私の畜生街   作:島田愛里寿

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第九話

砂漠でカタカタヘルメット団の襲撃を辛くも潜り抜けたA組一行であったが、街の中に車列が進むにつれて表情が曇っていく一方であった。

 

 

「‥‥」「ひどい‥‥」

 

 

 

そんなセリフが出るくらいには…。

 

 

そもそも畜生街ではきれいな場所は限られている。

 

大抵は埃が舞ってうっそうとした空気をしているのだ。

 

 

おまけに基本、薬物売買・人身売買に関しては厳禁レベルでヴァルキューレから禁止されているが他の犯罪行為に関しては日常茶飯事であるので普通に横行している。

 

 

『新入荷のM4カービンとHK416が今のおすすめだよ!!』

 

 

『ガトリング砲はないのか?』

 

 

『あ?ミニガンならあるが?』

 

 

『いいや!!ガトリング砲があるはずだ!!手回し式のを寄越せ!!』

 

 

『いやかなりの骨董品だよなそれ!?明治あたりの時代のやつだろ!!』

 

 

『私はガトリング斎と呼ばれた男だ!!そこは譲れん!!』

 

 

『めんどくせえ奴だなお前!!』

 

 

さらにはあちらこちらに銃砲店が見受けられ…。

 

 

『おいお前さっき俺の財布盗んだだろうが返せ!!』

 

 

『ふん!証拠があんのかよ!!』

 

 

『この野郎!!』

 

 

バキュン!バキュン!!

 

 

普通に武器が販売されているし、喧嘩で銃が発砲されている光景が見える。

 

 

はっきり言って、ヴィランが暴れてもヒーローや警察に鎮圧される隔離壁の外より断然危険である。

 

 

 

「この街では銃は合法ですのお気になさらず。代わりに薬物を厳禁にしていますからタバコが横行する羽目になってますがね?」

 

 

「いやいやいや!!あそこで銃撃戦が起こってますよ!?止めなくていいんですか!?」

 

 

葉隠は驚いた様子で言うが

 

 

「あんなのも日常茶飯事ですよ。それにここは勁牙組のシマ、下手に首を突っ込むとこっちも絡まれますから放置です放置。それにここの治安を建前上は私達から任されている組の連中が面子潰されて黙ってますか?」

 

 

「まぁ十中八九ケジメ案件ですね」

 

 

カヤとアコがそう返している最中も組員らしき男と女たちがケンカ*1していた両名をしばき倒してどこかに連れて行った。

 

 

「相変わらず指定ヴィラン団体と合同で何かやっているんだね?」

 

 

「《任侠組織》と言ってくれませんかね?オールマイト。指定ヴィラン団体なんて言葉は任侠者達にとってはケンカを売っているも同然の呼び名ですから」

 

 

「そうですよ。彼ら彼女らは自分たちの組織や立場に誇りを持っています。政府が勝手に決めた分別名で呼ばれることを最も嫌いますからね」

 

 

オールマイトのその発言にカヤとアコはそう返す。

 

 

なんせ以前に畜生街に来た政府の役人連中が三大ヤクザを『指定ヴィラン団体に指定する。さっさと解散させろ』と三大ヤクザの組長らの目の前でカヤに通告してきた際にはその役人数名が数分後に川に浮かんでいたなんて事態が起きたのだ。

 

 

おかげで政府主導で警察力による介入が行われかけた際に防衛室側も戦車・戦闘ヘリ・装甲車等を総動員して内戦一歩手前に発展しかけたのだ。

 

 

なんとか互いの穏健派主導による交渉で双方ともに部隊を引いて表面上は一件落着となったが‥‥。

 

 

 

「さて、ここからは我々防衛室とその他の行政室が存在するサンクトゥムタワーエリアです」

 

 

カヤの発言とともに周囲の風貌は一変した。

 

 

 

そこは純白に近い巨大な高層ビルを中心に、大小さまざまなビル街と中華風だったり日本の昔ながらの商店街が立ち並び、まさに街の中心部と言える光景であった。

 

 

といってもここが畜生街であることに変わりなく‥‥

 

 

『食い逃げだーー!!捕まえろ!!』

 

 

『立ち食い師に気を付けてって警告出てたでしょうがーーー!!!』

 

 

立ち食い蕎麦屋から食い逃げが出ていた。

 

 

 

畜生街 鬼傑組傘下のとある中華料理店

 

 

「お二人とも、件のお客さん方がようやく来たそうですよ?」

 

そう言うのは鬼傑組の組長である吉弔八千慧である。彼女の座る席の反対側には二人の女性が座っていた。

 

 

「やれやれ、あの腰抜け連中にこの街の洗礼を受けさせようたぁあの嬢ちゃんもなかなかえぐいことをするなぁ?」

 

 

そう言うのは剛欲同盟リーダーの饕餮尤魔である。彼女はこの畜生街のライフラインのほとんどを手中に収めている関係上、防衛室にも大きな顔を示せる数少ない人物である。

 

 

「おいおい。あいつはなかなかな策士だぞ?この前なんか私の部下の暴走で発生した事件を穏便に済ます代わりにうちのシマでの捜査権の拡大を通しやがったからな?」

 

 

そう言い返したのは勁牙組の組長の驪駒早鬼である。

 

 

今日は雄英高校ヒーロー科一年A組の面々の出迎え日であると同時に畜生街の顔役たちである三大ヤクザによる組長連絡会の日でもあるのだ。

 

 

 

「いえいえ。今回はカヤちゃんの策謀ではなく政府の横やりが原因のようですよ?」

 

 

「なんだよ。いまだに私らの組をつぶそうってのか」

 

 

吉弔の話に驪駒は嫌悪感をあらわにする。

 

 

この街が政府に再度認知されて以降、この街に対する圧力は年々強まるばかりなのだ。

 

 

実はこの街は政府にとっては喉から手が出るほど欲しい存在になっていたのだ。

 

 

剛欲同盟の保有している油田は日本が使う石油の数百年分の量が埋蔵していると言われており、政府としては国有化させて利権を山分けしたいのだ。

 

さらに世界各国の大企業も薬物実験のための人体実験の素体の確保目的や土地の確保をしたいからと日本政府経由で圧力をかけ続けており、三大ヤクザとしては工作員等をしばくか処理するかしているのだが、そうすると政府が介入しようとしてくるので防衛室の負担が増えているのだ。

 

 

(普段は悪辣非道な三人であるがさすがにこの事態に関してはカヤに謝ったという)

 

 

おかげで政府内の穏健派からは第二の成田空港問題なんて呼ばれていたりしており、政府にとっては身から出た錆ではあるのだが不名誉な事態になっていたりするのだ。

 

 

それにヒーローとかいう存在も気に食わない。

 

 

各自のシマを統治するという方式で何とか苦労して治安を維持してきた過去を持つ彼女たちにとって自己正義で物事に介入しようとしてくるヒーローは目障り以外の何物でもない。

 

 

各自の領域を互いに尊重して時には不干渉も取り合うことで現状維持に努めている彼女たちの苦労が水の泡に返した件もいくつかあるのだ。

 

 

「あの産業廃棄物共の候補者たちをカヤはどう扱うのか見ものですねぇ…」

*1
どっからどう見ても銃撃戦だが




次回 今後の説明・オールマイトとの話

ブルアカ物で小説書くとしたらどれがいいでしょうか?(原作知らないのも混じってます)

  • ブルアカ×アークナイツ
  • ブルアカ(転生カヤ主人公)
  • ブルアカ(オリジナル学園)
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