天導大牙は穏やかに暮らしたい   作:天魔 無骸

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本代翔人
年齢:20代後半
身長:185cm
体重:80kg
一人称:俺
二人称:苗字/名前/お前
好きなもの:燻製系の食べ物、可愛いもの
苦手なもの:特になし
趣味:人形作り

【挿絵表示】

CV:細谷佳正

大牙や零瑠のクラスの担任でA級魔法使い。

「教育とは気づきを与えること」という信条のもと、生徒のことを想い、自分勝手な大牙や拓斗に拳骨や絞め技、プロレス技で説教するといった厳しい教育を施す。

大牙やひより、杉並に叶方、拓斗などの問題児には手を焼き、常に頭を抱えているが、愛情はあるようで、大切に思っており、大牙の良き理解者の一人。

大牙や零瑠とは翔人が高校生かつ大牙達が小学生の頃からの付き合いで、翔人が学生時代にアルバイトの一つで勤めていた児童館で出会ったのが始まりで、今でも主に大牙から程良く舐められつつも頼れる兄貴分として懐かれている。

魔力を込めた人形に迷える魂を入れることで高い知性と擬似的な感情を与える「魔導人形」を制作する一族の生まれであり、彼の一族は古の時代から現代に至るまで代々、人形製作を生業としてきた。
人形は自分自身で作っており、かわいい外見のものが多い。

戦闘能力

上記の通り、魔導人形を造り操ることで戦うが、翔人本人のスペックも高く、大牙に本気を出させることが出来る人物の一人。

【魔導人形】

翔人の一族が制作する、魔力を込めた人形に迷える魂を入れることで、高い知性と擬似的な感情をもたらした存在。

研ぎ澄まされた精巧な武器を装備した、高い戦闘能力を持つことに加え、人形であるが故に痛覚や恐怖心を持っておらず、殴られても怯むことなく襲ってくる。また、翔人の可愛いものを好む一面は人形のデザインにも影響を与え、ゴシックタイプのドレスに身を包み、細部までこだわった少女の姿をしている。



第三話「全知全能VS冥黒の重力」

 

エデン・アイランド総合学園・風紀委員会管理特別牢

 

拓斗「……はぁ」

 

零瑠に牢獄へぶち込まれた拓斗が胡座をかいて座っていた。

 

そこに…

 

?「あの、大丈夫ですか?神宮寺先輩」

 

と桃色の髪の小柄な少女が牢屋の前に現れた。

 

拓斗「ん?ああ、未羽ちゃんか」

 

美嶋未羽。風紀委員会の副委員長であり、大牙とひより、有里栖、零瑠の幼馴染一人かつ彼女も大牙の恋人である。

 

拓斗「未羽ちゃん、頼みがあるんだけど。ここから出してくれないかい?」

 

未羽「すみません、ここの鍵は枢木さんと水無月さんしか持って居なくて」

 

拓斗「風子ちゃんはともかく、あのチョコラーめ、今度あいつのチョコにタバスコや唐辛子仕込んでやろ…あ」

 

未羽「どうしたんですか?」

 

拓斗「いや、確か前に大牙から貰ったあれがあったはず……」

 

と拓斗は服のポケットを漁り…

 

拓斗「あったあった!『脱GOくん4世』〜!」

 

と某猫型ロボットのような感じで言いながら鍵のようなものを取り出した。

 

未羽「えっと……それは?」

 

拓斗「大牙が作った魔道具の一つで、これさえあればどんなところでも脱出できるんだよ。こんな風に」

 

と拓斗は扉に脱GOくん4世を差して鍵を回すように捻ると、鍵が開く音がした。

 

拓斗「よし、脱出っと。じゃあね、未羽ちゃん」

 

と拓斗は軽やかな足取りで特牢から出ていった。

 

未羽「あ、えっと……これ、どうしたらいいのかな?」

 

と誰も居なくなった特牢で未羽はそう呟いた。

 

……

 

拓斗「……と言うわけだ」

 

零瑠「お前の仕業かよ大牙!」

 

大牙「えへっ!」

 

零瑠「(イラッ)」

 

と大牙のセリフにイラっと来た零瑠が突然ホルスターに収めていた二丁拳銃を抜き、

 

零瑠「表出ろ大牙。その性根、今日こそ叩き直してやる!」

 

大牙へ向けて、そう言い放った。

 

……

 

戦闘用アリーナにて…

 

翔人「……ルールは時間無制限の1本勝負、それで良いな二人とも」

 

大牙「オーケー♪」

 

零瑠「ええ、構いません」

 

そういうと、大牙は右腰の鞘からゾディアックソードを抜き、零瑠も2丁の銃を抜いて同時に構えた。

 

翔人「(全くどうしてこいつらは)……それでは、初め!」

 

翔人が開始の合図をした瞬間……

 

零瑠「オルァッ!」

 

大牙「ハァッ!」

 

零瑠が重力魔法で超加速して大牙に接近し、魔力オーラで強化した回し蹴りを放ち、それに対し大牙も同じく魔力オーラで強化した回し蹴りで対抗し、二人の光と闇の魔力が火花のようにバチバチとぶつかり合い、とてつもない爆発と衝撃波が起きた。

 

零瑠「あの無敵バリアは使わねぇのか?」

 

大牙「お前との戦いにあんな無粋なもん、使わねぇよ」

 

零瑠「そうか。負けた時の理由にすんな、よ!」

 

と零瑠は右手に持った銃「冥闇銃 カタストロフィ・ダーク」から闇の魔弾を放った。

 

大牙「おっと」

 

大牙は零瑠の魔弾を避け、お返しとばかりにゾディアックソードを振り抜いた。

 

零瑠「危ねッ!」

 

と左手に持った銃「蝕重銃 グラヴィ・イクリプス」の銃口下部にある剣で受け止めた。

 

大牙「よっと!ほれほれ〜」

 

零瑠を蹴って距離取り、体勢を立て直した大牙が軽い足取りで接近しながら連続でゾディアックソードを振り、零瑠へ斬りかかった。

 

零瑠「チィッ!」

 

それに対し零瑠もグラヴィ・イクリプスの剣を振り、ぶつかり合った。

 

……

 

観客席にて…

 

叶方「相変わらず凄いね〜あの二人」

 

拓斗「まぁ、この学園が誇る最強の実力者の内の二人だしね。片方はあらゆる魔法を使いこなし、天導家の最高傑作である『全知全能の魔法使い』、もう片方は闇と重力属性の魔法を専門とする枢木家の1つの完成形である『冥黒の重力使い』。その二人が模擬戦形式とは言え本気で戦ってるんだから」

 

ひより「それにどうやら大牙くんの方は【拡無零束】をオフにしてるみたいだね。この戦い、どっちが勝つか全く分からないよ」

 

……

 

場面は戻り、大牙と零瑠へ……

 

零瑠「はああアッ!」

 

大牙「フッ!」

 

互いに接近し、蹴りや武器をぶつけ合っては後退し、また接近して攻撃しては後退し、互いに一歩も譲らない戦いになっていた。

 

大牙「(さすがだな零瑠の奴、前にやった時よりも遥かに強くなってる。これは、少しでも気を抜いたら確実に負けるな…)」

 

零瑠「(相変わらず化け物だな、大牙の野郎は。だが、それでこそ倒し甲斐がある!)」

 

そう思考しながら二人はアリーナを回るように歩き、相手を視界の中心に収め、出方を伺っていた。

それだけじゃない。鼓動と脈動、呼吸の音、衣擦れの音、相手が生み出す全ての鼓動を一切逃さず捉えていた。

 

二人の脳内では今、熾烈な戦いを繰り広げていた。

その数、なんと五千兆回以上。

 

相手を確実に倒すチャンスを見つけるために、脳内での戦いを何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、無限に等しい数の戦いを繰り返し、次の行動を模索していた。

 

そして今、戦局が大きく揺れ動く。

 

大牙「(──今だ!)」

 

大牙が瞬時に魔力を解放、ブースターにして一気に超加速し、零瑠へ急接近した。

 

零瑠「(速いッ!)」

 

大牙「はあああああああああッ!」

 

零瑠「ぐッ、おおおおおおおおおッ!」

 

大牙が大きく振り抜いたゾディアックソードを零瑠はグラヴィ・イクリプスの剣で防ぐが攻撃の勢いを殺しきれず、アリーナの壁まで大きく後退させられた。

 

大牙「これで──」

 

零瑠「させるかァッ!」

 

一気に決めようとした大牙を妨害するように、カタストロフィ・ダークから闇の魔弾を、グラヴィ・イクリプスから重力弾を同時に放ち、大牙がそれらを斬った際の爆発と煙を利用して、重力操作で空中へ上がった。

 

零瑠「(取り敢えずはこれで体勢を立て直せた、だが……)」

 

零瑠がそう考えていると、背中から龍の翼を展開した大牙が飛翔し、零瑠へ斬りかかった。

 

大牙「あんな目眩しが通じるとでも!」

 

零瑠「やはり一筋縄ではいかないか!」

 

そう言い零瑠はカタストロフィ・ダークから闇の魔弾を連続で放ち、それに対して大牙はゾディアックソードに魔力を込め、斬撃を放った。

 

その後、空中戦に移行した大牙と零瑠は高速で移動し、激突していた。その様は側から見れば金と紫の光の線にしか見えないほどに。

 

大牙「ハアアアアッ!」

 

零瑠「オオオオオッ!」

 

互いに激突し大牙と零瑠は地上は戻ってきた。

 

大牙「ハァ、ハァ……なあ零瑠」

 

零瑠「ハァ、ハァ……なんだ、大牙……」

 

大牙「そろそろ、次の一撃で決めない?」

 

零瑠「おう、構わんぞ」

 

そう言い、2人は互いに武器を構えた。

 

大牙『我は天より降りし雷、万象遍く照らす至高の光』

 

零瑠『汝、終焉もたらす闇の王よ。万有を引き寄せる力よ。今こそ交わりて、総てを飲み込む虚空と化せ──』

 

大牙の魔力がゾディアックソードへ収束し刃が黄金に輝き稲妻を纏い、零瑠の持っていたカタストロフィ・ダークとグラヴィ・イクリプスが融合し、1つの大型銃へ変化した。

 

大牙『其は天を貫き穿つ稲光。秘剣・天光鳴神!』

 

零瑠『虚空の果てまで消し飛びやがれ!カラミティ・ヘルブラスト!』

 

零瑠の銃から放たれた闇と重力の力が融合した赤黒い魔力の奔流と大牙が振り下ろしたゾディアックソードから放たれた黄金の雷光を纏った斬撃が激突し、大爆発が起こった。

そして煙が晴れると…

 

大牙「……俺の勝ちだ、零瑠……」

 

零瑠「ああクソっ……また届かなかったか……」

 

膝をついている零瑠と肩で息をしながらもなんとか立っている大牙がいた。

 

大牙「いやいや、今回は流石に危なかったよ〜。ほんの少しても気を抜いたら、負けてたのは俺だし」

 

零瑠「…なら、次は俺が勝ってやる」

 

大牙「うん、楽しみにしてるよ」

 

大牙とそう話すと零瑠は意識が落ち、真正面から倒れたが、地面に激突する寸前のところで大牙が支えた。

 

大牙「翔人」

 

翔人「勝負あり!勝者、天導大牙!」

 

翔人が頷いてそう言った瞬間、2人の健闘を讃えるように拍手が響いた。

 

……

 

学園の屋上にて、白髪に黒いスーツに帽子を被った男性が一人、佇んでいた。

 

?「夢と希望ひしめくこの街に、自由で最強な魔法使いとその仲間たち。これより始まる群雄奇譚。これが先触れ、運命の序曲(オーベルテューレ)

 

そう言うと、帽子を取って胸に当ててお辞儀をし、

 

?「さて……これより開演です、是非お楽しみください」

 

怪しげな微笑みでそう告げた。




【脱GOくん4世】
大牙が生み出した魔道具の1つ。
鍵の形をしており、これを使えばどんなところでも脱出可能な優れもの。

【冥闇銃 カタストロフィ・ダーク】
枢木零瑠の持つ銃型魔道兵装の一つ。
零瑠の持つ闇の魔力を弾にして放つため、一般的な銃のようなリロードがいらない(用は弾数無限)。

【蝕重銃 グラヴィ・イクリプス】
枢木零瑠の持つ銃型魔道兵装の一つ。
重力の魔弾を放ち、カタストロフィ・ダークより威力は勝るものの、マガジンに魔力を込めてリロードする必要がある。

【秘剣・天光鳴神】
大牙の技の一つ。
魔力をゾディアックソードへ収束し、振り下ろすことで黄金の雷光を纏った斬撃を放つ。

【カラミティ・ヘルブラスト】
零瑠の技の一つ。
カタストロフィ・ダークとグラヴィ・イクリプスが融合させた大型銃「カラミティ・ブラッド」から闇と重力の力が融合した赤黒い魔力の奔流を放つ。

次回:その後
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