この素晴らしいテイワットに祝福を!   作:グランドマスター・リア

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今回かなり長めです


この雷光に爆炎を

 

「お前ら……マジでいい加減にしろよ!何処に行っても面倒を起こさないと気が済まないのか!?ほら見ろよ!蛍なんて、青を通り越して真っ白だぞ!」

 

感動の再会ここに結実。

なんてロマンチックな展開は俺達じゃ無理みたいだ。俺が漂流したのだってそこにいる変態クルセイダーのせいだし、離島でようやく合流できたかと思えばまた面倒事を起こして迷惑をかけまくってるし……一番申し訳ないのは、俺が居ない間のコイツらの世話を蛍に任せきりになっていた事だ。

この三人の手綱を握る事がいかに困難を極めるのか、当然だが俺は痛いほど分かる。

 

言う事は聞かない。

目を離せばすぐ面倒を起こす。(目を離さなくても起こされる)

その規模も無駄にデカイ事から、もはやコイツらのそれは災害と言っていい。

 

「仕方がなかったんです!私達も蛍に迷惑をかけ続けるのは悪いと思い、連絡路にたむろったモンスターの討伐依頼を受けたのですが……」

 

「が、なんだよ?」

 

「思ったよりモンスターの数が多く、それなら私の魔法で吹き飛ばした方が手っ取り早いじゃないですか!というより、あんな数のモンスターを相手に私が我慢できると思いますか!?いいえ、出来ませんとも!そう、この鳴神の響く遠い島国においても私の高ぶる衝動は誰にも抑えられないのです!」

 

「開き直ってんじゃねぇよ!モンスターと一緒に連絡路まで吹き飛ばしておいて何様のつもりだ!!その崇高な爆裂魂とやらは、まず依頼をまともにこなしてから持ち出して来い!!」

 

そのままに海に沈めてやろうかコイツ。

蛍に聞いた限りでは、離島に来航して以降のコイツらの問題行動は留まる所をしらなかったらしい。離島を管理する武士を前に暴れたり、モンスター討伐に行けばそれ以前よりも酷い有様に変え……この三人をこんな狭い離島に閉じ込め、更に俺と言う制御装置を取り外したらそりゃそうなると言う感じでしかない。

これでまだ牢屋に入れられてないのが不思議なくらいだ。

 

「まあまあ、めぐみんも悪気があった訳じゃないんだし、それくらいに……」

 

諌めようとするダクネスに、俺は指差して言う。

 

「おい、そもそも誰のせいで俺が漂流なんてするハメになったと思ってんだ?他人(ひと)の事庇える立場だと思ったら大間違いだからな?あとそこッ!アクア、お前また散財して蛍に金借りたみたいじゃないか?もう俺は返さないからな自分で稼いで払えよ?」

 

俺が居ない時間はほんの一日とか二日だったはずなのに、余罪がバンバン出てくる。

 

「あの、お金の件は別にそこまで急がなくて大丈夫だよ?アクアにはこの前の魔神との戦いで、傷を直してもらった恩もあるし」

 

蛍も蛍で、これだけ迷惑をかけられても庇うって、どんだけいい奴なんだ。

それに、蛍は既に通行証を持っていていつでも鳴神島に向かう事が出来たらしい。しかし、この三人をこのままにして置けないからと、はやる気持ちを抑えて離島に滞在していてくれたみたいだ。もう何か、頭が上がらない。

 

「蛍、そういう甘い事を言ってたらすぐにコイツらはすぐつけ上がるんだ。現実には仏の顔なんて三度もないのをたっぷりと思い知らせないとダメなんだよ」

 

「う……心当たりがあり過ぎる」

 

この短期間で嫌という程に彼女も思い知ったはずだ。

俺が普段いかに苦労しているのかを……

 

今はただ、何とか首の皮一枚、薄氷の上で三人を取りまとめていてくれた事に感謝するしかない。

 

「一先ず、コイツらの面倒見てくれてありがとな。蛍が居なかったら今頃どうなっていた事か……」

 

考えたくもない。

 

「良いよ。カズマ達には何かと世話になってるし」

 

「後でちゃんとお礼しろよな!」

 

「おう、今度飯でも奢ってやるよ」

 

やっぱりうちのパーティーに蛍を誘った方がいいのではないだろうか。

いや、これ以上このパーティーの厄災に付き合わせては可哀想だ。やめよう、彼女に罪はない。

 

という感じで、話が一区切り付き、トーマがそれを機とばかりに口を開いた。

 

「話は済んだみたいだな。それなら、一度離島を離れて鳴神島に渡らないか?稲妻城下にある『木漏茶屋』って所なら、落ち着いて話し合うにも最適だと思う」

 

聞く話によると、元々トーマはその『木漏茶屋』という場所で、蛍と待ち合わせをしていたらしい。しかし、その後アクア達が離島に現れて蛍が予想外の足止めをくらったり、俺が漂流してきたりと色々予想外が重なった結果、こんな風に再度離島にて顔を合わせる事になったという訳だ。

そう聞くと、俺達の出現が事態をかなりかき回した事が伺える。

 

それなら拒否する理由もない。

俺達はトーマの申し出を受け入れて鳴神島の稲妻城下へと向かう事にした。

 

「それに、雷に立ち向かう同士としても、皆には事情を知っていてもらわないとね……」

 

新たな面倒事へと巻き込まれようとしているとも知らずに……

 

 

 

*△+このすば+▼*

 

 

 

「今なんつった?」

 

「将軍が行った目狩り令に抵抗する為に、カズマ達にも助力を――」

 

「嫌だやっぱ聞きたくない!俺達は雷電将軍に会いたいだけで、敵対する理由なんてこれぽっちもないんだ!反逆でも何でもお前らで勝手にやってくれ」

 

木漏茶屋に到着して、トーマは開口一番に、目狩り令や鎖国令についてより詳しく説明してくれた。

雷電将軍の目指す『永遠』とか、そこから実行された目狩り令がいかに横柄な物なのか、理屈は分かったし理解も示そう。社奉行がこれに対して反旗を翻し、それへの協力を申し出てくるのも分かる。だが、反逆とか抵抗だとかってやつの片棒を担ぐのは御免だ。

確かに綾華には命を救われた恩はあるが、これは流石に話が別だ。

 

「話を聞いてくれ。別に正面切って将軍と戦おうって訳じゃない。俺達の意思を伝え、目狩り令や鎖国令といった行き過ぎた強行策を撤廃させる。ただその協力をして欲しいだけなんだ」

 

「出たよ、ちょっとだけだから協力してくれ。危険じゃないから大丈夫ってな。もう俺は騙されないぞ?そう言っていつも死ぬほど危険な目にあうのに、報酬は天引きされて大して貰えないんだ。やってられるか!」

 

蛍はなんやかんや協力的な姿勢を見せているそうだが、俺までそうすると思ったら大間違いだ。

何度でも言うが、雷電将軍はアイリスでも敵わないような化け物なんだ。自分から敵対するような行為は何としてでも避けなければならない。

 

「カズマ。気持ちは分かるが、そう邪険にする事は無いだろう?確かに全面的に協力というのは難しいかもしれないが、私達には私達なりにやれる事があるはずだ。それに、いざとなればその将軍の一撃は私が……」

 

「後半に本音がだだ漏れじゃねーか!それに、今の稲妻じゃ俺達に出来る事なんてそう多くないぞ?何処に行っても天領奉行の目はあるし、問題行動なんて起こそうもんなら一発でお縄だ」

 

現在の稲妻は情勢もあってかなり空気がピリピリとしている。

岩王帝君が暗殺された時の璃月も似たような感じだったけど、こっちは長い間そんな状態なのもあってかなり身動きが取りずらい状況だ。そんな世知辛く物騒な世の中で、こんな歩く災害共を連れ回したりなんかすれば、一日と掛からずにしょっぴかれる未来しか見えない。

 

「じゃあ、社奉行から便宜をはかってある程度までは自由が効くようにしよう。カズマ達はあくまで『自分達の目的の為に』稲妻でも冒険者として活動すればいい。その代わり、一日の終わりには必ず社奉行所でお嬢と情報交換をする。これならどうだ?」

 

「……それくらいなら良いけどさ。でも、ちょっと話が出来過ぎてやしないか?」

 

「そうですね。此方としてはありがたい話ですけど、美味い話には裏があるって言いますし……」

 

これにはめぐみんも不審に思ったのか疑問の言葉を投げかけた。

 

「それに関しては、俺達の誠意だと思って欲しい。あまり口に出す事じゃないかも知れないけど、もしも時の為の保険って奴だ」

 

なるほど、打算はありきって事か。

まあ、純粋な善意でとかって言われるよりは信用できる。恩を売っておいて、いざという時に助けてもらおうって事なら今すぐ俺達に不利益があるような話でもない。結局目狩り令関連のごたごたには片足突っ込む事になる訳だが、将軍に会う為にもここらは避けて通れない道とも思える。

 

「……分かったよ。今はそういう事にしとこう」

 

トーマが言った内容は元より俺が綾華から受けていた依頼の内容とも合致する。

どちらにしろ、拒否した所で意味のない問答だ。

 

「助かる。お互い、良好な関係を維持しよう」

 

「ああ、程々にな」

 

 

 

 

 

 

と、言ってみたはいいものの、俺も社奉行との距離感を計りかねていた。

何せ、相手は命の恩人だ。協力してくれと言われて完全に無下にする事も出来ないし、だからといって将軍と戦う度胸なんて図太いものは持ち合わせていない。木漏茶屋を出てからというもの、とりあえず四人で稲妻の冒険者協会に向かう事にはなったが、そんな事ばかりを考えていた。

 

「浮かない顔をしているな」

 

ダクネスに言われて、俺は疑問符を浮かべた。

 

「そうか?」

 

「カズマはあくどい性格に反して、変な所で義理堅いというか……気にしぃですからね。顔を見れば分かりますよ」

 

めぐみんにさえそういう風に見えていたらしい。

恥ずい、俺はそういう柄じゃないだろ?もっと横柄に振る舞って、知るかって投げ出したって罰は当たらないはずだ。ちょっとだけ、深刻そうなトーマとか綾華の顔がよぎっただけで……

 

「そりゃ向こうは命の恩人だし、少しは負い目もあるって言うか……あそこまで拒否するのも申し訳ないとは思ったけどさ。でも、俺に出来る事って言ったらちょっとした手伝いが精々で、あいつらにとっても大した助けにはならないだろ?」

 

そう、別に協力したからって大した事は出来やしないのだ。

魔神の時なんかはたまたま上手く行っただけで、今までも自分からどうにかしようなんて思った試しはあまりない。何せ、厄介ごとは首を突っ込む前に向こうからやってくるからだ。

 

「別にいいんじゃないのー。雷電将軍だっけ?私はそんな怖い人と戦うなんてごめんよ。折角日本っぽい国に来たんだし、適当に和食でも食べてのんびりしたいもの」

 

「あのなぁ、お前はまず借りた金返せよ?たく、先が思いやられる」

 

借金に、命の恩人に、目狩り令に、そういったごたごたに巻き込まれたくて稲妻に来た訳じゃない。

今の所この国に来て得をした事と言えば、異世界で適当に再現された『なんちゃって和食』ではなく本場の和食を食えた事くらいだ。因みに、神里屋敷で振る舞われた日本料理は死ぬほど美味かった。

 

「考える事は山積みという訳か……また色々と忙しくなりそうだが、今はこうして合流できた事を喜んでも良いだろう。めぐみんなんて、ずっとお前を心配してソワソワしていたのだからな?」

 

「ちょっ、ソワソワなんてしていませんよ!カズマの事が心配だったのは本当ですけど……」

 

そうか、思えば数日も別行動するだけでもかなり久しぶりだ。

経緯が経緯だけに生きているのも奇跡みたいなもので、何やかんやで仲間思いなコイツらの事だから、俺が海に消えた後はそれはもう大慌てだったに違いない。その姿を思い浮かべると少し笑えても来るし、同時にちょっと嬉しくもある。

 

また騒がしい日常に戻ってきたと実感すると、それを億劫に思う反面、大抵の事は何とかなるだろうと楽観的にもなれた。

 

「まあ、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれって言うし……何かあった時の事は、その時にでも考えればいいか」

 

「やっといつものカズマが戻ってきましたね」

 

どうやら俺も、少し一人で行動してセンチメンタルになっていたらしい。

元からその日暮らしの冒険者、あまり先々の事を深く考えるのも馬鹿ばかしい。第一、そうして計画を綿密に練って上手く行った試しなどあったか?よし、難しく考えるのはやめだ。これは断じて自暴自棄などではない、戦略的な頭脳の温存なのである。

 

「まずは冒険者協会だけど、今の稲妻で良さげの依頼とかあんのか?」

 

「討伐の類いは基本的に武士が行っているみたいだからな。離島でもそこまで多くはなかった」

 

ダクネスの言う通り、この国にも冒険者協会はあるものの冒険者の待遇自体はそこまで良くはない。

かと言って悪くもないみたいだが、モンドや璃月と違って高報酬な仕事はかなり少ないようだ。璃月で貰った報奨金はまだ残っているとは言え、アクアの散財を考えれば心もとない。それに、こんな辺境の地でしっかり受け取れるのかも怪しい。

 

駄目で元々、そんな気持ちで俺達は冒険者協会へと来た。しかし……

 

「やっぱり……」

 

「無いですね」

 

案の定、目ぼしい仕事は見当たらない。

良くて特産品の回収とか、小遣い稼ぎ程度のしょっぱい物ばかり。高難易度の討伐依頼もあるにはあるが、それもピンキリで前に戦ったアビサル・ヴィシャップみたいなとびきりキツイのしかない有様だ。多分これ、武士が討伐しようとして無理だった奴とかだろう。

 

「カズマカズマ、これにしよう!この『魔偶剣鬼』という奴の討伐だ!」

 

「はいカズマってこれ最高難易度の依頼じゃねーか!?却下だ却下」

 

この前は鍾離が居たからどうにかなったが、俺達だけでそんな大物を相手にするのは荷が重すぎる。

 

「だったら、これにしましょうよ!影向山付近の除霊ですって、神聖なる浄化の女神である私にピッタリの依頼じゃない!」

 

アクアがえらく上機嫌にやる気があると思ったらやはり浄化関連の依頼だった。

だが、確かに報酬も割高でかつ俺達からすれば難易度も大して高いものじゃない。

 

「よし、だったらこれにすっか」

 

テイワット冒険記第三章『稲妻編』は始まったばかり、今はまだのんびりとした冒険者業に甘んじるとしよう。

 

 

 

*△+このすば+▼*

 

 

 

数日後――

 

「うおおおお!!逃げろぉーー!!」

 

稲妻での冒険者業を初めて数日。

そろそろ一週間は経とうかという頃、協会の依頼をこなしては神里屋敷で綾華に報告をするという日々を過ごしていた俺達は、それはもう涙目で影向山にある秘境の中をダッシュしていた。

 

「おらあ!待てやゴラァ!!」

 

「逃がすと思ってんのかぁあ!」

 

背後には血眼になって追いかけてくる浪人達。

影向山にある浪人のアジトの調査。構成員の数、秘境内の立地、侵入経路と脱出経路などを調べて協会に報告すると言った極めてありふれた内容のそれが、今日俺達が受けた依頼だ。なのに何故、どうしてこうなった?

 

「かずゅまさん!かずゅまさぁあん!置いてかないで、置いてかないでぇええ!!」

 

「うるせぇ!お前が下手にアジトの罠を作動させたせいでこうなったんだろうが!責任取って自慢のゴッドブローであいつらをどうにかして来いよ!!」

 

「ならば私が、あの浪人共の足止めをする!カズマ、私には構わず先に行け!さあさあさあッ!!」

 

「黙って走れ変態!!これ以上事態をややこしくすんじゃねー!!」

 

「ならばカズマ!我が爆裂魔法で奴らを一網打尽にしてやればいいのです!そうすれば、面倒な調査などしなくても全て解決じゃないですか!」

 

「お前また秘境を崩壊させて俺達を生き埋めにするつもりか!?ここには天領奉行から盗まれた貴重品とかも沢山あるんだぞ?仮に浪人を壊滅させても、報酬なんざ全部天引きされてまた借金生活に逆戻りだ!」

 

「かずゅまさん何とかしてえ!!追いつかれる!追いつかれるーー!!」

 

「打っていいですよね?打っていいですよね??」

 

「背に腹は代えられん!ここは私にまかせりょお!!」

 

「シャラァップ!どいつもこいつも、少しはまともに立ち回るって事が出来ねーのかぁぁああああ!!」

 

 

 

 

 

「はぁ、何とか脱出できた」

 

あの後、盗賊スキルを駆使して浪人達から逃げ切り、稲妻城に戻ってきた時にはもう精も根も使い果たしていた。

協会で報告を済ませて報酬を受け取ると、すでに太陽は真上に昇っていてお昼時を示唆している。今日はもう何もやりたくない。

 

「報酬も貰ったし、昼からは自由行動にするけど……いいか?絶対に面倒事は起こすなよ?」

 

「大丈夫ですって、カズマは本当に心配性ですねー」

 

「どの口が言うんだ?アクアと一緒にセイライ島に埋めるぞ?」

 

いつも被害総額を増額させるボマーが何か言ってる様だが知らん。

俺が見ていない所で何があろうと、絶対に庇ったりするもんか。ただでさえ天領奉行にはかなり目を付けられてるんだ。社奉行の後ろ盾がなかったら、俺達なんて今頃稲妻城の牢屋に繋がれてたっておかしくはない。

 

今はとにかく、休息が欲しい。そんな一心だった。

 

 

 

アクアとめぐみんは最近見つけて気に入ったというラーメン屋に昼食に行き、ダクネスは社奉行の管理している温泉へと汗を流しに行った。

 

俺はというと、今回の依頼で脱出の際に使う予定だった爆薬を大量に余らせてしまったので、ウィズ魔道具店に返しに行くところだ。

 

「あ、お兄様!こんにちは!」

 

「おー、アイリス。爆薬返しに来たんだけど、ウィズは居るか?」

 

魔道具店に来ると、いの一番にアイリスが迎えてくれた。

だが間が悪かったのか、見た感じウィズやバニルの姿はない。

 

「ウィズさんなら先程、町に出ていかれましたよ?バニルさんも、無駄な物を仕入れられてはまずいからと付いて行きました。その間は私が店番を任せているんです」

 

「アイリスが一人で店番か。成長したな、妹よ……お兄ちゃん嬉しいぞ」

 

「もうお兄様!私だって、店の留守を守るくらいはできます!」

 

随分と成長したもんだと思う。

前は物を買うのもぎこちなかったのに、今やウィズ魔道具店・稲妻出張版の看板娘として頑張っている。クレアとレインという優秀かつ過保護な侍従の傍を離れた事で、彼女にも成長の機会が回ってきたという感じだ。

 

「それで、どうしますか?ウィズさんなら、そう遠くない内に帰ってくると思いますけど……」

 

「あぁ別にやる事もないしなー。折角だし待つことにするよ」

 

「本当ですか?ではその間、今日の冒険の話を聞かせてください!」

 

「いいぞ。と言っても、いつも通りロマンも何もない、ハチャメチャなものだったけどな」

 

それでも、話して欲しいと仰せなら話そうじゃないか。

浪人のアジトでアクアが罠を作動させた話や、ダクネスが浪人達の所へと突っ込んでいきそうになった話、めぐみんの爆裂魔法で秘境が危うく崩壊しかけた話など、脱出した後にアクアがあまりにも悪びれないのでブチギレて大喧嘩になった話――

 

「それでさ、その時めぐみんが――」

 

もっぱらいつもみたいにアイリスとくちゃべっているその時間は、実に平和で穏やかなものだった。

嗚呼、この時間が一生続けばいいのに……俺はこの優しい妹とこのテイワットに祝福の根を下ろすんだ。うん、そうしよう。もうあんな世界に戻ったって死んで生き返っての繰り返しだ。

 

だが、そんな俺の平和を望む思いは容易く打ち砕かれる。

ウィズ魔道具店の扉は、バタンと新たなる厄介事の到来を知らせる音を鳴らした。

 

「すみません!ここにサトウカズマさんは居ますか?」

 

焦った様子の声で、自身の名を呼ばれる。そこに居たのは肩で息をし、薄っすらと汗を滲ませた奥ゆかしき少女。

空色の髪に着物と軽装鎧を身に纏った神里綾華の来訪に、店内は静まり返り俺は何事かと前に出た。

 

「綾華じゃねぇか。社奉行のお嬢様が、こんな所まで訪ねてきて一体どうしたんだよ?」

 

どうにもただならぬ雰囲気で血相変えている様子から、何か面倒事が起こったのは明らかだった。

本当なら聞きたくない。いつもなら耳を塞いで一目散に逃げる所だが、相手が綾華ともなればそうもいかない。彼女は命の恩人で、俺の数少ない心のオアシスなのだ。それに、いつも落ち着き払い、淑やかな彼女がここまで焦っているのも意外だ。

直接ウィズの所まで俺を訪ねて来るのも初めてだし、事情も聞かずに不干渉の一点張りは出来ない。

 

綾華は一直線に俺へと詰め寄って言い放った。

 

「トーマと旅人さんが、大変なんです!」

 

「……え?」

 

どうやら、平穏ってのはそう長くは続かないらしい。

 

 

 

綾華に連れられて、千手百目神像へと赴く。

 

「あそこに居るの、蛍とトーマじゃねーか!?」

 

何という事か、神の目がはめ込まれた神像の前には薙刀(なぎなた)を持った紫髪の女性が居て、それに相対する形で蛍が立っている。その背後には両手を縛られたトーマが跪いており、野次馬の数からしても逼迫(ひっぱく)した状況なのは明らかだった。

 

「目狩りの儀式です。大衆の前でトーマが持つ百個目の神の目を狩る事で、目狩り令の段階的な成果を示すつもりなのです」

 

「何だって?てことは、あそこに居る怖そうな人が雷電将軍か?」

 

トーマの話では、将軍が確実な動きを見せるのはもう少し先という話だったはず。

それからまだ数日しか経っていないというのに、こんな大事になるなんて想定外にも程がある。見たところ、せめてトーマを逃がす事さえ出来れば、蛍なら一人でも切り抜けられるだろうか……

 

ダメだ。

見ればわかる。

 

俺はこれでも魔王軍幹部や危険なモンスター、果ては機動要塞デストロイヤーと数多の強敵と死闘を演じてきた。しかし、雷電将軍はその中でも過去一クラスにやばい。その証拠に俺の危機感知センサーがビンビンに反応し、警鐘を鳴らしていた。アイリスよ、あれの何処が話せば分かるタイプの人間なんだ?

どう見ても傍若無人とかそういうレベルを超えている……

 

 

蛍の前に降り立った将軍が、凄まじい雷光を纏い胸から一本の刀を引き抜く。

 

(何だあれ!?胸から刀取り出してるぞ。完全におっ〇いソードじゃん……)

 

胸から刀を引き抜くという光景のインパクトに気を取られている間に、その仰々しい刀を構えた将軍が蛍との熾烈な戦いを繰り広げる。

だが、蛍の卓越した力量を持ってしても雷電将軍には敵わない。

 

「あ、やばい!」

 

蛍の踏み込みが見切られ将軍の一閃が、彼女を捉えた。

それによって蛍は倒れ伏してしまう。それに対して、将軍は最後の一太刀を浴びせようと蛍へと近付いた。

 

「畜生、何か方法は……」

 

狙撃で意識を逸らすか?

いや、そんなちゃちな方法じゃ将軍の意識を逸らす事なんて出来やしない。もっと大きな何かが……

 

「――やぁあああああッ!!」

 

「っ、この声は?」

 

瞬間、見慣れた金髪が舞った。

人混みを飛び越えて千手百目神像の前に躍り出た聖騎士は、勇猛果敢に将軍へと肉薄する。

 

「ダクネス!?」

 

ダクネスの振るった剣は将軍に当たる訳もない。

しかし、蛍を危機一髪の状況から救うには十分な一手だった。新たな敵の登場に僅かに将軍が意識を逸らした隙を見計らって、拘束を解いたトーマが蛍へと駆け寄る。

 

「逃げろ!ここは私が食い止める!」

 

「ッ―――分かった……!」

 

そう、あの変態騎士は生粋の変態だが同時に騎士でもある。

守る者を背中に背負えば、誰よりも気迫と勇気を発揮するのがダクネスって奴の性なのだ。トーマもその気迫を前に従うしかなく、蛍を連れてその場から退却する。

 

「逃げた彼女を目狩り令の対象に――この騎士は私が屠ります」

 

将軍の指示で武士が蛍とトーマの追跡に出る。

 

「綾華、お前は早く木漏茶屋に戻れ!ここに居るとお前にまで危険が及びかねない!」

 

「ですが、カズマさんはどうするのですか?」

 

「俺は、困った事にアイツを放って逃げるなんて出来ないみたいだ」

 

あれでもダクネスは苦楽を分けた仲間だ。

怖いし、すぐにでも逃げたい。けど、アイツを放って逃げる事だけはどうしても出来そうにない。これは打算でも何でもなくただの意地だ。

 

「大丈夫だって、俺の武勇伝を忘れたのか?将軍相手にだって遅れは取らねーよ!」

 

「………分かりました。武運を祈ります」

 

綾華はなおも食い下がろうとした様子だったが、すぐに口を噤んでその場を後にする。

その背中を見送って、俺は弓を取り出すと力強く握る。ダクネスは持ち前の硬さで何とか将軍の猛攻に耐えているものの、いつになく余裕がない。

 

「どうする?このまま突っ込んでった所で、俺もダクネスも首ちょんぱされて終わりだ。せめて、上級魔法クラスの火力でもあれば……火力?」

 

俺はふと、持っていたバッグに手を突っ込み入っている『丸っこいソレ』を見つけて閃いた。

 

「――これだ!!」

 

我ながら明晰過ぎる頭脳が恐ろしい。

これ(・・)を使えば、将軍の気を引くくらいなら出来るはず。思い立ったなら行動するのみ、まずはダクネスへの救援を急ごう。

 

「ぐああぁぁあ!?くっ、何という重く鋭い刃だ。これは……」

 

「ダクネス!今助けに――」

 

「想像以上だッ!もっとだ、もっと私を斬れぇ!!」

 

「……………」

 

ですよねー。

そんな事だろうとは思ったよ。やっぱり俺の助けとかいらないんじゃないのか?

このまま俺も木漏茶屋に逃げようかな?

 

生半可な攻撃では傷一つ付かないダクネスをこんな短時間で傷だらけにしている将軍は素直に凄い。だが、一向に倒れる様子もなく、むしろ感極まった笑みを浮かべるダクネス(変態)に、流石の彼女も怪訝な表情を浮かべていた。

 

しかし、今回ばかりは相手が悪い。どれだけダクネスが真正の変態でも、人間である以上限界はある。

そう、俺の目には確かに映っていた。彼女のいつもは見せない変化が――

 

「違う。あれ、ガチでヤバイやつだ」

 

今のダクネスの表情は、もはやドMの喜色とかそう言ったのを飛び越えて完全にガンギマッていた。

それを見て確信する。あれは並外れた耐久力でじわじわと死の淵に追い詰められている事から生じる、一種のトランス状態なのだと……

 

「あんのド変態がっ、キツイならさっさと逃げろよ!!」

 

居ても立っても居られず、俺は百目神像へと飛び出す。

ダクネスにクリティカルな一閃が炸裂する直前に最小限の動作で弓を引き絞って放つ。

 

「ン、ソゲキッ!!」

 

幸運値に由来するスキルである以上、俺が意図して狙う必要はない。

当てたいと思えば当たる。これがこのスキルのいい所で、事実俺の放った矢は一直線に将軍へと飛翔し直前に刀で打ち払われた。

 

「なっ、カズマか?」

 

「おう変態クルセイダー!加勢しに来てやったぞ」

 

「あ、あぁ……助かった」

 

そう言いながらも若干残念そうな顔をしていたのは見なかった事にしておこう。

 

「ふむ、その容姿に出で立ち。成程、あなた達が璃月にて魔神オセル討伐の一躍を担った冒険者ですか」

 

「そういう事だ。俺達をそう簡単に倒せると思ったら大間違いだからな!」

 

俺とダクネスだけじゃ心もとないが、こういった展開ならどうせアイツらも……

 

「カズマ!!」

 

ほら来た。

頭のおかしい爆裂娘の登場だ。

 

「遅いぞお前ら!もう少しで俺もダクネスもくたばる所だったんだからな?」

 

「ふっふっふ、この私が現れたからにはもう安心です。我が必殺の一撃を持って、雷光もろとも消し飛ばしてあげましょう!」

 

流石にこんな所でぶっ放すのはマズイなんてもんじゃないが、あの将軍が相手じゃあそんな悠長な事を言ってられるか怪しい。それに、ここにはまだ足りない。まだの青髪のポンコツ駄女神が――

 

「おいめぐみん、アクアはどうした?」

 

「あれ?さっきまで一緒に……って、あー!?あそこです、逃げようとしてますよ!」

 

めぐみんの示唆した方向を見ると、そこには確かに人混みに紛れて逃げようとするアクアの姿があった。

 

「てめえ駄女神!一人だけ逃げようとしてんじゃねー!」

 

怒鳴り声にぎょっとした様子でこちらに振り向いたアクアは、それでもなお潔くこっちに来る様子はない。

 

「くそ、往生際の悪い。こうなったら……アクア!今ちゃんと戦えば、借金全部立て替えてや――」

 

「本当っ!?言質とったわよヒキニート!」

 

とてつもない変わり身の早さである。

それはもうお手本のような180度回転で踵を返し、無駄に高いステータススピードによる疾走で神像の前に躍り出る。よし、コイツは後でセイライ島の中心にでも埋めて来よう。

 

「むっ、あなたは……」

 

雷電将軍はアクアを見て目を細める。

 

「ちょっとあんた!将軍だか何だか知らないけど、下位神の分際でよくもダクネスを虐めてくれたわね!永遠がどうとか意味わかんない事言ってないで、少しは現実みなさいよ!古いのよ!」

 

おっとこれは辛辣。

見ろよ、これまですまし顔だった将軍がとても不機嫌そうに眉をひそめてるぞ。

 

「……あなたには分からないでしょう。理想を追い求める事もない、あなた達(・・・・)では……」

 

刀の切っ先をアクアに向ける。それによってそれまでの威勢は何処へやら、アクアは顔をさと青ざめて後退った。

 

「あなた達は『永遠』の敵」

 

ぴしゃりとそう言い放つと雷電将軍は雷元素を纏い、神速とも思われる踏み込みでアクアへと接近する。

 

「危ない!!」

 

ダクネスが寸前で反応し迫った刀を受け止めるが、足場が軽く沈むほどに力強く押し込まれる。

 

「アクア!ダクネスに支援魔法を!」

 

「っ、分かったわ!ヒール、パワード、プロテクション……ヴァーサタイル・エンターテイナー!」

 

「芸達者になる魔法かけてどうすんだ!って、うおおぉお!?」

 

足場が揺れる。

その発生源はダクネスの足元を起点としていて、アクア謹製の支援魔法を受けた事により少しずつその刀を押し戻していた。

 

「ぐ、おぉぉぉおおお!!」

 

すげえ、あのダクネスが珍しくクルセイダーっぽい活躍を見せている……

普段は剣を振ろうと、突き出そうと、絶対に当たらないので実感する機会こそ少ないものの、一度鍔迫り合いにさえなってしまえばダクネスの怪力に勝てる奴はそう居ない。それに今はアクアの支援魔法も受けているし、幾ら将軍の一太刀とは言っても押し返す事は十分に可能だ。

 

「ッ!」

 

渾身の力でダクネスは刀を弾き返した。

それによってよろめいた隙を俺は見逃さない。

 

「今だ、クリエイトウォーター!からのフリィィズッ」

 

即座に将軍の足元を凍らせる。

 

「こんな手は――」

 

「ああ効かないよな?そんな事わかってんだよ!」

 

バッグから五つの野球ボールサイズの球体を取り出して思いっ切り投げる。

次々と足元に転がったソレを見て、将軍は怪訝な顔をしたもののすぐに球の正体に気付き目を見開いた。

 

「本命はこっちだ!ティンダー!!」

 

炎の初級魔法を球に向かって放つ。

将軍はその場から飛び退こうとするが、ここに来て足場が凍っている事が災いし足が滑ってつんのめってしまう。初級魔法の火が球に届くと……

 

「お前ら、伏せろぉおお!!」

 

大声で叫び身を低姿勢に屈めた。

耳をつんざく轟音と爆風が爆ぜた。その都度五回に渡って起こった連鎖爆発は、容易く神像に設けられた木造の足場を決壊させ周囲に居た俺達ともども吹き飛ばす。衝撃が止んでも煙幕が立ち込めて、将軍の安否は分からない。

 

「どうだ?ウィズ魔道具店お手製の爆薬五連発だ!少しは効いただろ?」

 

依頼で余った分を返しそびれていたのが功を奏した。

爆薬の威力はそれこそ上級魔法クラスの衝撃を生み出し、ボロボロになって今にも崩れそうになった足場の上に視線を凝らす。すると、数秒して紫電の一閃が煙幕を切り裂く。そこから現れたのは、相変わらずポーカーフェイスな将軍様だった。

 

「はぁ!?嘘だろ……」

 

衣装は所々焼け焦げているものの、本人に目立った外傷はない。

馬鹿な。あの爆発を至近距離で受けて無傷だと……?一個につき五万モラはする爆薬を計五個だぞ?全く、テイワットの七神ってのはどんだけ規格外なんだ。

 

「小癪な」

 

「ひっ」

 

その眼光が次は俺に向けられる。

怖え、一睨みされるだけでちびりそうだ。でも、この俺はサトウカズマ。数多の強敵を屠りし者ッ!こんな睨み一つ怖がっていられるかってんだ。それに、そろそろこっちの切り札も準備が整う。爆弾をこんなにもあっさりと防がれたのは予想外だったが、目にもの見せてやるぜ。

 

「ふっふっふ、感謝しますよカズマ。この私に、とびっきりの舞台を用意してくれた事を!!」

 

うちには居る。火力だけはぶっちぎりで最強のメイジがな。

 

「っ!?これは……」

 

ここに来て、将軍が初めて驚きの声を上げた。

上空を見上げると、彼女を標的に定めた赤黒い巨大魔法陣が天高く展開されていたのだ。

 

「我が深紅(しんく)の流出を以て、白き世界を覆(くつがえ)さん……」

 

足場を凍らせるのも、爆弾すらもブラフ。本命に隠れた大本命。

俺が無意味にも思える時間稼ぎに必死になっていたのは、めぐみんの爆裂魔法を雷電将軍に気付かれずに準備する為だったのだ。

 

「させませんッ!」

 

将軍もこれは流石にまずいと判断したのか、ここ一番の気迫を放つ。

あと二秒、されど二秒の隙を彼女は許さないだろう。だが、彼女はそこで俺へと向けていた注意を完全に外してしまった。更に、ここまでの戦闘で僅かばかりに平静を乱され、万全の状態の時よりは抵抗力が落ちている。

 

これが最後の手札。掴み取る、この手で――

 

「うおお!スティール!!」

 

手を伸ばし、盗賊スキルを発動。

光が収束すると、柔らかで手触り良く、そして少し温かみのある感触が俺の手の中に収まった。

 

「なっ……!?」

 

雷電将軍は顔を赤らめて足を止めた。

それも一瞬の淀みだったかも知れないが、それだけあれば十分だ。紅魔族特有の赤い瞳が輝きを内包し、魔の光は爆炎となって顕現する。

 

「エクスプロージョン!」

 

千手百目神像ごと将軍に直撃せんとした一撃。

将軍は目を見開き、視線や注意といったあらゆる集中力を全て空へと向けて刀を構えた。

 

「稲光(いなびかり)――」

 

無想の一太刀。

 

「すなわち永遠なり」

 

かつて島を斬ったとされる一太刀がめぐみんの爆裂魔法と激突する。

稲妻城下は赤と紫の混色めいた輝きに照らされ、誰もが目を瞑り、そして凄まじい轟音に耳を塞いだ。

 

 

 

天へと立ち昇る柱の如き光と、大噴火を思わせる衝撃が収まった時、千手百目神像の前にはすでに敵の姿はなく……雷電将軍のみがその場に取り残されていた。

 




ガチ戦闘はやはり考えるのが楽しい

補足
Q.蛍と雷電は一心浄土で戦っていたからカズマには見えないのでは?
A.何か見えてます。そうカズマさんだから……

Q.雷電将軍のアクアに対する発言は?
A.七神は基本的に(ウェンティや鍾離も含め)初見でアクアがお外の神である事を見抜けるので、そういう事です

Q.間の数日の話とか省略し過ぎじゃない?
A.省略されている部分は『世界任務』の為の空白なので設定上は一応あとで埋まります


作者から問題(質問)です
雷電将軍の下着は外から見えるあれ一枚?
それとも中にちゃんとしたのを着ている?
↓答えはアンケートに

雷電将軍の下着についてのアレコレ

  • 外から見えるアレ一枚?
  • 中にもう一枚着ている?
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