身長2m28cmの大男、平成元年の日本に転生する   作:はるあき 007

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16歳-24 プレイオフ決勝戦 第七戦①

ラバリアのホームアリーナは、今まさに"沸騰"していた。

試合開始を目前に2万人の観客が詰めかけ、座席が足りずに立ち見のファンまで押し寄せている。

アリーナ全体が揺れてしまう程の歓声が響き渡り、観客がまるで一つの大きな生き物のように胎動していた。

 

天井から吊るされた巨大なラバリアのチーム旗が揺れ、赤と白の無数のフラッグが観客席で波打つ。

ファンが一斉に掲げる応援ボードには「Vamos LAVARIA!(行け、ラバリア!)」「Campeones en casa!(王者はここに!)」などの文字が踊っている。

アリーナの天井には、43年前から昨年までの42年間にわたるプレイオフ敗戦の歴史が投影されており、未だ優勝旗を手にしたことが無いことが伝わってきた。

しかし、それを見つめるラバリアサポーターの表情は期待に満ちており、今夜新たな歴史が刻まれることを予感させた。

DJクリスがコントロールするアップテンポな音楽が会場に流れ、さらに熱気を煽っている。

 

 

スピーカーから流れる激しいドラムビートに合わせて、サポーターたちは一糸乱れぬリズムで手を叩く。

「ダイ!ダイ!ダイ!」というコールが、スタンドの上段から下段まで響き渡る。

サポーター全体の指揮を執るのは、ラバリア専用のスポーツバーを経営し自身も熱狂的なサポーターとして知られるバーの店主、ダニエルだ。

彼の掛け声に合わせて、サポーターのコールと音楽、拍手が軽快なリズムとハーモニーを生み出し、会場の熱気をさらに高めていた。

その後ろでは、ファンが用意した巨大なコレオグラフィ(人文字)が広がり、"BIG7 BIG WIN "というメッセージが浮かび上がっている。

 

 

そんな熱狂と狂騒のなか、突如場内が暗転し一瞬の静寂が訪れた。

レーザーライトが交差し、巨大スクリーンにラバリアの選手たちのハイライト映像が映し出される。

観客のボルテージはさらに上がり、記者たちはカメラを掲げてその瞬間を記録しようとしている。

「Introducing YOUR LAVARIA!!」

 

アナウンサーの声とともに、一人ずつ選手が紹介されるたびに、まるで爆発したかのような歓声が沸き起こる。

そして最後に、「DAIIIIII SHINONOMEEEE!!」のコールとともに東雲大が登場すると、耳をつんざくような大歓声が巻き起こった。

彼が両手を軽く上げて応えると、ファンはさらに熱狂し、アリーナ全体が震えるようだった。

 

 

アップが終わり、選手たちはベンチで最後の作戦確認をしていた。

ラバリアのキャプテン、ルーカスはタオルで汗を拭きながら、冷静な表情で指示を出し、アントニオはじっとリングを見つめながら集中を高めている。

 

一方、レアロのベンチでは、ラッセルがにやりと笑いながらチームメイトと話し、ジェイコフは静かにシューレースを結び直していた。

そして、ついにティップオフの時間が近づく。

審判がセンターサークルへ向かい、ボールを手にすると、場内は一瞬の沈黙に包まれる。

そして――「ピーッ!」というホイッスルが鳴り響き、決戦の幕が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

俺は素早くジャンプしてボールを後ろにはじき出した。

予定通りパブロがボールを回収し、こちらのポゼッションになる。

いよいよ、最終決戦が始まった。

 

会場の盛り上がりに飲まれそうになるが、熱くなると大事な判断を失敗することもある。

まずは冷静さをキープして、しっかりとしたゲームメイクをする必要があるな。

 

俺はパブロからボールを受け取って、ドリブルをつき始めた。

ラッセルがプレッシャーをかけてきたので、俺はスティールされない様にレッグスルーを織り交ぜながらドリブルし、左ウィングまでボールを運んだ。

 

後半戦では、俺のマッチアップがジェイコフからラッセルに代わっている。

ラッセルはジェイコフよりもフィジカルがあるし、腕が長くスティールも上手いので厄介だ。

ジェイコフならインサイドに押し込んで展開を作ることができるのだが、それを封じられた形になる。

 

ただ、アントニオのマッチアップがジェイコフになっているので、ここで勝負を仕掛けることができる。

アントニオを見るとルーカスとフランクのダブルスクリーンを使ってゴール下から駆け上がっており、右ウィングでフリーになるところだった。

俺はアントニオの得意位置である右45度にドンピシャでパスを供給した。

 

アントニオはボールを受け取ると、ノーディップで素早く3Pシュートを放つ。

追いかけてきたジェイコフが腕を伸ばしているが、間に合っていない。

放たれたシュートは綺麗に放物線を描きながらリングへと近づき、そのままネットを揺らした。

 

「よっしゃぁ!!!」

「アントニオ!お前は最高だ!」

「どうだ観たか!史上最高のシューターの実力を!」

 

初得点ということもあり、観客席からも大きな歓声が上がっている。

やはりホーム戦は良いな。

チームに推進力をもたらしてくれる。

 

俺は観客にパワーをもらいながら、レアロのゴール下でマウリカと対面した。

マウリカはこちらに体をぶつけながらゴール下にポジションと取ろうとしてくるので、俺も押し返しながら半身でディフェンスし、ボールが入らない様にポジションを争った。

 

ディフェンスはマンツーマンだ。

初戦では3-2のゾーンディフェンス等も試したのだが、ジェイコフとラッセルを中心としたパスワークで崩されてしまうことが多かったので、マンツーマンに戻している。

 

ジェイコフはドリブルをしながらこちらを見ていたが、ポストでの勝負ができないと判断したのか、左ウィングのラッセルにパスを回した。

すると、ラッセルは3Pを・・いやフェイクだ!

ラッセルはアントニオを抜き去ると、ゴール下目掛けてドライブをしかけてきた。

急いで俺がヘルプに向かうと、ラッセルは急減速しフェイダウェイ気味にシュートを放つ。

 

しかし、後ろから追い付いたアントニオがそのシュートをブロック!

ボールがエンドラインに転がったので、俺はそれを追いかけしっかりとキープする。

 

やはり、アントニオのディフェンスは効果的だ。

フェイクに引っかかりやすいから抜かれることも多いが、腕が長くスピードがあるお陰でブロックやスティールでラッセルを止めることができる。

勝率は高くないものの、他の選手がマッチアップしたらほぼ確実にやられてしまうところだからな。

多少ギャンブルにはなるが、アントニオに任せた方が良いというわけだ。

 

俺が自陣の右ウィングの位置までボールを運んでいると、ルーカスとフランクがアントニオの元にスクリーンをかけに行った。

アントニオを警戒し、ジェイコフを筆頭としたDF3人が右ウィングまで引き出される。

 

その瞬間、左コーナーに待機していたパブロがカットインする。

俺はその隙を見逃さず、ゴールに向けてアリウープパスを出すと、パブロがそれをゴールヘ叩き込んだ。

 

「パブローー!!」

「今年の新人王はお前に決まりだ!!」

 

沸き立つラバリアサポーター。

 

よし。

これで5-0。

試合前のディスカッションで思い描いた通りの展開になっている。

 

このままの勢いで、勝たせてもらおうじゃないか!

 

 

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