Escape from Kivotos   作:からしすみそホタルイカ

12 / 13
最近金欠と寝不足のストレスで禿げそう


第12話

「はぁ…脱走してきた場所にまた戻ってくる事になるとはな」

 

一応ハンドガンはある…スタンナイフもな

 

「あいつらが家に帰ってますように」

 

暗視を付けて高校に入り、使っている教室を見て回る

 

「俺の荷物は…」

 

シッテムの箱やリュック、ボディアーマー等はあったが、銃火器が見当たらない

 

「戦地に置いてきたのか…」

 

銃なんかタダでさえ重たいのに汎用機関銃ともなると更に重たい…俺が負傷して、運ぶのに邪魔な事この上ないだろうし、仕方がないか

 

「まぁいいか、とにかくもう遅いしここで寝るとしよう…」

 

 

PMC就寝中…

 

 

「う…ん」

 

日光が顔を照らし、目が覚める

 

「何時だ…?」

 

朝5時…いい感じだ

 

「飯…」

 

ヒートパックに水を入れ、レーションパックを挟む

 

「そういや…ガンロッカーとか無いのか?」

 

いくら学校とはいっても、この世界じゃ万一の事態に備えて銃火器は置いてありそうなものだが

 

「飯を食ったら探してみるか」

 

久しぶりにタルコフでレイドをしている気分だ

 

パックも温まり、袋をちぎってスプーンを突っ込む

 

「あぁ…脂まみれだ」

 

俺は豚飯は苦手だな

 

「……変わっちまったな、俺も」

 

以前まで問題なく食べられていたこのメニューも、今では胃が受け付けなくなっている

 

「歳のせいかな」

 

 

 

 

 

「よい…しょ」

 

次々にロッカーを探して開けてみるが、どれも空っぽかホウキが入っているだけだった

 

「またハズレか…」

 

まぁ普通武器庫なんてその辺にある訳無いもんな…なんか隠し部屋とか防衛しやすい部屋の近くにあるはず…

 

「うん…?メール?」

 

シッテムの箱を起動し、ギャーギャー喚くアロナを無視してメールボックスを開く

 

「なになに…?おお、アルファチームか…突入用γ兵装の使用許可の要請と経費の確認……後で承認するか」

 

ひとまず寝ていた部屋に戻ってくると、扉の前に黒い封筒が落ちていた

 

「ん?どっから生えてきたんだこれ」

 

封筒に入ってたのは手紙と地図だった

 

「なんだこれ…」

 

手紙の内容を読んでいくうちに、俺の心の中からなんとも形容しがたいドス黒い気持ちが溢れてきた

 

「……殺す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、貴様か?ウチの可愛い生徒を誘拐したってのは」

 

「おやおや誘拐だなんて人聞きの悪い…彼女とは契約をしたんですよ、誘拐なんて野蛮な事はしません」

 

暗い部屋で待っていたのは、真っ黒の頭に目と口のようなひび割れの入った人物だった

 

「ふん、ここの法律がどうなのかは知らんが俺の知る限りでは、子供が契約をする場合保護者等の大人の許可を得る必要があったはずだが?」

 

「それはあなたの故郷の場合の話では?ヴャチェスラフ先生…」

 

「貴様…何故俺の本名を知っている」

 

「知っていますよ、我々はゲマトリア…探究し、研究する…観測者ですから」

 

「ちっ!!気色の悪い野郎だな、こんな野郎の事を観察して何が面白い?」

 

「それは貴方が連邦生徒会長が呼び出した、不可解な存在だからですよ」

 

「そんな事は知らん、俺はスカブのグレネードで死んだ、ただのマヌケだ」

 

「クックック…何をそんなに警戒しているのですか?先生…」

 

ちっ、ホルスターに手を伸ばしているのがバレたか

 

「ご安心ください、私達は先生と敵対するつもりはございません…むしろあなたに協力したい…私達にとってアビドスなんて小さな学校はまったく大した問題ではありません」

 

「何?」

 

「ですが先生…あなたは違う、私はあなたの事を強く警戒している」

 

「同感だなクソ野郎、茶番は終わりだ小鳥遊を返せ」

 

「おやおや先生…結果を急ぎすぎてはいけませんよ?」

 

「お前に2つの選択肢をやる、1つ目は小鳥遊を返して平和的に終わること、2つ目は俺と、俺たちと戦争をする事だ」

 

「私と戦争?馬鹿な事を言わないでください、私は戦争なんて望んでいません」

 

「知ったことか、お前が俺の慈愛に満ちた交渉を断れば戦争をするしかないと言っている」

 

「既に小鳥遊ホシノはアビドスの生徒ではありません」

 

「それを言えば俺が渋々引き下がると思ったのか?」

 

ホルスターからトカレフを引き抜き、異形頭へと向ける

 

「それに、小鳥遊はまだアビドスの生徒だからな」

 

「おや?まだ生徒からの退学届けをご覧になっていなかったのですか?」

 

「見たさ、穴が空くほどにな」

 

「それなら十分に理解しているはずでしょう」

 

「あぁ、退学届けには教師のサインも貰わないと効力を発揮しないって事がな」

 

「ほう…そう来ましたか」

 

「アイツ…俺を買い被り過ぎたようだな、俺がみすみす生徒を逃がすと思ったのか?」

 

脱走兵なら幾度となく見た…だが届出を出して辞めようとする奴なら俺は1人も逃しはしなかった

 

「ふむ…先生という立場がある限り、生徒の去就には許可が要る…中々に厄介な概念ですね」

 

「そもそもお前は何がしたい?あいつらを騙して、心を踏みにじって、泣き叫ぶ顔を見れば満足か?それともなんだ?人体実験でもしようってのか?もしそうならお前は俺史上最低のゲス野郎だ」

 

「確かに私達がやっている事が善か悪かと問われれば、悪なのでしょう…ですが、これは規則に則ったものである事を知っておいてください」

 

「俺は別にお前たちが俺の事を観察しようが関係ない、だが生徒に手を出せば俺は牙を剥く…鋭く、冷たく、生物を殺すのに特化した牙をだ」

 

一瞬の沈黙があり、異形頭が先に静寂を破った

 

「…小鳥遊ホシノさんさえ諦めてくれれば、アビドス高校の事は守って差し上げましょう」

 

「話聞いてたか?俺の生徒に手を出したんだから制裁を加えるところを身柄を返してくれれば穏便に済ませてやるって言ってんだよ」

 

「あなたに戦う手段があるのですか?」

 

「おや?俺を観察していたんじゃ無かったのか?…全部隊、突入開始」

 

直後に下から爆音が鳴り響き、隊員達の怒号が聞こえてくる

 

「吐け、小鳥遊ホシノは何処だ」

 

こういうThe FSBって感じの尋問みたいな事やってみたかったんだよね、親戚が元KGB所属だったし

 

「何故…そこまで出来るのです?あの子供たちの家族でもないのに」

 

「観てきたなら知ってんだろ、俺がどんな生活を送ってきたか…幸せならまだしも、不幸になるべき子供など存在しない、だから俺が、大人が、あの子達の不幸の責任を負うんだよ」

 

「それがあなたの言う責任のとり方ですか」

 

「そうだ、夢見物語をなんとかして叶えてやるのが大人だ」

 

「違います、大間違いです」

 

「…全班突入待機、現在いる場所を確保」

 

流れ変わったな、逆鱗にでも触れたか?

 

「大人とは、望むとおりに社会を改造し、法則を決め、常識と非常識とを決め、平凡と非凡とを決めるものです」

 

「確かにそれも一理ある…だがそれは俺の目指すカッコイイ大人とは遠くかけはなれた存在だ」

 

「なるほど…型に縛られず、自分の目指す自由な大人になりたいと…」

 

「型ってのは自分以外の人間が決めた事だろ、俺はそんなものに縛られて生きたくは無い…運命なんて誰にも分からないし、自分で変えられるものだからな」

 

量子力学もそう言ってる*1

 

「運命ですか…なるほどなるほど…クックック、面白い」

 

「何でカラカラ笑ってるんだ?せっかくカッコつけたのに場がシラケるだろ」

 

その後、何故かすんなりと情報を吐いてくれたお陰でパーティーはお開きとなった

 

 

*1
詳しくはラプラスの悪魔と検索




読みにくい!とかもっとこうして!っていう感想あったらご指導おねがいしま〜す

カイザー基地攻略戦の時間帯

  • 王道を征く昼
  • 夜間
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。