身長2m28cmの大男、平成元年の日本に転生する   作:はるあき 007

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さて、いよいよプロデビューです。
実際のリーガABCと同じチームや制度をそのまま使うのも良くないので、主人公の所属するチームやリーグの制度は架空のものです。
スペイン語を併記すると読みにくくなりそうなので、これ以降外国語での会話は『』で表現します。
あと、バスケの用語が増えてきたので、近いうちに用語集を作ります。



15歳-2 スペインにて

さて、ルーカスからの勧誘に乗って、ついにスペインのリーガABCでプロデビューすることを決めた。金欠でバッシュも買えない状況だったからな、渡りに船ってやつだ。

 

リーガABCのレギュラーシーズンは9月から翌年の6月まである。

しかし、引っ越しの手続きや契約、ビザの取得、そしてJBAからの謎の横槍など、様々な問題が発生したため、実際にスペインへ移住するのは2月中旬になってしまった。

 

まぁ中学の卒業資格も得られたので、時期的にはちょうど良かったかもしれない。

卒業式には出られなかったが、施設でお別れ会、というか壮行会を開いてもらった。子供たちのお小遣いや院長のなけなしの貯金で盛大に祝ってもらい、不覚にも泣きそうになったぜ。

 

「大兄ちゃん、頑張ってね!!ニュース見てるからな!」

 

「スペインで大活躍してね!」

 

施設の子供たちはみんな笑顔で見送ってくれた。

 

院長も涙を浮かべながら、「大、君は本当に素晴らしい子だよぉ。スペインでもその力を発揮するんだぞ。」と言ってくれた。

 

「院長…ありがとうございます。契約金が入ったら、ちゃんと仕送りしますから。」

 

「そんなこと気にしなくていいんだよぉ。君が元気で、そして成功してくれることが一番の願いだから。海外で生活して元気に過ごすだけでも、本当に大変なことなんだからねぇ。かくいう私も40歳のころフランスで仕事をしていたことがあった。金は稼げたが、あの頃はアジア人差別がすごくてねぇ。そんな中でも私は抜群のコミュニケーション能力でフランス人のガールフレンドを四人も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あと、うん仕送りは本当に出来たらで良いからね。そう、仕送りと言えば私がフランスに居た頃も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・という訳で結婚まではいかなかったんだが、あれは人生ベスト5に入る大恋愛だったね。まぁ彼女も祖国に仕送りを・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

院長は1時間弱に及ぶ自分語りを披露してきたが、その中に仕送りというワードをサブリミナルのように混ぜてきた。

 

本格的に金がないのかもしれないな・・・院長には本当に世話になったから、言われなくても仕送りするつもりではあるのだが。

 

ひとまず契約金が入ると思うから、それを送りたいところだ。

しかし、契約書類が全部スペイン語だったせいで、いつ入金されるとか、いまいちはっきりしないんだよなぁ

 

『ルーカス、これで本当に大丈夫なんだよな?』

 

『もちろんだ、ダイ。君の契約は金額の部分以外、ほとんど俺のと同じだ。心配いらないよ。』

 

ルーカスが言うなら大丈夫なはず…変なことにはならないと信じよう。

ちなみに、ルーカスはNBA入りを目指しているので英語で意思疎通ができる。これは本当に助かる。

 

俺もスペイン語を勉強し始めてはいるが、前世でも全く触れたことのない言語だったのでかなり苦戦している。せめて頭の柔らかい幼少期に勉強していれば…まぁいい。いざという時はルーカスを頼ろう

 

 

 

さて、俺の入るチームはルーカスが所属しているラバリアというチームで、地中海に浮かぶパルマという大きな島が本拠地だ。

現在の2004年シーズンの順位は5勝13敗の17位。リーガABCは18チームなので、ほぼ最下位である。このままだと来年は下部リーグへ降格が濃厚だ。

 

ルーカスのように優秀な選手がいるのに勝てていない理由は、監督のチーム作りにある。迷将セバスチャンがラバリアの指揮を取っているのだが、彼は「BIG4」と命名するチーム体制を作った。センター陣だけでなくガード・フォワードにもビッグマンを配置する方法である。

 

現在のスタメン

PG:アルフレード 184cm

SG:アントニオ  205cm

SF:ネルソン   211cm

PF:フランク   209cm

C :ルーカス   209cm

 

PGのアルフレードを除く全員が2m越えという巨大なチームだ。

リバウンドやゴール下の得点は支配できているが、機動性に欠けるため速攻や1on1からのミドルシュート、3Pシュートで得点を量産されて負けている。

 

「さて、俺はPFとして入ることになるそうだが・・・果たしてうまくいくかな?」

 

デビュー戦は2月末にあるバロサとの対決らしい。

俺はPFとして、ルーカスと共にインサイドを支配しないとな。プロとしての初戦、何としても勝つぞ!

 

 

 

 

【第19戦 ラバリアVSバロサ】

 

エドガー:『こんにちは、バスケットボールファンの皆さん!今日はラバリア対バロサの試合をお届けします。今日は特別な試合です。ラバリアはPGのアルフレードが前の試合で怪我をしてしまい、今日は彼に代わってアジアの新人、ダイが出場します。BIG5体制で挑むようですね。』

 

オスカー:『そうだね、エドガー。正直なところ、これはあまり賢い選択ではないね。ガードを入れるべきだし、何ならガードを二人追加してBIG3に減らしてもいいくらいだ。』

 

『ええ、BIG4の時ですらガード陣が機能していませんでしたからね‥‥さあ、試合が始まりました。バロサはスピードを生かして外での1on1を積極的に仕掛けてきています。アントニオやネルソンが簡単に抜かれていますね。』

 

『そうだね。でも、ダイが積極的にミドルシュートのブロックに行ってるね。デカいしよく飛ぶねー、彼は。そのおかげか、相手のシュートはあまり入ってないね。』

 

『ラバリアの攻撃はペイントエリアにいるルーカスやダイに上パスを入れ、ゴール下で勝負する方法です。ルーカスもダイも1on1でマークマンを圧倒し、得点を量産しています。』

 

『相手は積極的なヘルプディフェンスで対処してるけど、ルーカスとダイのパスワークが良くて、全く止められてないね。相手ディフェンスが右へ左へと翻弄されてて、タップダンスを踊ってるように見えるよ!』

 

『ルーカスとダイの連携が見事です!このコンビネーションは本当に素晴らしい。』

 

『彼らのプレーはまさに圧巻だね。特にダイは今日が初出場にもかかわらず、堂々としたプレーを見せてくれてるよ。』

 

 

・ハーフタイム

『前半が終わりました。ラバリアが56-46とリードしていますが、オスカーさん、前半のプレーをどう見ますか?』

 

『ラバリアは高さを活かしてゴリ押しできているけど、戦術的にはバロサの方が上手くやっているよね。ラバリアは高さに頼りすぎて、機動性が欠けているよ。』

 

『なるほど。バロサが機動力を生かした作戦を取れば、まだまだ逆転もありそうです。』

 

 

 

・後半戦

 

『さぁ、後半が始まりました。バロサは外にいる選手のドリブルにも積極的に手を出して、スティールを狙う戦法に変えてきました。』

 

『バロサの急所を狙ったディフェンスが効いてるね。まるで蜂のような戦い方だ。ラバリアのミスが増えてきたよ。』

 

『バロサがディフェンスで優位に立ち始めました。しかし、失敗してイージーショットを打たれる場面も多いです。』

 

『ああ。でも、やっぱりスティールが多いね。バロサが優勢になってきたよ。』

 

 

 

 

『デュークのジャンプシュート!・・入った!試合時間残り20秒!バロサのエースがシュートを決め、95-97と逆転しました。』

 

『残り20秒で逆転!こりゃ流れはバロサかなぁ。』

 

『しかし、ラバリア最後のオフェンスでダイが動きました。左コーナーに向かっています。』

 

『うん?ルーカスのためにスペースを作るのかな?』

 

『ダイがなんとコーナーでボールを受け取り、そのまま3Pシュート!ディフェンスの手の上を飛んで・・・入った!!アンビリーバブル!巨大なサムライがやってのけました!」

 

『信じられない!ここで打つとはね!ダイの冷静さと技術が試合を決めたよ!まるで映画のワンシーンの様だったね!』

 

 

『今日の試合、非常にエキサイティングでした!ルーカスやダイの個人の力が光りましたが、オスカーさん、総評をお願いします。』

 

『確かにルーカスとダイは素晴らしいプレーを見せてくれたね。でも、戦術的にはやはりBIG5は機能していないように思うね。だが、ダイの加入でチームは確実に面白くなっているのも事実だ。これからも目が離せないよね。」

 

『その通りです。今後のラバリアの成長が楽しみになる試合でした。それでは、今日はここまで。ご視聴ありがとうございました!』

 





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