Escape from Kivotos 作:からしすみそホタルイカ
キヴォトスに来て2日目…今日はユウカが請求書の書き方を教えてくれるので、その前に荷物を整理しなければならない
「はぁ…皿でも洗うか」
昨日のカーシャを入れた皿と容器を洗い、食料棚からMREを取り出す
「腹減ったな…さて、これのメニューは…」
このMREのメニューはスパゲティだったらしい…まぁ、食えれば何でもいいがな
中身を取り出し、FRHで袋を温めながらクラッカーを取り出す
「相変わらず壁の味がするな」
全く味気のないクラッカーを頬張り、りんごジュースで一気に喉奥へと流し込む
「そろそろ温まってきたかな」
FRHで温めておいたスパゲティの袋を開け、スプーンを突っ込んでかき混ぜる
「頂きます…あん」
味が薄い…健康に配慮しているのは分かるが、飯くらい豪勢にしてもらいたいものだ
「ペッパーでも混ぜればマシか…」
黒胡椒をかけると幾分かマシになった…だが相変わらず味が薄い
「ふぅ…泥水でも入れようかな」
嗜好品として泥水(コーヒー)が入っていたので、棚からマグカップと、ドーナツを2つ取り出す
「さて、仕事の時間だな」
コーヒーを片手にドーナツを頬張り、MREに入っていたキャンディを机の上に置いてあるカゴに入れておく
「やるか…」
まず、かさばってしまうダンボールから片付けていく
「これは…ここか…んでこっちは…」
ダンボール内のファイル整理だけであっという間に昼になってしまった
「む、もう昼飯の時間か…何か口に入れないとな」
とりあえず目についたSlickersを手に取り、フィルムを横に引きちぎって(?!)かぶりつく
「あま…もっかいコーヒー欲しいな」
食べ終わってもまだ小腹が空いていたのでオートミールのフレークを1袋開け、手に出して少しずつ食べていると、ユウカがやってきた
「こんにちは、先生…請求書の件ですが…あら、ちょうどお食事中だったのですね。お邪魔してしまいすみません」
「気にしなくていい…で、請求書の見本は?」
「ここに置いておきます……先生?これ、オートミールの箱ですよね?その、ポリポリ食べてるのって…」
「その中身だが」
「これって普通牛乳かけて食べるやつじゃ…それで味するんですか?」
「大地と穀物の香りが感じられるぞ」
「…1口頂けますか?」
「構わないが」
差し出された手にオートミールを少し出してやる
「……これをボリボリ食べる先生が少し怖くなりました」
「そうか?普通に食えるぞ」
「えぇ……確かに健康的かもしれませんが、いくらなんでも食事がこれだけではいつか死んでしまいますよ?」
「朝食はMREだったし、これの前にSlickers食べてるからだいじょ…」
「先生?」
「何だ?」
「この領収書は…一体なんですか?!」
「あぁ…懐かしくてな、つい買ってしまった」
「懐かしくてついって…それでも10万ですよ?!おもちゃごときに!!」
「それだけこだわっているんだろう…例えば、君のこだわりを100円だと言われて、君は怒らないのか?」
「そ、それは…」
まぁ、良い木を使ったマトリョシカだったんだろうな…軍隊に行った親父が寂しくないようにと、小さい頃に買ってもらったマトリョシカ……今でも、あの部屋にあるのかね…
「それでも、消費は計画的にしないといけません!」
「…確かに、そうかもしれないな…今後は善処する」
知人で、欲しいものをホイホイ買って破産した奴がいるのを見たことがあってね…気をつけないと
「はぁ…支出記録はありますか?」
「あぁ、ここにファイリングしてある」
「分かりました。どれどれ…」
数枚のレシートを確認すると、ユウカがわなわなと震えだした
「先生…?こちらの8万の出費はなんですか…?」
「あーそれか…流石に刃物はマズイから、ナイフ型のスタンガンを購入させてもらった…これでもし俺が襲われても自衛ができる」
「だからって8万の出費を軽々と行わないでください!!」
「ミレニアム製は良いものと聞いたが…良いものの値段は品質と比例する…違うか?」
伊達に間近でMechanicの仕事を見てきたわけじゃないからな、適正価格くらい分かる
「それとこれは別です!」
「そうか」
その後もレシートの整理をしてもらい、家計簿もつけてもらった
「まったく…こんなことしてあげるのなんて、私くらいなんですから」
「そうかもしれないな」
昨日使ったAKMの整備をしながら適当に相槌をうつ
「ちょっと先生!ちゃんと聞いてますか?!」
「あー聞いてる聞いてる」
分解したAKMを組みながらまたしても聞き流す
「せ〜ん〜せ〜い〜!!」
「わかったわかった…ありがとうユウカ」
「〜〜〜ッ!!」
目を見てありがとうと言う事は大切らしいから、実践してみると目を逸らされた…なぜ?
「ふむ…もう16時か」
「ふぇっ?!もうそんな時間ですか?!」
「今日は助かった、感謝する…もう帰っていいぞ」
そう言うとユウカは少しだけ寂しそうな顔をして、挨拶をして帰っていった
「はぁー…」
『先生!なにやら不穏な手紙が届いてますよ!』
「なに?どれどれ…」
アロナが手紙が届いている事を教えてくれたので、さっそく読んでみる事にした
「……砂漠か」
どうやら、砂漠化によって物資が手に入りにくく、更に度重なる不良の襲撃によって物資が底をついているらしい…物資支援の要求を出しておかないとな
「とりあえず、今日は寝て明日出発にしよう…」
夜食に軍用クラッカー(壁の味)を食べ、就寝する
「あ〜よく寝た…」
起床時刻は午前5時、少し遅めに起きたので素早く身支度をして荷物をまとめる
「よし、こんなものか」
荷物はAKS-74Uと弾薬、スタンナイフ(切れない)、水、IFAK、ロシアのMREであるイスクラ、そしてムーンシャイン(届出の無い酒造は違法です)と地図だけ
「出立!」
アビドス地区まで電車で行き、アビドス高校までは徒歩で行く事になった
「ヘリで送ってくれりゃいいのに」
愚痴を言いながら半分ほど砂に埋もれた道路を歩く
「完全にゴーストタウンだな…一体何がどうなってこんな…」
こまめに水分補給をし、地図と地形を照らし合わせながら目的地へと足を進める
「アロナ…本当にアビドス高校ってのはあるのか?」
『ちゃんとありますよ!じゃなかったらあの手紙は…』
「だよな…」
市街地を歩き回り、ようやく校舎が見えた
「あれか…」
門に辿り着く頃にはもう持ってきていた水は無くなり、ムーンシャインで喉を潤していた
「ふぅ…」
門の呼び鈴を押すも反応が無い
「……誰も居ないのか?」
障害物だらけのグラウンドを抜け、昇降口までやってきたが、やはり人の気配は無い
「出かけてるだけか…」
校内へと入り、呼びかけるが反応が無い…
「やっぱり誰もいないんじゃ無いのか」
『そんなはずは…』
「ならなぜ誰もいない」
「そこの人、両手を上げて」
後ろから声をかけられ、振り向くと犬耳をはやした少女がSIG5.56を構えていた
「この学校の生徒か?」
「そうだけど、あなたは誰」
「シャーレの先生をやっている者だ、物資支援を行うにあたって、書類にサインが必要だから来た」
「ん、そういう事なら案内する…私は砂狼シロコ」
「よろしく頼む」
まぁ、確保しに来たら来たでクラヴマガで逆転できたけどな…
「インターホンが壊れてるぞ、押しても出てこなかっただろ」
「直してる余裕なんてウチにないから…」
「そうかい」
そうして、対策委員会と書かれた部屋にやってきた
「ん、大人の人を連れてきた」
「全校生徒はこれだけか?よく残ってるな…」
「わぁ、シロコちゃんが大人を拉致してきました!」
「えぇ?!やばいじゃない!この事が知れたら今度こそ終わりよ?!」
「ん…拉致してない、連れてきただけ」
「責任者は誰だ、この書類にサインをしてくれないと物資支援を行えない」
「って事は…要求が通ったんですね!」
「そういう事だが、それ以外にもまだまだ課題はありそうだな」
「ヘルメット団の事ですか?」
「あぁ…襲撃があるんだってな?そこにも薬莢が落ちていた」
「とりあえず、支援物資要求の書類を承認しますので、こちらに」
「ほれ、頼むぞ…で、この学校で最も偉いのは?」
「多分隣の部屋で寝てるはず…起こしてくるわ!」
猫耳の子が年長を起こしに行ったようだ…しかし、もう昼だぞ…?眠りが浅いのか?
「先生は…前まで何をしていたんですか?」
「ふむ…元々スペツナズに居て、その後はPMCに勤めていたな」
「スペツナズ?」
「特殊部隊だ」
「だからそんなにガタイがいいんですね」
まぁ、筋骨隆々の186cmの人間を見たら職業とか気になるよな…
「誰か小腹空いてるか?Slickersがあるんだが」
「ん、私がもらう」
「ほう、食欲があるのはいい事だ」
シロコにチョコバーを渡し、俺も1本取り出してフィルムを引きちぎる
「え…先生、それどうやって開けてるんですか?」
「え…こうやって開けないのか…?」
「ん…!…だめ、無理」
「まじか…」
結局シロコは縦に割いて開けていた
そうして軽食をつまんでいる間に簡単な自己紹介をし合い、この学校のボスがやってきた
「うへぇ〜…そんな乱暴に起こさなくても…」
「ほらホシノ先輩!お客さんですよ!」
猫耳の子に連れて来られた子がこの学校のリーダーのようだ…145cmくらいしかないようだが…俺と40cmほど差があるんじゃないか?
「シャーレの先生をやらされている者だ、よろしく」
「あら、ご丁寧にどうも〜私は小鳥遊ホシノだよ〜よろしく〜」
なんだか全体的にふにゃふにゃとしている感じがするが、内側にはこちらへの不信感を抱いていそうだ
「それで、補給物資の件だが…」
そう言いかけた瞬間、外で銃声が鳴り響いた
「例のチンピラか」
「そうみたい」
「これじゃおちおち昼寝もしてられないよ〜」
「お手並み拝見といこうか…まずは指揮無しだ、お前らの実力を見せて貰おう」
一応防弾プレートを装備してはいるが、万一のため遮蔽に隠れる
こいつらは遮蔽を上手く使って防衛しているようだが、これは味方との連携が取れなければ簡単に突破されるな
「弾薬は限られている。バカスカ撃つな、しっかり狙え」
「言われなくても!」
セリカが言い返すが、遮蔽が邪魔をして思うように当てる事が出来ていないようだった
「リロードする…」
「ふむ…まぁこんなものか…ノノミ、火力支援をしてやれ…ホシノ、前に出て前線を押し上げろ、遮蔽から引きずり出せ」
「分かりました〜!」
M134の発射レートはその辺の小銃などと比べ物にならないほど高い…更に、口径がデカい分ダメージも高い
「シロコ、遮蔽を上手く活用しろ…側面さえ取れば簡単だ、グレネードを使え、相手を遮蔽から追い出せば味方からの射線も確保出来る」
「ん…わかった」
そこそこの出来といった所か…まぁ、相手も低レベルではあるからな
「アヤネ、航空支援だ」
「は、はい!」
医療物資を運ぶ為のドローンっぽいが、爆弾くらい運べるだろ
「C4、投下…起爆!!」
リモコンを握り、爆薬を起爆させる
「まだ少数が残っている…俺からなら射線が通るな」
「うへぇ…わざわざ言うなら撃ってくれればいいのに…」
「…今回だけだぞ」
AKSを構え、フルオートに切り替えてヘルメットの中心を狙う
「さぁ、弾くか?」
3点バーストのように指切りで射撃する
「よし、Tango down、状況終了」
ヘルメットで弾かれなくてよかった…多分あのヘルメットは中国製だな
「腹が減ったな…俺はイスクラ食うが、お前たちもなにか食べろ」
「確かに、先生はチョコバーしか食べてませんね…」
「先生は、ってことはお前たちもう食ったのか?俺を差し置いて?まじかよ…泣きそう」
イスクラの中身を取り出し、泥水やその他嗜好品を皆にあげて、FRHでメインメニューである肉ご飯を温める
「腹減るとやる気がでないんだよな」
「だからって軍用レーションを持ってくるのは違うんじゃ…?」
「不満があるのか?もしかして食べたかったのか?」
「そうじゃなくて!もっとこう、普通のコンビニ弁当とかを想像してたんだけど!?」
「落ち着け、シワが増えるぞ」
「余計なお世話よ!!」
「セリカちゃん落ち着いて…」
アヤネがセリカをなだめている間に温まったようで…てか熱いなこれ
「熱いな…何度くらいだ?」
多分100度くらいかな?知らんけど
肉飯の他にも缶詰があったのでそちらも食べる
「よし…蓋を開けて…」
その瞬間、つんと腐敗臭が鼻の奥をついた
「うお…発酵が進んでやがるな」
「くっさ!?何この匂い!!」
「缶詰だな、ニシンの缶詰で、めちゃくちゃしょっぱいぞ」
「腐ってるでしょそれ!!早く捨ててきてよ!!」
「何言ってる、これが普通だぞ」
「普通って何!?」
セリカがギャーギャー喚いてる間、アビドスのみんなは鼻をつまんで顔を顰めていた…そんなに臭いか?
「わかったよ…外で食べるからそんなに睨むな…」
仕方なく外に出て缶詰を食べ、食べ終わって戻っても匂いを落とせと言われてかなり焦った
「はぁ〜酷い匂いだった…」
「そこまでか?」
「先生…あれを全部食べたんですか…?」
「あぁ、食ったぞ」
「鼻腐ってるんじゃないの…?」
「食えるものは食う、当たり前の事だ…食わないと死ぬ、この世の摂理だろ」
そのまま何事もなく下校時刻になり、俺は部屋を借りて寝ることにした
「ふぅ…寝袋で寝るのは久しぶりだな」
寝袋を準備していると、ドアがノックされた
「先生〜まだ起きてる〜?」
「ホシノ?なぜここに居る、下校時刻はとっくに過ぎているぞ」
「ちょ〜っと忘れ物しただけだよ〜」
ホシノが来たらしい…なぜここにいる?
「…要件はなんだ、手短に話せ」
「……先生さ、PMC出身って言ってたよね」
「そうだが」
なんだ?殺して欲しいやつでも居るのか?
「ふーん…ちなみに、先生を雇ってたのって…」
「政府だ」
「え…」
「俺の元いた国、ロシアの政府だ」
「じゃあ、どこかと戦争してたの?」
「西側の連中だ、詳しい話を聞いたが…何とも胸糞の悪い話だ」
「なにがあったの?」
「……西側のある企業グループが、莫大な利益を生み出していた…だが、そのグループは裏で違法な取引や人体実験を繰り返していた…さらに、情報漏洩を防ぐためにグループが作った特殊部隊を派遣して自社の社員や研究員を殺していた事もあった…そいつらを追い出す為にロシア政府は秘密裏にPMCを作り出し、そこに援助を送っていて、そのPMCに俺が勤めていたってところだな」
「先生は…辛くなかったの?」
「何がだ」
「人を……殺すの」
ホシノは少し躊躇って言った
「そうしなければ俺は今ここに居ない…かもな、まぁ過去の事だし引きずることも無い…その時に最善だと思って行動した結果が今だ、つまり俺は今最善の行動の下成り立っている…最善の為ならば殺人だって厭わない」
「そっか……じゃあ、先生はさ、自分のせいで大切な人を死なせちゃったこと、ある?」
「………あるさ、職業柄な」
ホシノは俯いて言った
「…どんな人?」
「……俺の隊の隊員で、皆気のいい奴らだった…1人はグレネードに覆いかぶさり、1人は敵の狙撃手に首を撃ち抜かれ、最後の1人は傷口から感染して死んだ」
「そう、なんだ……その時さ…先生はさ…どう、思った…?」
時々どもりながらホシノは聞いてくる…同じような経験をしたのだろうか…こんなにも小さく、幼い子供が、そんな経験をするなんて…神は居ないのだろうか…
「…さっきも言った通りさ、俺は最善の行動をした、そしてその結果が今の俺だ…あいつらは皆、俺に命の尊さと大切さ、そして…そして……二度と戻ってこないことを、上司の俺に教えてくれた」
はぁ…今日は厄日だな…子供の前で涙流すなんてさ…酒飲まないとやってられないな
「…話は終わりだ、さぁ帰った帰った…子供がいちゃ酒が飲めない」
「うん……ありがと先生…またね〜…」
「じゃあな」
ホシノが帰っていった事を確認して、リュックからムーンシャイン(違法)を取り出し、ラッパ飲みで喉に流し込む
「フーッ…あいつら元気かな…また、会えたら…」
俺がこの世界に来た理由が分からないが、きっとあいつらも、どこかに…
さて、今日のタルコフ飯だが…今日はロシア軍のレーションであるイスクラだ!本編中に出てきたのは肉飯だったが、味は悪くないらしい…だが、美味しいかと言われるとそうでも無いぞ!
「脂でギトギトのテカテカだが味が濃くて満足できるな」
で、ゲーム中ではクラッカーのみだが……あれは木の味がするぞ
嗜好品として泥水や紅茶が入っている事があるぞ!紅茶とは中々センスがあるな
「これはミントガムが入ってたな…他にもチョコレートやフルーツバーなども入っているものもあるらしい…」
気になった人は、MREを実際に食べているYouTuberがいるので、その人の動画を見てから買って食べてみましょう!
売られているMREのFRHは大半が死んでいることが多いのだが、湿気をとれば案外大丈夫らしい…?…めんどくさすぎてやらないけどな…最近は昼間は暑くて明け方や夕暮れになると気温が急激に低下しますね……体調には気をつけろよ!
感想待ってま〜す…こうした方がいいとか、ご指摘あれば幸いです
おまけを何にする?
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