三章後にもっと語り合ってほしかったので書いた。
謝罪と感謝を伝える感じになってます
ゲームの話を読んでおいてほしいけどお好きにどうぞ
ゲームを最近始めたのでストーリーのボスが倒せなくて話を読むのが大変でした。楽しんでくれたら嬉しいですし感想いただけるとなお嬉しいです。
(ある日モモトークでメッセージが届いた)
(ミカからのようだ)
”先生!”
”どうしたのミカ?”
”先生!やっほー☆”
”先生に相談に乗ってほしいんだけど!”
”聴聞会も終わったし、改めてセイアちゃんとナギちゃんにお礼を言いたいの!”
”どうすればいいのかな?なにかいいことないかな!”
”ショッピングにでも誘ってみたらどうかな?”
”いいねー☆☆☆"
”でも2人とも来てくれるかな…こんな私が誘ってもダメかもしれないけど……”
”前も言ったけどその時は大人に任せて”
”もしダメでもチャンスは私が何度だって作るから”
”先生……そうだったね…”
"うん…絶対に三人でショッピングするよ!私も服燃やされちゃったかたちょうどいいかもだし!”
”今度ティーパーティで揃ったときに言ってみるね☆”
”本当にありがとう先生!”
その数日後、ミカからまたメッセージが届いた。
2人を誘うことができて、日程も決まったのだと。とても嬉しそうにしていた。
ならばやることは一つである。
そして当日…
「やっほーセイアちゃんナギちゃん。今日はありがとね!」
「構わないよ、どうせ今日はやることもなかったんだ。服なんて興味がないし、こんな機会でないと外に出ることなんて無いからね」
「ごきげんようミカさん。今日はよろしくお願いします」
待ち合わせの場所で先に待つミカの元へ、ティーパーティーの2人がやってきた。
それに加えて、そんな彼女たちを影から見守る怪しい人物が一人。
私が彼女たちの間に割って入るわけにもいかない、今日はひっそりと尾行をさせてもらおう。
まず昼食を食べてからショッピングへ向かう予定なのだろう。
三人で話し合っている声が聞こえる。
「ナギちゃんセイアちゃん!お昼ご飯何食べたい?」
「別になんでもいいのだが…私は意見がないからナギサに合わせるよ」
「私が決めるのですか?私も普段はスイーツを食べに行くくらいで、そういったお店はあまり知らないのですが…」
「う~ん…2人ともないのかぁ…まぁいっか!それなら歩きながらいいお店があったら入ればいいと思うんだよね、うんそうしよう」
「ミカ本当にキミは衝動的に行動するね……もし見つけられなかったらどうするつもりだい?」
「んーー、そこまで考えてなかったけど……まぁそれでも良いんじゃないかな。その時は一番近くの店に入ろうよ」
「セイアさん、私達も特に思い浮かばなかったのですし、ここはミカさんに任せませんか?」
「確かに意見もないのに否定だけするのはおかしいね。ナギサがいいなら私は構わないよ」
そうしてミカを先頭に歩く彼女たちを、コソコソと追いかける。
しばらく歩いた後、美味しいパスタが看板メニューだと掲げている店へと入ることにしたらしい。
尾行がバレるリスクがあるので、店に入るかは悩ましいが、それ以上に様子が気になる。
少し時間を開けて、私も店に入ることにした。
「どれも美味しそー、どれにしようかな?」
「これだけ種類があると、確かに悩んでしまいますね」
「特に急ぐ理由もないのだし、ゆっくり決めればよいだろう。ちなみに私はもう決めたよ」
「早くないですかセイアさん。もう少し悩んでも良いと思いますよ」
「そうは言われてもな…特に好みのものもなかったんだ。適当でも構わないだろう」
「まぁまぁナギちゃん、セイアちゃんだって食べたら美味しくて好きになっちゃうかもしれないし、それでもいいと思う!」
「それもそうですね。私も決めましたが、ミカさんは決まりましたか?」
「えっふたりとも早いよ!あーあ、どれも食べられればいいのになー」
もしかすると今日は妙な空気になってしまうかもしれないと思っていたが、杞憂だったようだ。
隠れて見ている分には、三人とも今までと変わらない様子に見える。
そうして注文を終えた三人のもとに料理が揃う。
「あっそうだ、ナギちゃんとセイアちゃんに一口ずつ貰えばいいかもどれも食べれるし!……うん、それが良いかも?」
「良いかも…ではないよミカ、しっかり考えたまえ。でも確かに何かを知ろうとすることは重要な事だ。…だから私も一口もらってもいいだろうか」
「セイアちゃんがそんなこと言うなんて珍しいね、もちろんオッケーだよ」
「ふふ。私も構いませんよ」
そうしてミカを中心に会話をしながら、ゆっくりとしたペースで昼食を食べ終わった後。
「先ほどメニューを選んでいる際に気づいたのですが、珍しい茶葉を使った紅茶があるようで。頼んでも構いませんか?」
「ナギちゃんはほんとに紅茶が好きだね?やっぱりカフェイン中毒?それとも強迫症かな?」
「ミーカーさーん!」
「わぁごめんってナギちゃん!」
結局紅茶と一緒にケーキまで頼んで、結構な時間を過ごしていた。
ミカが買い物のことを忘れてないか、少し心配になってきた頃。会計へ向かうのを見て少し安心した。
しかし見ている場合ではない。隠れないとならないのだったと、急いでテーブルの下へティースプーンを落とし、拾うフリでやり過ごした。
服を買うという今日の目的のため、また歩きながらウィンドウショッピングをしているようだ。
気に入った服を見つけると、はしゃぎながらミカが店に吸い込まれていく。
あまりこういった店には来ないのだろう、後を追うセイアとナギサは少し戸惑っているように見えるが、それでもミカに付いていく。
流石に店の中に入り、後を追うのは難しい気がするが、もはやここまで来た以上引き返す選択肢もない。
「セイアちゃんこれとか似合うんじゃない?ほらこのフリフリしたのがいいんだよ、着てみようよ」
「ミカ…こんな装飾があると何をするにも邪魔になると思うのだが、せめてもう少し機能的なものはないのかい」
「そういうことじゃないんだなー、分かってないなぁセイアちゃん。
でも普段のセイアの制服も袖口長いよね?あれと似たようなもんだと思うんだけどな、そうでもない?」
「ミカさんにはよく似合いそうですが、自分に似合う服を選んでいませんか?セイアさんには例えば、こちらの服の方が似合うのではないでしょうか」
「ナギサ…君もか…どちらも似合わないと思うのだが、私を着せ替え人形にして遊ぶのはやめてくれないだろうか」
遠目に見る分にはどちらもよく似合っているぞセイア。
「そうだ!せっかくだからセイアちゃんと私とナギちゃんでお揃いにしよ?お揃いの服を着てみんなでお茶会でも開こうよ!」
「ミカ…」
「ミカさん…」
「あれ、私なにか変なこと言った?もしかしてダメだった?ダメだなー私、また変な空気にしちゃってゴメンね?
2人は気に入ったものを選んでもらっていいからね」
「いやいいんだミカ、お揃いの服で。しかし私に合うサイズがあればいいが…一緒に探してもらっていいだろうか」
「う…うん!ありがとうセイアちゃん!」
「私だけ仲間はずれも嫌ですし…私のものもお願いしますね、ミカさん」
「ナギちゃん……うん探す…全力で探しちゃうからね待っててね!」
よかったな…ミカ。
しかし私を見る周囲の視線が厳しい、このままでは通報されかねないため、一度外に出て店の出口を見張ることにした。
そうして手持ち無沙汰に外でしばらく待っていると、三人が店から出てきた。
既に先程買ったお揃いの服を着ていていることにとても驚いた。
先ほどまで着ていた服が入っているのだろう紙袋までお揃いだ。皆よく似合っている。
これでミカの目標であるショッピングは終わったが、どこへ向かうのだろうか。
またコソコソと後を追いかけ始めた。
既に薄暗くなっていた中を少し歩き、三人が向かった先は公園だった。
「今日はありがとね、ナギちゃんセイアちゃん。あーあ今日みたいな日が毎日続いてくれてもいいのになー。
三人で仲良くご飯食べて、買い物してさ。素敵じゃない?そういうの。
でもさ……そんなふうに仲良くするって、そんなに難しいのかなって?
お互いに少しづつ歩み寄れば、いつかは叶うものじゃないって?
私はそう思うの……思ってた。だから、少しずつ努力しようと思って…思ってさ……あんなことになっちゃったの……」
俯くミカの表情は見えないが、声が震えている。
「聴聞会さ…二人が出てくれて嬉しかったんだ。一度は諦めて、先生のおかげでやっぱり出るつもりになって。
そしてまた諦めて、また先生に説得されてさ……もうなんなんだろうねほんと。
トリニティの裏切り者で、みんなの敵で……何度もセイアちゃんとナギちゃんを傷付けてしまった問題児がさ…
幸せな未来なんか訪れないって諦めてた私だけどさ、今日はやっぱり幸せで……
だからもう一度言わせて欲しいの。ごめんね、そしてありがとう二人とも、本当に大好きだよ」
「ミカ…君は……」
「……ミカさんに私からも言わなければならないことがあります。
ミカさんが幽閉されている時、なぜそのようなことをしたのかと、問い詰めたことがありましたよね?
疑心暗鬼になっていた私は…ミカさんが裏切るなんてことは考えていなくて…でもそんなことはなくて……。
そうして何もわからないままの私が、ヘイローを壊そうとした理由を問い詰めたとき、確かにミカさんは言いました。
ゲヘナのことが大嫌いで、そのために幼馴染の私をも殺そうとしたと。そしてその裏には何もない、手違いも、誤解もないと。
それだけの話なのだと。私がミカさんのそういう側面を知らなかっただけだと」
「うんそうだね…確かに言ったよ」
「……弁明して欲しかったです。何も理由なしに、ミカさんはそのようなことをするわけがないと、そう信じたかった。
長い間一緒にいて、私はミカさんのことをよく分かっているつもりでした。
そんな私に、『私達は他人だから分かるわけない』と。今思い直してもなかなかにひどい言葉ですね」
「ごめん!ナギちゃ……」
「それでも今は違います。確かに以前はミカさんが言ったように、そういう側面を知りませんでした。
ですが私はミカさんに言われ、知ってしまいました。それだけの単純なことだったんです。
ただ相手と言葉を交わす事……私たちはそれだけの事ができていなかったのだと思います。
知らないことを考えることはできません。当然ですが分かる事もできません。知らないことで人を疑い、疑心暗鬼になることもあるでしょう。
聴聞会でミカさんは自分を悪党だったと、魔女だったと言っていましたね。
実際に今もそう思っている生徒も多いでしょうし、そんなミカさんを今後も許してくれない生徒もいるでしょう。
でもだからこそ私は言います、そして今後も言い続けます。ーーーそれでもミカさんが好きです」
そう言われて感極まったミカがナギサに抱き着く。
「ナギちゃん……ありがとう…」
「ミカ…そのままでもいいから聞いてほしい」
続けてセイアが話し出す
「これは先生にも言ったことでもあるのだが……君は今まで甘やかされながら生きてきた。
それこそーーーまるで童話に出てくるお姫様のような存在として。
わがままで、浅慮で、衝動的でーーー欲張りなくせに事象的でもある君には、それがお似合いだったのに…
そんな童話のお姫様ではなく、寓話の主題となる愚かな存在となり果ててしまったと。
自ら名乗り、皆にも言われて。私もそう思ってしまっていた。あれは君だけが原因で起きた事象ではないのに…
気づいた時には間違った物語の真ん中に置かれていただけなのだと思う。君も私と同じように…
正直に言えば浅慮で、幼稚で、考えの足らない君の行動を見るたび、また馬鹿なことをしているなとしか思っていなかった。
そうして同じく寓話の中心にいたくせに、私は君を馬鹿にしながら見ていたのだろうね。
それだけではない……君の抱えていたものを、幼気な感情を、考えていたことを、その状況を……それらを知ろうとする努力を、私は怠っていた。」
いつもどおり遠回しな言い方で話を続けるセイアを、ミカがじっと見つめている。
視線を受け止めながらセイアは続ける。
「つまりだ、私は良く知りもしない君のことを、分かったつもりでいたんだ。
だが今は違う、私は学んだ。そうして馬鹿にして見下すだけではダメなんだと。君を知る努力を、私はしなければならないのだとね。
今日のように同じものを食べ、同じ服を着て、ナギサの言うようにただ言葉を交わす。
それだけで分かったこともある。これから更に分かることがあるだろう。……理解するには遅すぎたがね。
そしてミカ……私も君に、許しを請わなければならないことがある。
君が訪ねてきてくれた際、不運にもベアトリーチェの攻撃と被ってしまったあの時の事だよ。私はあろうことかキミを糾弾してしまった。
『先生がスクワッドに狙われている、それは先生を連れてきた君のせいだ』とね。
夢と現実の境界線が曖昧になってしまっていた…そう言ったところで言い訳にしかならない。
君があんなことになってしまった原因の一端は私が招いたことだ。本当ににすまなかったミカ…」
「ううん…いいのセイアちゃん。私は私自身であんな道を選んだ問題児だけど、セイアちゃんは悪くないんだから…」
セイアの謝罪を受け、それでもなお自分が悪かったのだとミカは告げる。
「ナギサの言うように君を敵視している生徒はまだ数多くいる。
さらに言えば今のティーパーティは影響力を落としているからね…有事の際敵に回る生徒も多いだろう。
なんなら今既にクーデターを計画している生徒がいても驚かないくらいだ。
ミカはそれを自分の責任だと責め、自戒し、悔い続けるのだろうね。
でもだからこそ、私も言葉にしようーーーそれでもミカが好きだとね」
「セイアちゃんも……ありがとう。嬉しいよ…」
ナギサに抱き着いていたミカが、振り向きざまセイアの身を引く。
ミカの力の前に小柄なセイアが耐えられるはずもなく、三人で抱き合う形となる。
泣き笑いするミカに強く抱かれながら身を寄せ合う彼女たち。
これからの未来にはなんの心配もないだろうと確信する光景だった。
しばらく三人はそうしていたが、ひどい顔を見せたくないからとミカが望んだこともあり、二人は先に帰ることにしたようだ。
どちらを尾行するのかと悩んでいると出るタイミングを失い、結局隠れたままになってしまった。
そうして一人でベンチに腰掛け、しばらく泣き腫らした目を擦っていたミカが突然口を開く。
「いるのは分かってるよ先生、こう見えても私は結構強いからね。いつまでもそうしてないで出てきなよ」
「さすがだねミカ」
「バレバレだったよ先生。次はもっとうまく隠れられるように、練習したほうが良いと思うの。
だからまたナギちゃんとセイアちゃんとお出かけする時に着いて来ても、見なかったフリしてあげるね」
「それはありがとう」
「こうしてまたって言えるのは、先生が作ってくれたチャンスのおかげ……私こそありがとう、大好きだよ先生」
話しながらベンチから立ち上がったミカが台詞を続ける。
「知ってる先生?都合のいい話、創作の中みたいな明るい物語が存在するってこと。
そしてそんなお話の中に出てくる登場人物の女の子を、なんて呼ぶのかって」
「当然知ってるよ、私の大切なお姫様」
「お姫様なら当然舞踏会に参加しなくちゃいけないよね、そう思わない先生?
物語ではいつだって、お姫様の手を取るのは王子様って決まってるんだよ?」
そう言いながら手を差し出してくるミカ。姿を偽る悪い魔法をかけていた魔女なんてもういない。
これからの事を考えるのに忙しく、動きを止めていた私は、待ちかねたミカに手を引かれ、クルクルと踊ったことのないダンスのようなものを踊り続けたのだった。
Q:言わせたいだけだよね
A:そのとおりです、ありがとうございました。
「お姫様は悲しくても下を向いちゃいけないの、だってティアラが落ちちゃうから。どんなときでも前を向かなくちゃ」
言わせたかった…