大変ありがとうございます!!
さて、なんやかんやあって検問所を通過したA組一同はそのまま大型輸送車で街に向かい始めた。
まず見えてきたのは河原であった。
「あれが畜生街まで流れ最終的には海まで通じている川である『畜生川』です。別名は『三途の川』ですが」
「三途の川‥‥なんとも物騒な名前ですね」
「まぁしっかりとした理由があるんですよ。あ、そうそうこれから橋を渡りますがトラウマになりたくなければ川を見ないようにしてください」
「え??」
といってももう遅かった。
彼らを乗せた輸送車は既に橋の真上に到達しており、川に何が浮かんでいるかはっきりと見えてしまったのだ。
そう、人の死体である。
「ひっ!!」「あ、あれって!!」
「はァァァ‥‥。まったく、あのバカ共が…一週間は捨てるなと告知しておいたでしょうに‥‥」
「いえ、おそらくですが室長。以前に錘を付けて沈められた者が浮かんできたものと思われます」
「‥‥なるほど、ではあとで回収してあげてください。せめてもの情けです。無縁仏として集団墓地に埋葬してあげてください」
「はい」
A組一同が悲鳴を上げるか唖然とする最中、カヤは普段からこのあたりで訓練等をしているゲヘナ戦闘団のアコから説明を受け、先ほどの御遺体を無縁仏として葬るように手配させていた。
「そんな悠長にしている場合ですか!?今すぐに警察とヒーローに!!」
「確かあなたはA組委員長でしたね?この畜生街では我々防衛室とヴァルキューレ、ゲヘナ戦闘団が警察機構なんです。我々がいいと言えばいいのですよ」
「それにそもそも死体が川に上がるなんてのは日常茶飯事ですから」
そうカヤとアコが言い放つとA組一同は唖然とし、プロであるはずの相澤・オールマイトでさえも顔をしかめた。
この畜生川は検問所の近くであり、河川敷の近くは砂漠となっている。街中で死体を処分しようとするとすぐにヴァルキューレ警察に発見されるかその場所をシマにしているヤクザにシマを荒らされたと判断されてすぐさま捕まるかケジメをつけさせられる。
ならば砂漠近郊であり、河川敷のマフィアモドキやヘルメット団以外めったに近づかないエリアの川に捨ててしまえとばかりに死体が投げ込まれたりするのだ。
おかげで最近はこのあたりで訓練をするゲヘナ戦闘団が息抜き気分でパトロールしていたら身元不明遺体を見つけることなんか結構ざらになってしまっている。
とはいえ壁の外で生活してきた彼らからしてみれば異常である。
「取り締まらないのかい?」
オールマイトが半分あきらめに近い空気の中聞くが…
「取り締まろうにも手が足りないんですよそれに実行犯をたかだか数人とらえたところでこの手の行為がなくなるわけじゃありませんし。というか被害者の大半が浮浪者やヤクザの構成員なんですからどうやっても被害を減らすことはかないません」
カヤの発言には畜生街の悲しい現状がうかがえる。
そもそもヤクザ同士の抗争が頻発する畜生街。いくら警戒や治安維持に走っても無意味な場所は少なくない。例えば浮浪者たち。最近は新興宗教の『埴輪教』に入信して生活の安定を求める者が増えた結果、数が少なくなったが今でも多くの家を持てない浮浪者がいる。
そんな者たちは中小ヤクザから鉄砲玉として他の組織の構成員や幹部、時には組長を暗殺させれられる仕事をやらされたりするのだ。
金払いがいいから・報酬が高いと言った理由で請け負う輩が多いが受け取れるのは少数で大抵は護衛に返り討ちに合うか、成功しても護衛にハチの巣にされるのが関の山である。
そんな彼らの遺体は正直言って依頼した側・襲撃された側双方からしても始末に困るのだ。
下手に放置すると周辺一帯のすべての組織がヴァルキューレの強制捜査を受ける羽目になる上に、無関係のカタギを巻き込んだことで三大ヤクザからケジメを取らされたりするのだ。
なのでこの川を処理場にしている連中が多いのだ。
「さ、ここから砂漠地帯に入りますが‥‥。一応覚悟しておいてくださいね?」
『え??』
砂漠‥‥通称『畜生砂漠』と言われるこの地帯はかつてはただの野原であった。
しかし、超常黎明期にこの隔離壁内に当時の個性保持者たちが押しこまれてから数十年間ここにゴミが不法投棄されていたのだ。
処理しようにも政府は無関心で何もしてくれない。やむなく当時の自治団体は火を放って処理した。
そのせいか土地が荒れ果て、草木一本も生えない砂漠が一部のエリアに出現するという特異な地形が出来上がった。
そしてこの地はヘルメット団の縄張りとなっている。
ダダン!!ダダダダダダダダダダ!!!!!!
『こちら警備隊三号車!!後方からカタカタヘルメット団が追撃してきています!!敵戦力はSd Kfz 234/2プーマ装甲車八両に大型トラック一台!!現在応戦中!!』
「ちっ!!やはり来ましたか。やむを得ません!街中警備中の第五小隊に招集!!今すぐ救援に来させなさい!!」
『了解!!』
ヘルメット団は多数の派閥に分かれている、カタカタ・メタメタ・ブラックなどなど。
まぁともかくこのヘルメット団は盗賊のような武装不良集団だ。
相手が何者であろうと普通に襲う。
例え三大ヤクザの傘下であろうと‥‥‥
例え壁の外から来た者達からも‥‥‥‥
例え防衛室であっても…‥
「後部護衛隊迎撃中!!!」
「第五小隊はまだか!!」
あの後、A組一同を乗せた大型輸送車率いる護送隊は砂漠のど真ん中で停止することを余儀なくされた。
重装甲偵察車『プーマ』ドイツ軍が砂漠地帯での運用を想定し開発した八輪装甲車である。主砲として搭載している5㎝砲は100㎜の貫徹力がある上に装甲もある程度は有している。
M2ブローニング程度しかない護衛隊では結構きつい相手だ。
かといって雄英生なんぞに相手にできる代物でもない。砲弾・銃弾はすべて実弾だ。近くに着弾しただけで大けが必須なのだから。
オールマイトが飛び出して一台ひっくり返したがヘルメット団は走り回ることでオールマイトからの攻撃を回避し続けた。
おかげで護衛隊が攻撃しずらくなり、事態を悪化させるだけにとどまってしまった。
結局、三十分後にヴァルキューレ警察警備局第五小隊がKF51パンター戦車を三両とXM8AGS軽戦車*1八両を引き連れて到着し、鎮圧したが今回の案件はやはり前途多難だなとカヤは改めて思ったという。
次回 街中
ブルアカ物で小説書くとしたらどれがいいでしょうか?(原作知らないのも混じってます)
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