私の畜生街   作:島田愛里寿

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第十五話

さて、前話の翌日‥‥

 

 

雄英生たちと相澤・オールマイトは防衛室に呼び出されていた。

 

 

「さて?弁明があるなら聞きますが?(#^ω^)」

 

 

とカヤが出迎えつつ内心ではまったく笑っていない笑顔でそう言ってきたのだ。

 

 

雄英生たちからしたらどういうことか分からない。

 

 

彼らからすれば彼らが思うヒーローとしての行いをしただけだ。

 

 

とはいえ畜生街での常識が染みついているカヤたち防衛室・ヴァルキューレ警察からすればたまったものではない。

 

 

「えっと…なにがですか?」

 

 

緑谷はよくわからずにそう返したがこれがカヤの堪忍袋の緒をたたっ切ることとなった。

 

 

「分かっていないようですね?いいですか??あなたたちの勝手な戦闘行為で本来なら強制捜査を行う予定だった悪徳銀行は建物ごと倒壊。おまけに拘束予定だった覆面水着団の面々は一名を除いてあなた方がブルー相手に苦戦している間に逃走する始末‥‥一体あなた方は何がしたかったんですかぁ??」

 

 

カヤからすればもはやこいつらは疫病神だ。

 

 

普段であればこの時間には大量の書類を片付けて次長かもしくはリン行政官と紅茶かコーヒーを嗜んでいたのだが先日の事件の後始末に追われてまともに寝られなかったのだ。

 

 

彼女としては今すぐ布団で寝たいがこいつらに一言でも言っておかないとまた同じことを起こすに違いないという直感から眠気を我慢して呼び出したのだ。

 

 

 

「いったい何を考えているんですかほんとに!!本来ならあの場で覆面水着団の面々は全員拘束できていたんですよ!!なのにあなた方が介入してきたせいで取り逃がす始末!!」

 

 

「いやでも!!あの場ではあれしか!!」

 

 

「百歩…いえ千歩譲って交戦したのは目をつむりましょう!!ですがその後の行為が問題なんですよ!!何でこっちの制止を無視して戦闘に参加するんですか!!おかげで現場が混乱して取り逃がす原因になったんですよ!!」

 

 

カヤは完全に怒り狂っており、飯田がクラスを代表してした必死の弁明も一蹴して怒鳴りつける。

 

 

「それとそこの脳筋筋肉ゴリラ!!」

 

 

「ご、ゴリラ!?」

 

 

「そうですよ!!そもそもあなたは引率としてきたんでしょうが!!何で救助活動をしてるんですか!!それと相澤先生でしたっけ!?あなたも合理的かなんぞで判断するな!!ここに来たからにはこっちの指示に従うようにと事前に言いましたよね!?隔離壁外のあなた方はまともに約束もまもれないんですかぁ!!!」

 

 

「ひっ…!!」

 

 

「ゼイゼイ‥‥‥‥!!!」

 

 

 

ぶち切れ状態のカヤはオールマイトを脳筋筋肉ゴリラ呼ばわりし、葉隠をビビらせるレベルで烈火のごとく怒鳴り散らして息切れを起こしていた。

 

 

おまけに普段目を閉じてニコニコしていたので『物腰の柔らかくて話の通じそうな温厚な人だな~』と雄英生たち達は思っていたので目を見開いてヤギのような眼をして切れ散らかしている光景を見て砂藤も少しちびっていた。

 

 

 

「し、室長。少し落ち着きましょう?ほら、この人たち固まってます」

 

 

「す、すみませんね。次長」

 

 

流石に見かねた次長がカヤをなだめてお茶を差し出した。

 

 

そしてなんとか落ち着いたカヤは‥‥

 

 

「ふぅ‥‥。とにかく今日一日はこのサンクトゥムタワーエリアで書類仕事の手伝いを任せます。あ、あと引率の先生お二人には始末書三百枚をやってもらいますから」

 

 

『ええ!?』

 

 

唐突な予定変更にA組一同は驚愕するとともに担任である相澤とオールマイトに課された始末書の量に唖然とした。

 

 

『さすがに…』と異論をはさもうとしたが…

 

 

「なにか文句でも…?(#^ω^)」

 

 

 

とカヤから満面の笑みでそう言われてしまい身の安全を優先して引き下がることになった。

 

 

この時、彼らは笑顔とは本来は攻撃的なものであることを本能で理解した。

 

 

 

 

さて、書類手伝いを命じられた彼らであったが‥‥。

 

 

 

 

「これは駄目ですね、誤字脱字がひどい。これも駄目です。これもこれも‥‥」

 

 

財務室にて同室室長の扇喜アオイの洗礼を受けていた。

 

 

今日彼らが書類仕事の手伝いを命じられた部署は財務室。

 

 

要は畜生街防衛室を含む行政室や交通室等といった畜生街の根幹にかかわる部署すべての金庫番ともいうべき部署である。

 

 

下手をすれば防衛室がどのような予算を運用しているかバレる可能性があるのだがカヤは『彼女の下でならそんなことを考える暇すら生まれませんよ』と言い放っていた。

 

 

実際その通りであった。

 

 

そもそも高校生レベルのカヤやアオイ、カンナ等が書類仕事や銃撃戦をやっているだけでも隔離壁外の住民からすれば異常であり、難なくこなすことすら異常なのだ。

 

 

その各室の中でも特に苛烈なのがこの財務室だ。

 

 

その仕事を手伝わせられれば‥‥当然であるが、疲弊しまくる。

 

 

 

スパイみたいな行為をしようとすれば暇だと思ったアオイに仕事を振られ、休憩を十分で切り上げられて作業続行。

 

はっきり言ってブラック企業の社畜同然の扱いであった。

 

 

 

※ちなみに普段はここまで苛烈ではなく、財務室室長や財務室一般メンバーも普通の会社員のような業務状況なのだが、雄英生たちの行動で発生した多数の損害への修理費用関係の書類が一気に来たのでこの有様なのだ。

 

 

なおアオイ自身は極めて中立的な思想の持ち主なので特に他意はなかったが、極限まで彼らをこき使うこととなったというのは言うまでもない。

 

 

 

それと相澤とオールマイトはカヤが言った三百枚どころか四百枚の始末書を一日で終わらせるように指示されて必死にやった結果、日付が変わる数分前にようやく出してきたそうだ。

 




次回 花街

もしこれの後に書くとしたらどれがいいでしょうか?設定自体は書いているんですが…

  • 転生カヤもの
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