この素晴らしいテイワットに祝福を!   作:グランドマスター・リア

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幕間エピソードです
題して【世界任務】
本編には直線関係ないキャラエピ的なのをこういった形でのせて行こうと思います

今回はカズマさんが甘雨、刻晴と一緒に任務に行く話です


【世界任務】この宝盗団に終止符を(甘雨・刻晴のターン)

 

今日は、一か月ぶりの休み。休暇だ。

借金返済の目途がたった事で、ようやく俺は腰を据えて璃月を見て回る時間を得たのだ。てなわけで、俺は一人璃月港へと繰り出している。因みにあいつらは別行動。アクアは早速酒を探しに行ったし、めぐみんはダクネスと共に爆裂散歩へ繰り出した後、街で食べ歩きをするとのこと。

 

と、早速俺は往来の先に見知った顔を見つける。

 

「よお、刻晴じゃないか!」

 

「げっ、カズマじゃない……」

 

おいゲッてなんだ、ゲッて。

朝っぱら対面早々に失礼じゃないかこいつ?

 

「あら?この人が、昨日酒場で蛍さんの下着を奪ったという?」

 

「ええ、噂通り真正の変態よ。甘雨も気を付けなさい?油断したらそのいやらしい男に何されるか、分かったもんじゃないわ」

 

恐らく彼女が言っているのは、昨日酒場で寄った勢いで蛍のパンツをスティールしてしまった件に関してだろう。

にしたってその言い方はあんまりじゃないだろうか?

 

「おい人聞きの悪い事を言うのはやめてもらおうか?変な噂が広まったらどうするんだ」

 

「そう思うなら、もう少しマトモな生き方しなさいよこのド変態!いつまでも女の子へのセクハラをやめないからそうなるんでしょう!?」

 

凄まじい剣幕にこの男女平等主義者のカズマさんもたじろぐ。

 

「フフッ、もっと悪辣非道な極悪人のような方を想像してたんですけど……意外と普通な方なんですね?」

 

「コレが普通?……甘雨、この男はね?本当にどうしようもない奴なの」

 

「だから……」

 

遮ろうとした俺は刻晴に剣呑な視線で睨まれてひぇっと情けない声を出してしまう。

 

「どさくさに紛れて女の子の胸は触るし」

 

「いや……」

 

「下着を剥ぎ取った挙句、それをダシに有り金捲き上げようとするし」

 

「その……」

 

「この前なんて、私のお尻を――」

 

「すみませんでしたぁーー!!」

 

耐えきれなくなった俺は即座に泣き土下座をかました。

流石にこんな美少女二人からゴミを見るような視線を向けられるのは、健全男子高校生であるサトウカズマさんには堪える。更に刻晴はうちのメンバーとは比較にならない常識人で、それはもう蛍に次ぐくらいめちゃくちゃ優しい子なのだ。

 

どれくらい優しいかって言うと……借金返済の日々でやさぐれた俺が屋台で飯食ってたら、隣に座って愚痴を二時間ほど聞き、さらにヨシヨシしてくれるくらいには優しいのだ。

恐らく、隣に居る甘雨も、このおっとりした性格からして人を蔑むようなタイプには見えない。

 

そんな二人からの蔑みの視線?ああ耐えられるわけないね畜生。

 

「はぁ……それで、あなたはこんな所で何してんのよ?」

 

「いやぁ、借金の返済にもようやくひと段落したからさ?どうせなら、璃月港を見て回ろうかと思って」

 

「あの額をよくこんな短期間でどうにかできたわね……そこはある意味凄いというか、何というか……」

 

とある人は言った「この男は強いのか弱いのか分からない。だけど、絶対に敵に回したくない」と。

このカズマさんもやる時はやるんです。そこん所、ちゃんと分かっといて欲しい。

 

「それほど凄い方なのでしたら、今回の件(・・・・)も彼に手伝ってもらうのはどうです?」

 

「え?こいつに?」

 

おっと何の話だ?

刻晴は『璃月七星』、甘雨もその秘書という訳で……所謂国でもトップクラスのお偉いさんに当たる。そんな二人なら、普段から璃月各地の津々浦々、武力的なものから事務的なものまで、様々な問題の解決に追われているのは想像に難くない。実際、七天神像破壊事件を始めとして、俺達が起こした大抵の問題も刻晴が処理してくれている。

だが、これだけは分かる。

つまり、その厄介事の一つに、今俺は巻き込まれようとしているという訳だ。

 

「そ、それじゃあ、俺はこの後用事があるからこれでー」

 

エリスのような幸運の女神ながらば突くだけつつくが、藪蛇、疫病神の類は避けるが吉だ。

しかし、そんな俺の手を背後からガシッと掴み華奢な腕。あらまあ、柔らかい感触……ってそうじゃなくて!

 

「……おい、何だ刻晴?」

 

「あなた、さっきまで今日は暇だって言ってたわよね?それなら、ちょっと私達の用に付き合いなさい」

 

掴まれた手を振り払って、俺はニヤリ口角を上げる。

 

「おいおい、それが他人(ひと)に物を頼む態度かぁ?そういう時はな?『お願いします、カズマ様』と――」

 

「この前『あー手が滑った!』とか言って、私のお尻を触った事皆にバラすわよ?」

 

「是非ともこのワタクシめに手伝わせてください!刻晴サマァ!」

 

勇んでは見たものの、敢え無く撃沈したのだった。

 

だが違うんだ世の中の紳士淑女諸君。

俺が今彼女が言ったような行為に及んだのには深い、ふかーい理由があって、そもそもの発端は借金に関する交渉に行った時だ。あの時、何とか初期返済額だけでも下げてもらおうと刻晴に直談判に行った俺は、あまりにも素っ気ない対応を返す彼女に……つい、本当につい、魔が差してしまったのだ。

 

『私は仕事で忙しいの。他に用がないなら出て行って』

 

何て言いながら、脚立に登って本棚を物色する刻晴。

そのスカートからスラット伸びる黒タイツに包まれた脚!

そして、何と言ってもチラリちらりと見え隠れする可愛らしい桃。

 

元来より、黒タイツは男の夢だ。だがうちのパーティーには、タイツはおろかストッキングを着用している者すら居ない。

そう、これは天啓だったのだ。潜伏スキルを使用し、気配を消しながら刻晴の背後に接近。そして、やれば間違いなくボコボコにされるという一瞬の葛藤の後に……これは邪険にされた腹癒せだと自身に言い聞かせ――

 

『あー、手が滑った!』

 

その両の手を惜しげもなく伸ばし、ぐいっと触れてみれば。何という事か、ナイロン生地に包まれた柔らかな感触が、邪険にされてささくれた心とても幸せな気分してくれた。

もはや一片の悔いなし。

 

『ひゃっ!?』

 

可愛らしい悲鳴を上げながら脚立から飛び降りた刻晴によって、俺はその場で血祭りに上げられた。

 

――え?俺が悪い?

……すみませんでした!

 

 

 

*△+このすば+▼*

 

 

 

刻晴と甘雨の仕事とは、宝盗団のアジトへの潜入と奪われたお宝の奪取だ。

何でもかなり規模の大きい組織らしく、近頃大規模な討伐隊が組まれるそうだが、その偵察もかねての任務らしい。とまあ、盗賊スキルを持つ俺にはピッタリな案件。王城にも侵入した事がある俺には役不足だぜッ!

 

と、息まいて侵入開始。

潜入は順調で、途中まではかなり上手く行ってたんだ。

 

「あんたの『潜伏スキル』?ってやつ、本当に便利よね。割と近くに居るのに全く気付いた様子がないし……」

 

「確かに便利だけど、あまり過信しすぎるなよ?バレる時は普通にバレるんだからな」

 

目的のお宝もくすねて、後はズラがるだけ。

あの馬鹿共が居ないだけあって、驚くほどスムーズに事が進む。むしろ、あまりの波乱の無さに疑心を抱くほどだ。

 

「お二人とも、静かに……誰か来ます」

 

甘雨の呼びかけで息を潜ませた俺達は、通路の向こうから歩いてくる二人の盗賊を確認した。

 

「流石にこの狭い通路じゃ、潜伏を使っていても鉢合わせたら見つかる!二人共、こっちにっ!」

 

咄嗟に二人を連れて、手近な部屋に押し入る。

幸いな事に、そこは倉庫部屋のようで、薄暗くめちゃくちゃ狭いこと以外は隠れるのにかなり適した場所だった。

 

「一先ず、あいつらが行くまで隠れて……ってか狭いなここ」

 

ギッチギチに荷物が詰め込まれた部屋は灯りも無ければ、三人の男女が余裕を持って入れるだけの隙間もない。

それはもう所狭しと身を寄せ合う状態な訳だ。いい匂いとか、肩越し背中ごしに柔らかい感触とかが……

 

(待てよ、この状況はッ!)

 

男一人に美少女二人、それがこうも密着すれば当然あーんな所やこーんな所が触れ合っても仕方がない。これは盗賊に見つからない様にする為、滞りなく任務を遂行する為に仕方のないことなのだ。

 

「あ、ちょっとカズマ!変な所触らないでよ!」

 

「ただでさえ狭いんですから動かないでくださっ……ひゃあ!?角はダメ、角はダメぇ!?」

 

「仕方ないだろ?狭くてろくに身動きが取れないんだ。そっちこそもっと詰めてくれ!」

 

そうッ!

つまりはッ!

 

今この状況なら、刻晴と甘雨のあれやこれを合法的に、かつ正当な理由で触れるという事。ふっふっふ、やはり俺は天才だ。降ってわいた幸運とはこの事、幸運の女神エリス様に次ぐ最高の幸運値を誇る俺に、もはや敵は居ない!

さあて、次は何処を触ってやろうか?

ワキワキと手を振るわせ、その柔肌へと伸ばそうとした。だが、その時だった。

 

『ん?この辺りで声がしたような……ここか?』

 

「やばい、まず……!」

 

扉の外から声が聞こえ、その次の瞬間、倉庫の扉が開け放たれる。

 

「あ、どうも」

 

「く、曲者ォ!!」

 

そう、美味い話はない。何せこの世界は、ちっとも俺の思い通りにならないのだから。

 

「畜生いいところでぇ!!」

 

「な、貴様なにを……ゴハァッ!?」

 

俺は即座に目の前の盗賊の顔面に膝蹴りをかまし、部屋を脱出する。いい所を邪魔されたせめてもの仕返しだ。

 

「ああもう最悪!カズマ、後で覚えときなさいよ!」

 

「今ので侵入がバレました。とにかく逃げましょう!」

 

三人揃って出口に向かって走り出す。

先程の騒ぎで駆け付けた盗賊達が行く手を阻む。

 

「――『おさわり厳禁』!」

 

「――『迅影の如く』!」

 

それらの盗賊達は刻晴と甘雨のコンビネーションによって次々と突破されていく。

だが、当然それだけで易々と帰らせてくれる盗賊達ではない。今度は後方からも追手が迫っていた。

 

「後方からも来ます!」

 

「たく仕方ねえ、俺もいい所見せないとな!――『クリエイト・ウォーター』!」

 

床に水を捲き、

 

「からの『フリーズ』」

 

そしてそれを凍らせる。俺の十八番戦術によって、追ってきた盗賊達はそれによって足を取られて転び身動きが取れなくなる。

 

「へぇ、結構やるじゃない。後ろは任せるわよ!」

 

正面には刻晴と甘雨の武闘派コンビ、後方には盗賊スキルと魔法を合わせた妨害やトラップの数々があり、盗賊達はろくに俺達に近づけないまま既に出入口間近まで来ていた。

これがいつもの三馬鹿ならすでに宝盗団のアジトごと爆裂魔法で吹っ飛ばすか、袋叩きにあってるかの二択だが、今はもう何も怖くない!

 

「よし、そろそろ出口だ!」

 

外にさえ出られればこっちのもの、ようやくこの脱出劇も終わり。……かに思えたが、俺はどうにも嫌な予感がしてならなかった。

このサトウカズマ。自慢ではないが、上手く行ってる時ほど後でそのしわ寄せが来ることを知っている。

 

例えば出口までもう少し、このまま行けば問題なく任務完了。――なんて状況、これまで何度もあった。その度にあの三人のうち誰かが馬鹿やらかして、全てがおじゃんになるんだ。いや、誰がもはや何をしなくても必ず全てがパーになるまである。

 

出口まで少しという所で、俺はそれと対面する事になる。

 

「ヒャッハー!侵入者共め、のこのこと現れやがったなぁ!!」

 

「お頭の言う通りだ!ここで待ってたら本当に来やがった!」

 

ほら、ほぉらぁ!

四方八方、囲まれてますよ。ざっと数えただけでも数十人はいる。出口まであと一歩って所で、ひらけた部屋があればそこはボス部屋って相場が決まってんだ。

 

「畜生、何でこういつもいつもあと少しって所で上手くいかねぇんだよ!ふざけんなぁ!!」

 

「ちっ、私も焼きが回ったわね。こうも簡単に敵の策にハマるなんて……」

 

「言ってる場合ですか……この状況では、もう逃げ切るのは不可能でしょう。はぁ……潜入任務のはずが、これでは殲滅任務ですよ……」

 

こちらも三者三様な印象を見せる中、宝盗団のボスは手に持った曲刀を舌なめずりし、下卑た笑みを浮かべて邪な視線を刻晴と甘雨に向けた。

 

「ガキはどうでもいいが……そっちの二人は中々の上物じゃねぇか!へッへッへ、今からその体を堪能するのが楽しみだぜ!」

 

キモッ!?アルダープのおっさんよりキモイぞこいつ……

刻晴と甘雨も、これには嫌悪感を隠し切れず顔を青ざめて震え上がる。

 

「き、キショすぎる……下種さで言えばカズマといい勝負ね」

 

「ええ……私も長く生きてはいますが、ここまで下劣な男が、二人も同じ空間に存在するなんて経験は初めてです」

 

「ちょっとお二人さん!後で俺と少しお話しようか!?」

 

よし決めた。無事この場を脱出できたあかつきには、一体この俺の何処が『下種』で『下劣』なのかたっぷり教え込んでやるとしよう。

 

「……敵の前で仲間割れとは余裕だな?だが、その能天気さがいつまで続くかな?かかれぇい!!」

 

「「「おお゛!!」」」

 

ジョシュアの指示で盗賊達がいっせいに動き出す。

それに対して刻晴と甘雨も纏う空気感を変えて、それまでとは打って変わった真剣な表情になった。

 

「甘雨、合わせるわよ――『我が剣よ、陰に従え!』」

 

「はい――『琉璃のように落ちなさい』!」

 

甘雨が氷元素で作り出した花を天空に打ち出すと、そこから巨大なつららの雨が降り注ぐ。その瞬間、刻晴の体は紫の残像を残してかき消えて、つららの雨に釘付けにされた盗賊達を、四方八方から斬撃した。

 

「「「ぎやぁぁああ!?」」」

 

これによって襲い掛かってきた盗賊達は敢え無く吹っ飛ばされていく。

 

(すっげぇ、何だあれ!?)

 

もはやそれは戦いではなく、蹂躙、完封と言った方がいい。

最初こそ苦戦を強いられるかと思ったが、そんな事はぜぇんぜんない。どれくらい一方的かと言うと、紅魔の里に魔王軍が攻めてきた時並みだ。

 

「これ、俺いるか?」

 

そもそも潜入などせず、最初からこの二人で宝盗団を壊滅させられたんじゃないだろうか?

 

「神妙にお縄につきなさい!」

 

「逃げ場はないわよ!」

 

……決めた、もうこの二人にちょっかいかけるのはやめよう。

氷漬けにされた末に微塵切りにされかねない。

 

「ふぅ、これで全員ね」

 

「えげつねぇ。こいつら……全員泡吹いて気絶してるぞ?」

 

容赦のなさで言えば悪魔を前にした女神なみ。

意識が残っているのは、既にボスのジョシュアだけだ。

 

「さて、この下種男。いかようにしんぜましょう?」

 

「そうね、まずはデストロイじゃないかしら?」

 

卑猥な目線を向けられたのがそんなに気に入らなかったのだろうか。まあ、どっちも基本的には潔癖そうな性格してるしなぁ……俺よく今まで生きてたな?

 

「ハハッ……中々やるじゃねぇか?だが、お前らはもう終わりだ」

 

「おいおい、そんなボロボロの状態でどうするってんだ?また仲間でも呼ぶなら良いぜ?こちらの刻晴サンと甘雨サンが相手になってやるからよ!」

 

「戦うのは私達なのに、何であなたがそんなに偉そうなのよ」

 

何とでも言うがいい。

今この場において、向こうは下。俺は上だ。強くて優しい刻晴様と甘雨様の庇護を得られるってんなら、腰巾着だろうがなんだろうが喜んでなってやる。

 

「仲間はもういねぇ。だが、このアジトは至る所に、炎をスライムを原材料にした樽爆弾をしこたま仕込んであるのさ!俺が装置を起動すれば、一分としないうちに基地ごとおじゃんって寸法よ!そして……」

 

「お、おい、まさか……」

 

ゲラゲラとジョシュアは高笑いを上げ、右手を天に掲げた。

 

「その装置はこいつだぁ!!既に起動済みって訳よ!あと二十秒としないうちにお前らはおしまいだぁ!」

 

「に、逃げろぉぉおお!」

 

俺達はその場を一目散に逃げ出す。

ハッタリの可能性はある。だが、もしもあいつが玉砕覚悟で本当に爆弾を仕掛けていたなら……

 

出口の光が見え始めたと同時に、アジト内に爆発音と思われる轟音が響き始める。それと同時にアジトの床や壁が大きく揺れる。

 

「うおぉぉおおお!死んでたまるかぁ!」

 

「ひやぁ!?アジトが崩れ始めたわよ!大丈夫なの!?」

 

「大丈夫じゃないですよ!この距離ではとてもじゃないですが間に合いません!」

 

爆発によってアジトが崩れ去り生き埋めになるのが先か、脱出が先か。このままじゃ、どんだけ頑張っても前者が関の山だ。いや、こういう時こそ冷静になれサトウカズマ。今までだって、こういう窮地を何度も乗り越えて来ただろ?

ここから出口までは一直線で距離およそ五十メートル。

いや、イケる!

 

「クリエイト・ウォーター!」

 

今出せる全力の水生成で一方通行の通路を水浸しにしていく。

 

「今だ、甘雨!」

 

「ッ、はい!」

 

氷の元素力で通路を氷漬けにする。

俺はその上に勢いよくスライディングをかまして、カーリングのように滑る。だが、それだけではまだ足りない。あともうひと押し。

 

「刻晴っ、ぶちかませぇ!」

 

「これでどうよぉぉおお!」

 

後方に向かって雷元素を乱発して、そこに俺のティンダーを合わせる事でブーストを得て超高速にまで加速。

 

「「「いぃやぁぁああああ!」」」

 

瓦礫の落ち始める回廊を、四方八方で爆発する火薬の衝撃と熱風の直撃をくらいながら、ジェットコースターなみの速度で駆け抜け――崩れきるまさにその寸前で、出口から飛び出した。

そして、その先には璃月の軽策に広がる美しい湖。

 

「カズマ。おうち、帰る」

 

ザバーンと俺達はそのまま湖へと真っ逆さまに放り出された。

 

 

 

その後、命からがら生き延びた俺達は……全身ボロボロのあられもない姿になりながら、半泣きの状態で璃月港へと帰還した。

任務は一応、成功という事だったらしいが当然俺には何の得もない。むしろ、衣服がズタボロの状態で涙ぐむ美少女二人を連れまわす鬼畜冒険者として、この先数週間は白い目で見られ続けるだろう。

 

「………納得いかねぇ」

 

夜の小屋台の店先で、俺は酒の渋みを味わいながらそうこぼしたのだった。




殆どぶっ飛ばしたモンドのエピソード何かもこういった形でやっていこうかと
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