た話にしました。
そして次回は前書きに書いてある通り、あがた祭り以降のオーディション関係などの話を書いていきます。