Escape from Kivotos 作:からしすみそホタルイカ
「あ、あの…このお店で1番安いメニューって…い、いくらでしょうか…」
入ってきたのは少し内気そうな少女…なんだか、服がWW2時代のドイツの軍服みたいだな…
「1番安いのですか?それなら、うちの看板メニューの柴関ラーメンですね、580円で結構量もあって美味しいですよ!」
「そ、そうなんですか!ありがとうございます」
少女は聞くだけ聞いて店の外へ出ていった…誰かを呼んでいるのか?
「……この辺の人間じゃないな」
「うん、服についた砂とかの汚れが凄く少ない」
「やはりか」
「ん…何者?」
「観光だろ、さっさと食え麺が伸びるぞ」
「見るものなんてあんまり無いですけど…」
アヤネの言葉に言えてるね、と自虐気味に笑うホシノの横顔を尻目にラーメンを啜る
「やっと見つかった!600円以下のメニュー!」
先程の少女とは違う声、反射的に顔を上げると、先程の少女と追加で3人が店内に入ってきていた
「4名様ですね、ではテーブル席へご案内しますね」
「ん〜?そんなに気を使わなくてもいいよー?バイトちゃ〜ん、どうせ1杯しか頼まないし」
大きな花の形をした髪留め?をつけた少女が黒見に1杯だけ頼むと言っているのを見て、少し違和感を覚えた
「別に構いませんよ?今は全然暇な時間帯ですし、ゆっくりしていってください」
「それじゃーお言葉に甘えちゃおっかな〜…あ、それとわがままだけどお箸を4膳くれない?」
俺はその言葉を聞いて胸の裡に抱いていた違和感が確信へと変わった
「……4人でテーブル席、1杯しか頼まないのに箸を4膳か」
「うん、明らかに不自然だよね〜」
「…あのバラのヘイローの子…他の3人より偉い?よな」
「どうしてそう思うの」
「3人…特にあの紫の子の態度を見れば分かる」
「…確かに、丁度社長に対する社員みたいな…」
それだ、と心の中で思った…もしかすると起業してまだ間も無いのかも知れないな
「Добрый день, девочка?(ドーブリィ デン、デヴォチカ)」
「え?」
話をすれば何かしらわかるだろ
「あぁ、失礼…会話が耳に入ってきてね…1杯だけとは?」
「アルちゃんの金使いが荒くて仕事に有り金全部突っ込んじゃったからもうラーメン1杯分しか残らなかったの」
「アルちゃんじゃなくて社長って言いなさい!あと金使いは荒くないから!現にラーメン食べられるお金は残ってるじゃない」
「社長…せめて人数分のお金は残しとこうよ…」
「うっ…」
「アル様…私は食べなくてもいいですから…」
「ほう、仕事…起業したのか?」
「んーまぁそうだね、会社立ち上げたの」
「学生だけで起業か、涙ぐましいな…よし、俺が3杯分だけ金を出してやろう」
「え?いいの?」
「別に金が無くて可哀想と思ったんじゃない、頑張っている人間が食えないというのが許せないだけだ」
「へー、結構優しいんだね」
「母の教えだ、俺の優しさじゃない」
「何はともあれ、これでみんな1杯ずつ食べられる訳ね!」
俺はこっそり大将に目配せをしておいた
~数分して~
「あれ?ちょっと多い?」
「1.5玉くらい入ってるような…」
「麺が伸びますので、お早めにご賞味ください!」
大将と俺のサインに気づいた黒見もにこにこでラーメンを運んだ
「よかったの?先生…見ず知らずの人なのに」
「何度も言うが、別に金が無くて可哀想と思ったんじゃない、頑張っている人間が食えないというのが許せない、ただそれだけだ」
「ふーん…じゃあ、私たちも借金返済頑張ってるし奢ってよ〜」
「十六夜頼んだ」
「この卑怯者〜」
「私は構いませんよー?」
直後にアルと呼ばれた子が美味しい美味しいと感嘆し始め、それに同調したアビドスのみんなもその通りだと話しかけに行った…皆フレンドリーだな
「ねぇ、あの子達って…」
「うん、アビドスの子達だよ?」
「社長はその事…」
「全然気づいてないね」
「大丈夫なの…?」
「まぁいいんじゃないかな?面白そうだし♪」
「……」
「いい人達だったわね!」
「くふふ、そうだね〜♪」
「…社長、気づいてなかったと思うけど…あの子達がターゲットのアビドス高校の生徒だよ」
「………え?」
「あははははは!何その顔〜!」
「なっ…ななな、なんですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」
平和なアビドスの昼下がり、1人の少女の絶叫が響き渡るのであった…
のんびりとした天気にうたた寝をしていた所に警報が鳴り響き、強制的に脳が覚醒へと導かれる
「ファッ?!ウーン…」
「先生も寝てる場合じゃないでしょ?!アヤネちゃん、敵は?」
「傭兵です!凄い数…」
「傭兵?なんでそんな連中が?」
「ヘルメットの次は傭兵か…絶対に何者かが狙っているな」
「なんにも無いのにね」
「まぁ、さっさと追い払うだけだ…行くぞ」
「見た事のある顔だな」
「あの子達、ラーメン屋さんの……!」
「まぁ、大方こんな気はしてました」
「悪いけど、こっちも仕事でさー…」
「公私はきっちり分けてやってるから」
「ラーメン大盛りにしてあげたのに!薄情者!」
「……それにしても、今日はいい天気だな…陸八魔、そう思わないか?」
「確かに雲ひとつないいい天気だけど…」
そう言って陸八魔が空を見上げた瞬間にトカレフを引き抜き、正確におでこを撃ち抜く
「いたぁ?!」
「不意打ちなんて卑怯な…!」
「ハッハッハ、これをネタに3日は酒が飲めるな」
クルクルとトカレフを回しながら笑うが、実際は傭兵がかなり居るので、有利な配置に付かれる前に片付けておきたい
「じゃ、始めるか…戦闘開始!」
シロコが手榴弾で牽制しながら皆が遮蔽に隠れる時間を作り、シロコがライフルを構える間をセリカとノノミで援護する
「うむ、連携もかなり良くとれる様になってきたな」
道路の両端から展開してくる傭兵を足止めする為、遮蔽からライフルだけを出してノールックで弾をばら撒く
「バックアップ頼んだ」
ホシノが前へ出てヘイトを買っている間に敵の位置を把握し、それぞれ攻撃するように指示を出す
「よし、突撃」
喉元を集中して射撃している為、当たるとすぐに気絶するのでかなり楽だ
「うっらぁ!」
よそ見をしていた1人にスペツナズ式飛び蹴りをしてすぐさま転がって射線を切る
車の真横に伏せ、車の下を通るように射撃する
「あらかた片付いたな」
グレネードと叫んで空になったマガジンを投げて注意を向けてその隙に撃ったりと、かなり卑怯な手も使ったが、こっちは撃たれたら死ぬし別にいいよな
「残るは便利屋か」
「なんでこんなことするのよ!」
「ごめんねー?バイトちゃん、これも仕事だから」
「バイトちゃんじゃない!」
「先生も戦うの?」
「そうなんだよね…いっつも被弾しないかハラハラしてるんだよねー」
「…俺は1発貰うだけで死ぬことも出来る体だ、君たちがどう動くか、見せてもらおう」
「それ卑怯じゃない?!」
「どうした?遠慮なく撃て、お前たちも仕事で来ているんだろう?」
「わかった」
「カヨコ?!」
「素晴らしい…話が早くて助かる」
「それにしても、お前たちは撃ち合ってばかりだな…弾が切れたらどうするんだ?」
「撤退…しかないですよね?」
「……素手があるだろう」
俺は射線上に堂々と立ち、ファイティングポーズをとる
「かかってこい、格闘戦は覚えておいて損はない」
「先生?!」
「ハルカ、来い」
「は、はい…」
「お前は近接戦闘員だろう、弾が切れても敵が残っている…そんな場合はどうする」
「えっと…す、ストックで…殴り、ます…」
「うむ、最適解だな…では、やってみせろ」
「え?で、ですが…」
「撃たないだけでいい、さぁ殴りかかってこい」
「え、えい!」
「うお?!」
いきなり顎を狙ってきたのでびっくりした…
「やるな…だが」
銃身の真ん中を掴み、そこを支点として銃口を叩いて奪い取る
「さぁ、正真正銘の素手同士だ」
伊草のショットガンを地面に置き、改めてファイティングポーズをとる
「ふっ」
試しに右ストレートを撃つが避けられ、ワン・ツーが飛んでくるが一撃目を右手で受け止め、二撃目を左手でいなして空いた右腕でフックを撃つ
「大丈夫か?モロに入ったように見えたが」
「だ、大丈夫です…」
まぁ、銃弾効かんし多分大丈夫だろう…
「よっ」
脇を左足で蹴ると、ちゃんと掴んでくれたので右足で地面を蹴り、その勢いのまま首を蹴って地面に倒す
「いたた…」
「受け身はちゃんと取らないとな…よし、今日のレッスンはここまでだ、次の挑戦者は?」
誰も手を挙げなかった…なぜ?
「セリカ、どうだ?別にやらしい事するわけでもなし…☆YA☆RA☆NA☆I☆KA☆♂?」
「やらないわよ!!」
「そうか…残念だ」
今の格闘戦を見て、皆距離を取り始めた…そんなに怖がらなくてもいいのだが
「ん〜…調子がちと狂ったが、まぁいいか…ほら、ささっと殲滅しろ」
俺が声をあげると、皆はっと我に返って銃撃戦を再開した
すぐさま遮蔽に隠れ、AKSのセーフティを解除してフルオートに切り替える
「シロコ、セリカ、援護しろ」
「ん、わかった」
「ちょ、先生は撃たれたら死ぬんでしょ?!」
「シッ!」
遮蔽から飛び出してAKSを乱射して2人を倒し、援護射撃に当たらないように地面に伏せる
「ナイスショット」
「先生もいい動きだった」
「そうか?」
その後遮蔽に隠れる際、腕に被弾したが貫通し、大きなダメージにはならなかった
「あーいて」
少しづつかつ順調に追い詰めていき、傭兵を壊滅させた
「よし…更なる傭兵はあらかた片付いたな、残りは主犯の4名」
「くっ…でもまだ傭兵が…」
「あ、5時だ」
「帰ろ帰ろー」
「この辺にぃ、美味いラーメン屋の屋台来てるらしいんすよ…じゃけん今から行きましょうね」
「おっ、そうだな」
「ちょ、ちょっと?!」
「アホだな、手綱はちゃんと握っておけ」
「うぅ…」
「ま、降参といったところかな」
その後何事もなく解散、学校に着いてちゃんとした治療をして一日が終わった
もう寝ようかと寝袋を開け、アラームをセットしていると、廊下から足音と声が聞こえてきた
「先生ーいるー?おじさんだけど」
「どうした?また忘れ物か?」
「まぁそんな所かなー」
ん?なんか変な音がするな…ジャリジャリと金属の擦れ合わさる音…丁度鎖のような…
「…小鳥遊?何か持っているか?」
「え?」
「いや、手ぶらなら余ってる菓子でも持たせようと思ってな」
「別にいいよ?そんな大した用事でもないし」
「ちょっと待ちな、合言葉は?」
「えーそんなのあったー?」
「今決めた」
「う〜ん…なんだろ…」
「ロシア語だから、余計に分からんさ」
「それおじさんを除け者にしてない?」
「そもそもここは俺の部屋として貸してくれたんだろう?それなら無理やり入ってくる理由は無いだろう」
「……ごちゃごちゃ言ってないでさ、早く扉開けてくれる?私もあまり学校壊したくないんだよね」
何…?今、なんて言った…?
「それはどういう…」
「おじさんさー、前に大切な人を自分のせいで死なせてしまった事あるんだよね」
「だからなんだ、お前の過去と俺の今には関係がない」
「もし先生が死んじゃったらさ、私、また守れなかったって物凄く後悔しちゃいそうなんだよね…もしかしたら自殺しちゃうかも?」
「お前はいつからそんなに笑えない冗談しか言えなくなったんだ」
自殺、そんなワードが自分が面倒を見ている生徒から出た
途端に自分への嫌悪感が溢れ出し、嫌な記憶が次々にフラッシュバックする
「ラミーロ…キリル…マカロフ……行くな…やめろ…やめろやめろやめろ!!撃つな!!撃つなぁっ!!」
とうとう幻聴まで聞こえだし、錯乱状態へと堕ちていく
俺が目を覚ましたのは、丁度記憶が無くなってから8時間後だった
「酷い夢を見た……」
全身が脂汗でじっとりと濡れており、最悪の目覚めだった
「……あいつらはまだ俺を許してないみたいだな…」
あの時何故助けられなかったのか…しかも、俺は死なせてしまった責任から逃げている…考えれば考えるほど自分が悪くなっていく
「はー…クソ、気分が悪い……飯でも食うか」
今日のMREはいつにもなく色味が少なく、寂しく思えたのは、自分の精神状態のせいなのだろうか
みなさんはちゃんと石集めてますか?ちなみにうp主は天井までは確保しました
おまけを何にする?
-
タルコフ飯コーナー
-
3分クッキングコーナー
-
治療コーナー
-
ゲテモノクッキングコーナー