身長2m28cmの大男、平成元年の日本に転生する   作:はるあき 007

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16歳-17 リーガABC プレイオフスタート

 

ついにリーガABCのプレイオフが始まった。

 

今季、ラバリアのレギュラーシーズンの戦績は28勝2敗だった。

圧倒的な戦績と言っていいだろう。

 

しかし、レアロも28勝2敗で全く同じ戦績だった。

やっぱあいつら強すぎるな。

 

前年度はプレイオフ初戦でレアロに負けてしまって悔しい思いをしたのを思い出す。

今年こそは優勝して、チャンピオンリングを獲得しないとな!

 

 

 

 

さて、堅守を誇るレアロに勝つにはオフェンスを再構築する必要がある。

今のラバリアの定番セットオフェンスを振り返っておこう。

 

セットオフェンスでは、基本的にPGの俺がドリブルをつきながら組み立てる形となる。

 

うちのファーストオプションはアントニオだ。

センターやフォワードのスクリーンを駆使することで彼をフリーにして、3Pを打ってもらう。

フリーになったアントニオの3P成功率は8割を超えるため、このチーム一番の期待値が出る。

このオフェンスが刺さり続ければ、点の取り合いになってもまず負けることはない。最強のオフェンスと言っていいだろう。

ただし、スクリーンを躱すのが上手く素早いディフェンダーがアントニオについている場合は、なかなかフリーになれないので成立しない。

レアロのラッセルとかな。

 

 

セカンドオプションはルーカスだ。

ゴール下でポジションを取ったルーカスにボールを入れて1on1を仕掛けてもらう。

ルーカスのパワーがあれば、ゴール下で相撲をとる(比喩表現)だけで相手を押し込んでダンクを決めることができるため、8-9割でゴールを決めてくれる。

相手のフォワードがダブルチームで来た場合は、ネルソンやフランクにパスを出すので彼らがダンクを決めてフィニッシュできる。

ガード陣がヘルプに行った場合も、ルーカスは冷静に俺やアントニオにキックアウトしてくれるのでフリーで3Pが打てる。

ルーカスのパワーがあれば、この戦法でほぼ負けることはない。

例外は、相手に同格のパワータイプのセンターが居る場合だけだ。

レアロのマウリカとか。

 

 

サードオプションは俺だ。

スクリーンが上手くいかずにアントニオがフリーになれない状況、かつ相手DFが上手いorルーカスの不調でボールがポストに入らない場合に選択される。

サードオプションではたいていシュートカウントが数秒になっているため、俗にヤケクソドライブとか呼ばれている。

俺としてはヤケクソではなく、冷静に判断しているつもりなのだが・・・まあいいか。

このオプションの成功率も割と高い。

但し、残り時間によってはマークマンを躱しきれない場合があったり、躱してもヘルプディフェンスが来てしまい時間的にキックアウトもできない場合があったりする。

こういうときはマークマン越しのシュートになるので、成功率が落ちる(5-6割くらい)。

 

リーガABCやユーロリーグでは、この戦法で勝ちを量産してきた。

シュートが外れても、うちはビッグ7の名の通り身長が高いおかげでオフェンスリバウンドも支配できているしな。

あまりに効果的なので、今季は他のオプションは入れずにこの戦法の完成度を高める方向で試合や練習をこなしていた。

しかし、限界も見えている。

この戦法では、レアロに勝てないのだ・・・

 

 

レアロに勝つため、最近は新しいセットオフェンスを組み込む練習をしている。

大きく分けて4つ、「俺のポストプレイ」「俺がハンドラーになるアイソレーションオフェンス」「俺がハンドラーになるピック&ロール」「俺のプルアップ3P」だ。

俺!?俺!俺!俺!俺!

まさに俺のオンパレード。

まあ、アントニオとルーカスがそれぞれラッセルとマウリカに止められている現状では、仕方がないところではあるのだが。

 

今日はプレイオフの初戦で、バロサとの試合がある。

いつもの戦法でも圧勝できる相手ではあるのだが、レアロとの試合まで時間がないからな。

ここは新しいセットオフェンスの練習台になってもらおうか。

 

 

 

 

 

【プレイオフ開幕戦】 ラバリア VS バロサ @バロスタジアム

 

『今日は新しいセットオフェンスをメインにして組み立てよう。定期的にタイムアウトを取って振り返るから、ワンプレイずつ丁寧に練習していこう!』

『『『『『おう!!』』』』』

 

珍しく監督らしいことを言ったセバスチャンに対して、俺たちは気合いの入った声で答えた。

スターターは俺とパブロ、アントニオ、ネルソン、ルーカスの五人だ。

セットオフェンスの合図を思い出しながら、センターサークルへと移動した。

 

周りを見渡すと、バロサのファンでスタジアムが超満員になっている。

バロサのサポーターは熱狂的で、黒色のチームカラーをまとったサポーターたちがウェーブを作り、旗やスカーフを振り回して歓声を上げている。大音量で流れる応援歌がスタジアム全体を包み込み、鼓動のような太鼓の音が響き渡っている。

バロサの選手たちがセンターサークルへ集まると、歓声は一層高まり、まるでスタジアムそのものが胎動するかのように震えている。

熱狂的なサポーターは各々の席から声を張り上げ、チームのスローガンを叫んでいる。

子供たちは憧れの選手の背番号入りのジャージを着て目を輝かせていて、大人たちは興奮を抑えきれず隣同士でハイタッチを交わしていた。

 

・・・・なんか、熱量がすごいな。

俺達、今からセットオフェンスの練習をしようとしているんだが。

大丈夫か?

不甲斐ない試合をしたら、バロサのサポーターに襲撃されそうだ。

 

 

ジャンプボールで試合がスタートした。

今日はジャンパーをルーカスに任せたのだが、問題なくボールを俺の元にはじき出してくれた。

いつもならドリブルしながらオフェンスを組み立てるのだが、今日は新しいセットを試す日だからな。

パブロにパスを出し、俺はゴール下へと移動した。

 

ペイントエリアで体を張ってパスを要求すると、早速パブロがボールを供給してくれた。

ボールを保持した瞬間にルーカスのディフェンダーがダブルチームを仕掛けてきたので、ゴールから離れる方向にワンドリブル付いた後、アリウープパスを投げる。

ルーカスがこれをスラムダンクで押し込み、最初の得点が決まった。

相手のフォワードがヘルプディフェンスに来ていたが、弾き飛ばしてのダンクだ。

流石はルーカス。

ゴール下、特にノーチャージエリアだと無敵である。

 

 

最初のセットオフェンスは上手く決めることができた。

だが、レアロ相手だとジェイコフのディフェンスが良いから、そもそも俺にボールが入ってこない気もするな・・・

パブロはディープスリーの確率が良くないから離れて守られるだろうし、今みたいに快適なポストプレイはできない気がする。

ヘルプディフェンスも元NBA選手のマウリカだから、アリウープパスもカットされそうだしなぁ。

 

そんなことを考えながらディフェンスしているうちに、ルーカスがリバウンドを取った。

こちらのオフェンスである。

次は俺がハンドラーになり、アイソレーションオフェンスを試すことにした。

右サイドに移動して合図を出すと、味方が全員左サイドに寄っていく。

 

俺は右手でドリブルをつきながら、ボールを左に弾いて左ドライブのフェイクを入れる。

相手ディフェンスが反応してコースを塞ぐが、俺は逆手で切り返して右から抜き去った。いわゆるシャムゴッドだ。

相手センターがヘルプに来たが、弾き飛ばしてダンクを決めた。

客席から「オフェンスファウルだろ!」という声が聞こえるが、既にノーチャージエリアに侵入していたので問題はない。

これで二連続得点だ。

 

 

さて、このオフェンスも上手くいったが、ジェイコフが俺のディフェンスをしてたら、あんな簡単に抜ける訳ないよな・・・

ジェイコフの読みは鋭いし、スピードも俺より速いし。

仮に抜けたとしても、ヘルプディフェンスがマウリカだからな。

パワーは互角だし、手も長い。

最悪ブロックされそうだ・・・

ジェイコフの身長を考えると3Pは簡単に打てそうだから、外で勝負するか?

いや、その場合運ゲーになるよな。

俺はアントニオほど確率良くないし。

うーん、対レアロを想定すると、どうにも練習になっている感じがしないな。

 

 

そんな感じで新しいセットオフェンスを試しながら、精度や問題点を確認していった。

基本的に新しいセットはハマり続け、得点を量産することができた。

しかし、やはり相手DFがそこまで強くないのが大きい気がする。

レアロを相手に通用するかどうかは微妙なところだ・・・

果たして今までのセットよりも強いのかどうか。

微妙なまま試合を終えることになってしまった。

 

 

 

 

尚、試合自体は129-89でボロ勝ちした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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NBA、やっぱめちゃくちゃ楽しいですね。
マブスはカイリーとルカのオフェンスが相変わらず強いし、新戦力のクレイも今のところ良いシューターです(3Pシュート、クイック過ぎるのに入るのが面白い)。
円高になったら、生のNBAを観に行きたいところ。
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