身長2m28cmの大男、平成元年の日本に転生する   作:はるあき 007

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お待たせしました。
本日よりプレイオフの話を投稿します。(基本毎日更新、偶に隔日)
間が空いてしまったので、数話ほどさかのぼって読んでもらえると読みやすいと思います。



16歳-19 プレイオフ決勝戦 第一戦①

決勝初戦の舞台となるパルミオ・デルタスタジアムには、試合開始を待ちわびる2万人のレアロ・サポーターが詰めかけていた。

 

スタンドはすでに青と白のレアロカラーで埋め尽くされ、掲げられたフラッグや横断幕がスタジアムの天井近くまでなびいている。

どこからともなく響く応援歌が観客の声をひとつにまとめ、まるで巨大な波のようにうねりながら場内を包み込んでいた。

 

メインスタンド中央には、" REALO IMPARABLE"(レアロは止められない)の横断幕が堂々と掲げられ、選手たちの入場を待つ観客たちの興奮が伝わってくる。

特に、チームの中心選手であるラッセルとマウリカ、ジェイコフの名が記されたボードがあちこちに掲げられ、彼らの登場を今か今かと待ち望んでいた。

 

スタジアムの屋根がわずかに震えるほどの地響きのような歓声が沸き起こる。

レアロのチームロゴが映し出されると、さらにボルテージは上がり、観客たちは手拍子を揃えてチームのチャントを歌い始めた。

 

敵地に乗り込んだラバリアの選手たちは、コートの隅でウォームアップをしている。そんな彼らに向けて、一部の観客がブーイングを飛ばす。

レアロのホームアドバンテージが、この決勝戦の鍵となることを物語っていた。

 

試合開始まであとわずか——。

この熱狂の中で、両チームは歴史に残る戦いを繰り広げようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、いよいよだ。

俺がラバリアに入って一年半、ついにここまで来た。

相手はレアロ。

去年のプレイオフでは惜敗してしまった相手だが、今年は健康なルーカスが居る。

パブロやエンソといった力強い新戦力も揃っている。

今年は俺達ラバリアが絶対勝つ!

 

 

「昨日のミーティングで言った通り、今日のオフェンスはダイのポストプレイをファーストオプションにする。ダイは1 on 1でマウリカに打ち勝ってくれ!ダイにダブルチームが来たときに備えて、俺たちはスペースを見つけて動き続けよう!」

 

「「「「おう!」」」」

 

ルーカスの指示に、俺たちは大声で応えた。

このスタジアムはレアロサポーターの声援が凄すぎて、普通の声量じゃ会話もままならないからな。

だが、俺たちのベンチの後ろには敵地へ駆けつけてくれたラバリアのサポーターもいる。

彼らの期待に応えるためにも、何としても勝利しないとな。

 

「パブロ!この作戦はポストの俺にボールを供給するところが鍵だ。ジェイコフのディフェンスはリーグトップクラスだから難しい要求になるが・・たのんだぞ!」

 

「任せてください!この日のために、コーチ陣と一緒にハンドリングとパス能力を磨いてきました。必ずダイさんにボールを届けます!」

 

パブロも気合十分だ。

まだプロ初年度で経験不足なはずなのに、このスタジアムに飲まれていない。

頼もしい限りだ。

 

 

試合開始直前のブザーがけたたましく鳴り響く。

最初のジャンプボールは、もちろん俺の役割だ。

レアロからは元NBAのスタープレイヤーであるマウリカが出てきた。

 

審判がセンターサークルに立ち、試合球を手にする。

会場は一瞬静まり返り、スタジアム中の注目が集まっているのを感じた。

 

「……tip-off!」

 

審判の手から放たれたボールが空へと舞う。

俺とマウリカが飛んだタイミングはほぼ同時だった。

しかし、身長と瞬発力で勝る俺が先にボールへと到達し、ボールを後方へと弾き飛ばした。

 

ボールは綺麗に後方へ流れ、パブロがすかさずキャッチした。

予定通り、最初のオフェンス権を手にすることができた。

敵地のブーイングが響く中、俺たちは落ち着いてセットオフェンスに入った。

 

自陣のゴール下へ近づくと、マウリカが俺にマッチアップしてきた。

彼がマークしてくるということは、こちらの作戦は読まれているようだ。

だが、読まれていようが関係ない。

俺が正面からマウリカに打ち勝てば良いだけだ。

 

マウリカに軽く体をぶつけ、面を張りパブロにボールを要求した。

パブロは俺がポストで良いポジションに居る事を確認し、こちらにパスを投げ・・

まずい!スティールだ!

ジェイコフが一瞬の隙をついて、パブロからボールを奪取した。

 

そのままの勢いでジェイコフがコートを駆ける。

慌ててディフェンスに戻るが、自陣の深い位置にいたためジェイコフのスピーディなドリブルに追い付くことができない。

くそっ・・レイアップを決められてしまった。

 

マウリカが俺にマッチアップしてきた時から分かってはいたが、相手はこちらのオフェンスを研究してきているようだ。

一番のウィークポイントを突かれた形だ。

パブロからボールをスティールして速攻を仕掛けられると、俺やルーカスがディフェンスに戻る時間がないからな。

 

「すみません!油断しました」

 

パブロが謝罪してきた。

 

「気にするな。あれはジェイコフの手が早すぎるだけだ・・ルーカス!スクリーンでジェイコフのディフェンスを剝がしてやってくれ」

 

「おう!それでいこう!」

 

ボール運びをしながら、3人で作戦を修正する。

 

パブロがコートの左側へボールを運び、ラバリアのオフェンスが始まる。

俺が先ほどと同じようにポストで面を張ると同時に、ルーカスがジェイコフにスクリーンをかけてジェイコフのディフェンスを剥がしに行く。

これでパスが来るはず・・あ!

ルーカスのディフェンダーとジェイコフがダブルチームでパブロを追い詰めている。

 

ヘルプに・・・いや、セーフティか。

俺が相手コートに向けて走り出すと同時に、ジェイコフがパブロからボールをスティールした。

ジェイコフは先ほどと同じように速攻を仕掛けようとしていたが、俺がディフェンスに戻っているのを見てドリブルのスピードを緩めた。

どうやら、セットオフェンスに切り替えるようだ。

 

先ほどのお返しをしようと、手を伸ばしながらジェイコフのマークを続ける。

が、流石にハンドリングが上手い。

全然隙が見当たらない。

スティールは難しいか。

 

「ダイ!スクリーン!」

 

左後方から、アントニオの声が響く。

どうやらラッセルがスクリーンで俺を剥がしに来たようだ。

 

俺はラッセルを素早く躱して、ジェイコフのディフェンスを継続する。

ジェイコフが左からドライブを仕掛けてきたが、既にスクリーンは躱していたので正面で受け止めることができた。

しかし、これを読んでいたかのように、3Pラインにポップアップしていたラッセルにパスが通る。

ラッセルがクイック気味の3Pシュートを放った。

 

「リバウンド!」

 

俺は叫びながらゴール下へ向かったが、ボールはネットに吸い込まれるように入っていった。

くそ、なんであんなクイックシュートが入るんだよ!

ミドルならまだしも、スリーポイントシュートだぞ。

 

「タイムアウト!」

 

と、ルーカスがタイムアウトを要求した。

少し早い気もするが・・・プレイオフ決勝だしな。

ここは立て直す必要があるか。

俺はハイタッチを交わすジェイコフとラッセルを背にして、ベンチに向けて歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

リーガABC プレイオフ決勝戦 TV中継

 

佐々木アナ:「さあ、緊張の中始まったプレイオフ決勝の初戦、まずはレアロが優勢に試合をすすめています。松木さん、ここまでの攻防の印象について、いかがですか?」

 

松木:「いやー、息をするのを忘れるぐらいの緊迫感!流石はプレイオフ決勝だね。ラバリアは準決勝でも試していた東雲君のポストプレイで攻めようとしてるんだけど、レアロは完全に読みきっていたね。対戦相手の戦術を分析するのをスカウティングって言うんだけど、レアロはそこが凄まじい!」

 

「ボールの起点になるパブロ選手にプレッシャーをかけることで、オフェンスを崩していましたね」

 

「そうそう!ジェイコフのディフェンスが上手いのはもちろんだけど、作戦が良く練られているよ。ポストに居る東雲君にボールが渡る前に潰しちゃおうって作戦だね」

 

「逆に言えば、ポストにいる東雲選手にボールが入ってしまうと止められないということなのかもしれません。松木さん、レアロのオフェンスに関してはどうですか?」

 

「ジェイコフの速攻は流石だね。スティールした直後、すぐにトップスピードでドリブルしていたよ。ラバリアはこのトランジションのオフェンスを止める必要があるね。セットオフェンスに関してはラッセルがファーストオプションみたいだけど・・いやー、彼もとんでもないタレントだよね。アントニオがプレッシャーをかけてたのに、タフなクイックシュートを決め切っていたよ」

 

「流石は元NBAトップ選手といったところでしょうか。さて、ラバリアは攻守ともに立て直しが求められますが・・・試合再開です!」

 

「おっと、東雲君がボール運びをしているね。ペイントエリアでのオフェンスは諦めたのかな?もったいない」

 

「ラバリアはいつものオフェンスに戻したようです。さて、東雲選手にはジェイコフ選手が付いています。先ほどと同様にスティールを狙っていますが、東雲選手は上手く体を当ててボールを保持しています」

 

「東雲君はジェイコフに比べると腕も長いからね、あの体格で体を当てられて遠くでドリブルされちゃあ、流石のジェイコフ選手もスティールは狙えないね」

 

「さて、東雲選手がハンドラーとしてボールをキープしています。ルーカス選手やアントニオ選手がスクリーンを絡めて動き回っていますが、果たして誰で来るのか・・」

 

「うん?東雲君、徐々にゴールに近づいてない?これって」

 

「おっと東雲選手、ジェイコフ選手を背にしてペイントエリアまで押して行って・・・最後はロール!躱してダンクを決めました!」

 

「はっはっは!彼はポストプレイを諦めてなかったみたいだね。ジェイコフ相手に悠々とシュートを決めたよ」

 

「流石のジェイコフ選手も、ゴール下での東雲選手は止めようがありません。身長と体格の差が歴然です」

 

「ルーカスやアントニオの動きも上手かったよね。完全に二人のどっちかで攻めると思ってたよ」

 

「さて、これで点数は2-5になりました。高度な戦術のぶつかり合い。どんな展開になるのか、全く想像ができません!」

 

 







nbaはプレイオフに向けて盛り上がってきてます。
ルカトレードにより推しチームの順位が入れ替わってレイカーズ、マブス、ウォリの順番で応援してる。ニコハリソンはどうかしてる。
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