ヴァーチャル美少女キャラにTSおっさん 世紀末なゲーム世界をタクティカルに攻略(&実況)して乗り切ります!   作:えぴっくにごつ

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趣味ダダ漏らしで唯々CQCする回です。


Part14:「CQC in バニー&ぴっちりスーツスタイル」

「――ッ」

 

 星宇宙は従業員用扉を素早く潜り、その先に開けたそこそこの広さの空間に、銃口と視線を走らせる。

 踏み出た先は、アパレル店の入るテナント――正しくは薄暗くて荒れ切った、その成れの果ての空間だった。

 

「クリアッ」

 

 そのテナント内には敵影が無い事を確認し、星宇宙は小声でクリアを伝える声を上げる。

 

「オッケっ」

「ナシだッ」

 

 そして星宇宙に流れ続くように踏み入って来た、モカのファースからも。周囲のクリアを確認しての、同じく伝える声が寄越された。

 

「行こう」

 

 クリアを確認した直後には、そのテナント内にモタモタと長居することはせずに。星宇宙は行動を再開継続。

 テナントは隣接のモール通路に、壁や扉などは設けられずに開けて隣接しており。三人はそこからテナントを後にして、通路沿いに少し進める。

 

(止まって)

 

 少し進めたところで、先頭を行っていた星宇宙は拳を掲げて後続の二人に制止を促し。

 そして近くのまた別のテナントの壁に張り付き遮蔽。モカとファースもそれに倣う。

 

(下)

(うわぉぅ)

 

 視線の交わし合いと、口の中で呟くレベルの小声で意思疎通を行う星宇宙とモカ。星宇宙は声と合わせての指差しで一方向を示す。

 周辺はモールによくみられる数階層ぶち抜きの、広く空間を取る構造であり。モール通路からは広がる下層階の空間が良く見えた。

 大きく円形に取られた空間にテナントが並び、一角や所々には総合案内のカウンターや休憩スポットも見える、良くあるモールの主要エリアの作り。

 星宇宙が示したのはその下階層のモール空間――正確には、そこに跋扈する多数のオータントだ。

 

 立哨に立ち、あるいは哨戒のため動き回る個体。休憩あるいはさぼりか、だらけてたむろしている個体等多数。

 このモールがオータントの群れの根城である証明のような光景であった。

 

(団体さんだねー……)

 

 流石に、あまり歓迎的ではない様子で零すモカ。

 

《容易にはいかなそう……》

《ここはスルーできないからなー……》

 

 コメント欄にも同じくの様子のコメントが流れる。

 コメントは星宇宙とモカ以外には見えないためステルスには影響しないのだが。しかし星宇宙等に合わせてか、流れるコメントも今は声量を殺すかのような気配が伝わって来る。

 

 状況は、正直に言うと迂回回避も選択に入れたい所だが。今さらながらに明かすが、星宇宙が当初裏手よりの侵入に使用したルートは一方通行だ。

 ここからの脱出にはステルススキルがよほど高レベルにでもない限り、戦闘は避けられない。

 そして星宇宙等のステルスレベルはまだ到底その域に無く。そしてレベルアップ、パーク・スキル解除の事を考えれば、戦闘を回避してばかりもいられないのが実情だ。

 多くの場合、このモール中心部にたむろする多数体のオータントを相手にしなければならばい。

 ここはこのモールロケーションの、そしてゲーム序盤におけるプチ山場なのだ。

 

(あれを、放ってはおけないな……)

 

 さらに寄越されるは小声でのファースの言葉。ファースからすればその立場からしても、このオータントの根城を放置しておく事はできないのだ。

 

(分かってはいたけど、正面突破になる――二人とも、行ける?)

 

 眼下の光景から一度視線を外し、星宇宙はまずは自分に言い聞かせるように一言を零し。それから二人に向けて小声で準備状態を尋ねる。

 

(おっけぃだよっ)

(いつでも可能だ)

 

 それに二人からはそれぞれ、最低限の声量で肯定の言葉を返す。

 

(OK、じゃあ行くよ――GOッ)

 

 それを確認し、前置きの一言で二人に備えるよう促し。

 ――その次には星宇宙はカバーを駆け飛び出し、モカとファースも流れる動きでそれに続き、行動を開始した。

 

 目指したのはその先にある、ホール空間に中央に設置されているエスカレーターの乗り口付近。そのエスカレーターは下階層の広いホール広場に伸びており、上に位置する星宇宙等からはその様子前景がよく見える。

 星宇宙等三人は、エスカレーターの乗り口近く、もしくは隣接の通路手すりに一端またカバー。

 そしてそれぞれのカバー位置から各々の得物、火器を突き出し――戦いの火蓋が切られた。

 

 星宇宙のSCAR、モカもM27 IAR。

 そしてファースの持つゲーム中のバニラ武器、〝レーザー・アサルト〟が。一斉に銃火を吐き出し始め、下階層に居るオータントたちに銃撃の雨を浴びせ始めた。

 

「がぁッ!?」

「な、ナんだぁ!?」

「攻撃だ!敵だァ!」

 

 直後には、銃撃の初撃を受けたオータントの悲鳴が。

 そして他オータントたちの狼狽や張り上げる声が、下階層のホール空間で響き聞こえる。

 しかし星宇宙等は構ったことでは無いと、そのオータントたちへ容赦の無い銃撃を降ろし叩き込む。

 今、三人が火力を集中させるはエスカレーターの麓周り。その近辺にたむろしていたオータント数体を優勢して排除する。

 

「ワンダウンッ!」

「よし、エスカレーター周りが開けたッ」

 

 集中砲火の成果もあり、時間は掛からなかった。

 ファースが知らせる声を上げると共に、エスカレーターの麓周りのオータントの最後の一体が崩れ倒れ、辺りがクリアになった様子が確認できる。

 

「ファースさん、俺と下へッ。モカは引き続き上から援護をッ!」

「オーケーっ!」

「承知ッ!」

 

 星宇宙は二人それぞれに指示の言葉を向け、それに了解の言葉が返る。

 

「行こうッ!」

 

 それを確認。次には星宇宙とファースはカバーを解き、エスカレーターを踏んで駆け下り始めた。

 

 これより星宇宙とファースは下階層のホールへと降り、まだ多く残るオータントたちを相手取る。

 できれば高所を取り距離を離した位置関係での戦いを続けたいところだが。こちらの初撃を逃れたオータントたちは、すでに下階層の各所に身を隠してしまっている。

 これを排除すべく、こちらも下階層に降りて射線を開き、オータントたちを燻り出す必要があった。

 

「――ッ!」

 

 とうに停止しているエスカレーターを駆け下りる星宇宙。

 緊迫した状況に反して、星宇宙の纏うバニースーツのウサ耳はウサウサと。尻尾はフワフワと可愛らしく揺れる。

 その側を、下階層よりオータントたちが撃ち上げて来る散発的な銃撃が掠める。

 それに顔を顰め、少し肝を冷やす。

 

「!」

 

 しかし次には今度は、背後上方より別の連続的な射撃が、星宇宙等の頭上側方を越えて下階層に注がれる。

 上階の残ったモカからの援護、制圧射撃だ。それが下階層より攻撃してくるオータントたちを牽制する。

 モカからのそれを頼もしく思いながら、星宇宙はエスカレーターを下り駆ける足をより速め。

 次には飛び降りる勢いで、下階層へと到達して足を着いた。

 

「中央ッ」

「了ッ」

 

 端的な言葉を交わし合う星宇宙とファース。

 下階層のホール空間の中央周りは、元は開け何もない場所だったが。今に在ってはオータントたちが勝手に持って来たのであろう、フードコートのテーブルや椅子、ホームセンターの売り物のソファなどが置かれ、たむろのための空間となっている。

 星宇宙は前もって有用と見止めていたその場をファースへ促し。次には二人はスライディングの勢いで、その中央のたむろの空間へと飛び込んだ。

 

「ほれッ!」

 

 飛び込んだと同時に、星宇宙は大きなテーブルを踏み蹴飛ばして横倒しにし、それを遮蔽物としてカバー。

 続け飛び込んだファースは、長ソファに身を低くして遮蔽。

 そして間髪入れずに二人は、互いの後方を護る形で。それぞれの方向へ火器を突き出し向けて、射撃戦闘行動を再開した。

 

 星宇宙が。

 向こうに見えるテナントに遮蔽してこちらを攻撃しようとしたオータントを、しかしそれよりも素早く照準。一撃を叩き込んで仕留め。

 ファースが。

 射線を確保しようと移動しようとしたオータントを、しかしその行動の隙を見逃さずに照準から発砲。撃ちだされたレーザーエネルギーが、そのオータントの身を焼き貫いて屠る。

 

「キルッ!」

「ワンダウンッ!」

 

 張り上げ、敵の無力化を互いに伝えながらも。星宇宙とファースは直後には次のオータントを照準、また攻撃を叩き込む。

 数的不利をものともせずに、的確な射撃でオータントの数を減らしていく星宇宙とファース。

 

「グゥッ、舐めるなッ――グァッ!?」

「クソがぁッ――ギャッ!?」

 

 それに痺れを切らしたのか、遮蔽を飛び出て無理やりな押し上げを試みようとするオータントたちが現れ始めるが。

 それを愚かな行動を断じるように、そのオータントたちには別方上方よりの銃撃が襲った。

 

「――っ!」

 

 それを成すは、上階層に残り援護制圧射撃を提供するモカ。

 モカは彼女の得物であるM27 IARに求められる、〝的確に狙う制圧射撃〟を巧みな扱いで実行。

 星宇宙とファースに向けて押し上げ突撃を仕掛けようとするオータントたちを、しかし一体、また一体と流れ移すような射撃で素早く排除。その企みを阻止して星宇宙とファースに確かな援護を提供して見せていた。

 

「――ッ、装填ッ!」

「了ッ――さらにダウンッ!」

 

 下階層中央では、星宇宙等が苛烈な戦いを今も見せる。

 頭上を散発的な敵の銃撃が飛び抜ける元。

 一弾倉使い切った星宇宙は自身が装填行動に入る旨を告げ。ファースはそれを言われずとも援護する態勢に入り、その次にはまた身を晒したオータントを撃ち仕留める。

 

「完了――ワンキルッ!」

 

 装填を完了させ。次には流れる動きでSCAR-Hを突き出し構え、またオータントを仕留める星宇宙。

 

「ダウン、ダウンッ!」

 

 同じく、別方向にオータントを仕留め、知らせの声を張り上げるファース。

 

 苛烈な戦闘の中で無我夢中に動き戦う内に、気付けばオータントたちからの銃撃攻撃の音色は鳴りを潜め。ホール空間の周辺に見えるオータントたちの数は、片手で数えても余るまでに減っていた。

 

「――ゴゥ……ッ!?」

 

 そして。

 星宇宙が向こうのテナントに潜んでいたオータントへ、銃弾を撃ち込み仕留め。

 それがこの場での戦いの劇の締めくくりとなった。

 

「ッぁっ……――」

 

 そこでオータントたちからの銃撃攻撃の音色が途絶えたこと、周辺に自分等以外に動く陰が見えなくなった事に気づき。

 星宇宙は突き出し構えていたSCAR-Hを下げ、少し上がった呼吸を整えながら周囲へ視線を走らせる。

 

「クリアか……?……うんっ、クリア……クリアだッ!」

 

 そして確かに視界に敵の姿が無くなった事を確認すると、星宇宙はそれを伝える声を張り上げた。

 

「ファースさんッ」

「……こちらもナシッ、クリアと認むッ」

 

 続け星宇宙は背を預けていたファースに声を掛け、ファースからは同じく無力化を伝える返答が返る。

 

「モカッ」

「上からは、これ以上の動きは見えないよっ!」

 

 続け星宇宙は上階のモカに尋ね求める言葉を上げ、モカからもこれ以上の敵は確認できない旨が返る。

 

「――はぁっ……クリアっ――みんな、オールクリアだッ」

 

 そして再度全周に視線を走らせ、モール空間周辺の確かなクリアを確認した後に。星宇宙はモカやファースにむけて伝える声を発し上げた。

 

「モカ、援護するからこっちに合流して」

「りょーかいっ」

 

 上階のモカに伝え、モカからは返答が返りそしてこちらに向かう動きが見える。

 一度クリアは確認したが、逃げ潜む敵や新手の出現の可能性は捨てきれず。モカが移動する間、星宇宙は周辺に警戒の意識を向ける。

 

「ふぁ――MOD武器のおかげでそこまで苦戦しなかったけど……やっぱり自分自身で戦うって怖いししんどいわぁ……」

 

 しかしその警戒意識を保ちつつも、星宇宙は戦闘がひと段落した事から少し緊張を解いて。ため息交じりにそんな言葉を発した。

 

「ファースさんは大丈夫?」

「あぁ、この程度なら造作もない」

 

 合わせてファースにも尋ねる声を掛ける星宇宙。しかし流石と言うか、ファースには今の戦闘で疲弊した様子は少しも見られず、今も周囲に抜けなく警戒の意識を向けていた。

 

「流石、最強のコンパニオン」

 

 その恐ろしいまでに頼もしい姿に、思わず小さくそんな言葉を零す星宇宙。

 

《いや、星宇宙おじさんとモカちゃんも引けを取らなかったよ……っ!;》

《ファースさんの最強さは知ってたけど、星宇宙おじさんたちも恐ろしい戦いっぷりだった……;》

《今ので素人の見様見真似って逆に恐ろしいんだけど……》

 

 しかしそんな星宇宙にツッコムように、コメント欄にはそんなコメントが流れる。それは今の戦闘に見せた星宇宙等の戦いっぷりを評す――というより手慣れ過ぎていて少し引いているそれ。

 

「え、そう?」

 

 しかし、その評しつつ引いているコメントを受けた本人はと言えば。無自覚な様子で可愛らしくキョトとするのみ。

 

《どこまでも恐ろしい子……っ!》

 

 そんな星宇宙の無自覚戦闘マシーンっぷりに、またそんな評するコメントが流れた。

 

「ん?どうかしたのか?」

「っ、ああいやゴメン、独り言が漏れたっ」

 

 そこへファースから、その声を聞き留めての尋ねる言葉が飛ぶ。ファースにはコメント欄始めウィンドウは見えず、認識もできないのだ。

 星宇宙が抱える事情の数々を説明するべきかとも思ったが、少なくとも今はその暇はないと考え、星宇宙は適当に誤魔化す言葉を返した。

 

「星宇宙ちゃんっ、ファースさんっ、うまくいったねっ! 」

 

 そこへ丁度良いタイミングでモカが、ウサ耳や尻尾をウサウサフワフワと揺らしながら、エスカレーターを駆け下りてきて合流。上ずった声で言葉を割り入れて来た。

 

「二人ともかっこよかったっ!」

「モカの支援のおかげもあってだよ」

「あぁ、頼もしい援護だった」

 

 そしてそんな評する言葉を寄越したモカ。

 それに対して星宇宙とファースは同じように、モカをまた評する言葉を返す。それにモカは「えへへっ」と照れ臭そうに笑った。

 

「脱出まであと一息だ。このまま続けられる」

「もちっ!」

「私も問題ない」

 

 そして星宇宙の尋ねる言葉に、二人はまた支障ない旨をそれぞれの色で返す。

 

「よし、行こうっ」

 

 それを受けた星宇宙は二人に発し促し。

 三人はまた態勢を整え直して、行動を再開した。




バニー要素を思い出したかのように無理やり捻じ込んでおります。
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